【安藤慶太が斬る】政治そのものが愚弄される社会にならないために (追記・訂正あり)

 以前も突っ込みましたが、今日は産経が誇るトンデモの巨人「安藤さん」に突っ込んでみましょう。
 そのうち「こもりん」「あびるん」のようにあだ名が出来るかも知れませんね。超適当ですが「アンディー」とか。
 タイトルは「政治そのものが愚弄される社会にならないために」ですが、産経の方こそ愚弄されない紙面作成に努めよと言いたいですね。

 福岡は当時、日教組の強い地域だった。
 (中略)
 私が通った高校では勤務時間中なのに授業のない教師が数人集まって、平気でコートでテニスに興じていた。

 だから安藤さんは日教組が嫌いなんですね。よく分かりました。元自民党副総裁・山崎拓先生の地元・福岡が日教組が強いとは意外でした。
 もちろん私も勤務時間中にサボることが良いとは思いません。(ただし、それって全国の日教組に当てはまることなのとは思いますが)。
 ただ、だからと言って高校生にもなって、それを理由に極右を支持し、大人になってもそのまんまというのは「既存宗教に問題があるからカルトを支持する」ような物でバカとしか言いようがありません。
 せめて穏健保守支持、読売か日経の記者ぐらいでお願いしたかったところです。

国歌をJAZZかロックに編曲した音楽教師が現れたり

忌野清志郎みたい。かっこいいじゃないですか(そもそもそれって日教組が本当に関係あるのか?)。産経的には議論の余地なく「不敬」なんでしょうが。
・安藤さんと産経的には忌野の「君が代ロック」はどうなんでしょうか?。教師じゃないからOK?。
・それにしても「JAZZ」(なぜ英語?)と「ロック」じゃ、どちらも西洋音楽ですけど大分違いませんか?。私も正直、音楽には無知なので違いが良く分からないですけど。

大貧民」はいつまでも「大貧民」から抜けられないゲームの構造になっている、そんなゲームに興じるのは差別を肯定することにほかならない、というわけである。

・ここでの教師の「大貧民」批判は私はずれていると思います。しかし、今の日本が「「大貧民」はいつまでも「大貧民」から抜けられない社会の構造になっていないか」真剣に考える必要があるのではないかと思います。今日の多事争論でした(今は亡き筑紫哲也さんの真似)
・冗談はともかくそういう想像力がネオリベ連中(安藤さんもその一人?)にはないんだろうなと思います。先生のゲーム批判はずれてるけど、問題意識は正当でしょう。
・それと偏見かも知れませんが「産経記者=差別を肯定する連中が多い」と私は理解してるので結果的には先生の指摘は安藤さんについては正しかったんじゃないのと思います(毒)

世界史の授業では朝鮮戦争は韓国側が先に不当な攻撃をしたと教えられた。

日本史の授業に南京事件否定論を持ち込もうとする輩が何を言ってるんだか。なお、韓国侵攻説を定説として語るのはまずいと思いますが、安藤さんが学生の時代なら、どちらが先に侵攻したかは定説はなかったと思います。どちらも独裁国家で自分に都合の良い情報しか出してなかったので。

まるでうたごえサークルのようなテイストの歌だ。

左翼運動と無関係とは言わないが、うたごえサークルを矮小化しすぎだろ。次のようなイベントも左翼運動ですか(苦笑)

文化放送うたごえ喫茶パーティ」
http://www.joqr.co.jp/topics/utagoe0704.php

曲の最後など政治スローガンそのものなのだ。

「原爆反対」が政治スローガンねえ(棒読み)

広島に原爆が投下された8月6日、毎年のように「はだしのゲン」の上映会が用意されていた。

・「原爆の悲惨さ」を訴えることのどこに問題があるんですか?。ああ、そう言えば産経さんは自主核武装論の立場でしたね(毒)
・「黒い雨」や「火垂るの墓」なんかもダメなのか、気になるところです。

 学校にここまで特定のイデオロギーが持ち込まれていいはずがない。

 その特定のイデオロギーは左に限らず、右の押しつけもダメなのですが、そうは思わないのが安藤さんです。それと安藤さんの挙げた例には確かに問題のある物もありますが、「はだしのゲン」のどこが問題なんですか?
(ちなみに「はだしのゲン」はフジ・産経グループのフジテレビでドラマ化されたことがあります。)

 イルカが日本人より大事

 またかよ、安藤としか言いようがない。
 前もそうだったが、前振り(日教組批判)と本文(ザ・コーヴ批判)が何の関係もない(絶句)。
 その上最後には「盛り上がらぬ参院選」とまた話題が変わる。文章能力がなさ過ぎでしょ。
 しかも、本心はともかく、ザ・コーヴ制作者は「イルカが日本人より大事」なんて言ってない。(そもそも「ザ・コーブ」側の言い分の是非はともかく、イルカ猟や捕鯨を止めたところで国も太地町も滅びはしません。一部のウヨさんの反発は常軌を逸しています。)

 作品は描写の公正さや隠し撮りという手法など、さまざまな問題をはらんでいる。

 「隠し撮り」はともかく「描写の公正さ」なんて物はそう簡単に答えの出る物ではありません。取材相手が批判すれば即、不公正という物でもないし。能天気というか何というか。

戦争中、硫黄島の戦いに臨んだ海兵隊員のヘルメットには「ネズミ駆除業者」と書いてあったそうだし

「書いてあったそうだ」って(オイオイ)。本当かどうか自信がないなら記事にしないでください。
大体この時期は日本だって「鬼畜米英」とか言いたい放題だったのに(苦笑)

【7/7追記】
 ぐぐって、ヒットした複数のネトウヨさんのブログによると、この話はジョン・ダワーの「容赦なき戦争―太平洋戦争における人種差別」 (平凡社ライブラリー) に出てくる話らしい。それが事実だとして、何故安藤さんはダワーの名前を書かなかったのだろう。「ダワーの本の記述とは知らず聞きかじり」ってことですか?
 

 日本の占領政策にしても「日本人は何をしでかすかわからない」という思考のもとで行われたではないか。

 何を根拠にそう言うことを言ってるんでしょうか?。大体「日米関係は大事」ばかり言ってるアメリカ・ポチ新聞の癖に何を言ってるんだか(嘲)。
 そんなにアメリカが気にくわないなら、「沖縄県民が反対してるのに基地なんか置けるか」とかガツンと言ってみろよ。

 経済復興を果たせば、今度は「エコノミックアニマル」呼ばわりだ。

 「エコノミックアニマル」と呼ばれたのは、日本のサラリーマンが過労死するほど働くからでしょう(本当は会社に働かされているのですが)。しかもそれだけ働いても生活は楽でなく「ウサギ小屋」住まい。外国人には人間が死ぬまで働くなんて理解不能だったのでしょう(最近は外国でも日本式経営が広がり過労死があるようですが)。そう言った背景を無視して「アニマル呼ばわりは失敬だ」としか言わないってのは感覚がずれてると思います。
 まさか、「死ぬまで働く」のがまともな人間の生き方だとは思ってないですよね?

 私はこれ(注「ザ・コーヴ」のこと)を「表現の自由」を盾に上映すべきだという日本の左翼の方々の気がしれない。

・安藤さんらしいナイスな文章。
・「表現の自由」を理由に上映すべし(正確には「在特会などバカウヨの上映妨害運動から興行会社を守れ」なのですが)は「ザ・コーヴの内容支持」でありません。ボルテールの格言「私はあなたの意見には反対だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」(ウィキペディアボルテール」を参照)は高尚すぎて安藤さんには理解できないようです。
・また、そう言う主張をしている人イコール左翼でもありません(例:鈴木邦男氏)。鈴木氏のような右翼は「産経、ふざけるな」と怒って良いと思います。
・なお、在特会などの上映妨害行為に全く触れないのはどういう事なんですか?。連中の行為は裁判所にだめ出しされるようなひどい物なんですが。

(参考)「「ザ・コーブ」抗議活動を禁止 横浜地裁が仮処分決定」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100625/tnr1006252212018-n1.htm

・それと左翼が「プライド」などのウヨ映画を「歴史的事実に反する」などと非難(もちろん在特会のような暴挙には走っていませんが)したとき「表現の自由」で擁護したのは産経さんじゃないんですか?
・ちなみに「表現の自由」を理由に「ちびくろサンボ」を復刊した某出版社(岩波ではないです)も「黒人差別主義者」とdisられるべきで、本は再度絶版にされるべきなのでしょうか?(この種の例はいくつでもあると思いますが)。
 是非、安藤さんには「表現の自由を理由にした行為」のうち何が正当と擁護され、何が不当とdisられるべきなのか教えて欲しいところです。多分「ザ・コーヴ」叩き以外、何も考えてないと思いますが。

 せめて「表現の自由」を口にするなら、表現をだらしなくもてあそぶのは慎むべきだというたしなみなり矜恃はもっていてほしい。

 お前が言うな。id:pr3氏やid:dj19氏のブログを読むだけでも産経にいかにたしなみや矜恃がないかが分かります。

 そんな彼らに限って自分たちの意に反する言論には目をむいて排除する体質をもっていたりする。いかがわしく、ちっとも、公正ではないのである。

 「彼ら」って自分に都合の良い言論は「表現の自由」で擁護する癖に、意に反する言論(映画「靖国」とか)は潰そうとする産経さんのことですか?

 私だって言論統制社会には反対の立場

 バレバレの嘘をつくな。

表現の自由」を使って騒ぎをでかくしながら

・騒ぎがでかくなったのは在特会が無法行為をするからです。まともな人間がまともに抗議すれば騒ぎになどならなかったでしょう。興行会社に非があるみたいに言うなんてバカですか?
・むしろ連中の「抗議活動」のせいで、太地町の漁師さんなど、まともな人たちが抗議しづらくなったのではないでしょうか?。明らかに利敵行為(?)です。
・それと個人ブログならともかく、いい大人が「でかい」ですか?。そこは「大きい」って書いた方がいいんじゃないですか?

日本人を残酷な人たちと明白に描いている作品のようなので

「ようなので」?。つまり安藤さんは見ないで、伝聞だけでザ・コーヴをdisってるわけですか?。せめて見てから批判しろよ。

 今回の選挙は順当に考えれば、昨年あれほど熱狂した政権交代とその後の民主党政権運営などが問われてしかるべき話だ。
 なぜそうなっていないのだろう。

 産経を含むマスコミがまともな報道をしないことも理由じゃないですか?

 例えば、膠着状態の続く八ッ場ダムをどうするつもりか。(以下略)

 産経を含むマスコミが参院選候補に質問した上で「どうする、八ッ場ダム問題」みたいな記事を書いて国民の関心を高めればいいでしょ。やらないあんたらが悪いんですよ。以下も全て同じですよ。

 「はやぶさ」の予算をいかに回復させるのか

 ちょっと待て、予算回復を当然のように書くなよ。以前に予算の必要性を「【安藤慶太が斬る】はやぶさ帰還と事業仕分けに思う」(http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100620/stt1006201801003-n1.htm)で証明済みとか思ってるのかも知れないが。

 菅首相は消費税の増税をぶちあげた。短期間のワンイシュー選挙にすれば、こうした山ほどある懸案はかすんでしまう。

小泉首相が「郵政選挙」で使って成功した手ですがそのとき、産経は何と言っていたのでしょうか?(苦笑)
まあ、消費税発言は多分そう言う意味じゃないと思いますけど。高支持率だから強行突破できると世論をなめていたのでしょう。

【7/7追記】
inti-solさんという方が「安藤慶太記者の記事がひどい(2)その1」
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/e31cdf272860e45e64a04174ad071ca9
のコメント欄でこの産経記事に次のようなコメントをしています。

「米国人はいまだに日本人よりイルカの方が大事だと真顔で考えているんじゃないだろうか。」と「日米関係をどう修復するつもりなのか。」という、思いっきり矛盾した話を書いて、何とも思わないんですかねえ。

 確かに(苦笑)。このほかにも「日本はコミンテルンにはめられた」と「日本の戦争はアジア民族解放の正義の戦争」を同一人物が主張すると言うのもあります。つまり「日本をはめたコミンテルンのおかげでアジア民族は解放されたわけですね」と皮肉を言いたくなります。