大森勝久氏の新しい論文です: 荒木和博BLOG
長年にわたり反日政策を実行してきた故安倍元首相の国葬儀を行う日本は、危険な状態にある | 新・大森勝久評論集
国葬反対という結論だけは正しいのですがその「理由」が「安倍の安保外交政策が(大森氏にとっては)左翼的、反日的、売国的だった」という異常な代物です。
国葬反対論の理由として良く挙げられる
【1】「モリカケ桜」「レイプもみ消し」「統一教会との癒着」などといった安倍の疑惑
【2】戦後、国葬となった首相は吉田茂しかないこと
には全く言及されません。
こんな記事を紹介するとは荒木も「国葬反対」なのか?
「国葬に反対です」と言って「賛成派の多いウヨ仲間」に攻撃されたくないが、「賛成」といって大森氏と険悪な仲になることも恐れてるのでしょうが全く荒木もコウモリ野郎です。
大森氏の珍論にも軽く突っ込んでみます。
安倍を「中露に甘かった」と評価するのは一つの価値判断としてあり得ますが「共産主義者」というのは明らかにデマです。
「安倍が共産主義者なら、彼を批判する日本共産党はどうなるのか?」と大森氏には聞きたくなります。
「共産党員同士の茶番劇だ」というのか。はたまた「今の自民党=共産党・安倍派」「日本共産党=共産党・志位派」とでもいうのか。
反対したのは中露だけではないので「おいおい」です。
2006年9月26日、第一次安倍政権が発足した。胡錦涛が「靖国神社参拝は、中国及びアジアの人々の感情を傷つけ、政治的基盤を損なうものである」と述べると、首相は「過去の歴史を直視し、平和国家のこれまでの歩みを、またこれからも続けていく旨」説明し、「中国側の評価」を求めた。
このように事実上「靖国不参拝」を一度表明した安倍が「米国の反発で一度で辞めた」とはいえ、第二次政権で靖国参拝したことには心底呆れます。
大東亜戦争は日本を亡国に追い詰めた、祖国に反逆した戦争であった。反日左翼(「右」と「左」の)による革命戦争(侵略戦争)であったのだ。大東亜戦争の結果、戦後の東アジアは共産主義国家だらけになったのだ。
何のことかと言えば、「近衛文麿*1のブレーンであった尾崎秀実(ゾルゲ事件で死刑)の謀略で太平洋戦争が起こった」という一部ウヨの陰謀論です。
勿論そんな事実はない(そもそも開戦当時の首相は近衛ではなく、東条英機*2ですし、戦争にゴーサインを出したのは大元帥・昭和天皇です)。「戦後の東アジアが共産国家だらけ(なお、モンゴルは日本が満州事変を起こす前から共産国です)」かどうかはともかく、「中華人民共和国と北朝鮮は共産国」となった。
日本が無謀な日中戦争、太平洋戦争を起こさなければ「蒋介石は毛沢東を打倒し中華人民共和国は生まれず」、朝鮮半島もソ連の介入はなかった(北朝鮮の誕生はなかった)かもしれない。しかしそれは結果論に過ぎません。
こうした尾崎陰謀論は
◆本能寺の変の黒幕は、織田信長の死後、天下人に成り上がった豊臣秀吉
◆朴正熙暗殺の黒幕は、彼の死後、大統領に成り上がった全斗煥
◆希望の党騒動の黒幕は、希望の党騒動の混乱で自民党勝利を得た安倍首相(当時)
と主張するくらい馬鹿げている。結果論は因果関係ではない。
毛沢東は1964年7月、日本社会党訪中団代表の佐々木更三氏*3に、「何も申し訳なく思うことはありません。日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらし、中国人民〔中国共産党のこと―大森〕に権力を奪取させてくれました。みなさんの皇軍なしには、われわれが権力を奪取することは不可能だったのです」と語っている(『毛沢東思想万歳』下巻187頁)。
皇軍に感謝した毛沢東?が指摘するように毛発言はジョークでしかない。
安倍総裁は2012年9月28日、「日中友好議員連盟」会長の高村正彦氏*4を党副総裁に任命した。そして安倍氏は「高村氏は日中友好議員連盟の会長であり、海外(すなわち中国、ロシア―大森)へのメッセージとなる」と述べている。なお、高村氏は「日露友好議員連盟」の会長でもある。
安倍がそのように高村副総裁任命を「対外的にも意味がある」としたのは事実でしょうが、果たしてそれは本心だったかどうか。単に「安倍との個人的関係」にすぎなかったのではないか。