今日の産経ニュース(7/10分)(追記・訂正あり)

■【閉会中審査】“前川流”流暢答弁も天下り問題では色なす一幕も 省内では関心低く
http://www.sankei.com/politics/news/170710/plt1707100047-n2.html

加計学園の問題で、多くの職員が対応に追われ疲れ果て、省内は重苦しい雰囲気に包まれているという。

 とはいえそれは不祥事が発覚した役所や企業では当然のことであって文科省限定じゃない。産経も「安倍の不祥事」だから「前川のせいで文科省職員が酷い目にあってる」的に書くのであって、「民主党政権時代の不祥事」ならこうは書かないでしょう。

 11日付の人事異動を控え、ある幹部は「中継なんて見ている時間はない。次の仕事に追われている」と関心を失った様子だった。

 「産経相手」ではこれ以外に言い様はないでしょうからね。
 実際の所がどうかは知りませんが本音が「前川頑張れ」でもそれを産経新聞相手に言う能天気はいません。


■【閉会中審査】加計影響、内閣支持率急落30%台に…読売、朝日、NHK 8月改造で心機一転目指す
http://www.sankei.com/politics/news/170710/plt1707100068-n1.html
 俺的には「未だ高い」「むしろとっくの昔に10、20%台にいって当然」ですが悪い事ではありません。森友・加計疑惑が支持率低迷の原因なのだから「内閣改造」でどうこうなる話ではないし、正直、どうこうなるとも思えません。
 森友・加計疑惑を吹き飛ばすサプライズ人事などないでしょうし、そもそも「世間的に人気が高い人間」が「今の安倍内閣」という「沈みそうな船」に喜んで乗るとも思えません。「都議選失言」稲田*1防衛相など評判の悪い閣僚を斬って終わりがオチじゃないか。
 石破*2元幹事長なんか明らかに距離を置き始めています。


■【閉会中審査・詳報(6)】前川喜平氏の“爆弾証言”炸裂「和泉洋人首相補佐官から官邸に呼び出され、『総理は自分の口からは言えないから私が代わって言う』と…」
http://www.sankei.com/politics/news/170710/plt1707100070-n1.html
 既にマスコミ相手に語っていたこととかぶる点が多いようですが、それでも「国会という場での証言」は重いでしょう。そして産経ですら「“爆弾証言”炸裂」と書かざるを得ないわけです。
 野党としてはまず次の攻めは「誰でも考えつくこと」ですが和泉首相補佐官と木曽元内閣官房参与の国会招致でしょう。


■【閉会中審査】出会い系バー問題で前川喜平氏「『調査』という言葉は適切でなかったかもしれない」
http://www.sankei.com/politics/news/170710/plt1707100033-n1.html
 実に産経らしい。こんな事は話の本筋でないにも拘わらず、安倍擁護のために「バー通いガー」と騒ぎ出すわけです。


■【正論】「国家的油断」が日本人の学力低下を招く 精神科医国際医療福祉大学教授、和田秀樹*3
http://www.sankei.com/column/news/170710/clm1707100004-n1.html

 この6月、文部科学省所管の科学技術振興機構の調査結果が発表された。
 他の論文に引用された回数から、影響力で上位10%の論文を発表した学者がどこの国に属するかの調査だが、それによると中国がコンピューター科学・数学、化学、材料科学、工学で世界トップに立ち、主要8分野のうち4分野が中国、残りの4分野はアメリカがトップになっているという。日本はほとんどの分野で5〜6位に甘んじている。
(中略)
 中国の研究費は約38兆円で日本の2倍になっているが、国力の維持のために、何をおいても日本はもっと多くのお金をつぎ込むべきだろう。
 また、各種調査で子供の勉強時間が、中国や韓国の子供と比べて、はるかに少ないことが明らかになっている。

 「中国の脅威」をウヨ相手に煽ることによって科学研究者が置かれている厳しい事態を改善しようという画策でしょうが、中国が急速に力をつけてること自体は事実なのでしょう。


■【産経抄加計学園問題より国家的油断 7月11日
http://www.sankei.com/column/news/170711/clm1707110003-n1.html
 前日の和田コラムを受けての駄文です。

 日本の科学研究費は中国の半分にすぎず、子供の勉強時間も中国や韓国に比べてはるかに少ない。長年文部科学行政を担ってきた前川氏は果たして、深刻な危機を認識しているのだろうか。

 ばかばかしい。「日本の科学研究費の少なさ」は「前川氏の告発の信頼性」と何一つ関係ないし、もちろん「加計疑惑追及をしなければ科学研究費が増えるわけでもない」。

 城山三郎さんの小説『官僚たちの夏』は、主人公の風越信吾が悠然と旧通産省の大臣室を出ていく場面から始まる。
「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」。

 もちろん風越、あるいは風越のモデルと成った「異色官僚」佐橋滋のような人間は例外でしょう。だからこそ小説になる。霞が関官僚が皆「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃない」といってるようなら小説にならない。
 「犬が人をかんでもニュースにならないが、人が犬をかむとニュースになる」という冗談がありますが当たり前のことは小説には成らない。
 「俺達は大臣に雇われてるわけじゃない」といったところで大臣は上司で人事権も握っています。普通の役人は、無視して勝手に動くわけにも行かない。風越並みに精神の太い人間でないとそんなこと精神的にとてもできないし、風越並みに有能でないとそんな事しても潰されるだけです。だから風越並みの異色官僚(有能かつ大胆)でないとそんなことしないし、そんな人間はほとんどいない。
 実際、小説の風越も「企業局長時代に、法案成立に消極的な大臣の意向を無視して推進した特定産業振興臨時措置法案(審議未了で廃案)」がたたって「事務次官最有力候補」とされながらも「特許庁長官」へ左遷(?)されます。
 特許庁長官から事務次官に返り咲くあたりはさすが異色官僚ですが。

いくつかの新聞コラムは最近、文部科学省前次官の前川喜平氏を佐橋さんになぞらえている。

 事務次官の政府批判ですからね。そう言う連想は自然でしょう。
 ちなみにそうしたコラムの一つとして東京新聞(2017年5月26日付け)、北海道新聞(2017年7月8日付け)を紹介しておきます。

https://asahi.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1496035923/l50
 高度経済成長を支えた官僚らの姿を活写した城山三郎さんの小説『官僚たちの夏』の主人公・風越(かざごし)信吾は、巧みに(ボーガス注:部下の)天下り先まで見つけて人心を握り、「ミスター通産省」と呼ばれた男だ
▼「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」と公言し、官邸の意向に歯向かい左遷されたこともある
▼国会運営に行き詰まり解散総選挙に打って出ようとした首相に、紙の供給を担当する課長として「総選挙をやられるとしても、そのため必要な紙の割当は、一切いたしません」と直言した。総選挙には膨大な紙が必要だが、一内閣の延命のために学用品などに回す紙を犠牲にしてはスジが通らぬと信念を貫いたからだ
文部科学省前次官の前川喜平氏も、今は禁じ手の天下り問題で処分されたくらい部下の面倒見がよく、「ミスター文科省」と評されたという。ただ、小説の主人公とは違い、役人としてのスジを通せなかったと悔いておられる
▼安倍首相の友人が理事長を務める学校法人の獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」に沿う形で、「行政が歪(ゆが)められた」と衝撃の告白をしたのだ
▼自身の力不足のために「まっとうな行政に戻すことができなかった」とも言っている。ぜひ、国会で真相を語っていただきたいが、自民党は国会への参考人招致を拒んでいるという。それが「まっとうな政治」なのか。

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/season/2-0115767.html
「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」。
 城山三郎の小説「官僚たちの夏」の主人公、風越信吾の持論だ。旧通産省のキャリア官僚。「何が国のためになるか」を信条に、そのためなら首相や大臣へ歯向かうこともいとわない
▼モデルとなった元事務次官の故・佐橋滋さんは、生前こう語っていた。
<国のため、社会のためという意識のないやつは、役人になる資格はない。優先すべきは私的面より公的面だ>
▼異論もあろうが、使命感は伝わる。加計(かけ)学園問題を巡り官邸中枢の関与を証言した前川喜平前文部科学事務次官にも、そんな思いがあったのだろうか
▼世間には、文科省天下り問題で、辞任に追い込まれたことへの「反乱」との見方もある。真意は分からない。だが「おかしいと思うことがあれば、伝えなければならない」との前川氏の姿勢に、風越と似た覚悟も感じる。一方、内閣府は一連の疑惑に知らぬ存ぜぬ。説明責任を果たしているとは言い難い。内閣からは個人攻撃すら聞こえる
森友学園問題では、野党が求める徹底調査を拒否し続けた財務省の前理財局長が、国税庁長官に昇任した。佐橋さんなら彼らになんと言うだろう
▼10日には前川氏を参考人招致して、衆参両院で閉会中審査が行われる。疑惑はどこまで解明されるか。他の官僚たちは、前川氏の覚悟をどんな思いで見つめるか。

 前川氏が「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画をめぐって首相官邸批判を始めたのは、役所を退いてからである。官僚としてスジを通したといえるだろうか。

 確かに「在任中にやるべき」ではあったでしょう。しかし「在任中にやらなかったから墓場まで秘密は持っていく」より退官後、告発した方が「不正の追及」と言う意味ではいいことです。
 大体、この産経の理屈では、たとえば「主体思想の父」「朝鮮労働党書記」ファン・ジャンヨプ北朝鮮批判も「亡命前にやれ」つうことになるでしょう。
 あるいは「筆坂の共産党非難」も「竹入、矢野の創価学会批判」も「党政策委員長在任中にやれ」「党委員長在任中にやれ」ということになるでしょう。
 勿論産経はそう言う事言いませんが。

「万死に値する責任がある」。
天下りの斡旋(あっせん)問題で今年2月に次官を辞任した際は、重い謝罪の言葉を口にしていた。その舌の根の乾かぬうちに、「私、座右の銘が『面従腹背』なんです」などと言い出す。

 「たかが冗談」の『座右の銘が「面従腹背」』を揚げ足取りする産経です。そんなんを揚げ足取りするくらいなら「麻生のナチス発言」などを詭弁で擁護せずきちんと批判して欲しかった。
 つうか前川氏の人間性なんかこの問題においてどうでもいい。問題は「前川告発が事実か」あるいは「加計学園に不当な便宜供与があったか」です。
 「前川告発は事実じゃない」あるいは「不当な便宜供与などない」といえず人格攻撃に走るところが「産経の敗北」を証明しています。

 昨日、衆参両院で閉会中審査が行われ、野党側の参考人として前川氏が出席していた。改めて発言を聞いても、大騒ぎするほどの問題とは思えない。

 安倍御用新聞産経的にはそうかも知れませんがそれは世間の認識と違います。つうか本当に「大騒ぎするほどの問題と思わない」のなら黙ってればいいでしょう。「騒ぐな」といわずにはいられないんだから滑稽です。


山本幸三*4地方創生相、知人のインサイダー事件で調査に圧力か 監視委幹部を呼び出し「違法な調査だ」
http://www.sankei.com/affairs/news/170710/afr1707100006-n1.html
 内閣改造で更迭予定の「学芸員はガン」失言大臣とは言え、現役大臣の疑惑発覚とは安倍も頭が痛いでしょう。


■【加計学園問題】前川喜平前次官、参考人招致のポイントは? 「思い上がった文科省にメスを」と元官僚・八幡和郎氏*5
http://www.sankei.com/politics/news/170710/plt1707100007-n1.html

八幡和郎氏が緊急寄稿した。

 吹き出しました。八幡は「改革派気取りの元官僚」にすぎず、この問題に詳しいわけでもない。緊急寄稿してもらう人間じゃありません。
 しかし八幡も本気で言ってるわけではないでしょうが、呆れます。
 ポイントはもちろん「前川告発が事実なのかどうか」「加計学園に不当な便宜がされたのかどうか」です。
 文科省の反対理由が適切かどうかなんてことは加計学園疑惑の本筋じゃない(そう言う議論をするなと言ってるわけではありません。少なくとも加計学園疑惑とは関係ないという話です)。
 なぜなら「反対理由が不適切なら加計学園に不当な便宜はなかった」だの「反対理由が不適切なら加計学園に便宜を図っても不当じゃない」なんてことにはならないからです。もちろん逆に「反対理由が適切なら加計学園に不当な便宜を図った」ということにもならない(まあ「反対理由が適切」ならその反対を無視した理由に正当性がなければ、加計と安倍の友人関係も考えれば「不当な便宜の疑いが強い」ですが)。
 大体「思い上がった文科省にメスを」なんてことができるようなら、安倍も参考人招致を渋ったりしないでしょう。
 そして野党は八幡の言葉をもじれば参考人招致で「思い上がった灰色政治家・安倍にメスを入れる」と主張しているわけです。
 都議選惨敗と支持率激減で招致を安倍はやっと決意したわけです。そして都議選惨敗と支持率激減は「加計学園疑惑」で安倍を国民が「疑惑の目」で見てることを示しています。産経や八幡の詭弁など相手にされてないわけです。

日本獣医師会の蔵内勇夫(いさお)会長らも招致すべきではないのか?

西日本新聞『「加計学園」問題巡り蔵内獣医師会長に聞く あの手この手で根回しあった』では
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/340056/

記者
 昨年11月に決定した「広域的に獣医学部が存在しない地域に限り新設を認める」との政府方針により、事実上加計学園に事業者が絞られたとの指摘がある。安倍晋三首相は国会で「獣医師会の意見に配慮した」と答弁したが。
蔵内氏
 規制緩和が決まった後は、確かに『1校にして』とお願いした。新設を回避できないなら、せめて1校に限るべきだと思ったからだ。しかし、それ以前はそもそも新設に反対で、要望したことはない
記者
 この時点で、事業者は加計学園に絞られたと思ったか。
蔵内氏
 思った。複数の大学関係者から『加計が準備している』と聞いていた。あの手この手で根回しみたいなこともあった。加計になるんだなと分かっていた。

という証言がありますので「疑惑がらみのこと」については蔵内氏を呼んで質問してもいいでしょう。ただし当然ながら「蔵内氏の新設反対理由が適切か」なんてことは聞くべき事ではない。

参考人招致で、前川氏は伝聞と密室でのやりとりを「真実だ」と印象操作するだろう。それをウソと証明することも不可能だ。偽証すれば刑事責任も問える証人喚問をしても、意味がない。

 言ってること無茶苦茶です。前川氏は自分に圧力を加えた人間の名を「木曽内閣官房参与(当時)と和泉首相補佐官だ」と証言してるのだから木曽氏、和泉氏を国会に呼んで、前川氏と対決させればいいだけのことです。しかもこの八幡の言い分では「籠池証人喚問」など過去の全て証人喚問、参考人招致が否定されることになります(大体事情はともかく今回自民、公明も野党の要求する参考人招致に賛同したのに無価値だと言い出すのは無茶苦茶です)。
 大体「密室だから真実が解明できない」のなら収賄事件だの談合事件だのは密室のやりとりだから起訴できません。しかしもちろん過去において収賄も談合も起訴されてるし、有罪判決も出てるわけです(証拠不十分で無罪の場合もありますが)。
 いずれにせよ前川氏、木曽氏、和泉氏関係者全ての言い分を聞いてからでなければ、八幡のようなことは言えはしません。
 結局、八幡は真実解明を妨害し安倍をかばいたいだけの話です。八幡は国基研連中のような極右か、加計学園のような便宜を安倍から受けてるかどっちかでしょう。

 それより、「週刊現代」(7月15日号)に掲載された、前川氏のインタビューに注目すべきだ。ジャーナリスト、田原総一朗氏の「戦いの真意は何ですか」との問いに、前川氏は次のように答えている。
 「文部科学省が官邸の世界からできるだけ離れられるようにすること。大学設置審議会における大学の設置審査は、政治的圧力から免れて、役所としてまっとうな審査をしてほしい」
 何と、思い上がった発言なのか。

 何が思い上がってるのか、さっぱり分かりません。俺は正論だと思います。大体、ここでの「政治的圧力から離れて」というのは少なくとも建前では「審査基準をもとに審議会委員が公正中立に判断して」と言う意味であって「文科省で好き勝手にお手盛り審査したい」という話ではありません。
 いやそれ以前に前川氏が思い上がってるかどうかだの告発動機が何なのかだの正直俺にとってはどうでもいい。
 俺にとって大事なことは「告発が真実かどうか」です(大半の国民がそうでしょう)。極論すれば「告発が真実である限り」、俺は「前川氏の告発動機が次官を引責辞任させられた逆恨みでアレ」、「前川氏がバーで買春していた*6のでアレ」、少なくとも「加計学園疑惑の真相追及」と言う意味では「そんなことはどうでもいい」と思っています。
 結局、後ろ暗いところがあるからこういう「前川氏への人格攻撃」に走るわけです。そしてそういうことするから安倍擁護派の主張に説得力がなくなる。

どこに大学や学部をつくるかは、当然、政策的な意向も考慮すべきである。

 その場合の政治的意向とはあくまでも「政府の閣議決定」などの「事後検証ができる透明な形」であるべきでしょう。おそらくそういう透明な形なら前川氏も反対しない。「総理の意向だ」なんて不透明な形だから非難されるわけです。

 文科官僚は彼らを擁護する代償として天下り先を堂々と獲得してきた。

なんてことは前川告発の真偽とも、加計学園に不当な便宜があったかどうかとも全く関係ありません。
 大体、文科官僚出身*7の「木曽功内閣官房参与(当時)」が「参与辞任後、加計学園系列の千葉科学技術大学学長」として天下ってることは八幡や産経的にはどう理解されるのか。
 内閣官房参与時代の加計への便宜供与のご褒美で「千葉科学技術大学学長」に天下ったんじゃないのか。
 木曽の天下りはきれいな天下りなのか。ふざけんな、つう話です。

 「加計問題」の真実を明らかにするためには、前川氏と加戸氏らの参考人招致だけでは不十分だ。日本獣医師会の蔵内会長や、愛媛県今治市の菅良二市長、加計学園の加計孝太郎理事長らも一緒に招致すべきだと思う。

 蔵内会長、菅市長、加計理事長を呼んでもいいかもしれない。
 しかし恐れ入るのは、ここで前川氏が「総理の意向を伝えてきた」と名前を出して告発した和泉首相補佐官と木曽内閣官房参与(当時。現在は加計学園系列の千葉科学技術大学学長)の名前を八幡が出さないことです。
 不自然なことこの上ない。「そこまでして和泉と木曽を呼びたくないのか」と呆れます。正直、前川告発が事実無根なら和泉、木曽両名が「名誉毀損だ、前川は許せない」などともっと騒いでもおかしくないから恐らく告発は事実なんでしょう。
 また今治市長を呼ぶというなら「当時の愛媛県知事・加戸」の名前が出てもおかしくないですが、八幡が出さないのはやはり「何らかの事情で加戸は呼びたくない」ということでしょうか(追記:なお実際には加戸は前川氏とともに参考人招致されました)。
 他にも加計学園疑惑で名前が出た萩生田官房副長官、下村元文科相、下村の加計学園ヤミ献金疑惑をスクープした週刊文春の編集長*8なんかも呼んだ方がいいかもしれません。


■【野口裕之の軍事情勢】北ミサイル開発は中露のおかげ それなのに批判する習、プーチン両氏は出会い系バーで「貧困調査」と同じ無理スジだ 
http://www.sankei.com/premium/news/170710/prm1707100006-n1.html
吹き出しました。北朝鮮問題で無理矢理、前川非難なんか始める必要性は何処にもないんですが、そう言う常識は産経にはありません。
 いずれにせよ「バー通い」云々は
1)前川氏の主張を覆すことを産経らが結局できなかった
2)世間が「前川が買春してるかどうかなんか告発の信用性と関係ないだろ!」という態度をとった
ことである意味「既に終わった話」です。今さら産経が蒸し返してもどうにもならない。
・「中露の北朝鮮支援」で俺が連想するのはむしろ「安倍(中露に当たる)による森友、加計(北朝鮮に当たる)への便宜供与」ですね。ほとんどの人間はそうじゃないか。
 「中露の技術支援がなかったら北朝鮮のミサイル開発はなかった」という産経ですが「安倍の圧力がなかったら森友に対する国有地の大幅ディスカウントなんかなかった」し「加計の獣医学部の新設もなかった」わけです。
・なお、今日のTBS朝のワイドショー「あさチャン!」に寄れば「読売新聞調査で不支持率52%(支持率36%)」だそうです。未だに安倍支持する人間がいることが信じられませんが、いずれにせよ支持率は下降傾向、36%、52%ともに読売調査での支持率、不支持率の最高値です。
 森友・加計疑惑発覚当初、支持率があまり落ちず、安倍批判派が愕然、憮然となる一方、安倍が頭に乗って居直るという過去の状況がウソのような事態になっています。
 TBSの報道姿勢も「参考人招致のポイント」として、今日の参考人招致で質問するらしい「森ゆうこ*9自由党議員」の安倍政権批判コメントを使っていますし、MC夏目三久も「今日の参考人招致で疑惑が少しでも解明されることを期待する」と言う趣旨の発言。もはや流れは完全に「安倍おろし」に変わったといっていいんじゃないか。
 森友・加計疑惑なんて「自民の構造汚職」というより「安倍の暴走」ですから「安倍を切り捨てれば野党相手に巻き返せる」と党内が動き始めてもおかしくはないでしょう。

参考
新潟日報『人事握る官邸の「独裁」、加計学園問題 (ボーガス注:新潟選出で、加計問題を追及してきた)森裕子参院議員に聞く』
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20170621330955.html

*1:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を経て第三次安倍内閣防衛相

*2:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*3:著書『多重人格』(1998年、講談社現代新書)、『わがまま老後のすすめ』(1999年、ちくま新書)、『<自己愛>の構造』(1999年、講談社選書メチエ)、『大人のための勉強法』(2000年、PHP新書)、『「英語脳」のつくり方』(2003年、中公新書ラクレ)、『能力を高める 受験勉強の技術』(2005年、講談社現代新書)、『大人のための読書法』(2005年、角川oneテーマ21)、『大人のための健康法』(2006年、角川oneテーマ21)、『受験勉強は役に立つ』(2007年、朝日新書)、『震災トラウマ』(2011年、ベスト新書)、『受験学力』(2017年、集英社新書)など

*4:第一次安倍内閣で経産副大臣

*5:著書『世界の王室うんちく大全』(2013年、平凡社新書)、『日本を超一流国にする長州変革のDNA』(2015年、双葉新書)、『「領土」の世界史』(2015年、祥伝社新書)、『蓮舫二重国籍」のデタラメ』(2016年、飛鳥新社)など

*6:どうもそう言う事実はないようですが

*7:木曽氏は文化庁文化財部長、 独立行政法人日本学術振興会理事、文部科学省国際統括官、ユネスコ大使などを歴任

*8:応じるか分かりませんし、応じても「取材源の秘匿のためノーコメント」発言連発かも知れませんが。

*9:野田内閣文部科学副大臣、「国民の生活が第一」幹事長代行、日本未来の党副代表、生活の党代表代行などを歴任