何に突っ込むかというとこのエントリ。
「核密約問題でマスコミは右も左も馬鹿ばかり」(http://obiekt.seesaa.net/article/143721574.html)*1
ここでJSF先生は次のように書いている。
今回の核密約問題にしても、右派は「核の持ち込みができるように三原則を見直せ!」と叫び、左派は逆に「非核三原則の厳正化、法制化を!」と叫んでいますが、政府はどちらもスルーして「従来と変更無し」で済ませています。理由は岡田外相が述べたとおり、もはや物理的に核兵器の持ち込みは有り得ないからです。
(中略)
岡田外相はこの核密約問題にあたって、戦略原潜の運用方法など核戦略の基礎をちゃんと勉強して臨んでいます。
(中略)
故に、マスコミは右も左も喚いていないで、少しは岡田外相のようにちゃんと核戦略の基礎を勉強して下さい。
私の理解では、JSF先生は
「核持ち込みは、もはやあり得ない」
「そのことを岡田外相はよく理解している」と書いているように思う。
ああ、にも関わらず!。
岡田外相はJSF先生のはしごを盛大に外したのだった!
まず時事通信。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010031700780
岡田外相の核発言を批判=共産・小池氏
共産党の小池晃政策委員長は17日の記者会見で、岡田克也外相が日本有事の際の核持ち込みを認める可能性に言及したことについて「とんでもないことだ。非核三原則堅持と言いながら、二枚舌と言われても仕方ない」と批判した。その上で「非核三原則の厳正な実施を政府に求めていきたい」と強調した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010031700711
有事の核持ち込み、容認せず=岡田外相発言に不快感−平野官房長官
平野博文官房長官は17日午後の記者会見で、日本有事の際に米国から核兵器持ち込みの要請があった場合の対応について、「政府として容認するという立場にない。非核三原則を守るということは、鳩山由紀夫首相も発言している」と強調した。岡田克也外相は衆院外務委員会で「その時の政権が判断する」と答弁しており、双方の違いが明らかになった。
次に共同通信。
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010031701000398.html
有事の核持ち込み排除できず 衆院外務委で岡田外相
岡田克也外相は17日午前の衆院外務委員会で、有事の際に日本の安全を確保するためには、米軍による核持ち込みは排除できないとの認識を示した。非核三原則は堅持するとした上で「核搭載米艦船の一時寄港を認めないと、日本の安全が守れないならば、そのときの政権が命運をかけてぎりぎりの決断をし国民に説明すべきだ」と述べた。
次に日経新聞。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20100317ATFS1700G17032010.html
有事の際の核搭載艦寄港、外相「時の政権が判断」
岡田克也外相は17日午前の衆院外務委員会で、有事の際に核兵器の持ち込みを認めるかどうかについて「米国の核搭載艦船の一時寄港を認めなければ日本の安全を守れない事態が発生すれば、その時の政権が命運を懸けて決断する」と述べた。「鳩山政権としては非核三原則は堅持する」と強調した上で、将来的な持ち込み容認には含みを残した。自民党の岩屋毅氏への答弁。
次に読売新聞。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100317-OYT1T00448.htm
核持ち込み、将来容認も…外相「緊急時に決断」
岡田外相は17日午前の衆院外務委員会で、非核三原則に抵触する米軍の日本への核兵器持ち込みについて、将来的に有事が起きた場合に持ち込みを容認する事態もあり得るとの考えを示した。
次に毎日新聞。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100318k0000m010083000c.html
岡田外相:「時の政権が判断」 米国の核艦船立ち寄り要求
岡田克也外相は17日の衆院外務委員会で、「緊急時に非核三原則の例外を作るべきだと言っていない。国と国民の命をどう守るか、その時の政権が命運をかけて決断をする」と答弁した。有事の際に米国から核搭載艦船の立ち寄りを迫られた場合には「時の政権が判断すべきだ」との考えを示した。
最後に東京新聞。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010031701000742.html
普天間問題にらみ対米配慮 岡田氏の核持ち込み発言
岡田克也外相が17日の衆院外務委員会で有事の際の米軍の核持ち込みは排除できないとの認識を表明したのは、日本の安全確保には米軍の抑止力が必要と判断しているためだ。米国の核政策に干渉しない従来の日本政府の立場を踏襲する姿勢を示すことで、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題や「同盟深化」の協議進展に向けた環境整備につなげたい思惑もあるとみられる。
岡田外相は非常時の核持ち込みはあり得ると言い出しましたよ!、JSF先生(国会答弁だし、一社だけの報道ではないのでさすがにマスコミの誤報ではないでしょう。なお、産経と朝日は記事を探したのですが、現時点では見つかりませんでした)。
「核持ち込みはもはやあり得ないと言う私、JSFの言明は間違いだった」か
「愚かな岡田外相を評価した私、JSFは人を見る目がなかった」のどちらかに書き換えないと、まずいんじゃないですかね?。JSF先生には、あまり期待してないですけど。
まあ、今回の先生の言動は「よく分からないことで適当なことを言ったり、書いたりしてはいけない」「流動的な問題は事態が確定するまで軽挙妄動すると恥をかく」と言うよい見本だとは思いますね(苦笑)
【3/27追記】
・先生のエントリコメント欄には私と同様の指摘があるので紹介しておく。削除しないのは評価するが、みんなしてスルーというのはいただけない。
まさか、自分たちの主張「岡田外相は核問題を勉強している」&「もはや核持ち込みはあり得ない」に岡田答弁が反していないと思ってるんですか?
№403
有事の核持ち込み将来容認も…岡田外相
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100317-OYT1T00448.htm
№418
岡田克也外相は17日午前の衆院外務委員会で、有事の際に日本の安全を確保するためには、 米軍による核持ち込みは排除できないとの認識を示した。非核三原則は堅持するとした上で 「核搭載米艦船の一時寄港を認めないと、日本の安全が守れないならば、そのときの政権が命運をかけてぎりぎりの決断し国民に説明すべきだ」と述べた。自民党の岩屋毅氏の質問に答えた。
核政策に関し、岡田氏は鳩山政権は一時寄港や領海通過を含めて核持ち込みは認めないと強調。
一方で「将来の可能性に備えて(核持ち込みについて)さまざまな議論があるのは結構なことだ。 政党レベルでも突っ込んだ議論をしてもらいたい」と指摘した。
日米間の密約に関する外務省有識者委員会の報告は、核搭載艦船の寄港は事前協議の対象に しないとの密約があったと認定。しかし政府は米国の核政策変更により寄港の可能性はなくなったとして、寄港は持ち込みに当たらないとする米側解釈の変更を求めないことを明らかにしている。ソース
中国新聞 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201003170197.html
№437
■岡田外相:「時の政権が判断」 米国の核艦船立ち寄り要求
岡田克也外相は17日の衆院外務委員会で、「緊急時に非核三原則の例外を作るべきだとは言っていない。国と国民の命をどう守るか、その時の政権が命運をかけて決断をする」と答弁した。有事の際に米国から核搭載艦船の立ち寄りを迫られた場合には「時の政権が判断すべきだ」との考えを示した。
岡田氏の発言には「広義の密約があった」とした今月9日の日米「密約」有識者委員会報告をたたき台に、非核三原則のあり方などに関する国会での論戦を提起する狙いがあるとみられる。
岡田氏は最近の発言でも、「(米国の核)政策が変われば米国は『変わった』と言うから、その時に考えないといけない」と述べるなど、「持ち込みを拒否する」との従来の政府答弁からハードルを下げてきており、“確信犯”とも言えそうだ。
有識者委の報告書は、日米間で米艦船の核持ち込みを「事前協議の対象外」とするかどうかで当初、見解の相違があり、その後「暗黙の了解」が形成されたと結論付けた。米国は91年の政策変更で、戦術核を艦船に搭載しておらず、現段階で核搭載艦船の寄港が問題化する可能性は低い。
ただ、それを理由に議論を封殺し「あいまい戦略」(岡田氏)を続けることは、非核三原則を堅持する鳩山内閣の方針と矛盾が生じかねない上、有事に対応できないというのが岡田氏の理屈だ。事前協議のあり方など「大事なことは国民に説明する」と強調したのも、その延長線上にある。
岡田氏に質問した自民党の岩屋毅衆院議員は毎日新聞の取材に「単なる密約調査に終わらせず、今後の安全保障論議につなげることは重要だ。外相発言で党内論議を進めやすくなった」と指摘した。【中澤雄大】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100318k0000m010083000c.html
№461
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100317ATFS1700G17032010.html
岡田克也外相は17日午前の衆院外務委員会で、有事の際に核兵器の持ち込みを認めるかどうかについて「米国の核搭載艦船の一時寄港を認めなければ日本の安全を守れない事態が発生すれば、その時の政権が命運を懸けて決断する」と述べた。
№591
http://www.youtube.com/watch?v=KwHXvqiN-yU
3/17の共産党笠井議員質問で91年94年時の核トマホークに絡む米国談話による質問で現在の廃棄の話にならず、そのまま将来核トマホークが攻撃原潜に積まれる可能性と核トマホークを積んだ艦船が寄航する可能性を認める答弁。