「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」とアジアプレスと石丸次郎を笑おう・パート2(追記・訂正あり)

 パート1の続き。

■石丸のツイッターに突っ込む
この石丸ツイッターには「スーパーゲームズ何とか」の某氏がすでに突っ込んでいるが。

これ以上維新がのさばることは看過できない。

俺はこれ以上、お前みたいな自称北朝鮮通の反北朝鮮珍右翼がのさばることに我慢できないけどな。部外者の俺ですらそう思うのだから当事者(在日)はもっとそう思ってるだろう。大体維新がのさばる民度の低さだからお前ものさばれるんだろ?

翻って北朝鮮。権力者による暴虐と搾取はリビアと比べ物にならない。その分、怨嗟と憎悪もずっと大きく深い。

 国民の平均年収が北朝鮮の方が低いとか、政治犯の数が北朝鮮の方が多いとか、「権力者による暴虐と搾取はリビアと比べ物にならない」と判断する何か根拠があるんですか?
 石丸では根拠はなさそうだが。

北朝鮮の無告の民が声を上げる日が、いつかきっと来る。

具体的に何が言いたいの?。リビアみたいに軍事蜂起しろとでも?。北朝鮮の将来を決めるのはあの国の民であって、あの国の民が軍事蜂起するというなら外野がやめろとか、ああだこうだ言うことではないが、俺は軍事蜂起というリスキーな解決法は望んでないね。平和的な体制転換をなぜ望まないの?


【スーパーゲームズワークショップエンタテイメントの紹介】

http://sgwse.dou-jin.com/Date/20110823/1/
■日本はすでに「苦難の行軍」の時代に突入している(一部引用)

既に自殺者が毎年3万人越えてますからね。まともな状況ではないでしょう。

喉下過ぎたら熱さを忘れるの例え通り、3.11から5ヶ月以上過ぎて原発事故の事があまり意識されなくなったようですが、実際には今だに容易ならざる事態にある事はチェルノブイリの時を思えば素人でも容易に想像がつく事でしょう。事実、福島の状況はもうどうしようもない所まで来ており、海外のメディアの方がはるかに熱心にこの事を報道している状況です。

http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=30110817181600&Section=03
福島の悪夢は進行形…原子力マフィアに警戒せよ
「講演」張貞旭(チャン・ジョンウッ)松山大学教授 原子力克服が唯一の解法

http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=30110818005557&Section=03
「講演文全文」福島原発事故原子力の未来
まだ続く原子力マフィアの嘘

http://chikyuza.net/n/archives/12967
恐るべき情報隠蔽体質の国、ニッポン:(転載)バズビー教授「毎時10兆ベクレルの放射線放出が続く」/ジェイコブズ教授「福島第一・地面から水蒸気が噴き出している」
こちらはちきゅう座のロシアトゥデイ日本語訳記事。

 上記講演で張貞旭教授は真っ先に「今回の事故によって、特に事故地域近辺に暮らしていた住民達は二度と再び以前の生活を取り戻す事が不可能になったという点を強調した。言葉通り『取り返しの付かない』出来事だったという意味だ」と指摘していました。 チェルノブイリの時の事を考えればそれが正しいでしょう。さらにバズビー教授曰く「例えば、東京のあるサンプルがチェルノブイリの立ち入り禁止区域よりも、高いレベルであるのを見つけました。もう大変深刻な状況なのです」との事で、本来ならば福島市郡山市だって避難すべきはずなのですが。もちろん東京だって…。
 かつてソ連を崩壊させた最大の原因がチェルノブイリ原発事故であり、福島はそれを超える放射能汚染を引き起こつつあるのですから、日本が国家滅亡の危機に瀕している事は客観的に見て否定出来ないでしょう。
 ある種の人間達は「北朝鮮金正日政権は弱体化して崩壊寸前」と主張します。この北朝鮮崩壊論はもう20年以上前から言われ続けているのですが、今だに実現の兆しが見えません。90年代後半の大飢饉、いわゆる「苦難の行軍」時代でさえ北朝鮮の国家崩壊はありませんでした。それどころかその間の経過を見ると、2009年に長らく日本を一党独裁体制で支配してきた自民党が政権の座から転落し、金正日政権よりも自民党政権の方が先に崩壊してしまいました*1。さらに今年の大地震による原発事故でチェルノブイリ以上の大事故が起こり、日本の方がはるかに国家崩壊の危険が高い状況に陥ってしまいました。
 北朝鮮と日本のどちらが国家崩壊の危険が高いのか? 客観的に見れば日本の方がはるかにヤバイでしょう。どんなに反北朝鮮的な視点で右翼贔屓な判定を下しても五分といった所でしょうか。ソ連を崩壊させた時よりもひどい原発事故が起こったのですから。
 おまけに当時のソ連よりも酷い情報の隠蔽が行われているのですから。福島県現地で今回の被害に遭った人達はみんな言ってます。「北朝鮮はひどい国だと言われてきたが、日本だってひどい」と。
 今の日本は非常事態、すなわち「苦難の行軍」とも言うべき危機的状態にあるという事をまずは認識すべきでしょう。今の日本の「苦難の行軍」は、90年代後半の北朝鮮における「本家・苦難の行軍」よりもある意味もっと悲惨な状況です。旧ソ連圏のロシア・ウクライナベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故の死者は100万人、健康被害者は700万人とも言われているのですから。
 日本において韓流ドラマを見るなだの、北朝鮮は崩壊するだのといった戯言を言って悦に入れる人々はある意味幸せです。いや、日本の現実が悲惨だという事を本当は心のどこかで分かっているからこそ、そういう事を言って現実逃避しているのか。フジテレビの前に集まって騒いでいる連中も、アジアプレスの石丸次郎も、本当は北朝鮮や韓国を叩いて現実逃避する事しか出来ない可哀想な人達なのかもしれません。考えてみれば哀れな連中ではあります。とは言え、フジテレビ前の嫌韓軍団にせよ石丸次郎にせよ、あのように外国や異民族へのレイシズムを振りかざして白日夢に酔いしれている奇人集団という点では全く同一の存在でしかなく、哀れには思えますが同情の余地は一切ありません。
 まさに日本においては朝鮮・韓国への民族ヘイトが国民の現実的苦痛・苦難を麻痺させる為の麻薬として機能しているのです。1億総シャブ中状態。
 福島原発の事故がどうなるか、これからも全く予断は許しません。日本が北朝鮮よりもヤバイ状態にあるという事、遠からず嫌でも天下に知れ渡る事でしょう。ただ、こういうボロボロになった国ほどヤケクソで何を仕出かすか分かりません。日本の反北朝鮮派の連中もしょっちゅう言っていたではありませんか。「北朝鮮は追い詰められて暴走する危険が高い」と。全くその通りで、「追い詰められた国家・日本」こそこれから暴走して何を仕出かすか分かったもんじゃないんです。ヤケクソの戦争か*2放射能被害者の大規模な社会的抹殺か、はたまたさらなる放射能汚染水の大量放出か…。

http://sgwse.dou-jin.com/Date/20110823/1/
■石丸次郎、欧米によるリビアへの侵略・虐殺行為をを公然と支持表明
もうなりふり構ってらんないというほど狂気の域にイッちゃいましたね、この男は。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/105616978999390208
あのカダフィ政権が、NATO軍などの支援があったとはいえ、たった六か月の国民抵抗運動によって崩壊の淵に立たされている。リビアの市民の歓喜は、どれだけ自由を望んできたかをよく物語っている。政権崩壊は時間の問題だろうが、新しい時代になって混乱が最小限に済むことを願ってやまない。

 何が「混乱が最小限に済むことを願ってやまない」だ。今後のリビアが第2のイラクになって内戦が長期化・激化するのは誰が見たって明らかでしょうに。そもそも今回のリビア反乱軍が本当に同国の「民主化勢力」と呼ぶに相応しい勢力なのかも甚だ怪しいのです。欧米の傀儡政権だった旧イドリス王朝*3の旗を誇らしげに振りかざしていた連中ですよ。こいつらを見ていると筆者は韓国のニューライト勢力(日帝時代は植民地化によって収奪・抑圧されていたのではなく、日本から近代化の恩恵を施された素晴らしい時代だったと主張している)とダブって仕方がありませんが、リビアが仮にこいつらの天下になったとして、連中がカダフィ政権同様の高福祉政策(医療費・学費無料:http://huzi.blog.ocn.ne.jp/darkness/2011/06/post_bd15.html参照)、男女同権政策(カダフィ政権下リビアではイスラム国家にも関わらず女性の社会的権利が認められていた:http://huzi.blog.ocn.ne.jp/darkness/2011/08/post_23b4.html参照)、欧米に対するアフリカ諸国の自立を目指す外交などを継続する事(http://ruhiginoue.exblog.jp/16435065/)は絶対に有り得ないでしょう。むしろ石油などの国家資産を欧米に叩き売ってそれを国民には還元せずに自分達だけ贅沢をする、そういうイドリス王朝のような真似をするのは確実です。
 それに石丸は「NATO軍などの支援があったとはいえ」などと言ってますが、そうではない。実際には「NATO軍などの支援がなければ」勝てなかったのです。そのNATOや米軍にしても今回は空爆や反乱軍への武器供与などが主体で地上軍を出さなかった訳ですが、これはイラクやアフガンの「反省」によるものだと言われています。つまり欧米軍が地上軍を出して現地を占領したら地元民から「侵略者」扱いされてレジスタンスによるテロ攻撃の標的になる、だからそれを避ける為に手口がより巧妙になったに過ぎません。実際22日にイギリスのニック・クレッグ副総理*4は「2003年にフセイン政権打倒以後にイラクで仕出かした『失敗』はしない」と公言(http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=40110822165113§ion=05)しており、確信犯である事が分かります(ネタ元のリンク先はプレシアン。言うまでもなく韓国語の記事なので御留意を)。イラクやアフガンでのゲリラ攻撃を受けて連中は「次はもっとうまくやろう」と、悪びれる様子もなく同じ事をより巧妙にやるようになったに過ぎません。
 つまり、NATOが裏で全面支援した今回の政権転覆(まだ不完全ですが)を支持する石丸次郎は、リビア国民に対する学費・医療費無償や男女同権政策などを事実上否定している事になる訳です。石丸次郎はリビア国民に対して「おまえら永遠に欧米の奴隷でいろ」と言っているに等しいのです。北朝鮮に対して植民地時代の賠償なんかしなくていいと主張している石丸次郎らしい、実に帝国主義者植民地主義者の走狗らしい見解ではありませんか。
 そもそもNATO空爆で大虐殺された民間人は? 「独裁者を倒して民主化を助ける」為に加勢したNATOが肝心のリビア国民を大虐殺したのはどうして? その責任は誰が取るの? イラクやアフガンで米軍が行った虐殺とどこが違うのか。アジアプレスは日頃からイラク戦争を取材してあたかも平和的なジャーナリズムのような顔をしていますが、それがどうして欧米によるリビアでの虐殺行為を無視または正当化するのでしょうか。多分イラク戦争のときは(注:独裁者フセインを倒す正義の戦争と宣伝したのに)アメリカの評判が国際的にかなり悪かったからしぶしぶアメリカに批判めいた報道をしたけど、今回のリビアではカダフィ側の方が国際的に評判が悪かった(そのように仕向ける一方的な報道が世界中の大手メディアで行われた結果)から喜び勇んでカダフィ批判・反乱軍(実態は欧米の傀儡)礼賛をしたというのが理由でしょう。連中のやっている報道がいかに御都合主義なイカサマであるかをこれほど良く象徴する事例はありません。
 石丸次郎の本音はどこまでも、北朝鮮に対しても同じような軍事攻撃をして政権転覆をせよという一点にあります。それが露骨に表れたツイッター発言でしょう。だから続く発言では次のように徹底的に北朝鮮をこき下ろす訳で、いかにも将来の北朝鮮に対する軍事攻撃を必死に正当化したがっているように見えます*5

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/105619330032615424
翻って北朝鮮。権力者による暴虐と搾取はリビアと比べ物にならない。その分、怨嗟と憎悪もずっと大きく深い。長く声を上げられなかったリビア市民が、カダフィを支持なんてしていなかったことを世界が知った。いわんや北朝鮮をや、だ。北朝鮮の無告の民が声を上げる日が、いつかきっと来る。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/105619846112362496
今頃平壌では、留守番の三男が国際衛星放送にくぎ付けになっていることだろう。彼の脳裏を巡るものは何か。

 いずれにせよそのような事態になった場合、軍事介入した欧米(仮に北朝鮮でそうなった場合、日本が確実かつ積極的にその軍事行動へ加わる事*6だけは間違いないでしょう)の攻撃でどれだけ「無告の民」が虐殺されるかという観点が全く石丸にはありません。リビアの時と全く同じです。
 実際には金正雲*7北朝鮮の指導部がリビアの政変を見て思うのは、ますますアメリカなどの侵略者・敵国に対しては油断がならないと警戒心を高めるという事です。だって今回のリビアの件、どう見たって「民衆の蜂起による政権転覆」じゃなくて「外国の軍事介入による政権転覆」だから。イラクアフガニスタンの時と同じで。石丸のような「植民地主義者脳」の持ち主には理解出来ないかもしんないけど(笑)。
 だいたい石丸は先の金正日ロシア訪問に対してはよほど都合が悪かったのか、一言も語れなかったくせに。日頃から金正日を「中国に国の資産(鉱山など)を売り飛ばしている売国奴」扱いしたがっている石丸(を含む日本の反北朝鮮勢力)にとって、実は北朝鮮が中国とロシアを競争させて利益を得る、したたかで狡猾な外交を行っているという事実はとても都合が悪いという事だけは確かでしょう。だから連中は金正日の訪露を徹底して無視し、語らなかった。
 いずれにせよ、欧米による第3世界への侵略行為を石丸次郎とアジアプレスが公然と支持して、堂々と本音を晒したという点で今回の発言はある意味画期的なものです。アジアプレスといのはああいう報道機関なのだと、「アジアプレス」などという聞こえのいい名称に騙されるな、こいつらは帝国主義植民地主義者の権化なのだという事を認識した上で接する事です。
 そしてこんな古臭い帝国主義者の犬と手を結んで悦に入っている一部の在日達(辛淑玉・朴斗鎮・ぱぎやん・金石範など)もまた猛省すべきでしょう。石丸のような者と手を組む事は「日帝による侵略被害者としての在日」としての正当性を自ら喪失する自殺行為なのだという事を肝に銘じておくべきです。

 このエントリ主はカダフィ政権に対する見方が甘すぎないかという点を除けば同感。反政府勢力が「カダフィよりまとも」という保障は現時点ではどこにもないだろう。石丸は能天気すぎだ。それともエントリ主が言うように確信犯か?(むしろカダフィにある種の自立性があったから欧米が潰した疑いもあるだろう。だからといってカダフィが正義の訳ではもちろんないが)。国際社会のリビア監視が必要だろう。

http://sgwse.dou-jin.com/Entry/317/
■世宗研究所は石丸次郎に講演させるほど荒廃した
 ツイッターで発言する度に己の馬鹿さ加減と北朝鮮問題専門家としての駄目っぷりを満天下に晒しまくってるブーメラン男・石丸次郎ですが、新しい書き込みではこんな事を言ってました。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/101834025588637697
おとつい、韓国の世宗*8研究所というシンクタンク北朝鮮の食糧難問題について講義した。参加した研究員と大学院生の対北観はいろいろ*9だが、日本のアカデミズムとは比べ物にならないレベルの高さ。質問も鋭い。韓国入りした脱北者が2万3000人に達し、脱北者インタビューを続けている研究者が多い。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/101835769399885824
翻って日本。日本の北朝鮮研究の停滞は目を覆いたくなる。そもそも北朝鮮研究者があまりに少ない。関西は、京大、同大、立命大阪市大、神戸大などに「コリア研究者」たくさんいるが、北朝鮮研究を専門にやっている人はほんの一握り。北朝鮮と向き合うことを避け、逃げている。関東は慶応が孤軍奮闘

 なるほど、世宗研究所ですか(笑)。同研究所に石丸が行って講演するなんて何年か前だったら信じられない出来事でしょう。全く世も末だぜ。あの世宗研究所がねえ…。
 と言ってもなぜ筆者がこのように嘆いているのか、大部分の日本人には分からないでしょう。その為、まずは同研究所が元々はどういう所で、現状はどうなのかという状況説明をちょっとしておきたいと思います。
 元をたどるとこの研究所の設立は1983年のラングーンテロ事件が発端となっています。同事件が南北の深刻な対立に起因するものであり、国の平和的統一を成しとげる為にはこれを専門的に研究する民間研究機関が必要との認識が韓国政財界が湧き上がりました。そこで1986年1月に世宗研究所が設立されたのです。韓国ではある意味朴正煕時代以上に言論弾圧の厳しかった暗鬱な5共時代(第5共和国)*10として知られる全斗煥政権時代にこのような財団が設立されたという事実に驚かれるかもしれませんが、全斗煥というのは織田信長が棚ボタ的に死んでくれたおかげで天下を取れた豊臣秀吉みたいな所があって、先代(朴正煕)よりも自分は大それた事をやるんだという功名心のなせる業か、良し悪しはともかくとにかく大規模で派手な事をやりたがりました。セマウル運動なんてのはその典型だった訳ですが、同時にかつての親分だった朴正煕が出来なかった南北首脳会談をラングーン事件(注:北朝鮮による全暗殺未遂事件。全は死ななかったが部下が不幸にも死亡した)があったにも関わらずものすごくやりたがった訳です(注:ただし「殺されたらどうする」「俺はやってないとラングーン事件を謝罪もしない連中にそんな甘い態度ではいけない」という周囲の反対で出来なかった)。そのおかげで全斗煥時代には公表されない裏の南北協議が非常に多く行われ、世宗研究所のような北朝鮮の事を客観的に研究出来る民間の機関が存続出来ました。これは全斗煥政権時代の数少ない怪我の功名と言って良いでしょう。全斗煥個人の功名心が影響したとは言え、結果的にはこの世宗研究所から多くの優れた北朝鮮研究者が登場し、それが金大中政権の太陽政策や2000年の南北首脳会談実現へと実を結んだのですから。が、しかし…。
 時は移って現在の李明博(MB)政権になってから、この世宗研究所は当局の厳しい「弾圧」を受ける事になります。同研究所の財政が厳しい、あるいは親北左派の傾向が強すぎるという「右」からの言い掛かりによって全国経済人連合会(全経連、要するに韓国の経団連)傘下の機関である韓国経済研究院(韓経研)に統合せよという圧力が統一部から掛かって来ました。北との対立を押し通すMB政権にとって、世宗研究所のような北との対話を主張する存在は目の上のタンコブ以外の何者でもありません。要するに財政問題を理由に北との対話や平和政策を主張する人士達を追い出す、典型的なレッドパージの嵐が吹き荒れたのです。この辺りの事情は以下のリンク先でも述べられていますので参考までに。

http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/1245417.html
世宗研-韓経研 統合の内心…進歩的研究陣‘追い出し’

こちらはハンギョレサランバンの日本語訳記事。

http://weekly.khan.co.kr/khnm.html?mode=view&artid=201010261753151&code=115
「世宗研究所解体」不純な意図?

こちらは週刊京郷の韓国語記事。


 これは2009年に現所長の宋大晟(ソン・デソン)が就任して以降、2010年に顕著化した動きでした。この宋大晟という男はハンナラ党の応援団として知られるゴリゴリの右派・タカ派で、日本の右翼・タカ派・反北朝鮮勢力とも密接な関係のある事で知られた人間です。例えばかのデイリーNKや現代コリア研究所ではこんなインタビューが載っていました。

http://gendaikorea.com/20090112_02_hon.aspx
宋大晟新任世宗研究所所長とのインタビュー
〜「大韓民国を害する価値観は支持できない」、「北韓人権研究への『粗忽』を反省する」〜

 はっきり言っておきますが、世宗研究所のかつての名声というのは虚名やハッタリではありません。ここの理事長・所長からは林東源(イム・ドンウォン)氏*11や李鍾奭(イ・ジョンソッ)氏*12といった錚々たる南北首脳会談の立役者である統一部長官達を輩出し、その北朝鮮研究のレベルは折り紙付きでした。2008年1月にはアメリカの外交政策研究所(FPRI)から「世界最高シンクタンク」で「世界のトップ研究集団」に選ばれた事もあったほどです。
 ところがその「世界最高の北朝鮮研究シンクタンク」で赤狩りの嵐が吹き荒れて、かつて北朝鮮に関する優れた研究成果を生み出した上に南北首脳会談や緊張緩和に大きな実績を残した有能で誠実な研究者や学者が根こそぎ追い出されてしまいました。今の世宗研究所には有能な北朝鮮研究者などほとんどおらず、北朝鮮との戦争や韓国の核武装を主張する口先ばかり勇ましい馬鹿なタカ派どもの天下と成り果て、研究内容など見る影もないスカスカで無内容なものばかりになってしまったのです。
 かつて日本の原子力学会も1950年代までは良心的で、1954年には核実験反対に2000万人の署名(当時の日本の人口が8800万)を集めた事がありました。それが1960年代に入って中曽根康弘(注:当時、岸内閣科学技術庁長官・原子力委員会委員長として原発を推進)の「札束で頬っぺたを引っ叩け」という号令の下、そうした反核学者達は根こそぎパージされて日本の原子力学界は「原子力ムラ」に成り果て、今日の福島原子力発電所事故を起こすに至ったのです。それと同じ事が韓国の北朝鮮研究の分野でもほんの1.2年前に起こったのでした。
 要約すると、かつて優れた北朝鮮研究の学問的成果を残して南北首脳会談までも実現させた実績を誇る世宗研究所がMB政権下によるレッドパージの結果、今や中身の全くないスカスカな馬鹿右翼の集団に過ぎない状態へと壊滅させられてしまったというのが現状なのです。
 もうお分かりでしょう。何故に石丸次郎が世宗研究所で講演したという話をツイッターで自慢げに吹聴していた理由が。
上記のような世宗研究所の現状を知らない者が見れば「ああ、あの世宗研究所で石丸は講演したほどなのか。やっぱ石丸は韓国でも認められるほどの良心的な北朝鮮批判者なんだな」という誤ったイメージを抱いてしまうでしょう。要するに昔の世宗研究所の名声を悪用した自己売名行為に過ぎないのです。
とんでもない。今の世宗研究所でやってる講演など、そこらの右翼が街宣車で爆音鳴らしながら「北朝鮮許すまじ」と叫んでるのと何の違いもありません。今の世宗研究所は昔とは違うのです。かつて南北首脳会談や太陽政策を実現させた有能で誠実な学者達はもうそこにいません。今の世宗研究所は「原子力ムラの北朝鮮問題版」でしかないのですから。だからこそ石丸なんかが呼ばれてしまったのです。
 ちなみに石丸がやったという講演は下記の物でしょう。PDFでダウンロード出来ますが韓国語です。
http://www.sejong.org/news/news_view.php?board=&uid=1389&check=M702

 この講演の内容は要するに、北朝鮮では食糧不足で国民が飢えている、だけど金正日はロシアの楽団を呼ぶなどで外貨を無駄遣いしている、という聞き飽きた紋切り型の北朝鮮攻撃を繰り返しているだけでした。だったら震災や原発事故の被災者をほっぽって勝手な事ばかりやってる日本の為政者に同じ事を言えよ。めんどくさいので翻訳したくありませんし、そんな価値もない文章です。ゴミです(中略)。目新しい内容は何もなく、かつての同研究所所属員達が民族の和解と平和を願って渾身込めて調べ、分析した学術的成果とは何というレベルの違いでしょうか。「質問も鋭い」なんてわざとらしい事を言ってますが、今の世宗研究所でどれだけ「鋭い質問」が出るのやら。周りは石丸と同じ考えの対北朝鮮強硬派の馬鹿右翼ばっかりなんだから、当人にとってはさぞかし居心地が良かったんじゃないでしょうか。
 最後にこの「現在の世宗研究所」が原子力発電所に対してどのような見解を持っているかを言及しておきます。同研究所は福島事故以後である5月27日に「原子力放射能の安全性展望」という講演を行いました。講師はイ・ジェスン(ジョン・C・リー)というミシガン大学の教授です。公演内容はPDFファイルで公開されていますが、例によって韓国語なので注意。読める方は直にぜひ読んでいただきたいと思います。福島事故以後の情勢を考えると何というか…。この期に及んでまだこんな事を堂々と…。
http://www.sejong.org/pub_am/pub_am_list.php

 現時点で6と書かれている一番上のファイルです。環境によっては開けないかもしれないので、なるべく新しいPDF閲覧ソフトを使うのが良いでしょう。
 この内容もまた石丸の講演内容と同じく、あまりにも馬鹿馬鹿しいので全文訳す価値など全くありません。いくつかの代表的なセリフだけセレクトして以下に翻訳引用しておきます。

「第1に原子力は固有で受動的な安全性を強調します。さらに言えば予想外の事件が発生して原子炉出力が増加してこれによる核燃料と冷却材の温度が上昇すれば、自動的に出力と温度上昇を制限するようになっています。したがって韓国と世界全域で稼動する原子炉は出力暴走(power excursion)で原子爆弾のような事故が現実に起こる事はほぼ不可能だという事を理解せねばなりません」(4頁)
「第2に、原子力発電所で使用されるあらゆる信号、作動方式、機器などあらゆる方面で多用に重複するよう多重防壁を設置し、原子炉炉心から放射性物質が流出するのを防止するのが2番目の特徴と言えます」(4頁)
「2010年に韓国では一人辺り16バレルの石油(原油)を消費しましたが、再加工輸出物量を除いた実需要量と言えます。これはアメリカの一人当たり必要量の80%、海外依存度97%を上回っており、現在韓国で原発21機で全体発電量の3分の1を担当しています。したがって、韓国が世界市場で競争力を高めようとするならば、これからも一層原子力に依存するものと見られます」(8頁)
「福島を教訓にまた災い転じて福となすの心境で、国家全体基盤産業の信頼度と安全性を向上させるのが良いと提案しながら発表を終えようと思います」 (9頁)

 何というか、これまでに国家を問わずあらゆる電力会社や御用学者・政府などが繰り返してきた原発安全神話や福島事故に関する「模範的回答」のオンパレードといった内容で、まさに原子力ムラの金科玉条が「現在の世宗研究所」ではまかり通っているのです。だったらこれと同じ内容を実際に福島の被災者達の前で言ってみろ! かつて朝鮮半島の平和を追求した面影はもはやなく、北朝鮮との戦争はおろか福島事故以後も「韓国が世界市場で競争力を高めようとするならば、これからも一層原子力に依存」する事を高らかに主張しているのが「現在の世宗研究所」に他なりません。
 繰り返します。石丸が講演で北朝鮮の悪口をさんざん言いふらして帰って来たのはこういうシンクタンクなのです。
 かつての同研究所の果たした役割を知っている身としては本当に嘆かざるを得ません。かつて韓国でも第一級の北朝鮮研究者の集団だった機関が、そうした有能・良心的な人々がことごとく赤狩りで追い出され、右翼やタカ派原子力マフィアの闊歩する伏魔殿と成り果ててしまったとは。林東源氏や李鍾奭氏が仕切っている時代だったら石丸次郎ごときは研究所の敷地に足を一歩踏み入れる事すら出来なかったのです。それが…。逆に言えば「現在の世宗研究所」だからこそ石丸のごとき人間が呼ばれたという事でもあるのです。
 石丸次郎のツイッターを見てみると広瀬隆氏の著書を不自然に持ち上げたり、金子勝ツイッターを引用したりして、必死に石丸も反・脱原発ぶりっ子してますが、じゃあ何で韓国でもバリバリ最右翼の原発推進シンクタンクでのうのうと講演なんかしてる訳?
 まずはその辺からきっちりと納得のいく説明をしましょう。「北朝鮮と向き合うことを避け、逃げ」る(注:と他人を非難する)前に、自分が原発問題から「向き合うことを避け、逃げ」ないで下さいね(笑)。

■「翻訳記事 北朝鮮人権問題と北朝鮮人権法」の訳者解説 、から一部引用
http://sgwse.dou-jin.com/Date/20110809/1/
(前略)
 よく日本でも「左翼は北朝鮮の人権を無視している」という当てこすりや誹謗中傷がよく聞かれますが、そんな事をいう人間*13朝鮮半島の現状が何も分かっていませんと自ら告白しているようなものでしょう。あるいはただただ戦争が好きなだけのバカか。石丸次郎の講演会や北朝鮮写真展などに足を運んだりする信者にその手の連中が山ほどいます。その手の石丸信者達というのはそれこそ「金正日政権さえ倒せば北朝鮮は何もかも良くなる」「金正日政権のせいで在日朝鮮人は日本で抑圧されている」「北朝鮮の人権改善の為には戦争も辞さず。リビアへの軍事介入のような事もやむを得ない」と本気で考えているのですから。そのくせ今の韓国で起こっている様々な人権問題や労働問題、米軍も絡んだ軍事問題、自然・環境保護問題、日帝植民地時代の戦後補償問題などには全く興味ゼロというのが笑わせます。
 たぶん石丸次郎とその信者や拉致問題関係者といった左右問わぬ日本の反北朝鮮勢力達(その中には一部の頭の悪い在日も含まれる)というのは、ポスト金正日政権として北朝鮮に「親日政権」が出来るのを待望しているのでしょう。いわば朝鮮半島に「もう一つの韓国」が出来て日本の「国益」になれば良い、と。そうすれば拉致問題も何もかも解決し、北朝鮮住民や日本における在日朝鮮人の人権も改善する、と。
 ですが今回の翻訳記事でも指摘されている通り、現実問題として金正日が仮に失脚してもその後の政権がより「人権的」になる保障はどこにもありません。むしろ現在の北朝鮮を取り巻く国際情勢を考えたら、現状のままでは誰が執権しても北朝鮮という国は反日的かつ非民主的なスターリン型軍事体制にならざるを得ないでしょう。戦争の危機が依然として残っているのにどうやって武装解除しろと?
 また核実験のときもそうでしたが、そうした北朝鮮政府の行動のおかげで日本では在日朝鮮人への差別や人権侵害が起こっていると主張する連中がいます(代表的なのがマガジン9条)。自分達の国家が行っている差別を被差別者に責任転嫁するなど日本の(注:一部の)左翼や護憲派はどこまで腐敗堕落したのかと思いますが、じゃあ北朝鮮が「民主化」になったらおまえらは朝鮮人を差別しなくなるとでも言うのか。南の韓国は親日的な上に昔よりもかなり民主化されはしましたが、それでも韓国籍の在日に対する差別や人権侵害はなくなっていません*14。民団の不動産に対する税金問題*15を見てもしかり。「民主国家・韓国の公民団体」にして、あれだけ日本国家や右翼の手先になって北朝鮮や総連を攻撃する尖兵役を務めておきながら、民団の扱いは総連同様の「不逞鮮人の団体」としてしか見なされませんでした。朝鮮半島本国の政権が何であろうと関係なく、日本国家は朝鮮人・韓国人を差別し、人権を抑圧する事を旨としてきたのは日帝植民地時代からほとんど変わっていません。金正日政権の有無と在日の人権問題は無関係であり、「金正日政権を打倒」した所で在日の人権が改善される事はないのです(むしろ逆効果になる可能性すらあるでしょう。これについては後日改めて述べたく思います*16)。
 北朝鮮の人権問題に話を戻せば、いかに朝鮮半島の情勢が特殊な環境に置かれているかというのが今回の記事でよくお分かりになるでしょう。本来人権と平和というのは相互補完的な存在であり、一般的に人権を高めれば平和が、平和を高めれば人権も推進されていくという循環があります。ところが北朝鮮に関して言えば、人権改善を要求する事が戦争の危機を高めるという全く逆の相反的効果をもたらしてしまう。人権を口実にした内政干渉・体制転覆工作となってしまうからです。これは実際の所、北朝鮮に限らず、中東やアフリカ・南米諸国などでアメリカやヨーロッパ諸国が戦争を起こす際に度々使ってきた手口でもありますが。
(中略)
 逆説めいて聞こえるかもしれませんが、本当に北朝鮮国内の人権を改善させたいと思うならば金正日政権を「打倒」の対象として見てはならないというのが最大のポイントです。北朝鮮の為政者は自国民の人権を抑圧している一方で、それを改善出来る存在でもあるという事。外国が「北朝鮮人権なんとか法」の類を制定するなど最悪・最低な内政干渉でしかありません。それよりも軍事的抑圧をやめるべし。その上で外交的対話を始めよ、という事です。「北朝鮮人権なんとか法」の類もまた軍事的抑圧手段の一つなのですから。「金正日政権打倒」を叫ぶ者ほど、北朝鮮国民の人権改善を全く考慮していません。
 日本や韓国の反北朝鮮勢力の手口を見ていると、児童ポルノ禁止法の規制強化を目論んでいる連中との類似点が何となく感じられます。この手の連中は「人身売買の禁止」と称して署名を集めておきながら、それを「児童ポルノ禁止法厳罰化(単純所持禁止)」の署名として提出するという詐欺行為を行っていました(macska dot org「児童ポルノ禁止法改正を求める署名の背後にある「人身売買に反対する」というレトリックの罠」(http://macska.org/article/387)参照)*17
 一般的には反対し難い耳ざわりの良い口実(人身売買禁止)で署名を集め、それを議論の大きく分かれる別の法改正問題(児童ポルノ単純所持)に転用したという事です。「北朝鮮住民の人権」「拉致被害者救出」といったやはり反対し難い耳ざわりの良い口実で人や金や署名を集め、それを北朝鮮と戦争しろという政治運動に利用・転用する連中とそっくりではありませんか*18
 そして北朝鮮人権問題を眺める事で我々が得る事の出来る最大級の教訓とは、「人の振り見て我が振り直せ」という事でしょうか。南北朝鮮のそれぞれが抱える人権問題の相当部分は現在の政治体制によるものではなく、過度な軍事的対立と競争に起因します。韓国は民主化されたと言います。しかしながら「兵役拒否、国家保安法、兵士の人権及び福祉など軍事・安保と関連する人権問題達」のみならず、経済格差や労働条件の悪化、財閥の独占体制など韓国社会の「経済民主化」はまだ成されていません。軍事政権時代以来民主化闘争や労働運動・平和運動を弾圧する尖兵となってきた「公安検察・裁判所」の司法改革とて民主化以後もなかなか進まず、盧武鉉政権時代にある程度行われたのですが、李明博政権になって再び逆戻りして「公安検察」が復活してしまいました。 韓国は「検察王国」と呼ばれるほど検察の力が強く、その腐敗ぶりもひどい事を知っている日本人がどれだけいるでしょう。
 「政治的民主化」はある程度成されましたが、「軍事・安保・経済・司法面」での民主化はまだまだという事です。南北双方の人権問題が今も続く戦時体制に起因している事を直視し、互いを自ら顧みて改善に努めるしかありません。
(中略)
 それはもちろん日本にも当てはまります。いや、むしろ日本こそ朝鮮半島情勢という「人の振り」を見る事で「我が振り」を直さねばならない最たる存在ではありませんか。
 とりわけ日本では「韓国の民主化」が「韓国は民主化されたからこれ以上『韓国の人権問題』を追及する必要がない。だから安心して北朝鮮の人権問題だけを叩ける」という空気・雰囲気を作り出す原因(もしくはアリバイ・言い訳)にすらなっているでしょう。実際に日本で北朝鮮人権問題をネタにしたバッシングに熱中している者ほど、上述したような現在の韓国における各種人権問題・社会問題には驚くほど無関心です。かつて軍事政権時代に韓国の民衆との連帯を訴えて行動してきた日本人はどこへ行ってしまったのか。その答を最もよく象徴する結果物が石丸次郎だったというオチでした(若い頃は韓国の民主化運動を応援しておきながら、後年は反北朝鮮タカ派に転向)。
 上記のような韓国社会の「軍事・安保・経済・司法面」での人権問題は、全て日本においても当てはまる事柄ばかりではありませんか。「あらゆる価値を圧倒する国家安保至上主義、予算と人力の軍事化及び消耗的な軍備競争などが自然に受け入れられている現実の中で個々人の生活を振り返るというのは原則的に不可能」な点については言うまでもありません。そうした問題から目を逸らす為の「北朝鮮人権問題」など語るに落ちたもの。いや、語る価値すらありません。
 それらを黙殺して北朝鮮の事ばかり「人権が抑圧されている」とは実に寒心する珍現象です。福島原発事故によって住居を追われた人達の現状は?。放射能汚染による被害補償を求めてやって来た農家に対して東京電力がどれだけひどい冷酷な対応で門前払いをしているか知っているのですか?。反原発デモでは無理矢理な「転び公防」で3人も逮捕されているのに、右翼の「韓流やめろ」「朝鮮人は出て行け」というデモ(しかも無許可!)はお咎めなしというのは?
 日本で北朝鮮の人権問題をあれこれ言う人間達というのは韓国の人権問題を無視している事からも分かるように、韓国人に対しても冷たい。しかしながらそうした連中は詰まる所、日本国内の人権問題も黙殺している訳で、同じ日本人に対しても驚くほど冷淡で酷薄なのです。

http://sgwse.dou-jin.com/Date/20110803/1/
■「韓国の良識的意見が日本に届かないのは誰のせいか」から一部引用
 韓国では長きに亘る軍事政権の強権支配とそれに対する民主化闘争の歴史があります。現在の韓国では「ハンギョレ新聞」や「プレシアン」「オーマイニュース」といったいわゆる進歩派・左派メディアがそれなりに軌道に乗って影響力を保持しており、これもまた民主化闘争の大きな成果の一つでありましょう。
もし日本と韓国の民衆の連帯を望むなら、日本の「左派・リベラル」報道機関は韓国のどのような同業者と提携するのが好ましいでしょうか。常識的に考えれば上記のようなメディアと組むのが妥当な所でしょう。これらは日本語版がない(中略)ので提携して翻訳した記事を配信すれば、現在の韓国社会を深く知る貴重な情報源になるであろう事は間違いありません。
ところが現実はどうか。
 今の日本の「左派・リベラル」メディアでこうした所と提携している所はほとんどありません。
 (中略)
 アジアプレスについてはもう何度も指摘してきた事ですが、ここの提携先は通称「反北朝鮮業界の東スポ」(笑)ことデイリーNKですから何をかいわんやです。ハンギョレやプレシアンよりもデイリーNKの方がいい、という時点でおまえ根本的に頭おかしいだろうという話ですが、連中の思考がすでに「北朝鮮転覆」「韓国の左派・進歩陣営は北朝鮮の手先」という認識なのですから、実は不思議でも何でもないのです。こんな所が日本のアジア報道を専門的に行っている市民派メディアなのですよ。
(中略)
 以上が「主な日本の左派・リベラル言論」の現状ですが、どこにまともな朝鮮半島報道がありますか。韓国の左派・進歩派言論をまともに伝えようとしている所がどれだけありますか。ほとんどゼロでしょう。
 もちろん日本の右派・保守派メディアが韓国の進歩派メディアの言う事など(注:好意的に)取り上げるはずはありませんし、(注:取り上げるとしたら)むしろ反駁するでしょう。それは当たり前の事です。ところが本来ならば韓国進歩派メディアの受け皿になるべき日本の左派・リベラルメディアが全くその役割を果たしていません。それどころかその中のいくつかは韓国でも札付きの悪質な極右メディアと直接・間接的に結び付いている始末です。
 これはすでに日本の左派・リベラル連中が韓国における戦後補償清算、労働問題の現状、原発をはじめとする自然環境問題、そして何よりも北朝鮮問題に関する韓国内の良識的な声・意見をウザがっているという証左に他なりません。こうした問題をありのままに取り上げる事は自分達自身に跳ね返ってくるから直視出来ないというのもあるのでしょう。
 典型的なのが延坪島哨戒艦沈没事件の時で、この時に韓国内の「それでも対話をせよ。平和を望む」という声を上記日本左派・リベラルメディアはまともに取り上げたためしがありません。本来ならば自分らがやるべき使命を完全にサボタージュして、朝鮮半島の危機を高めようとしているようにしか思えませんでした。
 日本に韓国の良識的な声・意見が最近ほとんど届かないのは、右派よりも左派・リベラルの責任がはるかに大きいのです。日本の左派・リベラルこそ現代における「韓国からの通信」*19を遮って握りつぶしてきた存在に他なりません。
(中略)
 真の「日韓連帯」とは何か、今の日本の左派・リベラルとやらはそれに相応しい相手なのか、といった事から根本的に考え直さねばならない時期なのではないでしょうか。

もちろん過大評価は出来ないが、以前拙ブログのエントリ
「新刊紹介:朱宗恒「植民地近代化論批判」(光陽出版社)(追記・訂正あり)」
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20100227/1367261806
で紹介した朱宗恒「植民地近代化論批判」(光陽出版社)*20や、韓洪九「倒れゆく韓国 韓洪九の韓国「現在史」講座」(朝日新聞出版)*21、「韓洪九の韓国現代史」(平凡社)などは「韓国の良識的意見」を届けようとする試みの一つなので、このブログ主のように日本の左派、リベラルを全否定的に評価するのはあまりにも問題がありすぎだろう。

http://sgwse.dou-jin.com/Entry/309/
■ブーメラン男・石丸次郎伝説
 2002年の小泉訪朝以降に北朝鮮バッシングが激しくなってからというもの、北朝鮮を蔑んで鬱憤晴らしをし、自分が直面している日本社会の矛盾やそれに由来する生活苦などから現実逃避する日本人が激増、日本の歴代為政者・政権党や右翼などはそれを悪用してきたフシがありました。まあ、最近の日本における北朝鮮への蔑視やバッシングは、日本人の社会的問題意識を逸らせて麻痺させるシャブやヘロインみたいな側面もかなり大きかった訳です。日本の反北朝鮮派言論人達というのはまさに小泉訪朝以降のそうした「特需」でおいしい思いをしてきた「シャブの売人」みたいなものでした。
 言うまでもなく我らがアジアプレス大阪支社代表・石丸次郎もそうした典型的な「シャブの売人」の一人に他ならず、北朝鮮の事を徹底的にこき下ろして「恐い何をするか分からない国」というネガティブイメージを広めたり、総連や民団といった民族団体や南北の和解といった事を徹底的に誹謗中傷する民族差別という名の「ドラッグ」を売り捌いてメシを食ってきたのです。その間の在日朝鮮人の苦労・苦悩を悪用したり、ある種の日本人の現実逃避に便乗してのシノギですから、これは詐欺やペテン以外の何者でもありません。
 普通詐欺師というのは騙す相手を熱狂させても自分は冷静さを維持しなければならないものですが、最近の石丸次郎の場合は自分自身が北朝鮮・総連攻撃に熱狂して明らかに狂ってきています。いわばシャブの売人が自分でもシャブを打ち始めて中毒する「自家中毒」状態としか思えません。実際にシャブを扱うヤクザなんかはそれが純度の高い「効く」ものかどうかを確かめる為に自分で打って試す事が多く、それでドラッグの売人には自分も麻薬中毒者という例が多くなるそうです。いわば石丸次郎も「北朝鮮への蔑視・バッシング」という日本社会の現実的辛さを忘れさせてくれる「麻薬」を売るのをシノギにしていたのですが、それが「効く」かを自分の体で試し続けて、今やすっかり自分も立派な「ヤク中」になっちゃったという所でしょうか。ミイラ取りがミイラに、ヤクの売人がヤク中になったという典型的パターンです。
 新しいツイッターを見てみるとそれがあからさまに表れています。何しろ言ってる事が全部自分に跳ね返る、およそ理性的でないブーメラン発言のオンパレードですから。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/96061200282038272
昨日の朝日の夕刊のトップは中国新幹線事故だったが、これはないだろうと思う。国会、原発、米財政、ノルウェーのテロ事件続報などあったのに。中国への「ザマミロ」的態度に見えてしまう。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/96132417206759424
かつて在日朝鮮人運動にも総連にも輝いていた時代があった。三代世襲策動にどう向き合うのか、問われる時が紛れもなく目の前に来ている。「総連系」の諸君が「それも良し」と判断するのであれば、総連の運動は「そんなもの」だった、あるいは「そうなり果てた」という評価になるんやろうなあ。残念だが

 石丸次郎は本気で上記のように考えているのでしょうか? だとしたらまさに今の石丸次郎は「自分の売っている麻薬(北朝鮮バッシング)に自家中毒したヤク中」そのものです。単語をちょっと入れ替えれば…

 石丸のツイッターのネタは総連への揶揄だったが、これはないだろうと思う。国会、原発、米財政、ノルウェーのテロ事件続報、韓国の大規模水害などあったのに。北朝鮮への「ザマミロ」的態度に見えてしまう。

 かつてアジアプレスにも石丸次郎の取材活動にも輝いていた時代があった(?)。日本と北朝鮮の軍事的緊張激化や戦後補償、在日朝鮮人の人権問題にどう向き合うのか、問われる時が紛れもなく目の前に来ている。「アジアプレス」の諸君が「それも良し」と判断するのであれば、アジアプレスの活動は「そんなもの」だった、あるいは「そうなり果てた」という評価になるんやろうなあ。残念だが

 全部石丸自身の事ばかりではないですか。大体、ノルウェーのテロをやった極右の事は石丸にとって他人事ではありません。自分だって在日朝鮮人の差別や偏見を煽るような報道をさんざん繰り返してきたのですから。
 ちょっと前に「総連の改革を求める」と称した怪文書が色んな所に出回ってそれが筆者の所にも回って来た事があるのですが、そこに書かれている内容は天安艦沈没事件を北朝鮮の仕業だと断定したり、中東のジャスミン革命のような事が北朝鮮でも起こったら良いとか、まさにそれこそ石丸次郎の書いた記事や著書を元ネタにしたとしか思えない記述ばかりでした。筆者がこの怪文書を初めて読んだ時、これは石丸が背後にいるんじゃないかと真っ先に疑ったほどです。石丸は実際に脱北者を越境させる「蛇頭ビジネス」の裏で暗躍した事もあった訳ですし、そういう下らなくてセコイ、卑怯・卑劣な策謀が大好きな男ですから。
 でも良かったじゃないですか。自分の言ってる事が「総連の改革を求める」人々に着実に影響を与えたのですから*22。ところがこの怪文書に対して石丸が示した反応は次のようなものでした。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/36048197927440385
 怪文書届く。「朝鮮総連の改革と民族統一・志向会」の名で、ホ・ジョンマン(注:現在の朝鮮総連責任副議長)体制を批判するもの。正体不明だし、何が目的かもようわからん。最後に一歌つづっている。「世界より忌み嫌われし国に住む 罪なき民の行く末悲し」
(正確には、怪文書原文の「連」の字は旧字体の「聯」となっています。 引用者注)

 自分の言ってる事とほぼ100%同じ事を主張している連中に対して「正体不明だし、何が目的かもようわからん」はないでしょう。本当は自分が裏で糸を引いているけれどそれをごまかす為に嘘をついているのか、それとも直接の関係はないけど相手がトンデモっぽく感じられたので逃げを打ったのか。
 上記怪文書集団(なのか個人なのかもはっきりしませんが)と石丸の関係は分かりません。ただ一つはっきりしているのは、この怪文書集団はその文章を読む限り、間違いなく石丸の書いた著書や記事、主義主張に多大な影響を受けているという事です。
 ジャーナリストなら自分の書いてきた主義主張に責任を持ちましょうね。相手がただのトンデモなのか自分の操り人形なのかは知りませんが、自分が大きな影響を与えた相手なんだから見捨てちゃ駄目だよ。オランダの極右政党(http://sgwse.dou-jin.com/Entry/308/参照)じゃあるまいし、自分らの言ってる事に影響されて大量殺人テロを実行しちゃうバカが現実に出た途端逃げ腰になるような無様な真似だけはしないで欲しいものです。少なくとも「北朝鮮報道の第一人者」という事を看板に掲げて売っている人間ならね。
 まあ、精神的「ヤク中」にそんな事を言っても通じないかもしれませんが…。

ガッツ石松閣下や長嶋茂雄閣下の伝説(高速道路を逆走したとか)は笑えるが、石丸の伝説は全く笑えないな(毒)

http://sgwse.dou-jin.com/Entry/304/
■石丸次郎が慎太郎批判とは片腹痛いわ
どういう風の吹き回しか、最近の石丸次郎はようやく橋下徹だけでなく石原慎太郎も批判するようになりました。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/93199756171558913
石原東京都が正式に2020年の五輪に立候補。私はこの「石原五輪」に絶対反対である。ボロボロ新銀行東京築地市場移転などの失政に頬かむりし、前回誘致の無駄遣いも知らんぷりという問題もあるが、何より「何のための五輪開催」かを示せないから反対なのだ。石原が「復興」掲げるとは片腹痛いわ。

 都知事選のような大事な時には一言の批判もなく、今頃になっておもむろに脱原発の風潮に便乗する形で慎太郎批判をするとは、イカサマもいいとこでしょう。だいたい、石丸次郎も石原慎太郎も反北朝鮮派(戦争もOK)で民族差別主義者という点では全く同じではありませんか。それが自分を良く見せる為に慎太郎批判とは片腹痛いわ。おまえ達、タカ派ペテン師の差別主義者同士仲良くしろ(笑)。
石丸は以前に週刊金曜日辛淑玉との対談(北朝鮮帰国者を日本に連れ戻すのどうのという話だった)でも在特会を槍玉に上げて自分を正当化するような発言をしていましたが、この慎太郎批判も狙いは同じ。在特会や慎太郎を批判して、自分が差別主義者や原発推進派でないかのように装っているに過ぎません。鈴木邦男なんかもそうですが、そこらの右翼が弁明とカッコつけの為に在特会を批判してみせるという手法はもう飽きました。その手はもう古いから、もうちょっと面白い手が思いつかないものなのでしょうかね?
 サンデー毎日の連載が切られて以降、石丸次郎は今や自分でやってる「リムジンガン」以外では週刊金曜日くらいしか紙媒体での執筆の場がなくなりました。そのせいで最近は佐高信に対して異常なほどのゴマすりをしてるのも、この男のツイッターを見るとよく分かるでしょう。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/84972690288549888
佐高信氏の「原発文化人50人斬り」(毎日新聞)読了。金曜日やサンデー毎日の連載に書きおろし加えまとめたもの。中曽根、渡部恒三ら政治家から、大前研一堺屋太一ら評論家、弘兼憲史幸田真音ら作家、それにビートたけし岡江久美子らタレントぶった切り。ジャーナリスト蟹瀬誠一も。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/84974027080347648
痛快なのはビートたけし斬り。文化人づらして講釈垂れるたけしは、しよせん自分を広告塔として、金もらえればどこにでも出ていく男だということあらためて思う。

 その佐高が「木川田一隆の精神をなくしたから東電はああなった」(注:『評論家・佐高信「東電の昔の社長は偉かった。原発に反対だったから、あえて故郷の福島に設置した」…それって美談なの? 』http://togetter.com/li/144540)「平岩外四は立派だった」などとトンチンカンな事を言ってるのはどうした?。原発反対派の労組だった電産を潰したのは木川田でしたし、東電会長・経団連会長を務め、日本の原子力産業最大の実力者として原発推進に邁進したのが平岩だったのは反原発運動の世界では誰もが知る話でしょう。もっと直近な話で言えば、自分とこで佐藤優(東電がんばれの熱心な原発擁護派)を今だに重用しているのは?。佐高(注:それと週刊金曜日)はまず佐藤優を切ってから*23偉そうな事を言うべきでしょう*24。佐高は事あるごとに故・高木仁三郎*25の事を引き合いに出しますが、一方で木川田や平岩を礼賛(木川田にはまだ同情出来る要素が少しはあるかもしれないとしても、平岩には全く情状酌量の余地なし)したり佐藤優を重用するなど、高木仁三郎に対する冒涜以外の何者でもありません。今の佐高と故・高木の仁さんの関係は「海部俊樹三木武夫」そのものです。以前に佐高は海部を「クリーンな三木の子分だったのに、変節して金権・小沢一郎とくっついた」事を批判した事があります*26が、今の佐高こそ当時の海部俊樹そのものでしょう。
「反原発運動の巨頭だった高木の友人(?)だったのに、変節して原発推進派の佐藤優寺島実郎らとくっついた」
 石丸次郎が本当に佐高信の事を先輩ジャーナリストとして尊敬しているならば、こうした問題こそ指摘しなければならないはずです。それこそまさに「逆命利君」*27の精神で(笑)。でもそうした事を何一つ指摘しないのは、石丸が佐高の事を本心からは尊敬などしていないという証明に他なりません。
 佐高信の衰え振りは誰の目にも明らかですが、それでもファンと称する人の中にはそうした問題点を指摘しつつ支持者を続けている者もいます。筆者は今の佐高など全く評価しませんが、こういう「逆命利君」な姿勢を貫くファンの人には(その考え方には共感しませんが)一定の評価が出来るでしょう。でも石丸は? そんな筋の通った姿勢すらなく、あるのは単なるおべんちゃらとゴマすりだけではありませんか。
 石丸はかつて民団の元団長だった河丙オッ氏を「時の権力者*28へのゴマすり」「おべっか」とまでこき下ろしました(注:「石丸次郎の朝鮮半島報道の抱えている問題点 2006年総連・民団和解の件を例にして」http://sgwse.dou-jin.com/Entry/233/)が、自分の書いている雑誌のお偉方*29に対して露骨な「ゴマすり」「おべっか」を恥ずかしげもなく自分のツイッターで展開しているのはどこの誰ですか? 
 今の佐高は完全に老害そのものですが、それでも週刊金曜日編集委員という(注:左派物書き世界の)首脳にして長老なので、食い詰め者の元左派ライター・記者などが仕事欲しさにおべんちゃらを言うという構図がある程度出来上がっている訳です。石丸の佐高に対する露骨なゴマすりはまさに典型例と言って良いでしょう。
しょせん石丸次郎というのは自分の利益と政治運動(北朝鮮転覆)に利用さえ出来れば「どこにでも出ていく男だということあらためて思う」

参考

『評論家・佐高信「東電の昔の社長は偉かった。原発に反対だったから、あえて故郷の福島に設置した」…それって美談なの? 』http://togetter.com/li/144540、の一部引用
・東電ってまさに正社員中心の企業主義的統合という木川田精神の延長で腐敗したのではないのか
福島第一原発をジェネラル・エリクトリック社の技術丸呑みでつくったのは木川田一隆です。佐高さんの言うように部下に言われて「しかたないか」と原発研究に踏み切ったのではありません。「ドキュメント東京電力企画室」*30をお読みください。
レッドパージ後の電産*31つぶしで木川田一隆と阿吽の呼吸をしていたのが(中略)右派社会党の政治家、佐々木良作氏(後の民社党委員長)、木川田氏は公民協力の労もとっています。
週刊金曜日にだかに佐高信が「東電よ、木川田精神を取り戻せ」的なことが書いていたそうで驚いたよ。東北電力圏内に東電の原発が出来たのは木川田の責任重大でしょ。もっと言えばそこに町井久之*32児玉誉士夫の陰もチラつくわけでさ。ここで木川田の名前を肯定的に出してくるなんて何の冗談かと思ったよ
佐高信氏が東電の木川田元会長を賞賛していることには以前から違和感を覚えていた。佐高氏には、旧制高校エリーティズムがある。立派な教養と人格の持ち主が政治や経済の指導にあたれば日本はよくなるという思想である。だから卓越した教養人であった木川田に甘いのだろう。城山三郎に通じる限界だ。
・福島の住民自身の意見はどうなるのか? まさか木川田王国でもあるまいし。そして実際安全ではなかった。
・木川田社長は戦前から国家と敵対することが多かった反骨精神の持ち主で、かつ共産主義者も差別しないリベラリストであることも評価ポイントのよう。だが、一方で原発事故や下請け被曝に対策をせず、地方の開発主義や中小企業・非正規差別を進めていたのも事実。なぜ佐高さんはこの二面性を見逃すのか。しかし、かつて正社員の「社畜」批判をしてきた日本の「リベラリスト」が、対案として国家の規制でも、市場規制的な労働運動でもなく…ベンチャー企業などの「リベラル」な経営者、そして会社に支配されない「強い労働者」を対置してきた経緯を思い起こせば、納得がいく。

http://sgwse.dou-jin.com/Entry/298/
■産経のせいだけではない
北朝鮮は滅びる詐欺」で今だに飯を食おうと躍起になっている石丸次郎ですが、相も変わらず自分が差別主義者でないかのように装うアリバイ作りには涙ぐましいほど必死の労力を傾けます。以下、石丸のツイッターから。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/88067545382395904
福島朝鮮初級学校のホームページです。産経新聞などが主導した朝鮮学校へのネガティブキャンペーンがこんな形で影響およぼしているのではないか。http://t.co/lZkVxVF

 福島朝鮮学校原発放射能汚染除去対策でもひどい差別を受けているのは深刻です。が、(注:差別主義者の)石丸次郎がそれを言うな! 
 「産経新聞などが主導した朝鮮学校へのネガティブキャンペーン」? 
 もちろんそれも大きいでしょう。が、朝鮮学校在日朝鮮人に対する抑圧がひどくなったのはそもそも誰のせいですか。日頃から北朝鮮バッシング報道や北朝鮮に対する軍事的緊張状態の扇動、南北対話や総連と民団の和解をボロクソに誹謗中傷して、結果的に在日や総連・朝鮮学校などに対する差別や偏見を助長させて来た勢力の代表的な一つが石丸次郎や野中章弘といったアジアプレス一派です。朝鮮学校が日本当局や日本人達から差別・抑圧・弾圧されるように、自分らでこれまでさんざん扇動・助長しておきながら何を言っているのですか。現在の在日社会に対する人権侵害や差別・抑圧がひどくなった原因について報道機関の責任を問うならば、アジアプレスは産経と並ぶ二大戦犯と言っても過言ではありません。産経は元から保守・右翼マスコミの看板を掲げているのであのような報道をするのはある意味当たり前ではあるものの、アジアプレスはまるでアジア民衆の側に立つ市民派・進歩派メディアのような顔をしておきながら、実際には朝鮮半島問題で民族差別や戦争の危機を扇動するような詐欺報道をしているのですから、(注:嘘つきという意味で)産経よりもはるかに悪質で罪深いと思います。
 福島に限らず朝鮮学校が今のようなひどい状況に置かれているのは必ずしも産経のせいだけではなく、石丸らアジアプレス一派にも大いに責任があるという事ははっきりさせておかねばなりません。石丸が自分らの責任を棚に上げて申し訳程度に無償化除外反対を唱えたりするのはそうした行いを誤魔化すアリバイ作りでしかなく、それを産経だけが悪いかのように言うのは詐欺そのものです。
 この世で大阪府知事橋下徹と最もそっくりな人間は石丸次郎自身ではないでしょうか。両人の共通点としては以下の特長が挙げられます。

・民族差別主義者にしてレイシスト
・公式の発言で頻繁に嘘やデタラメを並べ立てる虚言癖・ペテン師的性格。
・異常なまでのええカッコしいで、自分の体面を取り繕ったり差別主義者としての本性を隠蔽する事に狂的なまでの労力をはらう。
ポピュリズム原発問題が典型だが、時流に媚びて心にもない事を平気で言って大衆に迎合し、人気取りに利用する。
・同僚や部下に危険な仕事や辛い立場を押し付けておきながら、自分は安全地帯でぬくぬくと楽をする事を何とも思わない。
・強きを助け、弱きを挫く。

 石丸次郎が橋下徹を批判する事自体が大変な矛盾であり、笑わせる出来事です(石丸は最近になって急に慌しく石原慎太郎の事も批判し始めましたが。何で都知事選などの重要な時期に声を上げず、今の時期に思い出したかのように批判をする?)。ぱぎやんや辛淑玉らのように石丸を熱烈に支持している一部の在日(別名「肉屋を熱烈に支持する豚」)がこの矛盾に気付かないのは、カルト宗教の信者が教祖を熱烈に崇める姿にも似ているでしょう。石丸次郎や坂中英徳(注:元法務省入管キャリア官僚。北朝鮮批判をして善人ぶってるらしいが所詮入管官僚だからね。)を支持するような在日というのは、北朝鮮に帰国した家族を抱えていたり、総連の組織腐敗に失望して去ったという立場の者が多いのですが、だからといって石丸や坂中に救いを求める事はねえだろうという事です。彼らの目には石丸や坂中が「北朝鮮に帰国した家族を救ってくれる英雄」であるかのように映っているのでしょうが、それは大いなる幻想に過ぎません。英雄どころかこの者達は自分らを取って食おうとしている貪欲な「肉屋」に過ぎないというのに。
 かつて日帝朝鮮侵略で日本側元凶の代表的な一人であった福沢諭吉(注:慶応義塾大学創立者)。同じく朝鮮側元凶の代表的な一人であった李完用。両人が何をしてきたか、どのような人間であったかを記した資料は今でも多く伝わっています。しかしながら、この連中をリアルタイムで生で見たり、言動に接した当時の人々がどのような印象を受けたかというのは、史料・資料類だけではなかなか現代人には実感出来ません。そういう場合は現代の似通った者を当てはめて想像する事になるでしょう。仮に筆者が福沢や李完用をリアルタイムで見たら、おそらく橋下徹や石丸次郎らに対するのと同じ印象を受けたと思います。
 すなわち、「高級詐欺師」!

石丸やid:noharraのような「善人ぶった差別主義者」は「死ねばいいのに」と思う。
そう言えば、野原先生も石丸のマネして原発ネタのエントリを大量に書いて「自分が差別主義者でないかのように装うアリバイ作り」(スーパーゲームズワークショップエンタテイメント管理人の名言)に必死なようだけど、今「北朝鮮叩きレイシスト」方面ではそういうのが流行ってるの?
北朝鮮叩きレイシスト」でも「守る会」の三浦先生は「飯館村は安全」キャンペーンに荷担してるようだが?。
自分の所属してる会の代表・三浦が、「id:noharra先生の立場では容認できないはずの行為・「飯館村は安全」キャンペーン」をしてるのに平然とスルーして批判もしないってどういう頭の構造をしてるんだか。

http://sgwse.dou-jin.com/Entry/285/
■ここまでブーメランな事しか言えない自爆野郎もちょっといないよ
石丸次郎のツイッターより。はっきり言って以下の発言は全部石丸次郎自身に跳ね返るブーメラン発言ばかりです。

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/76194796389142528
鳩山さんには、しゃしゃり出ずに、さっさと表舞台から消えてほしい。民主党が政権を取り日本中が変化に期待していた時に、普天間基地の問題はじめ、日本中を失望させたのは鳩山さんです。

 鳩山に対して「さっさと表舞台から消えてほしい」? 朝鮮半島報道の分野で真っ先に消えるべきなのは石丸自身でしょ。
「石丸さんには、しゃしゃり出ずに、さっさと表舞台から消えてほしい。2000年に南北首脳会談があってあらゆる朝鮮・韓国人達が変化と平和に期待していた時に、それらを徹底的に誹謗中傷して妨害し、朝鮮半島の平和を望む人々を失望させたのは石丸さんです」

http://twitter.com/#!/ishimarujiro/status/76196477034168321
今日の朝日。大阪府議会で橋下率いる維新が「日の丸君が代」条例を3日に単独可決の公算大と。はっきり言うが絶対反対。最高裁で先日思想信条の自由制約を「合法」とするナンセンス判決が出たがさらに「心」「信条」を権力が法で縛ろうととするもの。「歌いたくない」「起立したくない」者に強制するな

 例によって橋下徹批判。でも石丸に橋下の日の丸・君が代強制を批判する資格がどこにありますか? 筆者や初老のトクさん(http://ameblo.jp/khbong/entry-10815211877.html)(ただしこのブログはあまりにも誤字・誤植がひど過ぎるので、もうちょっと校正をした方が良い)からの批判に対して言論による反論は一切行わず、いきなり「告訴するぞ」という法的措置をちらつかせて恫喝するという言論封殺行為をしてきたのはどこの誰でしたっけ? 「日の丸に起立しなかったり、君が代を歌わない奴は許さん」という橋下の振る舞いはガキのように幼稚な行為ですが、同様に「少しでも北朝鮮の肩を持ったり、自分の報道にケチを付ける奴は許さん」という石丸の振る舞いも精神年齢が低すぎます。
 石丸は橋下を批判してカッコ付けてますが、第3者の目から見たら両者の性質は鏡像のごとくそっくりでしかありません。
 石丸次郎という男はもう少し自分を冷静かつ客観的に見る事が出来ないのでしょうか。ここまでブーメランな自爆発言しか出来ないなんて、まるで原発への海水注入問題をでっち上げて菅直人を追い落とそうとして失敗した安倍晋三(笑)並みです。まあ、石丸も安倍も同じ日本の「反北朝鮮陣営」を代表する同志なんだから体質がそっくりでも不思議はありませんが。
 石丸は北朝鮮の両江道で何かあったとか怪しげな事も吹聴してますが、果たしてどうなのやら。この男の北朝鮮報道には大山鳴動してネズミ一匹というのがしょっちゅうありましたから。スクープ日照りなヘボ記者ほど焦ったあまりに、ガセネタに飛びついてトバシ記事を書きやすいものです。スタンドプレイもほどほどにね。石丸にそっくりな橋下もスタンドプレイを好んでやるポピュリズム政治家ですが…。

http://sgwse.dou-jin.com/Entry/272/
■朴斗鎮一派=コリア国際研究所はどこまでみじめに落ちぶれていくのか
(前略)

韓国再・補欠選挙でのハンナラ党惨敗とその影響
http://www.koreaii.com/nknews/nk20110502.html
「選挙結果を歓迎する金正日政権」
民主労働党は韓国で唯一北朝鮮の手足となる政党」
「順天(スンチョン)選挙区での民主党との選挙協力は、2012年総選の連合可能性を大きくした。民主党が大統領選挙で勝利するための600万票獲得のため民主労働党票に目がくらんだ結果である。この戦術が金正日から出ていること言うまでもない。
今回カーターを招待しておきながら会おうともしなかったことや、空港に向かったカーターを呼び戻して「南北首脳会談開催」のメッセージを伝えたのも、その背景には今回選挙での野党共闘の成功が関係しているかもしれない」

(中略) 
 民主労働党北朝鮮の手先って一体いつの時代の反共宣伝ですか。そんな30年も40年も前のカビが生えるどころかミイラ化したような古臭いアジテーションを、21世紀になっても繰り返している時点でどう見ても駄目でしょ。朴斗鎮という男は相変わらず右翼のアジビラ例文集を書き立てる程度の文章能力しかありません。今回のような大きな出来事を論評してこんな古臭い反共アジビラもどきしか書けないって、どこまで物書きとしてダメダメなのやら。もう少し真っ当かつ新鮮な視点で論評した、気の利いた内容が書けないのでしょうか。
 それとカーター訪朝で金正日との面会が実現しなかった事をあげつらっていますが、帰り際に急に呼び戻して口頭での重要なメッセージを伝えるというのは、親父の金日成の時代から行われてきた手法です*33(元総連出身者の朴斗鎮がこの事を知らなければモグリですよ)。色々な理由で面会出来なかった重要な賓客に対する儀式ばった対応ですが、北朝鮮の政治文化や外交儀礼という視点から見ても金正日はカーターという重要な仲裁者への敬意を最低限払ったと見るべきでしょう。そもそもカーターも韓国での記者会見で指摘していましたが、じゃあMB(李明博)は? 李明博はカーターと会うどころか、それに対する礼儀一つ尽くさなかったくせに(カーターはMBにも面会を要請していた)。
 今回の福島原発事故は世界的に大きな影響を与えました。もちろん原発密集度が世界一の韓国でも大きな騒ぎになり、つい最近でも韓国で一番古いオンボロ原発である古里原発でも事故があった事は記憶に新しいでしょう。今回の補選における江原道知事選挙原発誘致が大きな争点)で反原発候補が勝ったのもそれらの影響が大きいと言えます。
 さらに今回の補選結果に最大の影響を与えたのは、朴斗鎮一派も認めているように「富の二極化と韓国中産層の崩壊」といういわば「貧富の格差」です。ところが朴斗鎮一派がこれまでに韓国社会の格差問題や手薄い社会保障問題を提議し、それに対する建設的意見を述べた事など一度もありません。ただただ「北朝鮮が攻めて来るぞ」「北朝鮮は国民が困窮して飢えているぞ」と繰り返すばかり。それに対して南の韓国では、ある意味北よりもひどい新自由主義政策による所得格差が生じているという現実をことごとくスルーしてきました。それどころかそうした格差改善や社会保障の充実を訴えてきた進歩政党(注:民主労働党のこと)を「北の手先」扱いして口汚く誹謗中傷してきたのが朴斗鎮一派です。「北の民衆を貧困に追いやっている」金正日をボロクソに言っておきながら、「南の民衆を貧困に追いやっている」ハンナラ党が大好きって、どういうダブルスタンダードなんだか。南の民衆は同じ民族・同胞ではないのですか? 
(中略)
それとしつこく繰り返しますが、あんな朴斗鎮を「僕の在日朝鮮人のお友達」としてこれまで絶賛してきた石丸次郎って何?(笑)

*1:日本国が崩壊したわけではないが

*2:さすがに戦争はしないでしょう。まあエントリ主さんも本気でそう思ってるわけではなく皮肉でしょうが

*3:カダフィ閣下がリビア革命で打倒した

*4:イギリス自民党党首

*5:これは俺もそう思ったので「アホか」と突っ込んでいる

*6:さすがにその場合でもベトナム戦争時のような後方支援だろうが

*7:原文のまま、「金正恩」が正しいだろう

*8:ハングルの制定者として知られる李氏朝鮮の名君

*9:エントリ主の指摘が事実なら「いろいろ」どころか極右的価値観の人しかいなかったのではないか?

*10:全の大統領時代(1981〜1988年)をこう呼ぶ。ちなみに大韓民国建国から李承晩失脚まで(1948〜1960年)が第一共和国、李承晩失脚から朴正煕の軍事クーデターまで(1960〜1961年)が第二共和国、朴の大統領就任から10月維新による憲法改正まで(1963〜1972年)が第三共和国、10月維新から朴の暗殺まで(1972〜1979年)が第四共和国、1988年の民主化から現在までを第六共和国と呼ぶ

*11:金大中政権時代、統一部長官として太陽政策を推進。著書『南北首脳会談への道―林東源回顧録』(岩波書店

*12:盧武鉉政権で統一部長官

*13:id:noharraや三浦小太郎、萩原遼のことですね、分かります

*14:例えば最近のフジテレビ前のバカウヨのヘイトデモ

*15:民団が不動産免税措置を受けてることを「在日特権だ!」と訴えた人間がいることを指す。たとえば「民団はこれでもまだ日本の右翼と手を結び続けるつもりなのか 」(http://sgwse.dou-jin.com/Entry/278/)参照

*16:金政権が崩壊して在日問題すべて解決みたいなデマが流布される危険性があるということか?。ぜひとも後日、述べるという見解を早く読みたいですな

*17:ただし彼らは「児童ポルノをなくすと児童人身売買も減る」と主張してるようなので少なくとも主観的には詐欺ではないのでしょうが。少なくとも「児童ポルノ厳罰化(単純所持禁止)」は「G7諸国では日本とロシア以外みんなやってる」そうなので対北朝鮮強硬論「よりはマシ」でしょう。そう思ってない「私には理解不能な」珍右翼がいるようですが

*18:いや、少なくとも「反北朝鮮珍右翼」よりは、日本ユニセフ協会とかの方がマシだと思うが

*19:1970年代、岩波「世界」に連載され、後に岩波新書に収録。当時は匿名であったが現在では筆者は池明観氏と判明している。

*20:収録論文の初出はオーマイニュースハンギョレが多い

*21:訳者は反北朝鮮極右に批判的なid:mujige氏(米津篤八氏)

*22:実際、石丸の知人の一人・「珍右翼」三浦小太郎は「朝鮮総連本部ビルついに競売か(野村旗守氏記事紹介:http://hrnk.trycomp.net/news.php?eid=00611)」でこの文書を好意的に紹介し、大喜びしている

*23:もちろん佐藤の問題点は原発万歳だけではない

*24:他にも911陰謀論を垂れ流したことを詫びるとか週金と佐高にはやるべき事が山ほどあると思う。また佐藤を重用してる「自称左派」「自称反原発」として批判を受けるべき存在としては岩波も忘れてはいけない

*25:原子力資料情報室創設者

*26:しかし今の週金と佐高は明らかに小沢支持者に媚びてるように思うが。小沢一派の一人「松木謙公」とともに不信任案に賛成投票した横粂勝仁に未だにコラムを書かせてるからな(毒)

*27:佐高の著書の名前

*28:当時の韓国大統領盧武鉉氏のこと

*29:もちろん週刊金曜日関係者の佐高のこと

*30:田原総一朗、文春文庫

*31:電力会社の労組

*32:児玉系のヤクザ

*33:要するに「野党共闘の成功」など関係ないという話