歴史評論
特集「敗戦80年と歴史研究」 ◆源川真希*1 ◆佐々木啓*2 ◆山田朗*3 ◆平井和子*4 ◆金子龍司*5 ◆坂口正彦*6 *1:東京都立大学教授。著書『近現代日本の地域政治構造:大正デモクラシーの崩壊と普選体制の確立』(2001年、日本経済評論社)、『東京市政』(2007年…
特集「鎌倉時代史研究の現在」 ◆鎌倉期の王家*1・摂関家と貴族社会(海上貴彦(うなかみ・たかひこ)*2) (内容紹介) 「鎌倉期における王家・摂関家」の変容の特徴を「分散から統合」「自立から他律」と表現している。 「分散から統合」とは所領の「分割相…
特集「歴史認識のポリティクス:地域・国家・市場Ⅲ」 【前振り】 なお、新刊紹介:「歴史評論」2024年11月号(副題:戸板康二『團十郎切腹事件』の一部ネタばらしがあります) - bogus-simotukareのブログでも、この特集については触れてるのでこの機会に紹…
特集「歴史学の焦点」 辻論文(中世の遊女)は「時代(辻論文は中世、大河は近世(江戸時代))が違うとは言え、今年の大河ドラマ『べらぼう』で遊女(小芝風花が演じる花魁「瀬川」(横浜流星が演じる主人公「蔦屋重三郎」の幼馴染み)など)を取り上げたか…
特集「歴史学と科学運動の現在」 ◆歴科協における科学運動(大日方純夫*1) (内容紹介) 歴史科学協議会(歴科協)の事務局長(1991~1994年)、「歴史評論」編集長(2003~2006年)、代表委員(2006~2009年)などを務めた筆者が自らが関わった時期を中心…
◆報告:ページ数の削減について 物価高騰により「価格値上げ」「ページ削減」のいずれを行うか*1と検討した結果、しばらく前に値上げしたばかりなので、現在112ページのページ数を96ページに削減することを断腸の思いで決定したとのこと。 特集「再考・美術…
「トランプ・ファースト」はどこに向かうのか - 高世仁のジャーナルな日々 第一次世界大戦の敗北の教訓と反省から作られたきわめて民主的なワイマール憲法のもとで、国民は既得権層の支配の打倒と抜本的な改革を訴えるヒトラーとナチ党を選んだのである。 近…
特集「警察史の可能性」 小生が何とか紹介できる物のみ簡単に紹介します。 ◆明治期日本の「貧民警察」問題(高岡裕之*1) (内容紹介) ヘルマン・ロエスレル - Wikipedia 伊藤博文*2の信任を得て、アルベルト・モッセらと共に大日本帝国憲法作成や商法草案…
特集「日本古代国家形成史研究の最前線」 ◆国家形成史研究の歩み(森田喜久男*1) (内容紹介) 特集の総論的な内容。 ・藤間生大*2『日本古代国家』(1946年、伊藤書店) ・石母田正*3『日本の古代国家』(1971年、岩波書店→後に岩波文庫) ・吉田晶*4『日…
特集「帰還兵*1研究の国際化を展望する」 こういうタイトルですが、6本の掲載論文のウチ「3本が米国関係(残りは中国1本、韓国1本、日本を主として論じてるが戦争トラウマ関係1本)」で「米国関係3本」のうち2本が「差別問題(黒人帰還兵差別、メキシコ系帰…
特集「屯倉(みやけ)・国造(くにのみやつこ)から見る古代東国の地域社会」 ◆屯倉から評・郡へ:橘花屯倉から官衙・寺院の成立(三舟隆之*1) ◆考古学から見た東国(関東地方)の官衙遺跡:橘樹官衙遺跡群を中心に(栗田一生) ◆武蔵国造の乱と橘樹郡の古…
特集『近世日本の宗教の規律化と自律性』 ◆近世日本の政治文化とキリシタン禁令(大橋幸泰*1) (内容紹介) 徳川家光政権での島原天草一揆(島原の乱)以前、つまり豊臣秀吉、徳川家康、秀忠時代にもキリシタン禁令はあったが、それを強固にしたのが、板倉…
「 松浦光修氏が語る特別な『わが国』 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト 「言論テレビ」で皇學館大学教授の松浦光修氏*1に語ってもらった。 松浦氏は安倍晋三*2総理や中川昭一氏*3らが創った若手保守議員の勉強会(後の創生日本*4)の、いわば指導に当た…
特集『慰霊と顕彰*1から考える日本の近現代』 【前振り】 必ずしも「全ての論文」で靖国、護国神社について触れてるわけではないですが、「(戦没者の)慰霊と顕彰」と言った場合、靖国、護国神社は「国営だった戦前」は勿論「今も自民政治家らが集団参拝す…
特集『慰霊と顕彰から考える日本の近現代』 ◆「戦没者」の二重性と戦後日本(今井勇*1) (内容紹介) タイトルの「二重性」とは「加害者性と被害者性」です。「民間人の戦没者」はともかく、日中戦争、太平洋戦争は日本の侵略だし「南京事件」「バターン死…
石丸の件で以前書いた「以下の拙記事」を思い出しました。 新刊紹介:「歴史評論」2024年6月号 - bogus-simotukareのブログ ◆パブリック・ヒストリー*1と非専門家:歴史実践におけるオーソリティの共有(菅豊*2) (内容紹介) 学会では「問題点がありすぎる…
特集『オーラル・ヒストリーがひらく世界』 【追記】 オーラル・ヒストリーの重要性と「やっぱり時間が経たないと証言がでてこないな」ということを痛感する - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でご紹介頂きました。 いつもありがとうございます。 なお…
【1】 新刊紹介:「歴史評論」2024年7月号(副題:NHK朝ドラ『鳩子の海』の紹介、ほか) - bogus-simotukareのブログの ◆戦国合戦図屏風研究の論点(高橋修*1)の(内容紹介)で「尾張藩付家老・成瀬氏」について 元和3年(1617年)、尾張藩主・徳川義直の附…
特集『ビジュアル資料と歴史研究のいま』 ビジュアル資料という場合、「写真」「映像(映画等)」も入りますが、今回は絵画のみが取り上げられています。 ◆中世荘園絵図研究の軌跡と展望(井上聡*1) (内容紹介) まずは、黒田日出男*2『中世荘園絵図の解釈…
特集『第57回大会報告特集/歴史認識のポリティクス(地域・国家・市場)Ⅱ』 ◆いま・ここを知るため史学史を顧みる(小田中直樹*1) (内容紹介) 以前、筆者が『歴史学のトリセツ』(2022年、ちくまプリマ―新書)で史学史について論じた内容が改めて論じ…
特集『「ポスト・トゥルース*1」時代のドイツ現代史研究』 ◆ヴァイマル共和国研究の現在:「一九二三」「一九三三」のアクチュアリティ(小野寺拓也*2) (内容紹介) Q&A形式で書いてみます。 Q 「「一九二三」「一九三三」のアクチュアリティ」とはどう…
特集『近現代国家と国葬・公葬』 ◆近現代日本の国葬に関する研究の現状と課題(宮間純一*1) (内容紹介) Q&A形式で書きます。なお、宮間氏が日本近代史家ということで内容は日本限定です。 Q 日本の国葬は何時始まったのですか? A 事実上の国葬は「紀…
選択的夫婦別姓、女性就労支援の「一丁目一番地」 経団連会長(毎日新聞, 2/13) - kojitakenの日記 「女性就労支援の一丁目一番地」はむしろ「待機児童問題の解決(働き続けながら子育てができる)」「男女間賃金格差の是正(格差で女性の労働意欲がそがれ…
特集『ジェンダー主流化と歴史教育』 【前振り】 「ジェンダー主流化」については以下を紹介しておきます。平たく言えば「従来軽視されていたジェンダーの視点を政治、行政等の分野に組み込む」と言う話かと思います。 ジェンダー平等の日本へ いまこそ政治…
特集『律令官人制研究の新展開』 ◆律令官人制をめぐる諸問題:サボる官人を中心に(上村正裕*1) (内容紹介) 「官人のサボり(懈怠)」が論じられていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。 参考 【歴史遺産コース】歴史研究の進め方―通説を疑っ…
特集『〈紫式部〉を歴史から読み解く』 (前振り) 一般財団法人 歴史科学協議会(2023年12月時点の記載) 2024年のNHK大河ドラマは「光る君へ」。大河ドラマ史上二番目に古い時代*1を扱うこと、女性が主人公であること、何より、あの『源氏物語』を書い…
特集『日本の近代化と貨物鉄道:一五〇年*1を迎えて』 (前振り) 「貨物鉄道150年」については以下を紹介しておきます。 貨物鉄道輸送150年記念特設サイト | JR貨物 日本貨物鉄道株式会社 貨物鉄道輸送は、(ボーガス注:旅客)鉄道が開業した翌年の1873年…
特集『画期としての明治六年:政変*1150年を記念して』 ◆維新史研究における明治六年政変の意義と課題(大庭裕介*2) (内容紹介) まず毛利敏彦*3『明治六年政変の研究』(1978年、有斐閣)、『明治六年政変』(1979年、中公新書)とそれに対する田村貞…
特集『ロシア・ウクライナ戦争から考える』 無能な小生にとって、可能な範囲で紹介します。 「から考える」であって「を考える」ではない点に注意しましょう。 伊香論文『戦争違法化体制と「侵略戦争」』、笠原論文『日本の中国侵略とその教訓』は「論文タイ…
特集『関東大震災研究の論点と課題2023』 無能な小生にとって、可能な範囲で紹介します。 【前振り】 【1】 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230818/k10014166901000.html2023.8.18 関東大震災 朝鮮人虐殺「記録ない」/官房長官 資料の存在を無視2023.8.…