今日の産経ニュース(7/5分)ほか(追記・修正あり)

■ちきゅう座『教委の政権への忖度が、前川喜平人気をますます後押し』(澤藤統一郎)
http://chikyuza.net/archives/85352
 俺的には「天下り引責辞任を割り引いても」

・加計告発
朝鮮学校無償化除外での除外批判、朝鮮学校支援(裁判での証言も引き受ける用意があると朝鮮学校側に約束)
高世仁が紹介していた夜間中学への思い入れ

などで澤藤氏同様に「ブラボー前川」ですが世間的にはどうなんでしょうか。

 「文春オンライン」で、「前文部科学事務次官前川喜平 2万字インタビュー」を読むことができる。これが滅法面白い。
http://bunshun.jp/articles/-/7862?page=2
 なかで、「思想的には相容れない、加戸守行さんのこと」という章が楽しい。前愛媛県知事加戸守行は、前川の直接の上司だったという。これは奇縁。
以下は、インタビューの抜粋。
■前川
 実は加戸さんは私が文部省に入って間もない頃の上司なんです。私は官房総務課に配属されたんですが、その後総務課長に来られたのが加戸さん。
■文春記者
 加戸さんはどんな上司でしたか?
■前川
 加戸さんから建国記念の奉祝式典に潜入してこいと「密命」を帯びたことがあるんです。式典に文部省が後援名義を出すので、様子を見て報告しろと。それで行ってみると、のっけから紀元節の歌をみんな起立して歌っているわけです。「雲に聳ゆる高千穂の 高根おろしに草も木も」って。講演も右翼チックなものばかり。まさに紀元節復活みたいな強い雰囲気があって、これは参ったなと加戸さんに報告したら「そうかそうか、よかったよかった」って言うんです。加戸さん、右翼なんですよね。総務課長室に建国記念の日のポスター、ダーンと貼っていたのもそういうことかと。だから、思想的には私とは相容れないところがあるんです。

 前川証言が事実なら、どう見ても加戸はガチでウヨですね。なるほど安倍と気があうわけです。
 しかし安倍といい、加戸といい、自称愛国者が「モリカケのような不正」に加担するわけですから「お前らの言う愛国とは何だ!」と実に腹立たしくなります。
 澤藤氏が紹介しない部分も少し見てみましょう。

■前川
 私はその頃、宮城県教育委員会に2年出向して、その後外務省の研修所に行って、それから3年間フランスのユネスコ代表部で仕事をしていたんです。
■文春記者
 1989年のリクルート事件で高石邦男前文部次官が逮捕されたときはフランスですか?
■前川
 ただ、高石さんが国政選挙に出ようとしていた時のことは覚えています。宮城県にいたときに、「高石さんが衆院選に出るのでパーティー券を買え」って、教育委員会に文部省から言ってきたんですよ。教育長と教育次長に相談したら、「何もしないわけにはいかんだろうな」ってことになって、結局私含め3人、ポケットマネーを出して買いました。あれはひどかったなあ(笑)。文部省内でも各課ごとにプールしていた裏金から捻出してパーティー券を買っていたんじゃないかなと思います。カラ出張やカラ会議で使ったことにして貯めた「裏金」を管理するのは、各課の庶務担当の補佐の仕事でした。
■文春記者
 裏金といえば、いわゆる「官官接待」にも使われたわけですが。
■前川
 ええ、私も大蔵省の主計官の接待をしたものです。
■文春記者
 大蔵官僚というのは、やはり他省の官僚とは違うものなんですか?
■前川
 やっぱり、大蔵省様様って感じでしたよ。とにかく主計局の主計官だとか次長は予算をつけてくださる大事な方だと。

 まあ、前川氏も時効だと言うことで結構やばいこと言ってますね(さすがにこれは1980年代の話であって、いわゆる官官接待問題が表面化して以降の今はこんなことはできないのでしょうが)。いくら高石が文部官僚出身政治家(?)でも空会議や空出張で「裏金化した税金」でパー券買うってのは完全な違法行為でしょう。例の次官辞任に至った天下りの件も「その種のしがらみだったんだろう」とは思います。積極的に私腹を肥やすタイプではないにせよ、左遷も恐れず異を唱えるほどの正義漢でもなかったという話です。ただ退官すると「加計告発」「朝鮮学校支援」を行う程度には正義漢ではあると。
 まあ前川氏にも限界はあるわけですが澤藤氏が言うように佐川元国税庁長官だの、財務省のセクハラ次官(当時)だのと比較したら実にまともでしょう。
 しかし例の「教基法PTやらせ」が暴露されたのは「教委への依頼がばれたから」ですが、一時期はここまでやばい依頼までしていたんですね。これは当時、ばれたら、文部大臣の首が確実に飛んだでしょうね。


【ここから産経です】
■【主張】文科省局長を逮捕 これでも教育の「本丸」か
https://www.sankei.com/column/news/180705/clm1807050002-n1.html
 「大学と政官界の癒着」という構図は同じでも、加計学園岡山理科大学)と安倍の癒着は容認し、今回逮捕された局長氏と東京医科大の癒着は批判する。
 いつもながら産経らしい、「産経のような安倍信者にしかかけない」でたらめ記事です。正直「局長レベルで便宜が図れる」なら「首相ならなおさら」でしょう。つうか誰がどう見ても安倍は真っ黒ですが。


■国立大の随意契約、上限額付近に集中 機器購入の価格交渉不十分か
https://www.sankei.com/economy/news/180705/ecn1807050006-n1.html
 「いやそれ違うだろ、価格交渉が不十分なわけじゃねえだろ」ですよねえ。例えば上限額500万だとしましょう。
  常識で考えて、「上限額の範囲内でできる限りサービスを詰め込もう」つう話でしょう。
 たとえるなら車を購入するときに「予算の上限額で」、カーナビとか革張りの椅子とか、オプション装備をどんどんつけていこうつう話です。
 そんなことは財務省もわかってると思うんですがねえ。

 国が、一般競争入札によらず任意で決定した相手と結ぶ随意契約を行えるのは160万円以下の契約などと法律で規定されているが、国立大学には適用されていない。契約実態を把握するため財務省は全国に86ある国立大学のうち、随意契約の上限額を500万円としている54大学と、300万円としている17大学の契約額の分布を調査した。

 まあ「国立大学法人になって国とは別組織になった以上、事務を省力化したい」つうことでしょう。確かに「入札にすれば」癒着の危険性は減りますし安くすむかもしれない。
 ただし入札関係事務という手間がかかるし、「安かろう悪かろう」の危険性もある。「過去に実績がある信頼できる業者相手にできる限り、手間のかからない随意契約にしたい」つう気持ちは一応わかります。