私が今までに読んだ本の紹介(高橋哲哉編)

高橋哲哉
 東京大学教授。哲学専攻。
 私が持っている高橋氏の著書は以下の通りです。
 「戦後責任論」(講談社)、「歴史/修正主義」(岩波書店)、「『心』と戦争」(晶文社
 「戦後責任論」は戦後責任についての高橋氏の考えをまとめたものですが、個人的には「ネオナショナリズム批判」という章以外はあまりきちんと読んでいません。「ネオナショナリズム批判」では、藤岡信勝氏の「自由主義史観」と加藤典洋敗戦後論」(講談社)が批判的に取り上げられています。*1
 「歴史/修正主義」では日本版歴史修正主義南京事件否定論従軍慰安婦違法性否定論など)を中心に歴史修正主義に対する高橋氏の考えが述べられています。
 「『心』と戦争」については、感想をうまくまとめる事が出来なかったのでとりあえず章タイトルを紹介しましょう。
 「第1講 道徳教材『心のノート』の思想」「第2講 愛国心と選別−教育基本法『改正』がねらうもの」*2「第3講 『有事法制』はこの国をどう変えるのか」「第4講 『靖国』−戦死者追悼の未来と過去」*3 どの本も講演をもとにまとめたため講演調で読みやすいと思います。「読みやすい」=「やさしい」ではないですが・・・。

*1:戦後責任論」(1999年刊行)で加藤「敗戦後論」(1997年刊行)が取り上げられていることは、時代を感じさせます。良かれ悪しかれ今、「敗戦後論」に依拠している右派はあまりいないのでは?、と思います(平気で歴史的事実を無視する等、もっと低レベルな保守言論が多く、批判自体は割と楽)

*2:なお、「『心』と戦争」が刊行された時点(2003年)ではまだ、安倍政権は誕生しておらず、教育基本法改正案は本格的審議に入っていなかったことに注意。

*3:靖国」について、その後、高橋氏は「靖国問題」(ちくま新書)を刊行しています。(私は読んでいませんが)