今日のロシアニュース(2022年11月21日分)(副題:ウクライナのポーランド誤爆問題ほか)

偽者の仏大統領と「電話会談」 着弾の日、実はロシア人―ポーランド大統領:時事ドットコム
 興味深いのはドゥダ氏の本心か、あるいは「マクロンは対露戦争に否定的」との認識かはともかく偽マクロンに対して「対露戦争は考えてない」と表明してるところですね。まあ、あの時点では「ロシアのミサイルなのか(結局ウクライナのミサイルだった)」「故意なのか誤爆なのか(結局誤爆だった)」が不明だった点に注意する必要がありますが。
 また、

 ドゥダ氏は2020年にも、グテレス国連事務総長のなりすましにだまされたことがある。

ということでドゥダ氏も実は「これは本物のマクロンなのか?」という警戒心が最初からあったのかもしれません。


「ウクライナ軍が露兵殺害」動画が波紋 捕虜か偽装降伏か - 産経ニュース
 勿論、きちんとした調査がされるべきです。「ポーランドへのミサイル着弾」でのゼレンスキーの詭弁を考えればウクライナの主張を鵜呑みにすることはもはやできません。


ロシア側トップがプーチン擁護の訳は? 正教会の歴史に見る深い対立 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
 「?」をつける必要はないでしょう。
 勿論「ロシア政治、社会」「ロシア正教」の「独特な問題」はあるかもしれませんが、拙記事新刊紹介:「歴史評論」2021年8月号 - bogus-simotukareのブログで書いたように「プーチンと今のロシア正教の関係」に限らず、多くの宗教が「自国の戦争を正当化してきました」。むしろ自国の戦争を批判した宗教の方が少数派でしょう。


ロシア非難の国連決議 反対の19か国に計128億円の無償資金供与 | NHK | ウクライナ情勢
 何のことかと思ったら「日本から金をもらったくせにロシア擁護とはふざけてる(非難されてるのはシリア内戦ではロシアと共にアサド政権支持の立場にあるイラン、旧ソ連時代から深い経済的つながりがある共産国ベトナムラオス)」だそうです。
 言ってることがあまりにもせこくないか。


全土奪還は難しい?米国から停戦交渉を促す声 ウクライナは否定的:朝日新聞デジタル

 ウクライナに、ロシアとの停戦交渉を促す声が、米国内で表面化している。背景には「(ボーガス注:2月の本格的侵攻以前からロシア軍や親ロシア勢力が支配していた部分(例:クリミア)も含む)全土奪還」の現実的な見通しの厳しさや支援疲れがある。
「ロシアは多くの死傷者を出し、戦車や戦闘機も大量に失っている。交渉は自分が強い立場にあり、相手が弱っているときに行いたいものだ」
 米軍制服組トップのミリー*1統合参謀本部議長は16日、国防総省での記者会見でこう述べた。

 浅井先生も指摘していますがこうした「ウクライナ支援疲れの存在」に注目する必要があると思います。浅井先生が「ロシア贔屓である点(その結果、ウクライナ支援疲れをロシアに有利な材料としてかなり過大評価している)」は割り引く必要がありますが、彼が指摘する「ウクライナ支援疲れの存在」は事実でしょう。ウクライナがどこまで「徹底抗戦できるか」については疑問符がつくのではないか。


ウクライナ迎撃ミサイルのポーランド領落下事件|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 「浅井氏のロシアへの甘さ」には浅井ファンとして失望するのですが、浅井氏が言うようにこの一件はいくつかの事実を明らかにしたと思います。
 まず第一に米国やNATOは「ロシア犯行説を否定しました(実際、ウクライナ誤爆のようですが)」。
 ここからは米国やNATOが「ロシア犯行説を強弁して本格的軍事介入する」ような無茶(後で嘘が発覚すれば大問題になる)はしなかったことが分かります。
 そしてここからは「NATO加盟国(例えばポーランド)へのロシアの軍事攻撃」がない限り「ウクライナNATO非加盟国)への軍事攻撃」にロシアの行為が留まる限り、NATOや米国が軍事介入するか怪しいこと(ウクライナへの軍事支援に留まるのではないか?)が窺えます。
 第二にゼレンスキーは「ロシア犯行説」を騒ぎ立てました。
 これは浅井先生が疑うように「ウクライナへの非難を回避するため」に留まらず、「禍転じて福となせ」「焼け太り」として「NATO加盟国(ポーランド)へのロシアの軍事攻撃」を理由にNATOの軍事介入を狙っていた*2疑いがあります(だからといってミサイル着弾自体が「NATOの軍事介入を狙ったゼレンスキーの自作自演」ということはなく誤爆ではあるでしょうが)。
 なお、浅井先生がロシア贔屓であることは割り引く必要がありますが、それにしても浅井先生が言うように「ロシアが侵攻するから悪い」と言い募る米国やNATOは「何だかなあ」ですね。ウクライナ誤爆をそんな強弁で完全にチャラにするのは無茶でしょう。
 「ロシアとの戦争に片がつくまではあえて責任追及しない」ならまだしも。
 第三に今回の誤爆での「ゼレンスキーの居直り(ろくな根拠もないのに米国やNATOウクライナ誤爆説を否定しようとした)」があまりにも酷いが故に、浅井先生も指摘するように「ウクライナNATO、米国」との溝が拡大したり、そのようになることを恐れるゼレンスキーが「前非を悔いて」より謙虚になる可能性があります。
 勿論ゼレンスキーが無茶苦茶な態度を改めず、溝が深まる可能性もありますが。

*1:陸軍総軍総司令官、陸軍参謀総長などを経て統合参謀本部議長

*2:但し、仮にロシアの故意のポーランド攻撃だとしても当然に、自動的にNATOの参戦義務が生じる訳ではない点は指摘しておきます。