【北の脅威の中で・朝鮮戦争60年】(上)中国が最大の敵だった・金政権崩壊、座視できず

 激戦の末、戦いは国連軍の勝利に終わる。陣地には米国、フランス、韓国の国旗が翻る。国連軍の兵士たちは、散乱する中国兵の死体のそばで「バンザイ!バンザイ!」と歓声を上げる。
(中略)
 朝鮮戦争60周年を前に、当時の参戦将兵たちを招いて行われた記念行事における、戦闘の再現シーンだった。

 運動会の騎馬戦じゃあるまいし、本当の戦争だったら、疲労困憊でとてもそんな歓声は上げられないのではないですかねえ?。リアルに再現したら凄惨すぎて、戦意高揚にならないんでしょうが。

 国連は派兵に際し「統一された民主朝鮮の樹立」を決議していた。

 「えっ、ソ連が拒否権発動しなかったの?」と思われた方は当然の疑問です。ウィキペディア朝鮮戦争」に書いてありますが、この時、ソ連中華人民共和国の国連加盟を認めよと言い安保理をボイコットしていました。
 そのソ連の欠席をいいことにイギリス、フランスなどお友達の理事国と一緒に、自分の都合の良い決議を出したのがアメリカです(ソ連の判断ミス)。国連の決議と言ってもこの場合はアメリカの考えでしかありません。
 しかしそうした記述はこの記事にはありません。「国連は中立的」という日本人の先入観による誤読をねらってるのか?

 韓国・国連軍の北進で北朝鮮軍はほぼ壊滅していた。崩壊寸前だった金日成政権は中国の支援で息を吹き返した。中国の介入で「民主的な統一朝鮮の樹立」は実現しなかったのだ。

 米国が介入しなければ、北による「統一朝鮮の樹立」(もちろん民主的ではない)が実現したでしょう。北の武力統一は認めないが、南の武力統一はOKなんてのは、ただのご都合主義です。
 それと当時の韓国って民主的なんでしょうか?。当時の大統領・李承晩は独裁者との非難を浴び最終的には亡命を余儀なくされているのですが。
 ウィキペディア「李承晩」でも、とんでもない記述が次のようにぼろぼろ出て来ますし。
 

聞慶虐殺事件」(1949年):
 韓国軍が共産匪賊に協力したなどとして非武装の住民88人を虐殺し、共産匪賊の犯行としていた事件。「真実・和解のための過去史整理委員会」によって2007年6月26日に韓国政府の犯行であったことが明らかにされた。


保導連盟事件」(1950年):
 朝鮮戦争勃発を受けて、韓国軍が共産主義からの転向者やその家族を再教育するための統制組織「国民保導連盟」の加盟者や収監中の政治犯や民間人など、少なくとも20万人あまりを大量虐殺した事件。
 韓国政府の「真実・和解のための過去史整理委員会」は朝鮮戦争の初期に少なくとも10万人以上の人々が殺害されたことを確認している。
 なお、韓国紙・朝鮮日報は、2007年3月15日付の社説で「過去史委員会による壮大な予算の無駄遣い」と述べ、真相究明への否定的な社説を発表している(←さすが韓国の産経新聞)。


「進歩党事件」(1959年):
 革新政党・進歩党の委員長・者奉岩が北朝鮮のスパイと接触して、北朝鮮が主張している南北の平和統一を主張したという嫌疑で、処罰された事件(者には死刑が執行された)。1956年5月の大統領選挙で、支持を大きく伸ばした者に脅威を感じた李承晩大統領と与党・自由党のでっちあげとみられる。者が処刑されてから48年後の2007年、大統領直属の機関である「真実・和解のための過去史整理委員会」は、者の遺族への謝罪と独立有功者の認定を政府に対して勧告した。また、彼の出身地である仁川市江華郡では、銅像建立など彼を再評価する動きが始まっている。


「新潟日赤センター爆破未遂事件」(1959年):
 北朝鮮帰国事業を妨害するため、韓国の工作員によって企てられた新潟県でのテロ未遂事件。当時、日本赤十字社は帰国事業実施に関与しており、新潟日赤センターは帰国事業の拠点の一つだった。

【参考】
TBS報道特集「暴かれる韓国最大のタブー「保導連盟事件」」(http://www.tbs.co.jp/houtoku/onair/20080906_1_1.html
TBS報道特集「闇の部隊「北送阻止隊」」(http://www.tbs.co.jp/houtoku/onair/20090926_2_1.html
「aoi blog〜テキスト集〜:'09 9/26 TBS「報道特集NEXT」闇の部隊“北送阻止隊”」(http://aoinomama1313.seesaa.net/article/135597207.html

 中国軍の朝鮮半島への“進駐”は、古代史を除いても高麗時代の元、李朝時代の明、清などにより繰り返されている。

 それぞれ時代状況が違うのに同列に論じるなよ。それと古代史を除いているのは唐と対立した高句麗(今の北朝鮮)の存在が話の展開に邪魔だからですか?

 朝鮮半島はそういう環境、地政学的条件に置かれているのだ。

 はいはい、インチキ地政学乙。

 朝鮮半島問題をめぐる論議で「南北統一に最も反対なのは中国」というのは、今や内外の識者の定説になっている。

 産経の主張は信頼性がいつも怪しいのですが、「北朝鮮には一定のコントロールが効くが統一韓国には効くか分からない」「統一を機に米軍基地がなくなればいいが、朝鮮半島北部にまで米軍基地が設置されたら嫌だ」などと言う理由から中国が統一に消極的というのはありえそうなことです。
 ただ、それに対して、中国を不道徳と非難しても、中国は考えを変えないだろうから無意味なわけで「統一は中国にもメリットがあるんですよ」等とどう説得していくのかが問題でしょう。たとえば朝鮮北部に米軍基地は置きませんと約束するとか。
 なお、韓国だってどれほど現時点での統一を望んでいるんでしょうか。現時点での統一はドイツ統一以上に経済的負担が大きいですからね。西ドイツより韓国の方が経済力はないでしょうし、東ドイツより北朝鮮の方が経済はボロボロでしょう。
 もちろん北の方だって、金一族以下、幹部連中の身の安全が保障されない統一は望んでないでしょう。

 中国批判で人気の作家・卜鉅一氏

 ちなみにググったところ卜氏には「京城・昭和六十二年、碑銘を求めて」(邦訳・成甲書房、但し絶版のようです)と言う著書があり、この本は「ロストメモリーズ」と言うタイトルで映画化され、日本でも公開され、DVDにもなっています。あらすじを見る限り、産経にとっては面白くなさそうな内容ですね。

ロストメモリーズ(ウィキペディア
 韓国で2002年2月に公開されたSFアクション映画。日本では2004年3月に公開された。
 主演はチャン・ドンゴンで、仲村トオルが準主演で出演している。日本による朝鮮統治が継続しているパラレルワールドを舞台に、日本が体制悪として描かれている映画だが、仲村が演じるのはステレオタイプな悪役ではなく、家族を守るために親友との戦いに挑むという悲劇的な役柄になっている。
 原作は卜鉅一のSF小説。ただし、日本による植民地統治が継続しているという舞台設定以外は、ほとんど別の物語となっている。


あらすじ:
 1909年、安重根による伊藤博文暗殺*1が失敗。初代朝鮮総督に伊藤が就任し*2独立運動やテロはことごとく失敗。満州問題で意見の一致を見た日米*3は連合し、日本は第二次世界大戦に連合国側で参戦する。原爆はベルリンに投下され、日本は第二次世界大戦の勝利によって東アジアを統合、1960年に国連の常任理事国入りを果たした。日本は1965年に人工衛星サクラ一号打ち上げ、1988年に名古屋オリンピック*4開催、2002年にはサッカーワールドカップ単独開催*5と、世界でも指折りの大国として繁栄する。そして朝鮮は植民地統治の成功によって完全に日本の一部と化し、京城(ソウル)は東京・大阪に次ぐ日本第三の都市として繁栄していた。
 2009年、京城府内の伊藤会館で行われていた美術品展示付きの立食パーティーに朝鮮独立派テロ組織が乱入、客を人質に立て籠もる。事態を重く見た朝鮮総督府は日本捜査局(JBI←日本版FBI?)に出動を命令、主人公の坂本正行(チャン・ドンゴン)とその無二の親友たる西郷将二郎(仲村トオル)の2人も休暇返上で駆けつける。事件はJBIの圧倒的な火力で解決されるが、その際に当該組織のメンバーが命がけで守ろうとした古代造形品があり、その捜査を坂本と西郷が任される。しかし捜査を進めるうちに、第2代朝鮮総督井上(伊藤暗殺を阻止した架空の人物)*6の遺産で作られた「井上財団」の暗部、同じく捜査官だった坂本の父親が関わった過去のテロ組織の事件、更には伊藤博文暗殺失敗に繋がる、日韓史100年を揺るがす陰謀が姿を現してくる。


世界:
 作品世界では日本が東アジアを統合し、朝鮮もその一員として経済発展を遂げているという設定。日本語で埋め尽くされた京城市街やCGで再現された朝鮮総督府庁舎をはじめとして、随所に次のような映像が見られ、日本化した朝鮮を視覚化している。
・サッカー韓国代表・李東国が日本代表としてワールドカップに出場。
・市中心部の光化門ロータリーに豊臣秀吉像が建っている(実際には李舜臣像がある)。
・車両が左側通行(実際の韓国及び北朝鮮では右側通行)。道路標識に描かれた市内の地名も、史実の植民地期に用いられた地名を基にしている。
・警備員が警備室(のテレビで?)で大相撲中継を見ている。
・西郷が父の友人の前で煙草を吸っている(儒教文化の強い韓国ではありえない光景)。
 韓国人俳優たちも作品中の公式な場では日本語を話し、朝鮮民族が「朝鮮系日本人」と呼ばれるなど、世界観の構築についての努力が多い。


外国人初の大鐘賞受賞:
 2002年、この作品で仲村トオルは韓国でも最も名声の高い、大鐘賞助演男優賞を外国人で初めて獲得した。

 ちなみに「嫌韓バカ」の「超映画批評」はこの映画に10点をつけている。いつもながら、わかりやすい「嫌韓バカ」ぶり(苦笑)。さすがチャンネル桜出演者だけの事はあるな。

*1:安が伊藤を暗殺したのは伊藤が初代韓国統監として韓国保護国化を推進したからである。

*2:実際の初代総督は寺内正毅

*3:アメリカ「満州国建国は認めるよ」ってことでしょうか?

*4:忘れている人や、そもそも知らない人も多いと思いますが、この時、ソウルとオリンピック開催を争い敗れたのが名古屋です。

*5:勿論2002年のワールドカップは実際には日韓共催

*6:実際の2代総督は長谷川好道。