私が今までに読んだ本の紹介(二宮厚美編)

・二宮厚美
 神戸大学教授(経済学)。渡辺治氏(一橋大学教授、憲法学・政治学)、後藤道夫氏(都留文科大学教授、哲学)、木下武男氏(昭和女子大学教授、労働社会学)、中西新太郎氏(横浜国立大学教授、社会学)とともに論壇誌「ポリティーク」(旬報社)の編集委員(長い間「ポリティーク」出てないんだよな、事実上の休刊or廃刊なのかしら?)。
 私が持っている二宮氏の著書は以下の通りです。
 「現代資本主義と新国家主義の暴走」、「日本経済の危機と新福祉国家への道」、「ジェンダー平等の経済学」(新日本出版社)、「構造改革とデフレ不況」(萌文社
 このうち「ジェンダー平等の経済学」(新日本出版社)を除く3冊は小泉構造改革新自由主義を、以前紹介した山家氏同様厳しく批判する内容の著書です。
 「ジェンダー平等の経済学」は私には抽象的すぎてよくわからなかったのですが、理解できた範囲で言えば次のようなことが言いたいのかなと思います(まあ、他にもいろいろと言っているはずなんですけど。)。

「真にジェンダー平等(性平等と言ってもいいとは思いますが)な社会を作るためにはジェンダー平等だけを追い求めたのでは意味がない(例えば、男女不平等賃金は問題だが、男女平等だけど低賃金でマトモに生活できないのでは話にならない)」
ジェンダー平等に対する考え方については、保守側には大きく分けて2つのグループがある。いわゆるバックラッシュ派(復古・反動派)とネオリベラル派(新自由主義派)である。『女性の社会進出が少子化を招いた』等と時代錯誤な無茶苦茶を言うバックラッシュ派が問題なのは言うまでもないが、その結果ネオリベラル派への批判が手薄になってしまうのはまずすぎる。左派はネオリベラル派の批判が今ひとつ弱くはないか?」
ジェンダー差別は、(能力差別とは違い)資本主義にビルトインされた差別とはいえず、資本主義体制下でも、克服は可能であろう。(例.かなり男女平等が進んでいると言われる北欧)」