今日の中国ニュース(2019年2月9日分)

【大阪正論】「中国の民族弾圧を放置せず関与を」 静岡大教授・楊海英氏 - 産経ニュース

 背景には、1945年2月のヤルタ会談があるとして「旧ソ連や中国の思惑により新疆は中国の統治下に入り、モンゴルは分割された。当事者の民族が呼ばれない密約で領土が奪われた」と不当性を訴えた。

 それ今更言ってもどうにもならないし、「ソ連の対日参戦密約」はともかく「内モンゴルや新疆ウイグルの扱い」なんて別に密約でも何でもないですけどね。ヤルタ会談以前から内モンゴルも新疆ウイグルも「中国(当時は中華民国)領土扱い」だし、その部分の合意は隠されてませんので。
 つうかこういうこという楊て「最終目的は内モンゴル外モンゴル編入ウイグル独立」なんでしょうか。


中国の環境規制強化 日本企業、生産移転広がる :日本経済新聞

・中国の環境規制の強化に伴い、日本の素材や部品メーカーが生産拠点の移転や計画変更を余儀なくされている。三洋化成工業は2019年中に中国の工場の一部生産をタイに移す。旭化成蘇州市の工場の拡張を断念し、江蘇省に新設する。
・既に「規制水準や罰則は日本より厳しい」(化学メーカー幹部)という声もある。
・三洋化成は江蘇省南通市の工場で手掛ける塗料用添加剤の生産をタイの既存工場に移す。これまで生産過程で大量に排出する廃液を現地業者が回収していた。しかし、環境規制の強化で回収価格が上がったり、業者が廃業したりして対応が難しくなった。
 旭化成は20年に江蘇省常熟市で自動車の軽量化に使う樹脂の新工場を稼働させる予定だ。蘇州市内の既存工場での生産での増産を検討してきたが、排ガス規制などが厳しくなり、拡張工事を断念した。
 自動車用ホース(配管)を製造するニチリンは6月をめどに、上海市内の工場で稼働していた製造設備を江蘇省常熟市に新設した生産拠点に移管する。ニチリンの担当者は「今後さらに上海市の環境規制が厳しくなると生産活動ができなくなる。先を見越して移転を決めた」と話す。

 「それって東南アジアなどへの公害移転・輸出じゃないのか?」と思って「うーん(ため息)」ですね。反中国ウヨ分子は中国の人権問題に悪口ばかりしたがります。実際に人権上の問題はあるわけですが「徐々にではあれ」、経済成長によって、いわゆる「経済的中間層」も増えてきて、例えば環境問題ではあまり無茶苦茶ができなくなってきた、つまり人権面が一定程度改善してきたと言うことなんでしょうね。もちろんそうなるにおいては「国内の環境保護活動家」の運動も大きく影響し、単純に「中国政府をべた褒めできる話」でもないでしょうが。


中国マネー、ヨーロッパを分断 対中外交の足並み乱れる:朝日新聞GLOBE+

・「中欧は間違いなく欧州の成長の牽引力になります。中国が『16+1』の枠組みを作ったことで実現したのです」
 中国・上海で昨年11月に開かれた「中国国際輸入博覧会」の開幕式。国家主席習近平*1らに続いて登壇したハンガリー首相のビクトル・オルバン*2(55)は6分間にわたって中国をたたえ、「一帯一路の協力は任せてください」と締めくくった。
 16+1は、中東欧の16カ国*3と中国が協力を話し合う枠組みで、12年から毎年首脳会議を開く。14年にはハンガリーセルビアを結ぶ350キロの高速鉄道を中国が支援することが決まり、ハンガリーはその翌年、真っ先に一帯一路への協力文書に署名した。この枠組みには入っていないが、財政難のギリシャでも16年、最大の港を管理する会社の株式51%を中国企業が買い取った。
EUとして16年に南シナ海問題で中国を批判する声明をとりまとめようとした際、ハンガリーギリシャの反対で名指しは見送りになった。17年には人権問題でも中国を批判する声明がギリシャの反対で頓挫した。
・波紋を広げたのは16年、中国企業によるドイツの産業用ロボット大手KUKAの買収だった。その後、半導体やITなど先端技術をもつ企業などを買おうとする動きが相次ぎ、ドイツは外資による買収への規制強化に踏み切った。

 阿部治平*4的には「中東欧の16カ国」も冊封体制入りでしょうか。


リベラル21 明清帝国の再来か(阿部治平)
 予想の範囲内ですが、タイトルからして「産経新聞日本会議そっくりの反中国文章」でずっこけました。
 そして本文も

「一帯一路」は明清帝国冊封体制の再来か

だそうです。なるほど、「ということは」一帯一路への参加を表明した安倍晋三は「冊封体制」とやらに入ったんでしょうか?
 奥さん、これが「安倍の改憲に反対すると自称する」「自称リベラル」のリベラル21なるサイトに掲載された反中国ウヨ文章です。マジで呆れて二の句が継げません。

 2013年習総書記が提唱した「一帯一路(大陸と海洋のシルクロード)」構想は、中国主導のアジア共同体を企図したものである。

 一帯一路を掲げて中国が経済進出している場所にはアフリカやヨーロッパが含まれるので事実認識として「アジア共同体」は適切ではありません。つうか、阿部の言う「アジア共同体」とはそもそもなんなのか?。
 「EUASEAN的なもの」を意味するなら一帯一路は明らかにそうではないでしょう。

 スリランカが借款の返済不能に陥ると港湾施設を99年の租借地とした。

 「スリランカの港が租借地だ」という記述は明らかに間違ってるので以下の批判コメントを阿部の記事コメント欄に投稿しました。

 いろいろ言いたいことはありますが「ほとんど、あなたと俺の価値観の違いの問題に過ぎない」ので、一点だけ明らかな事実誤認を批判しておきます。

スリランカが借款の返済不能に陥ると港湾施設を99年の租借地とした。

 「租借地」というのは明らかな間違いです。なぜなら、中国はスリランカ・ハンバントタ港においては「港湾施設を運営する企業の運営権」しか持ってないからです。租借地というには「昔の上海に英国警察が駐在したり、昔の満州関東軍が駐留したり、あるいは香港やマカオ、インドのゴア、戦後の沖縄(復帰前まで)に至っては完全に英国やポルトガル、米国が、中国やインド、日本の主権を排除して統治していた」ように「何らかの行政権限の行使」がないといけない。ではハンバントタ港を「スリランカの支配を完全に排除して、香港やマカオ、ゴア、戦後の沖縄(復帰前まで)の様に中国が完全統治してるか」とか、そこまでいかなくても「上海租界の英国警察や満州関東軍」のような存在(中国警察や軍)がハンバントタ港にあるかといったらそれもない。
 たぶん「99年という期間」から「租借地だった香港(99年期間)」を連想し、租借地呼ばわりしてるんでしょうが、ここは「価値観の問題ではなく」明らかに事実に反します。
 速やかな修正を要望します。「間違ってない、だから訂正しない」というのなら租借地と見なす根拠を出してください。俺はすでにあなたが間違ってると思う根拠を提示しました。
 それと「このコメントを掲載拒否したあげく」記事訂正も何もしないですっとぼける不誠実な行為はやめてくださいね。

 これがまだ阿部治平の個人ブログだったらよかったのですが、「明らかな事実誤認」を記事掲載するとはリベラル21も全く無責任です。多分、上に掲載したコメントは「自己中心的で狭量な性格の阿部」によって掲載拒否それ、それをリベラル21も容認するのでしょうが一応コメント投稿しました。結局、「投稿の掲載を拒否したあげく記事の修正もしない」という不誠実な対応を阿部がして、阿部もリベラル21もどうしようもないバカだと言うことをまた俺が知ることになるかと思います。
 もちろん「租借地ではない」のだから「租借地と書くこと」は端的に言って事実誤認であり、「借金の形に港の権利を手に入れたのだから租借地だろうが、港の経営権だろうが問題じゃない、そんな些細なことにこだわるのは言いがかりだ」つうことには全くなりません(阿部だとそう強弁しそうですが)。それなら例えば「日本の港湾の運営権」を外資が入手(ハンバントタ港と同じケース)したらそれは租借地なのか。もちろん租借地じゃありません。

【2/14追記】
 どうせ無視するのだろうと思っていたのですが意外にも小生のコメントが珍しく掲載されました。
そして以下の阿部コメント。

リベラル21 明清帝国の再来か
 貴殿のご指摘は正当です。わたしにはもともと言葉選びに杜撰なところがあって、つねづね自分でも注意しなければならないと思っていますが、今回もやってしまいました。
スリランカが借款の返済不能に陥ると港湾施設を99年の租借地とした」は、「スリランカが借款の返済不能に陥ると、(中国は)港湾施設の99年にわたる管理・運営権を手中にした。かつての英国の香港租借をも連想させるふるまいである」とでもすべきでした。
 ご指摘に感謝します。

 さすがに明らかな事実誤認「租借地」についてすっとぼけるわけにはいかないと思ったようです*5。「租借地と経営権は違う」にもかかわらず「かつての英国の香港租借をも連想させるふるまい」と強弁するあたりが「反中国」阿部らしくて醜悪でみっともないですが。以前id:scopedog氏もブログ記事で指摘していたかと思いますが「99年の経営権貸与」は中国企業以外(日本や欧米企業)でも例があることで阿部の主張「香港租借を連想」は全く成り立ちません。
 そこで

>かつての英国の香港租借をも連想させるふるまい

 「租借地と経営権は全然違う」ので「醜い強弁」「中国に対する不当な誹謗」であると思います。素直に「間違いをお認めになり、中国政府に謝罪」したらいかがですか?。まあ、「反中国分子」のあなたと「あなたの記事を掲載する」リベラル21にとって中国に謝罪することは「自分に非がある場合でも」できないことなのでしょうが。

とコメントしました。個人的には「過去の阿部の不当なコメント掲載拒否への怒り」は我慢して、「大分冷静に書いてるつもり」ですが向こうは反中国の方ですから、「反中国分子とは何だ!」「中国に謝罪とは何だ!」などと激怒して今度こそ掲載拒否かもしれません。まあ彼はそう言う人間だと思ってるので正直どうでもいいですが。
【追記終わり】

 南シナ海を軍事的に制圧し、その領有をめぐる国際裁判での敗訴を認めず、判決を「紙くず」とけなしたのである。

 まあ阿部らしい反中国です。「軍事的制圧」とは一体何なのか。そんな事実はないと思いますが。そして「紙くず」とけなしたのは確かに事実でしょうが、それでも中国は「経済支援でフィリピンを懐柔した」わけです。本気で「紙くず」と思ってればそんなことはしないでしょう。
 つまりは「建前では紙くずとけなしたが、本音の世界ではそれなりに価値を認めフィリピンを懐柔した」「そしてフィリピン・ドゥテルテ政権の方も経済支援とのバーターで判決を中国相手に必要以上に振りかざす事はしなかった」わけです。
 フィリピンは「名(判決)を捨てて実(中国の経済支援)を取った」わけです。まあ中国も「フィリピンへの経済支援に中国企業が一枚かんでそれなりにもうける」のでしょうから「フィリピンから完全にぼられた」わけでもないですが。
 そうした決着が望ましいか、「阿部がそうした決着を望ましいと評価するか」はともかく中国・フィリピン間の紛争はそうして一応決着しました。その点に阿部が触れないのは「知らないのなら無知だし、知ってて触れないならアンフェア」でしょう。

 2006年には、中国中央テレビ局(CCTV)が「大国崛起(大国の勃興)」というシリーズ番組を放映した。大航海時代ポルトガルから現代アメリカまで覇権国家9つの興亡を描いたものである。また当時CCTVは、清国最盛期の康熙帝乾隆帝の伝記や故事を何回も放映した。
 当時私は中国の大学にいたので、学生たちに、番組放映の意図は「10番目の覇権国家は中国なりというところかね?」とか、「目指すは大清帝国最大領土じゃないのか?」などと訊いてみたことがある。これに誰一人反論するものはいなかった。

 まあ「相手はセンコー(先生)だし、俺は学生。けんかするのも馬鹿馬鹿しい。反感買って、酷い評価なんかされたらたまったもんじゃない。とはいえお世辞でも賛同する気にもならんから黙っていよう。清帝国最大領土て、冗談でも笑えないわ。清帝国最大領土だと、例えば今のウラジオストックが入るし。まさか本気でそんなこと言ってねえだろうけど、冗談でもくだらない」つう事でしょうね。俺のコメント掲載を拒否して恥じない狭量な性格の阿部だと本当に学生を低評価しかねないでしょう。
 「反論がなかった→支持されてる」と思ってるなら阿部も呆れたバカです。

 ひところマイケル・ピルズベリーの著書『China 2049、原題The Hundred-Year Marathon』(日経BP社、2015)が評判になった。「世界の覇権を握る」という中国の長期的戦略に著者が気が付くまでの過程を詳細に語ったものだが、その冒頭で、氏は2012年・13年・14年の3回の中国訪問の間に、付き合いのある学者らが従来の態度を一変させ、「中国主導の世界秩序を目指す」ことを隠さなくなったことに愕然とした、と書いている。
 マイケル・ピルズベリーはCIAなど米情報機関の要員で、親中国派としてアメリカの対中国政策に深くかかわった人物である。それが2012年の中国訪問まで、中国の覇権国家を目指す「隠された意図」を見抜けなかったというのである。
 ピルズベリー氏も、日本の中国通同様、経済発展が中間階層の生成発展を促し、その成長が民主主義への傾斜を強めると考えていた*6

 もちろんこれはピルズベリーの醜い言い訳でしょうね。今の中国が覇権を目指してる*7かどうかはともかく、今の「米中対立」は「1980年代の日米貿易摩擦」と同様の物だとしか俺は思いません。
 もちろん「中間層が育って民主主義」云々も言い訳に過ぎない。単に米国は「金儲けのため」に中国進出したに過ぎません。
 単に「中国など恐れるに足らず」と思っていたら「米国にとって予想を超える経済、政治、軍事大国」、つまり「米国のライバル」となったが故に、対立しているに過ぎません。とはいえそういう「露骨な党利党略」を語りづらいが故にピルズベリーは「中国が我々の期待を裏切った」とありもしない期待をでっち上げて強弁してるだけのことです。なんでその程度のことが阿部には分からないのか。阿部がバカだからでしょうけど。

 2018年1月、環球時報社説は、「今日、中国のGDPはすでに日本の3倍近くになり、両国間の実力比は歴史的に逆転した。日本は中国の台頭を真剣に受け入れるべきであり、中国は19世紀以来、長らく日本に圧迫され侮辱されてきた民族感情を調整する必要がある」と書いた。
 中国は一流になり日本は二流国家に転落した。わかったか!わかったら中国に逆らうな!今度はおれたちが日本に馬乗りになる番だという意味である。

 阿部の紹介する社説は「安倍政権が中国を二流国家として見下すことを我々中国側は認めない」つうだけの話でしょうに「馬乗り」だの「逆らうな」だの阿部はもはや気が違っていますね。ダライラマに傾倒するとここまで異常になるんでしょうか?
 もちろん中国批判するなとは言わない。ただこれはもはやまともな中国批判と言える代物ではない。こんなもんよりまともな中国批判は世の中にいくらでもあるでしょう。こんなんを載せて喜んでるのならリベラル21も呆れたバカの集団です。

*1:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*2:一帯一路に賛同してハンガリーアジアインフラ投資銀行(AIIB)に加盟させ、一帯一路国際協力サミットフォーラムにも出席している。補助金配分をめぐってEUに対して「資金を出せないなら、中国に頼る」と発言しており、2017年3月に中国政府の人権弾圧に抗議したEUの書簡への署名も拒否している(ウィキペディア「ビクトル・オルバン」参照)

*3:EU加盟国11カ国(エストニアクロアチアスロバキアスロベニアチェコハンガリーブルガリアポーランドラトビアリトアニアルーマニア)+非加盟国5カ国(アルバニア北マケドニアセルビアボスニア・ヘルツェゴビナモンテネグロ)のこと

*4:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版

*5:とはいえ今回、俺のコメントを掲載したことで過去の「俺のコメント掲載拒否」が全く説明がつかなくなったように思いますが。しかし過去に俺のコメントを不当にも掲載拒否したにもかかわらず、「そんなことは全くなかったかのような、すっとぼけた阿部の態度」には本当に腹が立ちます。

*6:阿部の言う「日本の中国通」って具体的に誰でしょうか?。本当にそんな中国通がいるのか。阿部の思い込みじゃないのか。

*7:米国に取って代わることが「覇権」ならそんなもんは目指してないでしょう。「中国に限らず」現時点ではどこの国にもそんなことは、国力的に実行不可能だからです。ただし「AIIB」「一帯一路」などのビッグプロジェクトを仕掛ける中国が従来とは異なる地位を国際社会で得たいと思ってるのは事実でしょう。問題はそれを「覇権」と表現することが適切かどうかです。