暴れん坊将軍9
大盗・雲霧仁左衛門*1が江戸の町を荒らし回る。なぜかいつもタイミングよく(ボーガス注:町奉行所や町火消しよりも)現場に駆けつける火盗改は果たして(ボーガス注:雲霧が証拠を残していないか、確認し、場合によっては隠蔽するための)グル、雲霧の偽物を「逮捕」し(ボーガス注:手柄としてアピールし、また雲霧から提供された金での幕閣工作も行い)忠相*2を追い落とす(ボーガス中:そして次の南町奉行になる)つもりの火盗長官と、(ボーガス注:盗んだ金とその金で買収した火盗改長官を使い)闇将軍になりおおせる腹の盗人。そして吉宗に激しい憎悪を抱く雲霧には(ボーガス注:連座制によって紀州藩(当時の藩主は吉宗の父)から追放され、母子で経済苦にあえいだという*3)哀れな過去があった。
※雲霧に永島敏行*4、火盗長官の大榎に立川三貴。
立川氏は時代劇悪役の多い御仁ですが、永島氏はそうではない*5ので意外です。
雲霧の正体は「吉宗の乳母」のこども「仁吉」(幼い頃の吉宗の遊び相手)で、奪い取った金で「今は身寄りのない母を経済支援する」という「身内への優しさ」はあるものの、「雲霧として犯した殺人、火付け行為」は容認できない、「(他の誰でもない幼馴染みだった)俺が斬るのがせめてもの情け」として、最後、雲霧を斬殺する吉宗。
最後のナレーション「吉宗は乳母には雲霧のことは伝えられなかった。それがせめてもの情けだと思った」
*1:例えばBS時代劇 雲霧仁左衛門|番組|NHKアーカイブス(原作・池波正太郎)の雲霧は「殺しはしない」設定ですが、今回は「押し込み先の商家を皆殺しにして火をつける」という極悪設定です。
*3:実際の吉宗がどうかはともかく最後のナレーション「この後、吉宗は連座制を緩和した」
*4:1977年に映画『ドカベン』で俳優デビュー。1978年に『サード』で報知映画賞新人賞を、1981年に『遠雷』でブルーリボン賞主演男優賞を受賞(永島敏行 - Wikipedia参照)
*5:ということで確かに「最後には悪が滅び善が勝つ」「主人公(あるいは大岡越前、町火消しめ組の頭等のレギュラーメンバー)は常に正しいし、悪人のためにどんなに窮地に陥っても死ぬことは絶対にない」等の制約があり、その意味では長期化すれば「一定のマンネリ化」は避けられませんが、とはいえ一部に思われてるほど時代劇も「いつもワンパターン」でもない。「枠の中」で新機軸(今回は常連悪役ではない永島氏を悪役に起用すると共に、ある程度同情の余地があると描いた)を出そうとしているわけです。そもそも「長期化&制約」によるマンネリというなら「多くのシリーズドラマ」に共通する話で、時代劇に限った話でもない。テレ朝『科捜研の女(現在シーズン23)』『相棒(現在シーズン22)』も「事件は常に解決」「主人公(沢口靖子演じる科捜研職員、水谷豊演じる刑事)は悪人のためにどんなに窮地に陥っても死ぬことは絶対にない」等の制約があります。