テレ朝・おはよう時代劇『暴れん坊将軍3』第28話「狙われた玉の輿!」(1988年放送の再放送)(2024年1月18日記載)

◆第28話「狙われた玉の輿!」(2024年1月18日再放送)
 以下の通り、記事を紹介しておきます。

番組詳細|テレビ朝日
第28話「狙われた玉の輿!」
 吉宗(松平健)のもとに赤井御門守(佐久田修*1)が、自分の後継ぎとして決めていた養子の嫡子届けを一度引き下げたいと申し出てきた。だが、理由を訊ねても答えようとはしない。やがて、御門守と彼の屋敷に奉公していた女との間に最近子供ができたらしいことがわかった。どうやら御門守は実子ができて迷っている様子。そんな中、御門守の屋敷に行儀見習いに行っていた半次郎(佐藤B作)の幼馴染み・お孝(小野さやか*2)が帰ってきた。ところが、お孝はなんと赤ん坊を抱いていて

暴れん坊将軍3 「狙われた玉の輿!」感想 | カイバーマンのお仕事2 - 楽天ブログ
 「嫡子届け」を前もって届けておかないと、藩主に何かあったとき後を告げずお家断絶となる。
 しかし届けを出してない藩あり。
 その藩に勤めていため組の半次郎の幼馴染のお孝、(寅千代という)子連れで暇を貰う。
 当人は赤ん坊を抱いてけろっとしてるが、幼馴染や父は呆然。
 しかも父親がわからない。
 新さんはこれが藩主の実子であると睨む。
 昔かたぎの彫金師・吉兵衛(牧冬吉)は孫にもいい顔をしないが、(赤井御門守が家臣に優しい好人物で、また彼が「お孝をよくできた娘と気に入っていたから」と言い訳しながらも)御用人・三太夫出光元)が様子を見に来るって時点で普通じゃないと気づけ。
 若い殿様の正室「綾の方」(藤坂有希)は老中*3・加倉井の娘だが、子供ができなかった。
 (加倉井家から派遣された正室派の家老「島崎頼母」(川辺久造))は老中の親類を養子にするように迫り、(老中の推挙で幕府伝奏役に就任させてもらった義理もあり)殿様は泣く泣く側室とその子を手放したのだが、本来の筋では殿様の子こそ跡継ぎ。
 (子どもの頃からお孝のことを好いており、また父親がいないことで苦労することが目に見えているお孝を心配し)半次郎は子供の新しい父親に立候補するが、そんなこと正室派の知ったことじゃない。
 生きていられると困る、ただそれだけ。
 殿様の心は側室とその子供にある。
 しかし老中に睨まれてはならず、涙を呑んで縁を切った。
 だがそれでも正室派に命が狙われていることを用人「三太夫」の口から開かされ、殿様は二人を呼び戻すことを決める。
 しかし「迎えの籠」が偽者で、(吉宗と御庭番によって)親子は難を逃れたものの(最初は正室派の言いなりに、お孝を放逐した上、その後、お孝を赤井家に戻すと決めたものの、正室派の襲撃を許したあげく、襲撃が明らかに正室派の行為なのに『何故、正室派を野放しにしてるのか、それでも藩主か!』『赤井家に戻しても正室派に暗殺されるだけではないのか?』と)半次郎は激怒。
 お孝の方の幼馴染「半次郎」が「(正室派が支配する)鬼の棲家には帰さない」と言い張ってる、と聞いた殿様は半次郎と直談判を決意*4
 この時点で結構器がでかいことがわかるな。半次郎には悪いけど。
 たかが小藩の家老「島崎頼母」に「将軍家に代わって成敗」などといわれて寛容な上様も激怒。
 上様に気づいた殿は何とか場を納めようとするのだが、こういう場のお約束として、家老の言うことを聞いちまう家臣の方が多いのだった。
 (お孝は側室、彼女の子が嫡子(次期藩主)となり)暗殺計画までは関わってなかった正室は、自ら仏門に下ったらしい。
 現在の常識に照らし合わせれば、彼女も気の毒だ。
 子供が産めなかったために立場をなくしたわけだから。

 赤井御門守三太夫というふざけた名前といい、半次郎と殿様の直談判といい明らかに落語「妾馬(別名:八五郎出世)」が元ネタですね(「妾馬」では「側室(お鶴)の兄(八五郎)」で本作の「側室(お孝)の幼馴染み(半次郎)」とは違いますが)。
【1】「殿様に会ったときは、最初に『お』を、最後に『ございます』と言えば何とかなる」と「め組の頭・辰五郎(北島三郎)の妻」おさい(浅茅陽子)が半次郎に言う
【2】「ササ*5は好きか(赤井御門守)」と言われ「笹の葉っぱは食べたことがない(半次郎)」と語るが酒を出されると「三度の飯より好きです」と喜び出す、「お孝のことをどう思ってるか」と半次郎に聞かれ赤井御門守が「三度の飯より好きだ」と語るなど、明らかに「妾馬」のネタも出てきます
赤井御門守 - Wikipedia妾馬 - Wikipediaなど参照)。「勧善懲悪時代劇」とはいえこうした『おふざけ要素』も「暴れん坊将軍」の魅力ではあります。

暴れん坊将軍 III
第28話「狙われた玉の輿!」
 小頭「半次郎」が密かに思っていた幼馴染のお孝が、お屋敷から赤子を連れて戻る。アタックをかける半次郎だが、何者かに命を狙われるお孝母子とともに事件の渦中に。赤子は殿様の御子で、正室一派が藩を牛耳るのに邪魔な存在だった。
※殿様に拝謁の半次郎が(「お孝の子は半次郎の子かもしれない」と侮辱する江戸家老・島崎と口論となり、)江戸家老に斬られかかる理屈「三河以来の名家*6・赤井家を侮辱→将軍家を愚弄→将軍になりかわり成敗」。ここで次の間に(半次郎の護衛として)控えていた新さんが「将軍家を愚弄か、島崎、お主いつから、将軍家の代理になった」とずいと出て(成敗前のいつもの)指弾をはじめる。これ以上(半次郎に)聞かれると(半次郎に徳田の正体が吉宗とばれて)困るので、(赤井御門守に酒を振る舞われ泥酔状態の)半次郎は左源太に物陰に引きずり込まれ当身を食らう。

あふろん@芝神明
◆寅千代とか大層な名前じゃないか、(赤井御門守の)嫡子かな?
◆(孫「寅千代」の父親が誰か、娘「お孝」が語らないことに父親の)白影*7発狂
◆(お孝の様子を見に来た)三太夫本当のことを教えてくれ
◆島崎を成敗した後は加倉井家をお取りつぶしにした方がいいのではないか
◆半次郎ってどんな女にでも惚れたと言ってる
◆(お孝母子に倒れかかる)謎の木材! *8
◆町場の女*9に手を付けたお殿様
◆最初(父親の名前を何故言わないと)怒りまくってたのにすっかり(孫に甘い)おじいちゃんになった白影
◆(お孝の)相手が殿様じゃ勝負にならない、なお上様の友達の半次郎
◆(「迎えの籠」が偽者で)黒幕に先手をとられたが新さん(救出に)間に合った、有能
◆(半次郎の護衛に)付いてきた新さんにどっきりパターン、新さんが付いていけばもう無敵
◆半次郎、殿の前ではっちゃけ過ぎ
◆加倉井家が悪いだけで島崎はそんなに悪いことしてないのではないか
◆半次郎強制退場させた上に(赤井御門守とお孝に口止めして徳田の正体について)内緒にする
正室「綾の方様」反省して尼になる。全部島崎におしつけて「綾の方様」は出家ですませる
◆(最後の若山弦蔵のナレーション)
 (お孝と半次郎という)幼なじみの再会は実を結ばなかった、いかに吉宗でもままならぬ事であろう。しかし赤井御門守とお孝の仲は一層むつまじくなったと言う

【参考:妾馬(別名:八五郎出世)

妾馬(落語散歩204)
 お鶴は懐妊、男の子を出産、まだ世継ぎのなかった赤井御門守は大喜びで、「お鶴の方」と呼ばれる大出世となる。
 一方の兄、八五郎は相変わらず、酒、博打と遊び放題の日々を送っている。そこへお鶴の方が会いたがっているので、屋敷に参れとの知らせ。堅苦しい所は苦手な八五郎だが、大家は御屋敷に行けば酒・肴の御膳に、帰りがけに五十両ほどくれるだろうという。早速、大家から羽織袴を借り、殿様の前では言葉使いに気をつけ、初めに「お」をつけ、最後に「奉る」をつけて喋るようにと教えられて御屋敷へ出かける。
 やたら「お」と「奉る」だらけの言葉を喋り出したので殿さまは何を言っているのかさっぱり分からず、「今日は無礼講であるから、朋友に申すごとく遠慮のう申せ」とのありがたい仰せだ。

*1:1958~2020年。芸名は当時の物(本名と同じ)で後に「佐久田脩(読みは「さくた・おさむ」で改名前と同じ)」に改名(佐久田脩 - Wikipedia参照)

*2:1960年生まれ。本名は小野左也香。現在の芸名は鶴田さやか。俳優鶴田浩二(1924~1987年:本名・小野榮一)の三女

*3:なお、大岡忠相横内正)が「赤井様のご正室は老中・加倉井様の息女」と語る一方で、赤井御門守が「若年寄の加倉井様には伝奏役に就任させてもらった恩義がある」と語るなど、劇中で混乱が見られる

*4:無礼討ちを恐れる半次郎に対して、吉宗が護衛として赤井家に乗り込む設定。

*5:酒のこと

*6:譜代大名という設定らしい

*7:父親「吉兵衛」役の牧冬吉が『仮面の忍者 赤影』の「白影」役で人気を博したことを指す

*8:その場に半次郎がいたことで危うく難を逃れるが、それ以前も襲撃があり、吉宗の命で忠相や御庭番が陰ながら護衛していたはずなのに「半次郎がいなかったら最悪死んでたじゃないか!」ですね。

*9:お孝のこと