新刊紹介:「経済」7月号

「経済」7月号の詳細については以下のサイトをご覧ください。興味のある記事だけ紹介してみます。
 まあ、「赤旗の記事紹介で代替」ばかりですがそれはご容赦下さい。「自分の手で」わかりやすくまとめるってやはり難しいんですよね(苦笑)。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
■随想「空家空地の安全管理」(中村攻*1
(内容要約)
・空き家対策特措法についての紹介。なお、筆者は空き家、空き地を単に安全管理するだけではなく、空き家、空き地を「福祉施設や公園、市民菜園」など憩いの場にすることが望ましいとしている。

赤旗『空き家対策特措法案が可決、穀田議員 指定は厳格に』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-16/2014111602_02_1.html


■世界と日本
【イギリス総選挙の結果】(宮前忠夫*2
 英国総選挙結果は数々の問題点を提示した。
 先ず第一に「小選挙区制度の死票の酷さ」が改めて表面化した。37%の得票数しかない保守党が過半数議席を獲得したことや、「得票率が4.7%にすぎない」スコットランド国民党(SNP)が6議席から56議席に躍進し第三政党に躍り出たが、実は「前回の第三党・自由民主党」は「56議席から8議席に激減したものの」、得票率は7.9%でSNPより上であることは明らかに選挙制度の異常性を示していると言っていいのではないか。
 第二に保守党の選挙公約「EU残留・脱退について2017年末までに国民投票で決める」が一定の現実性を持つに至った。もし仮に国民投票が実施され、その結果「EU脱退」が決定されるならその影響は英国一国にとどまらず、EUや国際社会にも大きく影響するだろう。現時点では「僅差だが残留派の方が多数派」なので少なくとも当面は、保守党は「多数派形成につとめ」国民投票には打って出ないと見られるが今後が注目される。
 第三にSNP躍進でスコットランド独立が一定の現実性を持つに至った。今後、SNPや保守党政権が「スコットランド独立問題」についてどう対応するかが注目される。
 これらについては例えば
赤旗『英総選挙 保守党37%得票で過半数、緊縮策継続に不安広がる、小選挙区制に不満』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-11/2015051107_01_1.html
を参照。


【米国で広がるTPP反対】(田中靖宏)
(内容要約)
赤旗『米TPA法案 上院可決、下院は来月審議 難航か』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-24/2015052406_01_1.html
が指摘するように、米国内においても「TPP反対世論」は一定の政治力を保有している。今後の「米国内のTPP批判運動」の動向が注目される。


【韓国での法人税減税論】(洪相鉉)
(内容要約)
 韓国においても日本同様「法人税減税引き下げによる景気刺激策」が唱えられていることを指摘した上で、
1)「韓国の法人税は現在でも世界的に見て低いこと」
2)「法人税の低さが格差拡大を助長していること」
などを指摘し、法人税減税論を批判している。


特集「日本の働き方を壊すのか」
■座談会「労働破壊の実態と労働法制改悪の対決点」(生熊茂実、今村幸次郎、赤羽数幸、三浦宜子)
■「労働事件、たたかいから世紀の欠陥法「派遣法」を問う」(笹山尚人*3
■「日本の長期間労働と労働時間法制」(斎藤力)
(内容要約)
・座談会は総論的内容で、篠山論文、斎藤論文は個別的内容と言えるだろう。
 斎藤論文は
1)「日本の労働が国際的に見て異常な低賃金・長時間労働であること」
2)「その理由は低賃金・長時間労働を規制する法制が不十分であること」
3)「そして安倍政権は財界の要請に押されて、今でも不十分な規制をさらに緩和し、低賃金長時間労働を助長しようとしている」と批判している。
 篠山論文は安倍政権の目指す派遣法改正が「永久派遣」と呼ばれる改悪法案である事を指摘し批判している。

参考
長時間労働
赤旗
■『「残業代ゼロ」法案提出、長時間労働野放し 裁量労働も拡大』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-04/2015040401_02_1.html
■『「残業代ゼロ」 長時間労働野放しに、高橋議員「監督指導根拠なくなる」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-16/2015041602_02_1.html

【派遣法改悪】
赤旗
■『労働者派遣法改悪案、生涯ハケン押し付ける、堀内氏「正社員の保障ない」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-01/2015060102_03_1.html
■『派遣法改悪案って?』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-03/2015060305_01_1.html
■『派遣法改悪案 追い込む力、廃案 必ず、国会前行動』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-06/2015060605_01_1.html
■主張『労働者派遣法改悪、問題山積、それでも強行なのか』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-12/2015061201_05_1.html
■『労働者派遣法改悪案 審議わずかでも問題噴出』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-12/2015061202_02_1.html


■「札幌の公契約運動から・なくそう官製ワーキングプア」(川村雅則*4
(内容要約)
 赤旗の記事紹介などで代替。なお「公契約条例」は「労働問題限定」ではなく「環境保護」などさまざまな要素を含みうることを指摘しておく。

参考
赤旗
■主張『公契約法・条例:貧困なくす地方からのうねり』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-22/2010122201_05_1.html
■『公契約条例を可決、川崎で全会一致、政令市は初』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-16/2010121601_04_1.html
■『公契約条例を全会一致可決、東京・多摩市議会』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-22/2011122204_05_1.html
■『公契約法の制定迫る、穀田議員 建設労働者賃上げを』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-11/2013051104_03_1.html
日本共産党札幌市議団
■『しんぶん赤旗記事:公契約条例を札幌市に(上)』
http://www.jcp-sapporo.jp/akahata/20150302akahata/
■『しんぶん赤旗記事:公契約条例を札幌市に(下)』
http://www.jcp-sapporo.jp/akahata/20120304akahata/
■『しんぶん赤旗記事:公契約条例案の撤回承認 党札幌市議団コメント 早期再提出し必ず実現を』
http://www.jcp-sapporo.jp/akahata/20130920akahata/


特集「安倍農政改革・TPPを問う」
■「TPP交渉の現状と対抗の展望」(東山寛)
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
■主張『TPP日米協議、国会決議に反した交渉やめよ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-22/2015042201_05_1.html
■『“合意か漂流か”の岐路 TPP交渉きっぱり断念を、日米推進勢力の思惑通り進まず、日本共産党農林・漁民局長 紙智子参院議員に聞く』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-07/2015060703_01_1.html


■「北海道の酪農家の離脱・減少」(野呂光夫)
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗『畜産・酪農の現場実態示し対策迫る、衆院農水委 畠山議員が初質問』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-01-14/2015011401_02_1.html


■「安倍政権による農協「解体」の狙いと特徴」(北出俊昭*5
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■『安倍政権の農協「改革」どうみる、党農林・漁民局長 紙参院議員に聞く』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-12/2015021203_01_1.html
■『農協を強権的に壊すのは許されない、「農協改革」 志位委員長が会見』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-13/2015021302_03_1.html
■主張『農協「改革」、合意なき強行は発展阻害する』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-18/2015021801_05_1.html
■『農協「改革」法案、畠山議員の質問(要旨)衆院本会議』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-17/2015051704_05_0.html
■『「農協解体で地域衰退」、参考人質疑 畠山・斉藤氏が質問』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-29/2015052905_04_1.html


■「日米ガイドラインと戦争法案がねらうもの」(小澤隆一*6
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で内容要約に代替。

赤旗
■主張『日米ガイドライン大義なき世界規模の戦争協力』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-28/2015042801_05_1.html
■主張『戦争法特別委審議、恥ずかしいのは首相の姿勢だ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-29/2015052901_05_1.html
■『米国の戦争に「ノー」と言えない政府 集団的自衛権問題の核心はここに、志位委員長が会見』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-29/2015052901_04_1.html
■『戦争法案 全参考人が「違憲」、衆院憲法審査会 憲法学者3氏表明』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-05/2015060501_01_1.html
■『派兵恒久法案 国連決議の内容は無関係、「軍事」要請なくても米軍支援。衆院特委で赤嶺氏が追及』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-06/2015060601_01_1.html


■「社会福祉法人制度「改革」の狙い:本物の福祉を取り戻すために」(茨木範宏)
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■『制度改革で福祉衰退、事業あり方考える 国の狙い批判、国会内集会』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-13/2015021314_02_1.html
■『市場化促進で福祉低下、障全協など国会内で集会』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-12/2015051215_01_1.html
■『社会福祉法改悪阻止へ共に、保育など関係者 党国会議員団と懇談』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-05/2015060504_03_1.html
■ようこそ 日本共産党杉戸町議員団へ! 議員団発行の「新杉戸」と 「しんぶん赤旗」の記事を掲載しています『社会福祉法人制度改革の問題点は 貧困対策押し付け 営利企業参入狙う 萩原康一*7さん 「赤旗」2015年2月1日』    
http://blog.goo.ne.jp/sugito-jcp/e/91b6a4dd9b30f5db415ac741d4e12310


■「財界が執拗に求めた職務発明制度見直しの諸問題」(特許制度研究会)
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■『特許制度改悪可決、発明者の権利奪う 共産党反対、衆院委』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-31/2015053102_02_1.html
■『「使用者帰属」を批判、藤野氏 「特許法」改定案ただす』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-01/2015060105_01_1.html
■『特許法改定 発明者権利保障を、真島氏、経営者参考人に質問』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-03/2015060305_03_1.html


■「『空想から科学へ』英語版序文の「不可知論」をどう読むか」(長久理嗣)
(内容要約)
 『空想から科学へ』英語版序文にはドイツ語版にはない「イギリス不可知論(主要な提唱者として、トマス・ヘンリー・ハクスリー、ジョン・ティンダル*8ハーバート・スペンサー)」についての言及が多くされている点が注目される。これは英語版出版に当たり、出版社が「英語版読者のために加筆を求めたこと」にエンゲルスが応じたものである。
 このエンゲルスの序文加筆により、エンゲルスの「イギリス不可知論についての好意的評価、認識(マルクスエンゲルスらの唯物論に近い自然認識と言う評価)」をうかがい知ることができる。

*1:著書『子どもはどこで犯罪にあっているか?:犯罪空間の実情・要因・対策』(2000年、晶文社)、『安全・安心なまちを子ども達へ:犯罪現場の検証と提言』(2005年、自治体研究社)

*2:著書『人間らしく働くルール:ヨーロッパの挑戦』(2001年、学習の友社)

*3:著書『それ、パワハラです:何がアウトで、何がセーフか』(2012年、光文社新書)、『パワハラに負けない!:労働安全衛生法指南』(2013年、岩波ジュニア新書)、『学校で労働法・労働組合を学ぶ:ブラック企業に負けない!』(共著、2014年、きょういくネット)など

*4:個人サイト(http://www.econ.hokkai-s-u.ac.jp/~masanori/)。『学校で労働法・労働組合を学ぶ:ブラック企業に負けない!』(共著、2014年、きょういくネット)など

*5:著書『協同組合本来の農協へ:農協改革の課題と方向』(2006年、筑波書房ブックレット)、『食料・農業の崩壊と再生』(2009年、筑波書房)など

*6:著書『ほんとうに憲法「改正」していいのか?』(2002年、学習の友社)、『憲法を学び、活かし、守る:強まる危機に立ち向かう』(2013年、学習の友ブックレット)など

*7:著書『検証「社会保障改革」:住民の暮らしと地域の実態から』(共著、2014年、自治体研究社)

*8:「ティンダル現象」という科学用語にその名を残している事で知られる物理学者