黒坂真に突っ込む(2020年1月4日分)

◆黒坂ツイートにコメント

黒坂真リツイート
・飯山陽*1
 スレイマーニーを「清貧の軍人」と称える朝日新聞テヘラン支局杉崎慎弥氏。
殺害されたのは国民的英雄 後戻りできない米国とイラン:朝日新聞デジタル

 勘の鋭い方はすぐに予想がつくでしょうが、杉崎氏は「スレイマニを清貧の軍人と称えてる」のではなく、「清貧の軍人としてイランでは称えられてる→スレイマニ暗殺でイランの反米感情が高まりそう」と指摘しているだけです。
 「そうした杉崎氏の事実認識は間違ってる。スレイマニはそんな評価をされてない、スレイマニ暗殺はイランの反米感情を高めない」などと言う指摘ならともかく、黒坂や飯山の主張は「杉崎氏の事実認識」を「杉崎氏のスレイマニ評価」と曲解して言いがかりを付けてるだけなので話になりません。
 「清貧の軍人として称えられてるという事実の指摘」と「清貧の軍人として杉崎氏が評価すること」の区別がマジで出来ないなら黒坂と飯山はバカだし、故意に曲解してるならクズです(多分後者のクズでしょうが)。

黒坂真リツイート
 福島みずほ議員。ソレイマニ司令官はシリアとイラクで虐殺を行った人物らしい。イランの革命防衛隊という組織について、少しは調べて発言すべきではないでしょうか。

 いつも共産党にしか因縁を付けない黒坂が社民党に因縁を付けるとは珍しいですがそれはさておき。
 福島氏は志位氏同様に「どんな理由があろうと非合法な殺害行為は許されない、スレイマニ殺害は違法行為だ」としているのであって「スレイマニは悪人ではない」「スレイマニは偉大な人物」などとは何一つ言ってないので黒坂のツイートは何の反論にもなっていません。
 別記事でも書きましたが「三菱銀行人質事件の梅川昭美」のような「4人殺害した凶悪犯」でも「生け捕りに出来るのなら生け捕りにしないといけない」のが法治主義です。スレイマニ暗殺への批判も話はこれと同じです。
 黒坂の立場だと「梅川昭美は問答無用で射殺していい」のかもしれませんが警察ですらそんな馬鹿なことは言わない。
 あるいはこの黒坂の理屈なら「韓国統監として、韓国の独立運動を弾圧し、独立運動家を殺害した虐殺犯罪者の一人・伊藤博文*2」を安重根が暗殺したことは「黒坂にとってのスレイマニ暗殺」同様の「当然の義挙」であり、「安重根はテロリスト」という菅官房長官に対し

 菅官房長官伊藤博文は韓国で虐殺を行った人物らしい。伊藤博文と明治政府について、少しは調べて発言すべきではないでしょうか。

と批判すべきではないのか(勿論黒坂は菅と一緒に安重根に悪口するウヨの立場ですが)。

黒坂真リツイート
‏ 日本共産党本部の皆さん。中東での戦争の原因は常に米国にある、とお考えですか

 やれやれですね。日本共産党が言っても居ないことを言ったことにするから呆れます。
 「米軍のイラン革命防衛隊幹部将校スレイマニの暗殺は国際法違反の疑いが濃厚で、また中東の緊張を高める愚行だと思うので批判する」「米国がイランとの対立をこれ以上、エスカレートさせないことを望む。米国、イランとも軍事対応は自重し対話のテーブルに着くべきだ」と志位委員長が表明したことが何で「中東での戦争の原因は常に米国にある」なのか。
 黒坂ははっきりと「米国の行為は緊張をエスカレートさせない」「スレイマニ暗殺行為は国際法違反ではない」などと反論すればいいでしょう。おそらくそのように反論することに躊躇したのでしょうが。

*1:著書『イスラム教の論理』(2018年、新潮新書)、『イスラム2.0』(2019年、河出新書

*2:工部卿宮内卿宮内大臣、首相、枢密院議長、貴族院議長、韓国統監など歴任。元老の一人。