新刊紹介:「経済」10月号

「経済」10月号の詳細については以下のサイトをご覧ください。興味のある記事だけ紹介してみます。
http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/

■随想「平和大行進と自治体」(田中章史)
(内容要約)
 赤旗の記事で代替。

赤旗
『2013国民平和大行進、核兵器ない世界を 東京・夢の島出発』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-08/2013050801_07_1.html
『子の命奪う核兵器ノー、平和大行進が終結
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-05/2013080504_02_1.html


■世界と日本
デトロイト市の破たん」(田中靖宏)
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
デトロイト市破綻 負債1.8兆円 米自治体最大」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-20/2013072007_03_1.html
財政破綻デトロイト支援、米・ホワイトハウス報道官」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-21/2013072106_02_1.html


「米中戦略・経済対話」(平井潤一)
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。ま、平井氏が何言ってるかと言えば「米中は敵対関係にならない」という当たり前の話ではあります。もちろんそれが「単純な仲良しこよしでないこと」「お互いいろんな思惑から相手を批判することもあること」もまた確かですが。
 で、まあ、米中が仲良くしていっこうに構わないんですが問題は我が国の安倍さんがずれまくってることですね。「靖国参拝したり河野談話否定論ぶち上げたりして」米中親密化(あるいは中韓親密化)を助長する方向に動くんだから頭痛がしてきます。

赤旗
『行きづまる価値観外交、米中会談と安倍政権』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-12/2013061201_03_1.html


「求められる均等法見直し」(田中均
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。コース別人事制度の廃止がメインテーマです。

赤旗『主張:「女性の活躍」どうすれば女性が真に輝くか』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-10/2013051001_05_1.html


特集「『ブラック企業』根絶社会へ」
■「ワタミ元正社員の告発」(田代正則)
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
『大臣告示超える残業/天引きされ手取り十数万円、田村氏 ワタミ告発』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-19/2013061901_02_1.html
ブラック企業対策 自民公約から消滅、ワタミ創業者の比例候補に配慮か』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-10/2013071015_01_1.html
ワタミ 正社員でも時給930円、自民に最賃引き上げの意思あるのか』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-12/2013071206_02_1.html
ワタミ、系列老人ホームに、有権者名簿提出を要求、創業者・渡辺自民候補の選挙支援 半ば強制』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-19/2013071915_01_1.html
ワタミ創業の自民党議員、「ブラックじゃない」と開き直り』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-03/2013080314_02_1.html
ブラック企業大賞ワタミ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-13/2013081301_03_1.html


■インタビュー『吉良よし子参議院議員に聞く:ブラックな働かせ方なくす、国会に若者の声届け』
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
ブラック企業根絶 最賃1000円以上、「若手共産党政治家とアツく語る!」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-31/2013083104_01_1.html
ブラック企業根絶 世論が大切です、FMラジオ 吉良よし子議員が語る』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-09-01/2013090104_01_1.html


■「安倍政権の狙う雇用規制緩和政策:「限定正社員」が意味するもの」(佐々木亮
(内容要約)
安倍政権の雇用「改革」*1には「労働者が働きやすい社会(国連の用語を使うとディーセントワーク*2の社会)」と言う視点は全くなく日本社会の労働ブラック化は避けられないであろう。ブラック企業撲滅などの「真の改革」を目指す必要がある。

参考
赤旗
主張『安倍政権の「雇用改革」、ねらいは正社員雇用の破壊だ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-21/2013052101_05_1.html
主張『労働時間規制の破壊、「ただ働き」の国づくり許すな』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-29/2013052901_05_1.html
『財界要求の「限定正社員」、高橋氏 “リストラ・解雇を助長”』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-04/2013060404_08_1.html
衆院厚労委『「限定正社員」って何だ?!、解雇しやすく低賃金、政府・規制改革会議の答申』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-06/2013060603_01_1.html
主張『最低賃金改定、政府は大幅引き上げの決断を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-29/2013072902_01_1.html
主張『「ブラック企業」一掃、長時間労働の規制を強めよう』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-11/2013081102_02_1.html
厚労省研究会 派遣法大改悪へ報告書、派遣先企業の規制を撤廃』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-21/2013082101_07_1.html
主張『派遣制度の見直し、財界のいいなりでない議論を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-21/2013082101_05_1.html


■「ブラック化する日本の労働:その指標と背景」(伍賀一道*3
(内容要約)
 日本の労働のブラック化(長時間低賃金)を統計を元に簡単に説明した上で、その背景として「政財官がブラック化をコストカットを理由に推し進めてきたこと」「これに抵抗する市民運動や労組の力が日本ではまだ弱いこと」が指摘される。


■「徳島大学、非正規教職員の雇い止めを撤廃」(山口裕之*4
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗『徳島大1000人“無期雇用”へ、労組の運動実る、雇い止め改善「画期的成果」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-18/2013031801_01_1.html


■「ドイツの解雇規制と企業の社会的責任」(宮前忠夫*5
(内容要約)
 ドイツの解雇規制法の簡単な説明(かなりややこしいので説明は省略する)。もちろんドイツもバラ色ではないが「ドイツが日本と比べ強い解雇規制法を持っていること」「解雇規制が日本が強いという財界の主張に根拠のないこと」は理解できる。参考文献として、藤内和公『ドイツの従業員代表制と法』(2009年、法律文化社)が紹介されている。

参考
アモーレと労働法(大内伸哉)『ドイツの従業員代表制と法』
http://souchi.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-96c3.html


特集「原発再稼働はNO!」
■「「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟が目指すもの」(馬奈木厳太郎
(内容要約)
 赤旗記事などの紹介で代替。


『生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟原告団弁護団Webサイト
http://www.nariwaisoshou.jp/
赤旗
『賠償求め1700人11日提訴、福島原発事故 「切り捨て許さない」、4弁護団が会見』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-08/2013030815_01_1.html
『国と東電は生業返して、4地裁・支部 原発被災者ら提訴』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-12/2013031201_02_1.html


■「【試算】TPPによる農業生産・所得への影響:47都道府県・19品目を中心に」(三好ゆう、関耕平)
(内容要約)
『新刊紹介:「経済」8月号』(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20130715/5421309876)で紹介した『試算:TPP参加による農業所得への影響』の続き。詳しくは『「TPPによる農業生産減少は、地域産業にその2〜4倍の影響を及ぼす」 大学教員の会が、政府も拒む都道府県別の独自影響試算を発表』(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/88807)、醍醐聡のブログ『関税が撤廃されると10ha以上の大規模稲作農家も農業純所得は赤字になる』(http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/10ha-8fa1.html)参照。
(8月号記事については赤旗『TPP 10.5兆円生産減に、農業はじめ全産業へ波及、大学教員チーム試算」(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-23/2013052301_03_1.html)、『農業所得 3483億円減、TPP試算 地域への影響明らかに、富山、米だけで4分の1喪失』(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-23/2013052304_01_1.html)参照)


■「日本の自動車産業は空洞化するか(下)」(坂本雅子*6
(内容要約)
 前号の(上)の続き。賃金の安い国でつくればコストカットになるとばかり、日本の工場が閉鎖され、海外工場が稼働していく様(空洞化)が描かれている。したがって回答としては「既に空洞化しており、それが自動車メーカーによって自主的に改められる見通しはない」というのが筆者の見方である。
 ただしそうした状況に筆者は「国内雇用の減少を招く」として批判的である。空洞化阻止についての明確な案(国家の政策であれ何であれ)が提示されていないことは残念ではある。


■「『アベノミクス』と日本経済」(鶴田満彦*7
(内容要約)
アベノミクスの三本の矢に対する批判。
 過去に経済に掲載された他の批判とだいぶかぶるのだが。
・第1『大規模な金融緩和』。金融緩和それ自体は過去に行われており今回は規模が大規模になっただけである。それが成功して景気拡大につながる保障はない。株価、円相場にしても乱高下が激しく、かなりの部分はアベノミクスの成功と言うより投機的なものであることが伺われる。
・第2「公共事業の積み増し」。これ自体は過去に例があり、あまり成果のなかった政策である。しかも公共事業費を捻出するため福祉カットを行っているため公共事業の成果は相殺されていると見るべきであろう。また消費税増税が予定されていることにも注意が必要である。
・第3『成長戦略』。ここで指摘されていることは「起業の促進」など、小泉構造改革と大同小異であり新味はない。しかもホワイトカラーエグザンプションなどの「雇用分野の規制緩和」が成長戦略に組み込まれていることに注意が必要である。


■「預金保険法改正:巨大金融機関の「自己責任原則」棚上げの破綻処理法」(丸井龍平)
(内容要約)
 預金保険法改正によって税金投入の範囲が銀行から保険会社、証券会社にまで拡大されたことについて「自己責任原則」に反しモラルハザードを招くのではないかという批判。

参考
佐々木憲昭サイト
【13.05.21】金融商品取引法*8改正案 責任ない者に負担を押しつけるな
http://www.sasaki-kensho.jp/kokkai/130521-000001.html
【13.05.22】金融商品取引法等改正案 参考人質疑で公的資金投入の拡大を批判
http://www.sasaki-kensho.jp/kokkai/130522-000000.html


■岩井忠熊*9さんの研究余話(最終回)「戦後京都の民主統一戦線」
(内容要約)
 戦前の人民戦線は失敗したと言われる。それは一面の真実であるだろうが一方で「そうした人脈が戦後に引き継がれ一定の成果を生んだと言う側面」もあるのではないか、として、蜷川京都府知事を支えた人脈をその一例としてあげている。

*1:佐々木論文では副題にもあるようにもっぱら限定正社員について論じられている

*2:「人間らしい労働」などと訳す

*3:著書『雇用の弾力化と労働者派遣・職業紹介事業』(1999年、大月書店)

*4:徳島大学准教授、徳島大学教職員労組書記長。著書『ひとは生命をどのように理解してきたか』(2011年、講談社選書メチエ

*5:著書『人間らしく働くルール―ヨーロッパの挑戦』(2001年、学習の友社)

*6:著書『財閥と帝国主義三井物産と中国』(2003年、ミネルヴァ書房

*7:著書『グローバル資本主義と日本経済』(2009年、桜井書店)

*8:等に預金保険法が入る

*9:著書『天皇制と歴史学』(1990年、かもがわ出版)、『明治天皇:「大帝」伝説』(1997年、三省堂)、『近代天皇制のイデオロギー』 (1998年、文理閣