今日の産経抄はいつもの民主叩きと違って相撲協会不祥事問題です。民主叩きをやらないなんて珍しい。一部突っ込みたくなる部分（説明不足と言うんでしょうか？）がありますが、内容はおおむねまともだと思います。
昭和３２年は、大相撲にとって多事多難の年だった。５月４日には出羽海理事長が、協会の取締応接室で、割腹自殺をはかるというショッキングな事件が起こる。一番先に部屋に飛び込み、理事長から刃物を取り上げたのが、後に理事長となる先代の武蔵川親方（元前頭出羽ノ花）だ。
▼その１カ月前に開かれた国会の文教委員会には、理事長に代わって出席している。「力士の給与と福祉」から「八百長問題」まで、議員と堂々と渡り合う姿が評判となった。「大臣以上の立派な答弁だ。誤って相撲界に入った」と、政界入りを勧める声さえあった。
▼中国巡業の実施、給与体系の確立、部屋別総当たり制など、さまざまな改革を成し遂げた文字通りの名理事長だった。
・要するに
「相撲界で不祥事発覚」
「国会で出羽海理事長にかわって武蔵川親方が国会に呼ばれるほどの大問題になる」
（なぜ、理事長が国会へ行かなかったのでしょうか。後に自殺を図ることから考えて、この時点で既に精神状態は正常ではなかった、国会に行って答弁できるような状態ではなかったと言うことでしょうか？。）
「出羽海理事長が自殺未遂事件を起こし、武蔵川親方が後任の理事長に就任、各種の改革を実施」ということでしょうか？。
但し産経の上げた改革のうち、「給与体系の確立」（力士の権利保護と相撲界の近代化？）はともかく、「中国巡業の実施」（海外ファンを増やす？）、「部屋別総当たり制」は人気アップのための策で不祥事撲滅の参考にはならないので、何だかなあという気はしますが。
・何故、「国会に呼ばれたのか」が詳しく書いてないので、もやもやする文章です。
▼大相撲の野球賭博問題では、看板力士の名前が次々に挙がっている。理事長が師匠を務める武蔵川部屋に所属する元大関の幕内、雅山関の関与も明らかになった。弟子のロシア人力士の大麻問題で引責辞任した北の湖前理事長と違って、厳しい指導者のはずではなかったのか。
野球賭博は相撲界においては大麻と違って、悪とは思われていなかったということでは？
しかし、こうなると朝青龍をさんざん品格がどうとか言って叩いてた人たちは恥ずかしくないのかと思いますね。もちろん朝青龍を擁護したいんじゃなくて朝青龍だけが悪いみたいに言ってた人たちが不愉快って事ですが。まあ、彼らは何とも思ってないんでしょうね。だからマスゴミと言われるんでしょう。
▼名古屋場所を開催するかどうかは、７月４日の臨時理事会で決めるという。番付発表後に、自己申告していない力士のなかで、野球賭博の常習者が見つかるような事態になれば、混乱を抑える手だてはない。
・今回は止めた方が良いんじゃないでしょうか。所管官庁の文科省も実施には否定的ですし、世論の袋叩きに遭うだけでしょう。中止したら経済的に苦しいんでしょうがそこは何とか耐えて欲しい。
・まあ日本人も日本のマスコミもいい加減なんで、相撲協会が名古屋場所をやれば、無批判に報道して大喜びするのかもしれませんが（嘲）
・いずれにせよ朝青龍の場合、犯罪でもないのに問題があると処分されたこと（「モンゴルでサッカー」事件）もあるのに犯罪でも処分しないんじゃ話になりません。
▼先代武蔵川理事長も実は、横綱、大関がそろって暴力団員と接触するという、「黒い霧」事件に悩まされた。力士の自覚を促すために作ったのが、「生活指導部」だった。それから４０年近く、改革に要する時間としては十分のはずだが。
・黒い霧事件というと一般には
自民党の不祥事（田中彰治事件、共和製糖事件など）か、
西鉄ライオンズが選手の永久追放処分によってすさまじいダメージを受けたプロ野球の不祥事をいうんですが、相撲界「黒い霧」というのもあったんですか、へえ。ちなみにその「横綱、大関」とは誰でどんな処分を受けたんでしょうか？
・「改革に要する時間としては十分のはず」
４０年前から指摘があるのに、４０年たっても政治家の汚職撲滅も、高級官僚の天下り廃止も、冤罪事件の防止（捜査の可視化とか）も出来ないダメな国ですから、日本は（自虐）。
【追記】
「本日の産経SHOWと阿久根政界NOW：東海大相撲＝名古屋場所」（http://d.hatena.ne.jp/slapnuts2004/20100622/p1）にコメント。
「平成22年七月場所チケット発売中 NEW」じゃないだろ。
確かに相撲協会のサイトは未だに7月場所チケット購入が可能なようですね。しかも「中止の可能性があること」に触れてないようだし、「今回の不祥事についてのコメント」もないようです。もちろん、十分な内部議論をしないで適当なことを発表して後でぶれるという麻生さんや鳩山さんみたいなことをされても困るのですが・・・。
危機感がなさ過ぎじゃない？。
