テレ朝・おはよう時代劇『暴れん坊将軍3』第22話「愛を棄てた女」(1988年放送の再放送)(2024年1月10日記載)

◆第22話「愛を棄てた女」(2024年1月10日再放送)
 以下の通り、記事を紹介しておきます。

番組詳細|テレビ朝日
第22話「愛を棄てた女」
 江戸の町に覆面姿の浪人強盗が出没し、人々を不安に陥れていた。そんな中、め組の半次郎(佐藤B作)が水茶屋の女・お篠(伊藤美由紀*1)に入れあげていることを知った吉宗(松平健)は、半次郎に会って確かめる。半次郎はかつて、お篠の父親に命を助けられたことがあるという。だが、その父親が病死したことでお篠が水茶屋に働きに出たと知り、彼女を元気づけるため会っていた(ので彼女の助けになりたいだけで男女の仲ではない)と話す。数日後、左源太(三ツ木清隆)の働きで、浪人強盗の黒幕とおぼしき人物(商人・近江屋と旗本・那須鯖江留守居*2戸田)が浮かび上がってきたのだが

暴れん坊将軍 III
第22話「愛を棄てた女」
 罷免されて無役の旗本・那須源一郎、大藩*3留守居役・戸田政兼に悪徳商人・近江屋がタッグを組み、仕官を求める浪人たちを食い物に。浪人たちの悲惨を見た上様は、怒りの刃を振り上げる。お話の主軸は、恋人・松崎圭之進(片岡弘貴*4)の仕官支度金のため水茶屋勤めをする女の哀話。
※旗本に亀石征一郎留守居役(鯖江藩、間部詮房*5がらみで吉宗に遺恨設定)に北原義郎、近江屋に五味龍太郎と(ボーガス注:時代劇の悪役常連を揃え)コテコテ悪の黄金トライアングル。

あふろん@芝神明
◆(徳田新之介として仕官口利きを依頼されたのに、実は過去に拝謁した上様と気づかず)もうこの時点で見忘れてる亀石さん
◆爺は(那須に)恨まれてた
◆つまりその(仕官口利き料)30両はお篠に用立ててもらった訳だな
◆お篠の30両返すためか、でも押し込みはあかんやろ、松崎
◆(口封じで)岩田速攻で消された
◆(捕縛に来た町奉行の捕り方相手に)刀振り回してる圭之進やべえ、半次郎も斬ってしまった、終わりだな
◆(松崎捕縛にわざわざ)忠相来た、「アーアーアー」とエコー来た、大岡裁きならぬ大甘裁きの予感がひしひしと
◆吉宗「那須、俺の顔をよく見ろ!」
 見忘れ無能!
◆(御庭番の成敗前に)吉宗「那須、お前に分かるか!、(お前達に仕官の餌で)夢を操られ、迷い、苦しみ悩んだ浪人たちの悲しみが!」
◆(最後の若山弦蔵のナレーション)
 (大岡の温情で死罪などの厳罰ではなく)江戸追放となった松崎圭之進は吉宗の配慮により(妻として)お篠を伴い(吉宗が将軍就任前は藩主だった紀州藩への仕官前提で)紀州へと旅立った。この後、吉宗が浪人に対する政策を改善し推し進めたのは言うまでもない
◆最後に(江戸追放に留まったばかりか紀州藩への仕官という)強烈な「ウルトラ大甘裁き」が炸裂。「大甘裁き」狙いで南町に押しかける悪人であふれそう

 浪人達から仕官口利き料として高額の金を取り立てる旗本・那須と「その背後にいる鯖江留守居役・戸田」(但し、仕官の実績は過去になく詐欺らしいことが示唆される。また、那須と近江屋が浪人強盗の黒幕であることは、すぐに「左源太の調査結果」として視聴者に明かされるが、戸田の正体は当初は「吉宗、大岡、御庭番だけでなく」視聴者にも不明)。
 彼らの中に「金がない」と言う者がいる場合は、近江屋を紹介し、30両を貸し付け、「30両の担保」として近江屋の指図で浪人強盗を実行。
 強盗については「旗本・那須(一度は役職についたが不正を御側御用取次・田之倉(船越英二)に指弾され解任)」「鯖江留守居役(藩主・間部詮房がらみで吉宗に遺恨)」として単なる金儲けではなく、幕府に対する遺恨があった。
 そうした事態を知った吉宗は大岡、御庭番に調べさせると共に、旗本三男坊「徳田新之助」を名乗り、那須に「仕官口利き」を依頼。
 那須は「口利き料30両」を要求し、「そんな金はない」という吉宗に近江屋を紹介する。
 そんな中、吉宗は那須らに食い物にされてる浪人の一人・松崎が「半次郎が気にかけてるお篠」の恋人らしいと知る(後に吉宗はお篠から彼女が元武家娘で、松崎とは許嫁だったことを聞かされる)。
 近江屋の用心棒「岩田善兵衛(黒部進)」の指図でまたも行われる強盗だが、吉宗(徳田新之助)と「吉宗の指示によって待ち構えていた大岡ら南町奉行所の捕り方」によって、強盗は失敗。その結果、岩田によって、「浪人強盗の首領格・大場弥八郎(可知靖之)」が口封じに殺される。吉宗を「裏切り者!」「公儀隠密か!」と恨む那須らは徳田殺害を息巻く。
 なお「近江屋から金を借りたわけではなく、お篠が水茶屋から借りた30両」を那須に渡したため「強盗に参加する必要のない松崎」が強盗に参加したことを不思議に思う吉宗は調査の結果「お篠を身請けするため30両の金を近江屋から借りたらしいこと」を知り、そのことをお篠に伝えた上で「松崎が来たら南町奉行所に出頭するよう」説得を依頼。
 大岡は捕縛した「強盗浪人」から「那須からは仕官先として鯖江藩を紹介される予定だった」との自白を得、また御庭番の調査で、那須が「鯖江留守居役・戸田」と親しく付き合ってることが分かり、黒幕は戸田と判明。
 お篠は松崎に自首を説得するが彼は応じず、その場にいた半次郎に手傷まで負わせる。絶望したお篠は「ならば殺して」といい松崎が殺そうとするところへ登場する吉宗と大岡。彼らの説得で捕縛される松崎。
 那須邸で「捕縛された浪人の自白によって自分らに捜査の手が及びかねないこと」について善後策を講じる戸田、那須
 しかしそこに現れる吉宗。「鯖江藩に累を及ぼしたくなければ自裁せよ」と吉宗に言われ「自ら切腹する戸田」だが、那須は自決せず、手向かいしたため、成敗する吉宗。

*1:元女優。1961年生まれ。1980年、NHK連続テレビ小説なっちゃんの写真館』のヒロイン募集に応募。ヒロイン西城夏子(星野知子:1957年生まれ)の友人・瀬川正子役でレギュラー出演(伊藤美由紀 - Wikipedia参照)

*2:留守居は藩主が江戸藩邸にいない場合に藩邸の守護にあたったほか、藩主が江戸在府中であっても御城使として江戸城中に詰め、幕閣の動静把握、幕府に提出する上書の作成等を行っていた。また、他藩の留守居と情報交換を行った。自藩に本家(本藩)・分家(支藩)がある場合は、そことの連絡・調整に当たるのも留守居の役目であった(留守居 - Wikipedia参照)

*3:実際の鯖江藩は5万石で大藩とは言えない。

*4:現在の芸名は片岡弘鳳(読みはどちらも「かたおか・こうき」で同じ)

*5:甲府藩主・徳川綱豊(後に6代将軍家宣)の家臣。家宣の将軍就任により幕臣編入され、西丸奥番頭に就任。その後も家宣の側近として西丸側衆、側用人を歴任。領地も加増され、旗本から大名となり、相模厚木藩主、上野高崎藩主を歴任。しかし間部の地位は「家宣との個人的関係」に基づく物だったため、「7代将軍家継(家宣の子)」が死去し、8代将軍に紀州藩主の吉宗が就任すると側用人を解任され失脚。領地を関東枢要の地・高崎から遠方の越後国村上藩に転封された(ちなみに、この時「甲府藩主・綱豊時代から家宣の家臣で、家宣によって側近として重用された」という「間部と似た経歴の新井白石」も役職を解任され失脚している)。間部家はその後、さらに越前国鯖江藩に転封し、鯖江藩主として明治維新を迎える。本作での「吉宗への遺恨」とは「側用人解任、高崎藩から村上藩鯖江藩への転封」のこと(間部詮房 - Wikipedia参照)