今日のロシアニュース(2023年12月28日分)

ロシア大統領選、「反戦」候補を中央選管が登録 10万人署名集めへ [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル

 ロシア中央選挙管理委員会は28日、反戦を訴えてロシア大統領選への立候補を届け出たボリス・ナジェージュジン氏の陣営を登録した。ウクライナ侵攻を「致命的な誤り」と批判し、今後、正式な立候補に必要な10万人の署名集めを目指す。
 リベラル系のエカテリーナ・ドゥンツォワ氏も立候補を届け出たが、中央選管は23日、書類に不備があったとして陣営の登録を拒否していた。

 「登録拒否された女性候補との違いは何か?」という点は気になります。
1)たとえるなら女性候補は「少数勢力とは言え、日本で言えば、共産、社民、新社会、れいわにあたりそれなりの政治力がある」のに対し、男性候補は「日本で言えばマック赤坂*1のような完全な泡沫」という違いなのか
2)はたまた「男性候補は背後にプーチンがいるインチキ(日本で言えば自民党応援団のエセ野党「維新」「国民民主」「前原新党」に該当)」なのか、
3)それとも他に理由があるのか?


◆米国の方針転換?

“欧米当局者 ウクライナ領土奪還支援 見直し検討”米メディア | NHK | アメリカ
 アメリカの政治専門サイト「ポリティコ」は27日、アメリカとヨーロッパの当局者の話として、ウクライナがロシアに占領されたすべての領土を奪還することを支援してきたこれまでの戦略について、見直す検討をしていると伝えました。
 反転攻勢に参加しているウクライナの兵力を、ロシア軍による激しい攻撃が続く東部に配置し、防衛を強化することなどについて協議しているということで、当局者は将来の停戦交渉でウクライナを優位にすることを目指したものだとしています。

支援疲れのアメリカ、ウクライナに防御的な戦略への転換促す…反転攻勢が失敗 : 読売新聞
 米政治専門紙ポリティコは27日、米欧高官の話として、ウクライナとの間で軍を防衛重視に再配置するよう協議していると伝えた。ロシアに対して完全勝利するという当初目標から、和平交渉を有利に進めることに狙いを転換するものだという。
 米国では、ウクライナ支援のための予算が枯渇している。米議会で追加予算が承認される見通しが立っておらず、従来と同様の水準での弾薬の供給が難しくなっている。防衛に軸足を移すことで、弾薬の消費量を抑える目的もある。

反攻不首尾のウクライナ、24年は「守勢」へ 停戦論浮上も - 産経ニュース
 NBCテレビは今月25日の報道で「現状を見る限り、ウクライナには停戦交渉に応じる以外の選択肢はほとんどない」とする専門家の見解を紹介。
 米政治サイトのポリティコも27日、欧米当局者の話として、欧米はウクライナ支援の目標をロシアに対する完全勝利から、将来の対露交渉を見据えてウクライナの立場を改善させることに移し始めていると報じた。

 ゼレンスキー政権に配慮して「領土全面奪還を諦めた」とは米国バイデン政権はしてないようですが、これらの報道が事実なら明らかに米国は「領土全面奪還を諦めた」としか理解できないしょう。
 一部では「米国議会で予算が通らないから苦肉の策、予算が通れば防衛的措置は撤回。全面奪還を諦めたわけでもなければ早期停戦にシフトしたわけでもない」という楽観的見方もあるようですが果たしてどうなるか。


「プーチン氏和平望んだ」と証言 交渉団参加のウクライナ元次官:東京新聞 TOKYO Web

 ロシア紙RBK電子版などは28日、ロシアの侵攻を受けるウクライナの外交官として、停戦を模索する昨年3~4月の交渉団に参加していたオレクサンドル・チャルイ元外務次官が、プーチン大統領は当時「本当に和平合意を望んでいた」と証言したと報じた。

 深読みすればこれは単に「ロシアの自己正当化」でなく、「停戦交渉が現実化してること」を意味してるのかもしれません。


三井物産、ロシア北極圏LNG事業「参加停止」表明…ロシア紙報道 : 読売新聞
 「同盟国の企業がいつまでロシアとつきあうのか!」とする米国政府の圧力についに屈したと言うことでしょう。
 勿論ロシアにとって痛いでしょうが、一方で「開戦(2022年2月)から1年経つまでは三井物産が公式に撤退表明しなかったこと」も重視すべきでしょう。当初は「そこまで厳しくしなくてもロシアに勝てる」「日本の政府や企業に恨まれたくない」と思っていたのか「三井物産に配慮していた米国」も戦争長期化でそんな「寛大な態度に限界が来た」ということでしょう。


◆ロシアに配慮するインド

モディ氏「24年に訪ロの意向」 プーチン氏と印外相会談 - 日本経済新聞
 ロシアのプーチン大統領は27日、インドのジャイシャンカル*2外相とモスクワで会談した。ジャイシャンカル氏はプーチン氏の招待に応じて、モディ首相が2024年にロシアを訪れる意向だと述べた。

ロシアとインド、兵器共同生産へ「進展」 モスクワで外相会談 - 産経ニュース
 ロシアのラブロフ*3外相は27日、インドのジャイシャンカル外相とモスクワで会談した。ラブロフ氏は共同記者会見で「現代的兵器の共同生産を含む軍事技術協力について協議した」と述べ、進展を強調した。

 過大評価は禁物ですが「クアッド(日米豪印戦略対話)」メンバーであり「反米」とはいえないインドが「これ」とは「これでロシアに勝てるのか」感を禁じ得ません。
 勿論「我々には味方がいる、孤立してない」アピール(露の情報戦)ではあるわけですが、それにインド政府は公然と協力してるわけです。

*1:2007年の港区議選、参院選、2009年の衆院選、2010年の参院選、2017年の都議選等に出馬するが、いずれも落選。2019年の港区議選では当選するが、2023年の港区議選には出馬せず1期4年に留まった(マック赤坂 - Wikipedia参照)

*2:チェコ大使、中国大使、米国大使、外務次官等を経て外相。著書『インド外交の流儀』(2022年、白水社

*3:外務次官、国連大使等を経て外相