埼玉県営プールの水着撮影会の件(2023年6月12日分)

大野もとひろ埼玉県知事
 県営プールでの水着撮影会について経緯と状況についてご報告します。しらこばと公園では昨年12月に詳細な許可条件を定めました。その後、本年6月8日、公園緑地協会から埼玉県に、同公園での6月の開催の撮影会利用予定の事業者が昨年12月の基準策定後に開催したイベントで違反があったことから「6月の開催中止を求めることと、今後の水着撮影会は全て中止を申し入れること」の報告がありました。協会の主催者への対応は把握していませんが、昨日の報道はこちらになるかと思います。監督権限がある埼玉県として公園緑地協会に説明を求めたところ、川越水上公園では同様のルールがなく*1しらこばと公園が中止要請をした3者のうち1者については、詳細許可条件提示後に開催されたイベントでの違反が確認されなかった旨の報告を受けました。このことから、県として水着撮影については◆明確な許可条件が定められていない施設において、他の施設の条件を当てはめイベントを中止させること、◆条件策定後に違反が認められない者に対し中止させることは適切ではない旨伝えるとともに、しらこばと公園の1者と川越水上公園の3者の中止要請を撤回すべき旨を指導しました。なお、6月に開催予定のなかった加須はなさき公園を含めた県営3プールのルールや今後の水着撮影会の開催の在り方等については意見も募りながら、専門家を交えた検討を協会に依頼しました。多くの方からもこの件について意見等を頂いておりますが、埼玉県、公園緑地協会として特定の政治団体*2等の意見に左右された事実はございません。

 ということで一応紹介しておきます。◆明確な許可条件が定められていない施設において、他の施設の条件を当てはめイベントを中止させること、◆条件策定後に違反が認められない者に対し中止させることは適切ではないとしながらも、大野が「許可条件が定められた施設での違反行為が認められた団体(どうやら竹書房近代麻雀がそれに該当するらしい)」については貸し出し不可とすることについて何ら問題視してないことを指摘しておきます。
 なお昨日の報道というのは以下の埼玉新聞記事(6月11日)です。

過激…女性プール撮影会が中止「性の商品化」今後一律で公共施設の水着撮影会を許可しない方針 主催者は(埼玉新聞) - Yahoo!ニュース*3
 公益財団法人の埼玉県公園緑地協会が指定管理している県営水上公園で開催予定だった水着を着た女性を撮影するイベントについて、主催者に施設の利用を許可しないことが10日までに、取材で分かった。主催者はイベントを中止した。
 県によると、「水着撮影会」は今月10~25日、しらこばと水上公園(越谷市)と川越水上公園(川越市)で複数の団体が開催する予定だった。5月末、県民から県に対し「明らかに水上公園と分かる背景で撮ったわいせつな写真がインターネット上に掲載されている」との指摘が寄せられた。共産党県議団も「過去のイベントで水着の女性がわいせつなポーズやしぐさで写り、明らかに性の商品化を目的としている。県有施設を貸し出すべきではない」と、撮影会の中止や基準の見直しを県に要望していた。
 同協会の担当者は中止要請について「県条例に基づき過激なポーズや水着を禁止する条件で許可していたが、インターネット上で条件に反する写真が見つかった。中学生と見られる女性が過去にモデルとして参加していた投稿もあった」と説明。「個人の取り方にもよるが、公序良俗表現の自由は幅広い。公共施設では水着撮影会の管理は難しい」として、今後一律で水着撮影会を許可しない方針としたことを明かした。しらこばと水上公園によると、水着撮影会は2018年からプールの閉鎖期間*4に行われてきた。過激な水着やきわどいポーズを避けることを条件に許可していた。同公園の担当者は「プールには夏以外、人が来ない。水着撮影とプールというロケーションが一致しており、施設の利活用になるので公序良俗に反しない限りは開催を認めていた」と述べた。
 短文投稿サイト(ツイッター)には、イベントに参加予定だった女性らが中止を嘆く投稿や、「表現の自由の侵害ではないか」という指摘などが上がっている*5。主催団体の一つ*6は取材に「(県の許可条件に反した写真は)弊社ではない」とした上で、「困ったことは困ったが、施設側がそういう決定、判断をしたということ」と話した。

 埼玉新聞以外でも以下の報道があります。

埼玉県知事、県営プールでの水着撮影会中止に言及 過去に「主催者が許可条件に反する行為」と説明(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
 埼玉県の大野元裕知事が9日、自身のツイッターを更新し、この日、県内の「水上公園」で予定されていた水着撮影会が中止となったことについて言及した。
 同日、麻雀女子育成企画「近代麻雀学院」公式アカウントで「近代麻雀水着祭2023開催に関しまして」として文書が掲載され、6月24、25日に「しらこばと水上公園」で開催予定だったイベントの中止が伝えられた。文書の日付は6月10日となっている。
 文書によると、前日(8日とみられる)に会場側から中止の要請を受け、「現況を鑑み」中止を決定した。要請の詳細などは明かされていない。同アカウントでは出演予定の多くのアイドルらが紹介されていた。
 同会場では10日に予定されていた「ミスヤングアニマルオーディション・セミファイナルプール撮影会」も中止が伝えられている。
 大野知事は「県営プールで今月開催予定の民間主催の水着撮影会が中止の方向で検討されていることに様々なご意見をいただいています。」と中止が波紋を広げていることを示唆。「県営プールは、指定管理者である埼玉県公園緑地協会が管理運営。撮影会の開催許可も協会が行い、主催者に対し過激な露出の水着やポーズを禁止することを条件に許可していました。」と説明した。「過激な露出の水着やポーズ」がないことが開催の条件だったことを明示した。
 続けての投稿で「しかし、過去の撮影会の参加者のネット投稿内容等から、主催者が許可条件に反する行為を行っていたことが判明したため、協会では今後同様の撮影会は許可しないこととしたと(ボーガス注:県担当者から)聞いています。」と説明。埼玉県公園緑地協会からの伝聞*7という形で「主催者が許可条件に反する行為を行っていた」とした。ただ「主催者」がどの団体であるかは明言していない*8

過激なポーズ撮影が判明 県営プールでの「水着撮影会」を不許可に:朝日新聞デジタル
 埼玉県公園緑地協会(さいたま市)は8日、指定管理している13の県営公園で「水着撮影会」に使用許可を出さないことを決めた。これまで過激な水着やきわどいポーズを避けることを条件に許可していたが、今月24、25日に予定されていたイベントをめぐり、過去に条件が守られていなかったことが判明。他の撮影会でも「ルールが守られるかわからない」とみて判断したという。

県営公園での「水着撮影会」中止 「ポーズが過激」と苦情 埼玉 | 毎日新聞
 プールのある埼玉県営公園2カ所で開催予定だった6回の「水着撮影会」が中止になったことが、公園を管理する県公園緑地協会への取材で判明した。利用条件に反し、過去の水着撮影会で過激なポーズでの撮影が確認されたためで、協会は今後、公園での水着撮影会を一律に許可しないと決めた。
 協会などによると、中止になったのは、6団体が10~25日に「しらこばと水上公園」(同県越谷市)と「川越水上公園」(同県川越市)で予定していた6回の水着撮影会。 協会は指定管理者として両公園を含めてプールのある県営3公園を管理。水着撮影会は2018年からこれまで計約120回行われた。露出度の高い水着の着用や、過激なポーズでの撮影を禁止する条件で開催を許可してきた。
 だが、5月下旬に「ポーズが過激だ」などと協会に苦情があった。協会は、過激なポーズの写真がインターネットで公開されていることなどを確認し、利用条件に違反したと判断した。協会が8日、主催団体に中止を要請した。一部の撮影会では、18歳未満の少女モデルが参加予定だった。
 協会は県が出資する公益財団法人。県の担当課は「条件が守られているものと考え、事後の確認が甘かった」と話した。

 赤字部分が重要ですね。大野が言うように少なくとも「過去に許可条件に違反した団体」については「貸し出し不可」は何ら問題ないでしょう。

*1:川越水上公園としらこばと水上公園で扱いを変える理由がないこと、どちらも管理者が同じであることを考えれば、しらこばとで許可条件を定めたときに川越についても定めるべきではありました。

*2:恐らく想定されてるのは「表現の自由戦士」が悪口してる日本共産党埼玉県委員会

*3:「性の商品化」批判(どんな形であれ水着撮影会それ自体に批判的)があることは事実ですが、「未成年でなく成人ならいいのでは?」「全裸と変わらないような過激な水着でなければいいのでは?」とする意見もあり、また、少なくとも「県は『性の商品化』という理由で貸出不可にしたわけではないこと」を考えればタイトルに「性の商品化」と書くのはミスリーディングでしょう。というか「水着撮影会批判派にネガキャンしたいのか?」と疑いたくなります。

*4:「閉鎖期間」に開催という事で、1)閉鎖期間なので事後確認が甘かったことや、2)それどころか違反行為に気づきながら「一般客が使わない時期に使ってくれて金になる」と、意図的に黙認してきた疑いがあるでしょう。

*5:確かにそうですが、そうした連中への批判ツイートがあることに触れないのはいかがな物か。というか「水着撮影会批判派にネガキャンしたいのか?」と疑いたくなります。

*6:団体側から「名前を出さないでくれ」と言われたのかもしれませんが本来は「読者への情報提供」と言う意味で団体の名前を出すべきでしょう。

*7:協会からの「報告」と書くべきですね。まあ「協会→大野知事」ではなく「協会→県担当者→大野知事」と言う意味では「伝聞」ですが、その場合でも「正しい表現」は「県担当者からの伝聞」ではないか。まあ、こういう場合に普通「伝聞」て書かないと思いますが。例えば例は何でもいいですが、「容疑者の自白報道」等で容疑者にマスコミが直接話を聞いてないとは言え、「警察、検察からの伝聞」とは書かないわけです。というか、直接に当事者に話を聞けるケースは必ずしも多くないので、この記事の考えだと多くが「伝聞」になります。というか伝聞云々と書いて「信用性」がないかのように印象操作し「協会や大野知事(そして最終的には水着撮影会批判派)にネガキャンしたいのか?」と疑いたくなります。

*8:要らぬ誤解を招かないように明言すべきでしょう