今日のMSN産経ニュース(7/23分)(追記・訂正あり)

Apes! Not Monkeys!  本館
『ひどすぎるうなぎ報道の中でも最低クラスの「ミヤネ屋」7月18日放映分』
http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20120720
『倫理観の欠片もないうなぎ報道』
http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20120722
『養殖業者陰謀説/ゲンダイネットのうなぎ記事』
http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20120723/p2
『「うなぎ月間」を終えるにあたって』
http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20120728/p1
などを読んでから
産経抄】7月23日
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120723/art12072303180001-n1.htm
を読むと「中国叩きをしない」「ウナギは危機的状況にあると認める」だけの産経が「とてもまとも」に見えるから不思議です。
 もちろんミヤネ屋、報ステ日刊ゲンダイが異常なだけなのですが。

江戸研究家の杉浦日向子さんは生前、当時の蒲(かば)焼きはもともと高価なごちそうだった、と語っていた。大工の日当が400文から600文だったのに対して、1人前が200文以上もしたそうだ。

というわけでやはり、ウナギとは元々は高級品だったようです。この文章、ウナギが高い、高いという連中への皮肉なのか、何なのかわかりませんが。

昨今の価格高騰は、養殖に欠かせない稚魚(シラスウナギ)が東アジアで3年連続の不漁となっているのが原因だ。平成16年に1キロ当たり約25万円だったのが、今年は200万円以上に値上がりしている。鰻の資源そのものが枯渇に向かっているとしたら、大変な事態である。
(中略)
その生態はいまだに多くの謎に包まれている。3年前にようやく日本の研究チームが、日本列島から南に約2千キロ離れたマリアナ諸島沖の産卵場所を見つけだした。卵から育てる完全養殖で量産化する道のりも厳しい。
 ▼まもなく土用の丑の日(27日)を迎える。夏バテを蒲焼きで乗りきる習慣を、果たして子や孫の世代に残せるのか。今が正念場である。

 「向かってるとしたらじゃなくて向かってるんだよ」と言いたくなりますが、中国への変な排外主義でごまかしに走ったらしい、ミヤネ屋や報ステ、「ウナギは危機的状況にないかのように強弁し、高値は流通の努力不足であるかのように主張する」日刊ゲンダイよりは何倍もマシです。ウナギが高値なのも、ワシントン条約による規制論が出るのも産経抄筆者が書くように単に「稚魚が不漁だから」です。豊漁ならそんな話にはならない。
 今日の産経抄筆者はミヤネ屋や報ステ日刊ゲンダイのような、あそこまで恥ずかしいことはできない「ある程度常識人」だったのでしょう。
 産経抄は現在「複数人で交代で執筆」のようなのでまともな人が書くとまともになります。バカが書くと本当に酷いですが。
 もしかしたら「中国叩きなどしても問題は解決しない」「ウナギは危機的状況にないと強弁することなどできない」と言う常識だけでなく「産経だから書きたくても書けなかっただけで」id:Apeman氏のような「規制も一概には否定できない」という常識まであるのかもしれません。
 「夏バテを蒲焼きで乗りきる習慣を、果たして子や孫の世代に残せるのか。今が正念場である。」と言う最期の文章は規制論者が言ってもおかしくない台詞です。
 そしてミヤネ屋や報ステ日刊ゲンダイは「中国叩きなどしても問題は解決しない」「ウナギは危機的状況にないと強弁することなどできない」と言う常識もないバカの集団だったと。ミヤネ屋はまだバラエティ、日刊ゲンダイは「たかが夕刊タブロイド紙」「東スポやイギリスのザ・サンの仲間だから仕方がない」という言い訳ができるかもしれませんが、報ステ*1は建前では「テレ朝のカンバン報道番組の一つ」ですからね。
テレ朝はどうしようもないな。
 もちろんこんなふざけた話が出るのも「ウナギ人気(id:Apeman氏も指摘していますが、牛丼チェーン各社で鰻丼メニューが出るほどですから)」プラス「でも日本人のせいでウナギ枯渇と言う事実を認めたくない(さすがに『ウナギが滅んで何が悪い、今さええよけりゃいい』とはいえないのでしょう)」「ウナギ規制論でウナギ関係業者の反発を買いたくない」ということでしょう。「ウナギ」は「マグロ」など他の食材にも書き換え可能でしょう。
 「日本の非を認めたくないためにトンデモな主張を行う」という意味ではまるきり「歴史捏造主義」とかぶりますし、既に気付いてる方もいるでしょうが、その当たりがここ数日、id:Apeman氏がウナギ問題を取り上げてる理由の一つでしょうかしらね、やはり。

*1:id:Apeman氏が取り上げてるのは、サンプロ→サンフロを経て、日曜10時の番組となった報ステサンデー(キャスターは古館ではなく長野智子。ただし長野は古館を最大の看板タレントとする芸能事務所「古館プロジェクト」所属だそうなので古館と無関係というわけではない)で「報ステ」そのものではないが「報ステ」の名前使用を許している以上、「平日の報ステ」関係者も言い訳はできないだろう。おそらく報ステスタッフが製作に関与もしてるのだろうし。まあ、報ステは過去にも「ホウレンソウ問題」とか起こしてるから、と色眼鏡目で見る俺。