黒坂真に突っ込む(2020年8月17日分)

黒坂真リツイート
 池内さおりさん。アジア諸国への加害責任とやらの中身ですが、慰安婦云々ですか。古今東西、性的労働サービスを提供して生計の糧を得る方は存在します。顧客が日本兵士か民間人かで、性的労働サービスの内容は変わらない。日本兵士は慰安所で規定の料金を支払ったのですから、犯罪などしていません。
◆池内さおり*1
 「歴史と謙虚に向き合い・歴史の教訓を胸に刻」むこと投げ捨てた安倍氏。歴代首相が述べてきたアジア諸国への加害責任や反省は、8年間一貫して言及無し。1945年から75年。この国の8月15日!。日本の市民社会の在り方と、それが選び育ててきた政治の中身が根本から問われてる。これからも問われ続ける。
首相式辞から「歴史と向き合う」消え「積極的平和主義」が初登場 戦没者追悼式:東京新聞 TOKYO Web
 安倍晋三首相が15日の全国戦没者追悼式で述べた式辞には「歴史と向き合う」という趣旨の言葉がなかった。一方、首相が掲げる「積極的平和主義」が初登場。日本の加害責任には今年も言及せず、過去を顧みない姿勢が一段と鮮明になった。
 安倍首相は第2次安倍政権発足後の2013~19年の式辞で、毎年「歴史と謙虚に向き合い」「歴史の教訓を胸に刻み」などと述べていたが、消えたのは初めてだ。6年連続で「戦争の惨禍を繰り返さない」と誓ったが、歴代首相が述べてきたアジア諸国への加害責任や反省は8年間、一貫して言及しなかった。
 今年は「積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えながら、世界が直面しているさまざまな課題の解決にこれまで以上に役割を果たす決意だ」と宣言。こだわりの外交・安全保障指針を8年目で初めて盛り込み、集団的自衛権の行使容認などを推し進めてきた“安倍カラー”をにじませた。

 「買春の是非はともかく」もちろん「慰安婦制度」は一般的な買春とは違います。「顧客が日本兵士か民間人か」だけが違いのわけでは全くない。
 黒坂の主張は「闇カジノも『公営ギャンブルやパチンコ』も違いは無い」「ヤミ金融サラ金も銀行も変わりは無い」「ABC兵器核兵器生物兵器化学兵器)も通常兵器も違いは無い」レベルのデマです。
 そして「規定の料金」て。現在の「一般の性風俗業」だって「売春防止法」など刑事犯罪として摘発されることはありますし、その場合「規定の料金」云々なんてことは全く関係ない。そもそも慰安婦で問題になってるのは「労働条件がまともかどうか」でありそれと「規定の料金」云々など全く関係ないわけです。というか「安倍政権ですら」建前上は河野談話を支持してるし、河野談話の立場は「慰安婦と一般の買春は変わらない、日本は悪くない(黒坂)」なんて立場では無い。
 まあ、そもそも池内氏が「日本の加害」と書いたのを勝手に「慰安婦」と読み替える黒坂も気が狂っていますが。
 この池内ツイートの「日本の加害」はもちろん慰安婦も含みますが、「南京事件」「731部隊」「バターン死の行進」などの「他の戦争犯罪」も含むし、そもそも「満州事変や真珠湾攻撃で日本から開戦したこと」自体が加害のわけです。
 黒坂は慰安婦以外の戦争犯罪(「南京事件」「731部隊」「バターン死の行進」など)も「戦争犯罪に該当しない」と強弁するのか。
 日本から開戦したことも「中国の反日運動が悪い」「米国の対日制裁が悪い」「ABCD包囲網が悪い」等と居直るのか。

黒坂真
 北朝鮮に拉致された日本人を救出するためには、朝鮮労働党幹部が抱いている金正恩への忠誠心を徹底的に弱体化させることが鍵です。

 言ってることがまるきり意味不明ですね。どう見ても反共極右・黒坂が「拉致問題解決」を口実に「金正恩政権」打倒を叫んでるだけの話です。
 大体この理屈なら「北方領土を取り戻すためにはロシア政府幹部が抱いているプーチンへの忠誠心を徹底的に弱体化させることが鍵です」なのか。

黒坂真リツイート
 日本共産党本部の皆さん。日本共産党員が「二度と戦争をしない」と街頭で叫ぶと、習近平*2金正恩*3プーチン*4に何かの経路で伝わり、習近平金正恩プーチンが感動して中朝露が核兵器を廃絶しますか。
終戦75年 憲法9条守り抜く/小池書記局長「コロナから命と生活守る」/共産党 全国で宣伝
 日本の敗戦から75年となる15日、日本共産党は、小池晃*5書記局長が東京・池袋駅前で訴えたのをはじめ、全国各地で、再び戦争の惨禍を繰り返さず、憲法9条を生かした平和な日本を築こうと街頭宣伝を行いました。
 小池氏は、日本の侵略戦争と植民地支配の犠牲となった人々に深い哀悼の意を表し、「戦争に命を懸けて反対してたたかった歴史を持つ政党として、二度と再び戦争の惨禍を繰り返さないため、戦争の大きな犠牲の上に築かれた憲法、とりわけ9条を守り抜く」と訴えました。
 民青同盟の小山農中央委員長は「多くの若者が戦場に赴いた戦争を二度と繰り返さないために、声を上げていく」と表明

 黒坂の言いがかりはばかばかしくて話になりません。ここでの「二度と戦争はしない(二度と再び戦争の惨禍を繰り返さない)」が「関東軍の謀略で開始された満州事変」「真珠湾攻撃で開始された太平洋戦争」のようには「日本からは二度と戦争を起こさない」の意味であることは前後の文脈上、明白でしょうに。
 黒坂のような放言をしていいなら「巣くう会、家族会の皆さん。皆さんが拉致の悲惨さを街頭で訴えると金正恩に何かの経路で伝わり、金正恩が反省して拉致被害者を(以下略)」「右翼の皆さん、皆さんがスターリンソ連による北方領土侵攻の無法さを街頭で訴えるとプーチンに何かの経路で伝わり、プーチンが反省して北方領土を(以下略)」ともいえる*6でしょうが、そう言ったら激怒するのが黒坂なんでしょうねえ。それとも「ボーガスの当てこすりと俺の主張は違う」とアクロバットな詭弁が始まるのか。
 それにしても核廃絶という話で「米英仏」の核保有を問題にしない点がいつもながら黒坂もデタラメです。
 「米英仏が核保有しているのに何故我々が核廃棄を求められるのか」という中朝露の反論を封じるためにも「全ての核保有国」に核廃棄を求めるべきでしょうに。

黒坂真
 日本共産党本部の皆さんは唯物論者ですね。唯物論者なら、死後の世界、魂は存在しないと考えているはずです。
志位和夫
 靖国神社は、戦争中は国民を戦場に駆り立てる役割を担い、現在も日本軍国主義による侵略戦争を「正義のたたかい」と美化・宣伝し、(ボーガス注:死刑となった東条英機*7元首相、広田弘毅*8元首相、板垣征四郎*9陸軍大臣、服役中病死した小磯国昭*10元首相、東郷茂徳*11元外相、永野修身*12軍令部総長、裁判中に病死した松岡洋右*13元外相など)A級戦犯を「濡れ衣」を着せられた犠牲者(ボーガス注:昭和殉難者)として合祀している。
 戦争犠牲者追悼の場に全くふさわしくない。現職閣僚*14の参拝に強く抗議する。

 何を黒坂が言ってるかというと「唯物論者(共産党)にとって死後の世界は無いのだから共産党には戦没者追悼という考えはないはずだ→だから戦没者追悼のことに口を出すな」というくだらない因縁つけです。
1)「死後の世界がある」なんて今時、自民党支持者ですら思ってない。「死後の世界があると思うかどうか」が唯物論者かどうかの判断基準(黒坂の基準)なら日本人のほとんどは唯物論
2)「死後の世界(霊魂)の有無」と「戦没者追悼」は関係ない。戦没者追悼は必ずしも「霊魂の存在」を前提としていない
3)黒坂ツイートは志位氏の批判「あの戦争を『アジア解放の聖戦』などと美化し、A級戦犯昭和殉難者として英雄視し、合祀する靖国は、戦没者追悼の場としてふさわしくない」という批判には全く反論になってない、
などの意味で実にばかばかしい。
 それにしても志位ツイートに
1)靖国はそんなことやってない、志位は嘘つきだ(まあ、そう言ったら完全に嘘ですが)とも
2)靖国はそうしたことをやってるが何が悪いのか?、非難する志位がおかしいとも黒坂が言えないのが無様です。
 とはいえ、黒坂の「死後の世界」云々が「靖国はそんなことしてない」「しているが何が悪い。非難する志位がおかしい」よりまともな物言いかというと明らかに逆でしょうが。

参考

靖国神社がまつるA級戦犯とは?
 天皇のために戦死した軍人などをまつる靖国神社は刑死・獄死したA級戦犯を七八年に合祀(ごうし)し、侵略戦争を“正義の戦争”とする立場を鮮明にしています。小泉首相靖国神社への参拝強行は、同神社の侵略戦争肯定の立場を共有するものです。

これが靖国神社「遊就館」の実態だ/徹底ルポ――“靖国史観”の現場をゆく/A級戦犯を「神」と展示
 最初に驚くのが、二階映像コーナーの「私たちは忘れない」のビデオ上映。
侵略戦争だったという人がいます。(ボーガス注:南京事件バターン死の行進など)虐殺をしたという人もいます。それは大東亜戦争というものを正しく理解していうのではなく、戦後、日本弱体化の占領政策を推し進めたアメリカの言い分を、今日まで信じ込んでいる…ことに、大きな原因がある」
 露骨な侵略戦争正当化論です。
 靖国神社A級戦犯を「形ばかりの裁判によって一方的に“戦争犯罪人”という、ぬれぎぬを着せられ、むざんにも生命をたたれた」方(「やすくに大百科」)と説明しています。
 ここにあるのは、戦争を起こした側が、あの戦争は正しかったという自己正当化の視点から組み立てた、偽りの「近代史」です。
◆記者の目
 遊就館には英霊*15の写真はあっても、日本が攻め入った国の人々の姿はありませんでした。加害の事実を無視し、戦争を一方的な美談に仕立て上げています。そればかりか日本の植民地支配への抵抗を「排日」「テロ」だと表現していました。

靖国神社って何? 「参拝」何が問題?/首相は「国に殉じた人に尊崇の念を」言うが…
 靖国神社は1978年に、東京裁判極東国際軍事裁判)でA級戦犯とされ処刑された東条英機元首相ら14人を合祀しています。
 靖国神社は、このアジアと日本の国民に多大な犠牲を強いた戦争指導者を、“神”としてまつっているのです。実際、遊就館には「靖国の神々」のコーナーでA級戦犯の東条元首相らの写真を展示しています。
 A級戦犯合祀の理由について、宮司だった湯澤貞氏は、同神社の崇敬者総代会で「A級戦犯だけ合祀しないのは極東裁判(東京裁判)を認めたことになる」との意見もあり、合祀が決まったと語っています(『正論』05年8月号)。合祀の狙いは、日本の戦争を侵略と断罪した東京裁判を否定する意思を示すためなのです。
 日本は、米国など連合国と結んだサンフランシスコ平和条約(51年調印)で東京裁判を受け入れており、同裁判を否定することは国際社会への公約に反することです。
 A級戦犯合祀が明らかになって以降は、昭和天皇も現天皇も同神社を参拝していません。

知りたい聞きたい/首相らの「靖国」参拝なぜ反対
 靖国神社は1945年の日本の敗戦まで陸・海軍省が管理し、戦死者を祭神とする特殊な神社として、国民を侵略戦争に動員する重大な役割を担いました。戦後、一宗教法人となりましたが、付属の軍事博物館(遊就館)の展示に見られるように、いまだに日本の過去の侵略戦争を「自存自衛」で正しい戦争だったと国民に宣伝する運動体となっています。
 このような施設に首相や閣僚が参拝することは、たとえ「国のために命を捧(ささ)げた犠牲者に尊崇の念を示すため」などと言っても、「日本の戦争は正しかった」という立場に自らを結びつけることにならざるを得ません。

4閣僚が靖国参拝/断じて許されない/小池氏が厳しく批判
 日本共産党小池晃書記局長は15日、東京・池袋駅前での街頭演説で、4閣僚による靖国神社の参拝に対し「断じて許されない」と厳しく批判しました。
 小池氏は「もともと靖国神社とは旧陸・海軍両省が管理する軍事的宗教施設だった」と指摘し、同神社がまつっているのは明治維新以降に天皇のためにたたかって死んだ軍人・軍属だけであり、原爆などの民間犠牲者はまつられていないと述べて、「多くの若者は『靖国で会おう』と戦場へと赴いた。日本中の人々を戦争に動員する精神的支柱だった」と強調しました。
 さらに、同神社が今も日本の侵略戦争を「正しい戦争だった」と主張し、そのことを展示する付属施設「遊就館」も備えていると述べ、「靖国参拝は不戦の誓いでも戦争犠牲者への慰霊でもない。逆に戦争犠牲者やその家族の『二度と犠牲者を出さないで』という願いを踏みにじるものではないか」「日本共産党は閣僚による靖国参拝は行わないよう強く求める」と訴えました。

*1:日本共産党中央委員。元衆院議員

*2:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*3:北朝鮮国務委員長、朝鮮労働党委員長、朝鮮人民軍最高司令官

*4:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*5:共産党政策委員長、副委員長を経て書記局長(常任幹部会委員兼務)

*6:大体、街頭での「訴えの対象」は「日本国民」に決まってるでしょうに。

*7:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相など歴任

*8:斎藤、岡田、第1次近衛内閣外相、首相など歴任

*9:関東軍高級参謀として満州事変を決行。関東軍参謀長、第1次近衛、平沼内閣陸軍大臣朝鮮軍司令官、第7方面軍(シンガポール)司令官など歴任

*10:陸軍次官、関東軍参謀長、朝鮮軍司令官、平沼、米内内閣拓務大臣、朝鮮総督、首相を歴任

*11:駐ドイツ大使、登場、鈴木内閣外相など歴任

*12:広田内閣海軍大臣軍令部総長など歴任

*13:満鉄総裁、第2次近衛内閣外相など歴任

*14:衛藤一億総活躍等担当相、小泉環境相高市総務相、萩生田文科相の4人

*15:日本軍の戦死者のこと