テレ朝・おはよう時代劇『暴れん坊将軍3』第19話「からくり盗っ人街道」(1988年放送の再放送)(2024年1月4日記載)

◆第19話「からくり盗っ人街道」(2024年1月5日再放送)
 以下の通り、記事を紹介しておきます。

番組詳細|テレビ朝日
第19話「からくり盗っ人街道」
 江戸城へ賊が忍び入り、家康より伝来の宝刀が盗み出される。この賊が日光へ向かったとの情報を得た吉宗(松平健)は、忠相(横内正)と共にあとを追った。その途中、急病で苦しんでいる娘・お玉(篠山葉子)を助ける。お玉は父親「角兵衛」(林家珍平*1)と一緒に日光まで行くと言っていたが、吉宗が日光に着いた時には彼女はすでに女郎屋に売られていた。一方、忠相は京都から日光例幣使*2の一行がこの地へ来ていることを知る。その夜、(ボーガス注:吉宗が女郎に売られたお玉を心配して彼女の周辺調査を命じたところ)左源太(三ツ木清隆)からの報告で、お玉*3がなんと女賊*4だと知った吉宗

暴れん坊将軍 III
第19話「からくり盗っ人街道」
 神君の宝刀を盗んだ賊・木鼠三次内田勝*5)一味は、身の危険を感じ江戸を売り、日光例幣使のお公家さん殺してなりすまし*6。しかしもっとワルい日光奉行*7大和久出羽守(田口計)の奸計にハマり敢無く斬られ、宝刀ゲットの奉行は将軍暗殺へと飛躍してゆく。
※ややこしい作りのお話で、宝刀盗む賊(内田勝正)と、日光奉行(田口計)の悪行*8に加え、たまたまそこを仕事の場とした別口盗っ人二人組(角兵衛(林家珍平)とお玉(篠山葉子))のエピソードまで入れてある。ぼーっと見てたら何だか判らないくらい、詰め込み過ぎ。

 「近隣藩から脅し取った例幣使の金」目当てに、泥棒に入って見つかる「角兵衛(林家珍平)とお玉(篠山葉子)」の二人組の盗賊。「木鼠(内田勝正)の犯行」を目撃した彼らの口から「例幣使を殺して木鼠がすり替わったこと」を知る日光奉行・大和久(田口計)。
 危うく殺されかける二人組。そこに現れる吉宗。吉宗の力が及ばず角兵衛は木鼠に殺されるがお玉は一命を救われる。
 なお、いつもは「悪党が吉宗の正体に気づかない設定」ですが、この時点で日光奉行は、吉宗が木鼠に「江戸城から盗んだ宝刀を返せ」といった事もあって「あれは上様?」と気づいてしまいます。
 悪党の日光奉行は「木鼠一味」を皆殺しにした上で、「自分が宝刀を木鼠から取り戻した」として出世に利用しようとするが、「上様が『木鼠とワシの関係』を知る以上、死んで頂くほかはない」と配下を使って吉宗を襲撃。
 吉宗を守るため、

今日の上様~暴れん坊将軍Ⅲ~ - 天下御免のすっとこどっこい
 宝刀を盗んだ一味から奪った日光奉行。新さんが吉宗であると見抜き、(ボーガス注:鉄砲部隊で)殺そうとします。
 (ボーガス注:鉄砲部隊相手では勝てないと)一緒にいた忠相は(ボーガス注:安宅の関で、富樫左衛門の疑念をかわすため義経を殴った弁慶の)勧進帳よろしく、(ボーガス注:上様ではなく大岡の配下だと言って)吉宗を殴りまくります。
 倒れこんだ新さんを見た日光奉行は、その場を引き揚げます。
 (ボーガス注:無礼を働いたとして)切腹しようとする忠相、(ボーガス注:やむを得ない行為だとして)止める新さん。物陰には涙するお庭番。

という事態になります。とはいえ、その程度で「引き上げるか?」とは思いますが。大岡相手に「上様に死んで頂く」と物騒なことを言ってしまった訳ですからね。
 なお、木鼠三次は恐らく、池波正太郎の小説『雲霧仁左衛門』や小説をもとにした映画、テレビドラマに出てくる雲霧*9の子分『木鼠吉五郎*10、『山猫三次*11からヒントを得た命名(ある種のお遊び)でしょう(雲霧仁左衛門 - Wikipedia参照)。
 本作には他にも木鼠三次の子分として『お役者吉五郎(滝譲二)』(恐らく雲霧の子分木鼠吉五郎からヒントを得た命名)、『鬼ごろし六之助(佐藤晟也)』(恐らく雲霧の子分因果小僧六之助*12からヒントを得た命名)、『山猫お仙(泉じゅん*13)』(恐らく雲霧の子分山猫三次からヒントを得た命名)が登場します。

ひろきち
 直接御神刀を盗んだ訳ではないが悪用しようとした咎で日光奉行を上様御自ら真剣成敗!!

今日の上様~暴れん坊将軍Ⅲ~ - 天下御免のすっとこどっこい
 家康から伝わる宝刀を盗んだ一味を追って、吉宗と忠相は日光へ向かいます。
(中略)
 今回は(ボーガス注:半次郎がおさいと喧嘩してめ組を飛び出し、小間物屋の女主人お金(大和撫子)といい仲になるが、お金の亭主(阿波地大輔*14)が戻ってきたことで追い出されるなど)話が複雑でほかにも見所一杯。2時間SPで見たかった。

あふろん@芝神明
◆内田さん!、今日は(ボーガス注:盗賊首領の木鼠三次で)幕閣中枢じゃないのか!
◆ろくでなし半次郎*15、(ボーガス注:め組の頭・辰五郎(北島三郎)の妻おさい(浅茅陽子)と喧嘩して飛び出し)さいたまに帰郷*16
◆昨日(ボーガス注:CM放送がなかったの)はただの正月休みだったファーマフーズ
◆(ボーガス注:木鼠に日光例幣使の)麻呂がやられた
◆(ボーガス注:木鼠の)内田さんが麻呂に変装。なんで偽麻呂がバレない
◆日光奉行が偽麻呂に騙される。日光奉行・田口計さん*17若いな
◆田口さんが偽麻呂の内田さんをざっくり!
◆忠相が手加減せずに全力でぶん殴ってたな
◆(ボーガス注:大岡の吉宗殴打で)なんか田口さん納得しちゃった。あれで逃がす田口さんがヌルい(笑)
◆これは上様激怒やな
◆吉宗「成敗してくれる」
 日光奉行「ええい、何をしておる!、切れ!、切り捨てい!」
 (ボーガス注:御庭番ではなく、吉宗自ら日光奉行を)お手打ち!
◆(ボーガス注:締めの若山弦蔵のナレーション)
『将軍家秘蔵の宝刀を取り戻し江戸へ向かう吉宗に追うは女小鼠一匹*18。見渡す日光の山々が吉宗を見送っていた』

参考

勧進帳 - Wikipedia
 源頼朝の怒りを買った源義経一行が、北陸を通って奥州へ逃げる際の加賀国安宅の関」(石川県小松市)での物語である。
 義経一行は武蔵坊弁慶を先頭に山伏の姿で通り抜けようとする。辿り着いた関で、弁慶は焼失した東大寺再建のための勧進を行っていると言う。しかし、関守の富樫左衛門の元には既に義経一行が山伏姿であるという情報が届いており、「山伏は通行罷りならぬ」と厳命する。これに憤慨した弁慶は富樫調伏の呪文を唱え、疑いを晴らそうとする。
 感心した富樫だが、勧進帳を読んでみるよう命じる。弁慶は持っていた巻物を勧進帳であるかのように装い、朗々と読み上げる(勧進帳読上げ)。なおも疑う富樫は山伏の心得や秘密の呪文について問いただすが、弁慶は淀みなく答える(山伏問答)。
 富樫は通行を許すが、部下の一人が強力(義経)に疑いをかけた。弁慶は義経を金剛杖で叩き、その疑いを晴らす(初期の演出では、富樫は欺かれた凡庸な男として描かれたが、後に、弁慶の嘘を見破りながらその心情を思い騙された振りをする好漢、として演じられるようになった)。
 危機を脱出した義経は弁慶の機転を褒めるが、弁慶は主君の命を助けるためとは言え無礼を働いたことを涙ながらに詫びる。それに対して義経は優しく弁慶の手を取り、共に平家を追った戦の物語に思いを馳せる。そこへ富樫が現れ、先の非礼を詫びて酒を勧める。それに応じ、弁慶は酒を飲み、舞を披露する(延年の舞)。舞いながら義経らを逃がした弁慶は、笈を背負って富樫に目礼。主君の後を急ぎ追いかける(飛び六方)。

*1:1940~2000年。初代林家三平(1925~1980年)に入門、前座となり林家珍平を名乗る。1958年に松竹大船撮影所に入所、俳優に転向。出演作にフジテレビ『銭形平次』(1967~ 1984年:銭形平次大川橋蔵)の子分・八五郎)等

*2:江戸時代、朝廷から日光東照宮の四月大祭に差遣わした奉幣使(朝廷の勅使)(日光例幣使(にっこうれいへいし)とは? 意味や使い方 - コトバンク参照)

*3:但し話のメインは彼女(宝刀を盗んだ盗賊とは無関係)でも、宝刀を盗んだ盗賊でもなく日光奉行の悪行であることは暴れん坊将軍 III今日の上様~暴れん坊将軍Ⅲ~ - 天下御免のすっとこどっこいを参照

*4:当然、父を名乗る角兵衛も父ではなく共犯者。女郎に売ったのも「女郎屋を拠点にしばらく盗みをするため」でいずれは二人して逃亡する思惑

*5:1944~2020年。1968年、三島由紀夫(1925~1970年)を中心とする劇団「浪曼劇場」の結成に参加。三島死後の1972年、劇団は解散。以後はテレビ、映画を中心に活躍する。刑事ドラマ、時代劇の悪役として知られており、テレビ時代劇『水戸黄門』ではゲスト最多の68回出演。悪役への転機は1972年のフジ『木枯し紋次郎』第1シリーズへの出演がきっかけ。第11話『龍胆は夕映えに降った』で悪役「喜連川の八蔵」を演じたのが市川崑に注目され、市川が演出した最終話(第18話)「流れ舟は帰らず」に再度、悪役「鬼の十兵衛」として出演。以後、悪役としての出演依頼が多くなった(内田勝正 - Wikipedia参照)

*6:勅使(日光例幣使)には当然護衛がついてるでしょうし、現実的問題としてそんなことが可能とは思えませんが

*7:三代将軍家光の時代、慶安元年(1648年)頃から目付が日光に駐在するようになった。五代将軍綱吉の時代、元禄13年(1700年)に目付の井上正清、使番の稲葉正能が「新置の職」日光奉行に命じられ、遠国奉行の一つとして日光奉行が設置された。定員2名で、1名は日光に、1名は江戸にあって半年交替であったが、11代将軍家斉の時代の1790年に1年交替となり、幕末の文久以降は定員1名となり日光に常住となった(遠国奉行 - Wikipedia参照)

*8:日光例幣使が賄賂を近隣藩に要求する悪習(断れば勅使の権威を悪用し報復があり得ることを示唆)を利用し、「例幣使になりすました木鼠」とともに各藩を恐喝

*9:1978年東映映画では仲代達矢、1979年フジドラマでは天知茂、1987年テレ朝ドラマでは松方弘樹、1991年フジドラマでは萬屋錦之介、1995年フジドラマでは山﨑努、2013年NHKドラマでは中井貴一

*10:1978年東映映画では長門裕之、1979年フジドラマでは財津一郎、1987年テレ朝ドラマでは中村嘉葎雄、1991年フジドラマでは石立鉄男、1995年フジドラマでは石橋蓮司、2013年NHKドラマでは伊武雅刀

*11:1978年東映映画、1991年フジドラマでは川谷拓三、1979年フジドラマでは左とん平、1987年テレ朝ドラマでは下條アトム、1995年フジドラマでは山田辰夫、2013年NHKドラマでは高橋和也

*12:1978年東映映画ではあおい輝彦、1979年フジドラマでは江藤潤、1991年フジドラマでは桜木健一、1995年フジドラマでは佐藤和久、2013年NHKドラマでは柄本佑

*13:1956年生まれ。1976年、日活ロマンポルノ『感じるんです』の主役でデビュー。なお、芸名「泉じゅん」は、デビュー作『感じるんです』の原作者・泉大八の『泉』と、『感じるんです』の原作タイトルであり泉じゅんの役名でもある『ジュンちゃん』から取ったものである。ロマンポルノの人気女優として活躍したが、テレビドラマへの出演も多く日本テレビ西遊記』、TBS『水戸黄門』などにもゲスト出演している。料理研究家結城貢(1940~2022年)と結婚し、現在は芸能界から引退(泉じゅん - Wikipedia参照)

*14:1932~1994年。暴れん坊将軍第1シリーズ(1978~1982年)、第2シリーズ(1983~1987年)では「め組の若い衆・常」を演じた

*15:め組の小頭(佐藤B作)

*16:帰郷の途中で日光の小間物屋の女主人お金(大和撫子)といい仲になるが、お金の亭主(阿波地大輔)が戻ってきたことで追い出される

*17:1933年生まれなのでこの頃は55歳

*18:お玉(篠山葉子)のこと