テレ朝・おはよう時代劇『暴れん坊将軍9』第33話「辻斬り必殺剣の秘密!?幻の御前試合」(1999年放送の再放送)(2023年11月29日記載)

◆第33話「辻斬り必殺剣の秘密!?幻の御前試合」(2023年11月29日再放送)
 以下の通り、記事を紹介しておきます。

番組詳細|テレビ朝日
第33話「辻斬り必殺剣の秘密!?幻の御前試合」
 江戸の町に高利貸しや悪徳両替商*1ばかりを狙う辻斬りが出没していた。そんなある夜、大岡忠相は覆面姿の辻斬りに遭遇するが、相手の腕の方が一枚上で取り逃がしてしまう。翌日、忠相はこの一件を吉宗に報告。さらにその辻斬りの太刀筋が、四年前に行なわれた御前試合の折り、決勝で敗れた剣士・柳瀬源吾(中原丈雄)に酷似していることを話す。源吾は当時、上州安中藩藩士だったが、御庭番・皐月の調べで、二年前に国元を出奔していたことが判明する。

暴れん坊将軍9
第33話「辻斬り必殺剣の秘密!?幻の御前試合」
 四年前の御前試合の決勝で負けた男・柳瀬源吾、運命は坂を転げ落ち浪々の果て辻斬りに成り果てるも夢見た(ボーガス注:将軍御前試合再出場という)再びの栄光は、奸計に絡めとられ儚く散る。藩を退転するに至った(ボーガス注:安中藩の)上意討ち*2そのものが江戸家老・山形陣内(山本弘*3)のどら息子・山形丈之介の穴埋めで、以降(ボーガス注:辻斬りも)その手助けをしているに過ぎないのであった。上様が剣士を憐れみ死の際に掛けた言葉は、彼に幻の御前試合*4を見せてやることになる。
今回の「(ボーガス注:『世の顔を見忘れたか』の後の効果音)カーン」は変則、江戸家老親子に(ボーガス注:『藩への帰参と再度の御前試合出場』を餌に、辻斬りをやらされるが、江戸家老親子にはそんな意思は最初からなく、御前試合が実際に行われれば嘘がばれ、辻斬りについて柳瀬に告発されかねないため、)たばかられ(ボーガス注:江戸家老親子の配下によって)膾*5となって倒れている柳瀬*6を抱き起こして「(ボーガス注:柳瀬源吾*7)余の顔を見忘れたか」。柳瀬の脳内*8で「カーン」が鳴って、死の際にある彼は御前試合の勝者が与えられる、上様との立会いを幻視して眠りにつくという趣向。
※柳瀬浪人を(ボーガス注:辻斬りに利用し)しゃぶり尽くす家老の馬鹿息子・山形丈之介に草川祐馬、恰幅いいので凶悪なお坊ちゃまにぴったり。

 時代劇では「悪代官、悪奉行、悪家老」など「最後に成敗される役柄(悪の首魁、黒幕)」も多い中原氏ですが今回の「柳瀬源吾」は「悪事(インチキ上意討ちのあげく辻斬り)に手を染める」とはいえ、その契機は「労咳結核)に苦しむ病妻」「労咳結核)に苦しむ病気の娘(母から感染)」の治療代を稼ぎたいという同情の余地のあるもの。
 柳瀬が「勝者は吉宗と立ち会うという名誉を得られ、藩での出世も期待できる」御前試合決勝で負けたのも、実は「決勝相手・大石小次郎(入江毅)の妻(貧乏武士として生活苦に苦しむ)」に涙ながらに「御前試合に勝てば、藩剣術指南役就任で貧乏から脱出できる。我ら家族のために負けて欲しい(但し、妻の一存であり夫の大石はその事実を知らない)」と頼まれ、好人物である柳瀬が断り切れなかったが故の「片八百長だった(実力的には柳瀬の方が上)」というとんでもない話が明らかになります(柳瀬の方も決して裕福ではないのですが。なお、その結果、大石は藩剣術指南役に出世するが、その後しばらくして「片八百長」の事実を知らぬまま病死。「片八百長」の事実は妻によって語られます)。 
 一番の悪は「労咳の妻や娘」を抱える柳瀬の弱みにつけ込み、彼を暗殺者として利用したあげく口封じに殺害する、江戸家老親子で、最後に成敗されるのもこの親子。
 むしろ上様が剣士を憐れみ死の際に掛けた言葉は、彼に幻の御前試合を見せてやることになる。柳瀬の脳内で「カーン」が鳴って、死の際にある彼は御前試合の勝者が与えられる、上様との立会いを幻視して眠りにつくとあるように「悪に身を落としたが本性は善人」として吉宗に哀れみをかけられ「(病妻を抱えた貧しい下級武士)柳瀬源吾の苦しみが貴様ら親子(家老親子のこと)に分かるか」「(だまし討ちで殺され、晴らすことのできない)柳瀬の恨み、この俺が晴らす」とまで吉宗に言われる「悲劇の武士」として描かれます。
 柳瀬死後、残された彼の娘「美鈴(本田りか*9)」については吉宗の依頼で、め組が面倒を見るハッピーエンド(?)で終了。
 エンドのナレーション「この一件がきっかけだったのか、その後、吉宗は将軍御前試合を開くことはなかったと言う」

*1:家老のバカ息子が、これらから多額の金銭を借りており、踏み倒すために柳瀬に暗殺させていた

*2:上意討ちを命じたのは江戸家老だが、「藩主に無断」で江戸家老が勝手にやった命令だったため、上意討ち扱いされず、脱藩に追い込まれる。しかも上意討ち自体が「家老親子の不正を告発しようとした目付・島三之助(浅田祐二)」を「柳瀬を騙し、上意討ちを口実に柳瀬に暗殺させた」というとんでもない代物

*3:勿論元「と学会」会長である山本弘は、ほぼ復帰絶望だと思う(「と学会」も、もはや存在意義が薄れたと思う) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2022.9.7)の山本弘(作家、元「と学会」会長)ではなく別人

*4:原文のまま。正確には「死の間際にある柳瀬が幻視(?)する光景」は「御前試合の勝者が与えられる、上様との立会い

*5:料理の膾ではなく、勿論「膾斬り」の意味

*6:とはいえ事情はどうあれ柳瀬は数々の人間を辻斬りで殺しており、死罪は免れないし、こうした状況ではこのような暗殺エンドはよくある設定ですが。

*7:柳瀬は御前試合決勝において吉宗の顔を見ている。

*8:いつもは成敗される悪党(老中、若年寄など幕府高官、尾張藩江戸家老など大名家重臣)の脳内に「上様に拝謁した悪党の姿」が出てくる。

*9:1985年生まれ。1997年から2000年まで「横浜ドリームランド(2002年に閉園)」のイメージガール「RIKAちゃん」として、TVコマーシャルや園内イベントのミュージカル等に出演。1999年、テレビ朝日暴れん坊将軍」第33話「辻斬り必殺剣の秘密!?幻の御前試合」のゲスト出演(柳瀬美鈴役)として、子役「本田りか」名義でデビュー。その後も、TV、ラジオ、雑誌等で、女優やパーソナリティーとして活動。2008年後半よりシンガーソングライターとしての活動を本格化(アンジェリカ (タレント) - Wikipedia参照)