「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年11/8日:島田洋一の巻)(副題:枝野の無責任発言を批判する)

島田洋一
「二度と(ボーガス注:消費税)減税は言わない」(枝野幸男
 野党が自民党以上に(ボーガス注:消費税増税論の)財務省に洗脳されているのが日本の不幸だ
「消費減税間違い」発言が波紋 枝野氏、再起戦略に影響も―立民:時事ドットコム
衆院選で後悔しているのは、時限的とはいえ消費税減税を言った(ことだ)。政治的に間違いだったと強く反省している」。
 枝野氏は先月28日、インターネットに投稿した動画でこう明言。その上で「二度と減税は言わない」と強調した。

【1】日本共産党社民党、れいわは恐らく「今も消費税減税の立場」なので島田の「野党」云々
【2】消費税増税論は経団連日商など「自民党献金をもらってる」財界も主張しているので、島田の「財務省」云々
はどちらも不適切です。自民党の消費税増税論は「財務省よりも財界の影響が大きい」でしょう。残念ながら、そんな事はまずあり得ませんが「日本財界が消費税減税論を唱えれば」、自民党財務省の態度に関係なく、消費税減税論を主張するでしょう。
 まあ、島田は「財界批判したくない」ので全てを財務省に責任転嫁したい(つまり島田も自分の発言が財務省への不当なデマ中傷であることは本当は自覚している)のでしょうが。
 なお、
【1】立民党の敗戦理由を「消費税減税論」扱いする枝野の主張には「世論調査において、立民不支持理由で最も多かったのが消費税減税論だった」等のまともな根拠が何らない
→単に「本心は消費税増税論者の枝野」が選挙敗戦を口実に増税論にシフトしただけでしょう
【2】消費税問題は「選挙の勝敗」ではなく「望ましい税制は何か」であって「選挙の勝敗」で全てを論じようとする枝野の態度自体がおかしい
と言う意味で枝野には心底呆れます。元代表がこんなバカなことを言ってるようでは立民の支持率低迷は当分続くでしょう。
 消費税減税論者は勿論、増税論者だってこんなバカを言う人間が幹部だった政党をどうして支持できるのか。
 枝野の無責任発言には以下のような批判もさすがに出ています。

「消費減税間違い」発言が波紋 枝野氏、再起戦略に影響も―立民:時事ドットコム
 自身の代表時代に打ち出した目玉公約を否定するのは無責任との批判も強く、将来の再起戦略に影響する可能性がある。
 枝野氏の発言は、党内論議を踏まえたものではない。このため、泉健太代表は4日の記者会見で「私たちが訴えを変えたことはない」と釈明。長妻昭政調会長も「あくまで個人的な見解だ」と強調した。
 党内には「減税批判が首相退陣につながった英国の例*1を考えれば理解できる」(若手)と擁護する声もある。ただ、ベテラン議員らは「あり得ない」「狙いが分からない」と反発。立民の「創業者」である枝野氏は、将来の代表返り咲きを狙っているとされるが、リーダーとしての手腕に疑問符が付けば、その戦略にも黄信号がともりかねない。

共産・小池晃書記局長、枝野氏発言を「不誠実」と批判: 日本経済新聞
 共産党小池晃書記局長は7日の記者会見で、立憲民主党枝野幸男前代表が消費税減税を公約したのは「間違いだった」と発言したことを批判した。「減税を訴えて選挙を戦った。国民に不誠実だと言わざるを得ない」と述べた。

 赤字部分の指摘の通りでしょう。繰り返しますが、選挙に有利か不利かだけで政策を決めるなど全くふざけています。
 大体「枝野個人が減税公約を辞める」のならともかく、この発言は「立民党として辞める」としか読めないでしょう。
1)立民党初代代表、前代表とはいえ今は無役の人間が、泉代表、岡田*2幹事長、長妻*3政調会長ら執行部を無視して
2)しかもこの公約は立民党単独の公約ではなく「野党共闘の公約」なのに共闘相手の共産、社民、れいわ、市民連合に相談もなく彼らを無視してこんなことを言っていいわけもない。共闘相手である小池氏が怒るのは当然の話です。
 繰り返しますが、そもそも「消費税減税を訴えたから負けた」かのような枝野発言には何の根拠もない。むしろ「消費税減税」主張についていえば、その主張に対して「2009年の政権交代選挙での『消費税増税しない』公約を反故にして三党(自民、公明、民主)合意で増税の道筋をつけたのは立民じゃないか?。三党合意当時、枝野は野田内閣経産相じゃないか。信用できない」「そもそも共産や社民、れいわに減税公約を要求されて、選挙のために野党共闘を続けたいので、渋々、枝野が減税公約したのが見え透いてる。共闘が思ったほどの成果を上げなかったら『減税公約が上手くいかなかった(今回の枝野発言がまさにこれ)』として、あるいは逆に共闘が成果をあげたら『釣った魚に餌はやらない(選挙で勝ったからもう共産、社民、れいわにはへいこらしない)』で、その時点で掌返しでまた減税公約を反故にするのではないか?」として「真実性を疑われた」から負けたのではないか。
 そうした「真実性を疑って、立民に投票しなかった選挙民(自民、公明支持であれ、共産、社民、れいわ支持などの反自民、公明であれ)」は「ほら見ろ、やはり枝野は嘘つきだった、立民に投票しなかった俺は正しかった」「俺は今後も自民や公明(あるいは共産、社民、れいわ)に投票しよう。枝野が立民にいる限り、絶対に立民には投票しない」「しかし枝野も本当にバカだな、こんな発言で支持が増えると思ってるのか?。むしろ『枝野は酷い嘘つき』となって逆だろ」としか思わないでしょう。つまり「選挙民や共闘相手に対する誠実性に欠ける」と言う道義的問題もありますが「選挙の勝ち負けオンリー」で考えても枝野発言は「支持者を減らし」むしろ「逆効果」でしょう。
 何でその程度のことも枝野には分からないのか。

*1:トラスの減税論は「いわゆる金持ち減税」なので消費税減税とは全く違います。

*2:鳩山、菅内閣外相、民主党幹事長(菅代表時代)、野田内閣副総理・行革相、民主党代表代行(海江田代表時代)、代表など歴任

*3:鳩山、菅内閣厚労相民主党代表代行(岡田代表時代)、民進党選対委員長(前原代表時代)など歴任