私が今までに読んだ本の紹介:柳家つばめ(五代目)「創作落語論」(2009年6月刊行、河出文庫:追記・訂正あり)

・本書は新作落語創作落語、現代落語とも本書では呼ばれている)の草分けとして知られる著者(既に故人)が自らの落語に関する考えを書いたもの。1972年に三一書房から刊行された物の復刻版。復刻するに当たって演芸評論家・大友浩と著者の弟子・夢月亭清麿の解題と対談が付いている。

・目次は以下の通り。
1.古典落語は邪道である
2.落ちがなくても落語だ
3.本来落語は体制外のもの
4.残る落語は駄作である
5.一回だけで消える落語
6.ふがいない現代派
7.落語を毒する評論家
8.ディレクターとプロデューサー
9.新作落語のいろいろ
10.現代落語の技術
11.現代落語の守備範囲
12.邪道こそ落語の本道
13.政治とプライベートな問題
14.落語作家不要論
15.現代落語の創作
16.現代派の末路
17.大衆は消滅するか
18.落語の将来

・当初はそれなりに詳しい説明をしようと思っていたのだが、巧く出来そうもないのであきらめた。ともかく落語について詳しくない人(私もその一人だ。テレビでたまに落語を見ることはあるが、寄席だのホール落語だのに行くほどの思いはない)でも本書は充分楽しめると思う。

【12/5追記】
著者の「落語の世界」(河出文庫)も購入したので紹介。この本は1967年に講談社から出版された本の復刻版で復刻に当たり、大友浩の解説が付いている。