私が今までに読んだ本の紹介(折原浩編:追記・訂正あり)

・折原浩
 東京大学名誉教授。専門は、マックス・ヴェーバー研究。
 私が持っている折原氏の著書は以下の通りです。
 「学問の未来」、「ヴェーバー学のすすめ」、「大衆化する大学院」*1(以上、未来社
 これらの本は、批判ポイントはそれぞれ微妙に違うが、全て、羽入辰郎氏(青森県立保健大学教授)の著書「マックス・ヴェーバーの犯罪」(ミネルヴァ書房)への批判が内容である。
 残念ながら、私にはどちらが正しいのか今一つ良く分からなかった。*2*3
 いずれにせよ、折原氏の批判精神は高く評価されてしかるべきだと思う(折原氏によれば、羽入本に対して立場を明らかにしていないヴェーバー研究者が多いそうなので)。*4

【11/1追記】
1)羽入・折原論争について取り扱ってるホームページを見つけたので紹介。
「羽入・折原論争の展開」(橋本努北海道大学准教授)
http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/Japanese%20Index%20Max%20Weber%20Debate.htm

2)羽生氏が折原氏に反論した本があるようなので紹介。
羽入辰郎『学問とは何か・「マックス・ヴェーバーの犯罪」その後』(ミネルヴァ書房

一方、折原氏と同様、羽生氏の批判は不当であるとする立場の本もあるのでそちらも紹介。(必ずしも折原氏と同一意見ではないようだが)

橋本努・矢野善郎編『日本マックス・ウェーバー論争・「プロ倫」読解の現在』(ナカニシヤ出版)

*1:大学院の悪い意味での「大衆化」が羽入氏のようなトンデモ学者を生んだのではないかというのがおそらくこの本の内容。

*2:常識的に考えれば、「マックス・ヴェーバーの犯罪」を私が初めて発見したと耳を疑うようなことを言う羽入氏の方がトンデモだろうが。

*3:折原氏も指摘しているが、こういう「地雷」みたいな本に、審査員にヴェーバー研究者がいないのに山本七平賞を与えたPHPは、無謀にも程があると思う。私なら怖くて賞など絶対に出せない。山本七平賞なんかもらう羽入氏も学者としてどうかと思うが。(山本七平がどんな人間か羽入氏は知らないのか?。しかも、審査員の一人があの中西輝政(安倍首相ブレーンの一人、産経文化人)だ。折原氏の批判に信頼性を与えてしまうから、私なら絶対に辞退する)。なお、他の委員は加藤寛竹内靖雄山折哲雄養老孟司。七平賞の委員なんか引き受けて恥ずかしくないんだろうか?

*4:ただし、これらの本の中で名出しで非難されているのは私の見落としがなければ山之内靖氏だけ。