なんかモヤモヤする話(女性スポーツ選手の盗撮云々など)(追記あり)

スポーツによって、選手によってもいろいろ考えは違うものだと思う(ビーチ系スポーツや陸上におけるビキニ着用について) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

 ビーチバレーという新興スポーツがオリンピックの種目になるまでには、様々な戦略が遂行されたわけで、おそらくビーチバレー界の幹部たちの思惑に「セクシー系で売ることも辞さない」という考えはあったはず。ビキニのユニフォームもその一環のはずです。そしておそらくですが、ビーチハンドボールにもそのような考えがあるのでしょう。そんなことは公然と語られるかどうかはともかく、誰しも感じていることであるわけで、特に気にしない選手も大勢でしょうが、心に引っかかっている人たちもたくさんということでしょうか。

 まあそうなんでしょうが一方で以下のような話も。

アスリート盗撮防止、JOCと警視庁が連携強化 五輪控え: 日本経済新聞
 性的な意図でアスリート画像を撮影、拡散する行為が問題になるなか、日本オリンピック委員会JOC)などスポーツ7団体と警視庁は5日、東京都内で意見交換会を開き、悪質な事案について情報交換するなどの連携体制を確認した。東京五輪の開催が間近に迫り、被害を防ぐ体制づくりを急ぐ。
 終了後、JOC山下泰裕会長は「アスリートの写真や動画を悪用したハラスメントがなくなるように努めていきたい」と述べた。警視庁の小林義明生活安全部長も「アスリート団体の対策と取り締まりの両輪が必要だ」と応じた。

オリンピック 体操女子 独代表がボディースーツのユニフォーム | 体操 | NHKニュース
 25日に行われた体操女子の予選では、ドイツの選手たちが、従来のレオタードではなく、全身を覆うボディースーツのユニフォームで演技を行いました。
 体操女子では、選手たちがレオタードを着用して演技を行ってきましたが、今大会のドイツの選手たちは全身を覆うボディースーツのユニフォームで出場しました。
 ドイツの選手はボディースーツのユニフォームをことし4月のヨーロッパ選手権でも着用しています。
 その背景には、女性アスリートの盗撮被害や性的な目的での画像の拡散が問題になっていることがあげられます。
 ドイツの体操協会はこのユニフォームを導入した理由について、SNSで「体操の性的な問題について女子アスリートが不安になることなく美しさを示すため」などと記しています。

独体操女子、全身スーツで五輪に臨む 性的目的の撮影に対抗(ロイター) - Yahoo!ニュース
 独体操女子チームは25日に行われた東京五輪の予選で、全身スーツを着用して競技に臨んだ。同チームは、従来のレオタードだけではなく、女性にとって快適な服装を選ぶ権利を主張している。
代表メンバーの1人、サラ・フォス選手によると25日の競技前に服装についてチームで話し合い、足首まで伸びるレギンスとレオタードの性質を併せ持つユニタードの着用を決めたという。
近年、女性アスリートの盗撮や、性的な目的での撮影が問題となっている。

五輪、放送から性的映像を排除 アスリートの被害に対応 | 共同通信
 東京五輪で国際映像を供給する五輪放送サービス(OBS)が、過剰に性的な意図が感じられる女子選手の映像を排除する意向を示した。AP通信が27日までに伝えた。OBS最高経営責任者のヤニス・エクサルコス氏は「私たちの報道で体の一部の詳細や近影といった、過去に目にしていたのと同じものは目にしないことになる」と述べた。
 五輪では体操女子ドイツ代表がレオタードではなく「ユニタード」と呼ばれる足首までを覆うボディースーツで競技するなど、深刻化する女性アスリートの性的な撮影被害への対応が求められている。同氏は性的画像根絶の先に五輪が掲げる男女平等の目標があるとした。

 「女性選手の盗撮とか性被害をなくそう」云々つう話です。
 で「盗撮」と「セクシー系で売ること」と「厳密に言えば違う」わけです。
 また「体操業界(レオタード廃止論の登場)とビーチバレー、ハンドボール業界(ビキニでセクシー路線)」などと言う違いもある。
 が、まあなんかモヤモヤします。なんか矛盾しねえかと。あえて言えば「体操業界の方向(つまりセクシー路線を売りにしない方向)にビーチバレー業界も行くべきと違うのか、ビーチバレーが今のまんまでええんか」と。
 セクシー路線で売るスポーツの存在を容認しながら(つまり性犯罪予備軍を呼び寄せるようなことをしながら)一方で「盗撮は犯罪です」つうのもなんかしっくりこないような気が。

【追記】
 コメント欄で浅尾美和についての指摘がありますが、浅尾美和 - Wikipediaによれば彼女は

三重県立津商業高校で1年時よりレフトアタッカーとしてレギュラーを獲得。在学中、2年連続春高バレー出場、インターハイ、国体には3年連続出場し、3年生時はキャプテンを務めた(つまりは才能が全くないわけではないが、とはいえ全日本代表などそこまでの逸材でもない)。
◆高校卒業後、日本ビーチバレー連盟会長の川合俊一からスカウトされ、ビーチバレーに転向。タレント活動を競技生活と並行して行い、ファッションモデルやグラビアモデルとして人気を獲得
◆2008年の北京五輪代表を目指し世界を転戦していたが、出場に必要な世界ランキングにおいて上位にはるか及ばず、代表権を得ることは無かった。なお、五輪期間中はタレントとしてテレビ中継番組に出演した。
◆2012年12月10日、現役引退を所属先の事務所を通じて発表。2013年4月2日、一般男性と結婚し、岐阜県可児市へ引っ越した。2014年12月16日、長男を、2016年11月27日、次男を出産。

とのことです。

参考

「トイレの前までファンの列が…」元 “ビーチの妖精”浅尾美和がフィーバーを振り返る | 文春オンライン2020.12.18
「高校生の時、当時の事務所から初めて『ビーチバレーをやってみませんか?』と言われて。同時に、『ビーチバレーの広告塔になってほしい』とも言われました。まだ18歳でしたし、“自分が広告塔”ということに対して、どうしてもイメージが湧かなくて…。当時、『何年後かにはテレビでCMに出ているよ』と言われても、信じられなかったと思います(笑)。
 でも、『ジャンクSPORTS』のビーチバレー対決に出演させてもらって、ダウンタウンの浜田(雅功)さんと対決させてもらったりして。そうしたら、テレビの影響は本当に大きくて、あれよあれよという間に会場が満席になりました。試合でも観客のみなさんからの拍手が大きかったのはすごくうれしかった。まさか、自分がそんなふうになれるなんて思っていませんでしたから」
 その人気は凄まじかった。ピークとなった2007年の国内ツアー各地には前年の4倍もの観客が駆け付けたこともあった。これにより、会場にはそれまでなかったスタンド席が設置され、メディアの数もそれまででは考えられないほど増え、一大会で100~150ほどの媒体が取材に訪れるほどだった。
 浅尾は文字通り、「広告塔」になった。
 それまで埋もれていたビーチバレーという競技はこれまででは考えられないほどにメディアに露出する機会も増え、れっきとしたオリンピック競技として知られるようになった。
 しかし、人気の渦中にいた本人は、現役時代を振り返って「なかなか満足のいく結果が残せなかった」という。2009年8月のビーチバレージャパンでは優勝したものの、国内ツアーでは一度も頂点に立つことはできなかった。西堀健実(現トヨタ自動車)と組み、北京オリンピック出場を目指していた頃には、表彰台の一番上に立てない浅尾に“万年3位”という心無いレッテルも貼られた。
 アイドル並みの人気とそそがれる熱視線は、プレッシャーとなって浅尾の肩にのしかかった。
知名度が上がってきても、その頃の私はまだビーチバレーを始めて3年目。全然実力が追いついていませんでした。アスリートは結果がすべて。それは自分でもわかっていたので、試合に負けたのにインタビューを受けなければいけないことが苦痛で…。 
 自分の言葉がどんなふうに書かれるんだろう、と思い詰めたこともありました。試合に勝った先輩を優先してほしいと、心底思っていました。それに一緒に取材を受けてもらうパートナーにもいつも申し訳なかった。当時は自信もなかったし、注目されることをプラス思考に考えられなくて…若かったなと思います」
 誰もが知っているような有名アスリートは、大きな大会で結果を残したことで注目を集め、それに比例して競技環境が整っていくのが通例だ。
 しかし浅尾のスタート地点は、それとは逆。最初にあまりに人気が先行してしまったため、結果的にそれを追い越すことができなかった。
「段々と国内ツアーで3位さえも取れなくなって。もちろん私が『浅尾美和』なんですけど、どんどん自分自身が遠い存在になっていきました。イメージしていた自分と現実の自分が一致しなくなって。目標に向かって進めなくなったんです」
 そうして引き際を決めた浅尾は2012年、26歳の若さで現役を引退した。
 今振り返ると、現役で活躍した期間はわずか8年間に過ぎない。本人が満足のいくプレーをできていた期間で言えば、さらに限定的な間ということになる。
 にもかかわらず、多くの人々の記憶には浅尾という選手の記憶が色濃く刻まれている。
 その姿も、人気も、華のあるプレーも含め――彼女の存在というのはそれだけエポックメイキングなものだった。
 各方面からの過剰なまでの大きな期待を背負い続けながら、一般的にはマイナーと言っていいビーチバレーという競技の知名度を上げた功績は、唯一無二のものだろう。

母になった浅尾美和がいま語る現在地 「子どもにビーチバレーを見せたくて」 | 文春オンライン2020.12.18
 最近では、女子アスリートへの盗撮被害も話題に取り上げられたばかり。
 水着をユニフォームとしていた浅尾自身も、競技とは関係ない胸や下半身などをクローズアップした報道や、肖像権を侵害するような盗撮写真がネットに流出することもあった。
「現役時代は、事務所からそういう類の写真は気分が悪くなるので決して見ないように、と言われていたので、それをしっかり守って本当に見ないようにしていました。
 でも、ビーチバレーの写真は純粋にスポーツとして見たら、迫力もあって、筋肉も躍動してすごくかっこいいんです!」
 盗撮や気分を害する写真などは言語道断ではあるが、一方で報道などでの露出を期待するスポンサーにより競技を継続できているという現実もあり、その線引きは非常に難しいと浅尾はいう。
 浅尾という人気選手の出現により、ビーチバレーの大会運営側は2007年以降、観客席からの望遠カメラによる写真撮影を禁止している。メディアにおいては、試合報道以外の目的による媒体は取材不可という規制も生まれた。
 これまで多くの女子アスリートが被害を受けてきたと思われる盗撮問題。
 長い年月を経て、日本オリンピック委員会らスポーツにかかわる7団体は2020年11月13日、「アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNS投稿は卑劣な行為」という声明文を発表した。今後は盗撮防止策、SNS上で身を守る方法を提案していくという。
(中略)
 いまはタレントとして充実した日々を送っている浅尾は来年2021年、選手時代には届かなかったオリンピックという舞台に「聖火ランナー」という形でたずさわる予定だ。