今日の中国ニュース(2024年1月10日分)(追記あり)

【追記】
 韓国(民)同様、台湾でも中国の台湾侵攻などというものを本気で警戒してはいないのだろう - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)で拙記事を紹介頂きました。ありがとうございます。
【追記終わり】
台湾 “中国 衛星搭載ロケット発射 上空通過” 混乱伝えられず | NHK | 台湾
 中国の行為の是非はともかく、記事タイトル「混乱伝えられず」が興味深い。

 台湾の最大野党の国民党は「おととし8月に中国が発射したミサイルが台北上空を通過したときや、12月30日に衛星を搭載した中国のロケットが台湾上空を通過したときも、民進党政権は何もしなかったのに、総統選挙が近づいたら大げさに警報を出した」などとするコメントを発表し、与党の民進党が中国の衛星打ち上げを選挙対策に利用しているという見方を示しました。

と言う指摘も考えるともはや「中国の侵攻」があるとは多くの台湾人は思ってないのでしょう。


中国「ナウルの決定を称賛、歓迎」 台湾との断交宣言で報道官談話を発表 - 産経ニュース
 また断交ドミノです。ナウルは「2002~2005年:中国と国交」「台湾と国交:2005~2024年」「中国と再び国交:2024年」なので失礼ながらどう見ても「欲得ずく」でしょう。いったんは「金銭攻勢」で中国に勝利した台湾が結局は敗北したわけです。
 選挙直後にこの発表とは中国的には「誰が総統選の当選者であれ、この時期に公表することで台湾への牽制になる」という考えなのでしょう。勿論「戦争で片をつける気」なら「台湾が中国に敵対的な態度を取るなら断交ドミノを仕掛けるぞ」として断交ドミノで牽制なんかする必要がない。断交ドミノ自体が「戦争の可能性の低さ」を示しています。
 なお、この断交によって台湾と国交がある国*1

中華民国 - Wikipedia参照
オセアニア
3カ国:マーシャル諸島パラオ、ツバル
【ヨーロッパ】
1か国:バチカン
【アフリカ】
2か国:エスワティニ(旧称・スワジランド)、ソマリランド(1991年にソマリアからの独立を宣言、事実上独立状態だが、ソマリアは独立を認めておらず、また日本など、ほとんどの国も独立を認めておらず、国連にも非加盟という『台湾に近い立場』)
【中央アメリカ】
2か国:ベリーズグアテマラ
カリブ海
4か国:ハイチ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシアセントビンセント・グレナディーン
南アメリカ
1か国:パラグアイ

の13カ国(但し国連加盟国ではないソマリランドを除けば12カ国)になりました。圧倒的に外交で中国に敗北している台湾です。
 

台湾総統選挙 民進党・頼清徳氏 国民党と民衆党破り当選も立法院は過半数割れ 中国・習近平指導部の反応は | NHK | 台湾
 総統選で国民党が勝利したとは言え、「国民党候補467万票+民衆党候補369万票=836万票>与党候補558万票」であり、「民進党の中国政策を批判する人間」の一人として、野党が一本化できなかったことが残念です。一本化すれば勝利の可能性はあったでしょう(当然、民進党の路線が手放しで台湾人に支持されてるわけでもない)。また立法院選挙は逆に「最大野党・国民党52議席、与党民進党51議席、第二野党・民衆党8議席」で「改選前は最大議席過半数議席だった民進党」が「議席を大幅に減らし、僅差とは言え国民党に議席数で敗北、その結果、過半数割れ(総議席113議席なので過半数は57議席)」しています。民進党にとっては手放しで喜べる選挙結果ではないし、中国にとっても「それほどショックな選挙結果でもない」でしょう。
 結局「中国の侵攻の脅威が低い」中、それを民進党がアピールしても、得票につながらなかったと言うことでしょう。結局、総統選での得票は、各党の「基礎票の違い」にすぎないのではないか。
 中国、頼清徳氏の勝利に「民意を反映できず」と反発 台湾の総統選 - 産経ニュースという中国の主張は「国民党52議席民進党51議席」「総統選での野党候補の総得票数(野党はどちらも民進党の中国政策に「もっと融和的であるべき」と批判的)>与党候補」を考えれば間違いではない。


リベラル21 台湾総統選、民進党・頼氏が当選(田畑光永
 上記に書いたように「総統選で民進党が勝利した」とはいえ「国民党52議席民進党51議席」「総統選での野党候補の総得票数(野党はどちらも民進党の中国政策に「もっと融和的であるべき」と批判的)>与党候補」を考えれば、台湾の民衆が「手放しで民進党支持でないことは明白」ですがそんなことは完全に無視する「民進党支持者か?」といいたくなる「反中国」の「田畑&リベラル21」です。
 なお、この点は

台湾 民進政権が継続/新総統に頼氏 立法院では過半数割れ
 投票率は71・86%で、前回2020年から3・04ポイント減。頼氏の得票は558万6019票(得票率40・05%)で、(ボーガス注:様々な違いがあるので単純比較できないが)前回選挙で蔡氏が得た817万票から大幅に減りました。
 同時に行われた立法院委員選(定数113)で、民進党は前回比10減の51議席にとどまり、過半数割れ。国民党が52議席で第1党になりました。頼政権の政策実行に影響が出るとみられます。

として「民進党にとって手放しで喜べる選挙結果でなかった」とする赤旗の方が「反中国のリベラル21」よりも「バランスの取れた見方」でしょう。

 台湾に住む人間のほうから、統一の条件を提示して、それを両岸の民衆がともに討議する議題とするのだ。
 台湾側から提案するその条件とは言うまでもない。海峡両岸において民主政治の実現、これ以外にない。

 おいおいですね。そんなことは「民進党政権」であれ「野党の国民党や民衆党」であれ、誰であれ「台湾人にやりたい人間がいれば」頼まれなくてもやるでしょう。全く「田畑&リベラル21」も「日本人という部外者」のくせに、何様のつもりなのか。ついでに言えば「中国が民主化すれば統一してもいい」と言う人間もいるでしょうが「何があろうと統一したくない」と言う人間もいるでしょうに。
 なお、上記は田畑記事に投稿しますが掲載拒否でしょう。リベラルを自称しながら「賛同意見以外掲載しない」リベラル21には心底呆れます。

*1:勿論「中国と国交がある国」は「台湾を国扱いしてないだけ」で日本なども台湾と交流はありますし、これは「バチカン」など「台湾と国交がある国」も中国との交流自体はあります