先週の週刊漫画ゴラク(2023年12/25記載)ほか

 読まないと理解できない感想が多いですがご容赦ください。
週刊漫画ゴラク(1/12発売)】
読んだ本 - 情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

 同じ部屋、から自宅へ。これは幻覚なのか、それとももう長くないからという緩和ケアなのか。>病棟夫婦@宮川サトシ。

 緩和ケアであってさすがに「実は幻覚だった」とはしないでしょう。「幻覚」を窺わせる描写は今回何処にもないし、次回「実は幻覚でした」では「おいおい」とこちらが脱力しますし(と言うか「幻覚」という予想はしてなかった)。

 懐中時計が懐中電灯に誤植されてるな。>ラクガキ~呪いの館~@志名坂高次×粂田晃宏。

 今、見直したら確かに(苦笑)。前後の文脈から「懐中時計」であることは明白なので理解に支障はありませんが。

 メニューが見にくい店。自分も目が悪いので、こういうの割と困る。店員さんに聞くけど。>酒のほそ道@ラズウェル細木

 「見にくい」というより「卓上にメニュー表がなく、壁にしかメニュー表示がない(卓上にメニュー表があっても壁にもメニュー表示がある店もありますが)」と言う設定ですね。メニュー表示自体は普通ですがさすがに「視力検査表の1番上や2番上の輪」レベルに大きな字ではない(視力検査表にたとえると一番下レベルに小さくはなくて真ん中辺り)。
 「目が悪いと言うか近視(小生もそうですが)」だと「遠くの席に座る」と近くまで行かないと分からない*1し、席の場所によっては「目が悪い」云々ではなく「位置関係で見えない」こともありますね。「卓上にメニュー表を置け」と言いたくなる。
 「壁のメニュー表示」とは別にあった「飲み屋*2のホワイトボード(黒板の場合もありますが)*3」に書かれた「本日のおすすめメニュー」に気づかず、気づいたときにはメニューのウチ、「鱈と白子*4の煮付け」「白魚卵とじ」「ブリのたたき*5」「百合根と銀杏焼き」は売り切れており、仕方なく売り切れてない「牡蛎松前*6焼き」「干し柿白和え*7」「帆立グラタン」を頼む主人公達。頼んだ料理はうまかったのだが、そうなると「頼めなかった料理もやはりうまいのでは」と残念感がで出てくるのは人情でしょう。


週刊漫画ゴラク(12/22発売)】

読んだ本 - 情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明
おちこぼれ@たーし*8
 元ヤクザ、(ボーガス注:組の解散で)今は何も出来ない人間の屑。行き場所も仕事もないから(ボーガス注:無銭飲食など)軽犯罪で刑務所と娑婆を往復してる*9ってのも居るらしいしなあ。

 短期集中連載。「警察の取り締まり*10」や「対立組織との抗争*11」に耐えきれず解散した北九州市暴力団の元組員(56歳)が主人公です。
 手に職もなく、失業状態で、「組長、若頭等の幹部組員」でもなかったので大した蓄えもなく、彼を経済的に支えてくれるような妻子もなく貧困のどん底にいる主人公が果たして今後どうなるか。
 勿論、単純に「悲惨な末路」では「現実的」とはいえ「何のひねりもなくつまらない」ので、何かが起こるのではあるのでしょうが。
 なお、「元ヤクザ」の方が再出発は勿論一層厳しいとは言え、「会社倒産後の社員(再就職が難しい)」も似たようなところはあると思うので正直他人事とは思えません。
【1/5追記(1/5発売)】
 特に大きな話の動きはなく2話で完結。
 土建業を営むカタギの知人から「今のままでええんか。本気でいちからやり直す覚悟があるなら、大した給料は払えないし、何か問題を起こしたら解雇するが、正社員で雇う用意がある」「ワシもあんたとは古いつきあいだからな。あんたが本当は悪い奴ではないと思ってる」と言われ、そのことを嬉しく思い、また手に職がないことを悩みながらも、結局知人の誘いを無視し「昔のヤクザ仲間の誘い」で半グレ的行為にいそしむ主人公。
 知人の「今どこで何をしていることやら」「生きていればいいが」「今からでも俺に『雇ってくれ』と話があれば正社員で雇うのに」と言う言葉がつらい。

*1:本作では主人公達は「スマホでメニュー表示を撮影して確認」していた。メニューが多いととても覚えきれないし、メモに書くのも時間がかかるから合理的です。

*2:今回の店は和食に傾いているとは言え、「ハムカツ」「コロッケ」(通常メニュー)、「帆立グラタン」(本日のおすすめ)といった洋食(?)もある設定

*3:卓上にメニュー表があったり、卓上にない場合(壁にしかメニュー表示がない)でも「臨時メニュー」である「黒板メニュー」は見落としがちです。

*4:魚の精巣のこと

*5:「アジのたたき(いわゆる、なめろう)」のような「たたき(包丁で叩いてミンチ状)」なのか、「鰹のたたき」のような「たたき(火で表面をあぶる)」なのかが気になるところ。

*6:松前昆布のこと

*7:豆腐や白ごまなどをすり混ぜて味付けしたたれで味付けした料理

*8:代表作として『ヤングキング』に連載中のヤクザマンガ『ドンケツ』(たーし - Wikipedia参照)

*9:勿論これは「多くの前科者」に該当することで「元ヤクザ」に限りません。

*10:殺人罪での「工藤会の野村悟総裁への死刑判決、田上不美夫会長への無期判決」(一審判決であり工藤会側が控訴)が非常に分かりやすいですが昔に比べれば警察のヤクザ取り締まりもかなり厳しくなっています。

*11:山口組のような大組織ならともかく、そこまで大きくない組織なら、抗争に敗れて潰れてもおかしくないでしょう。