【産経抄】7月11日

 今日はサッカーW杯決勝、そして参院選当日という書き出しですがオチが中国叩きです。
 このめちゃくちゃさが産経抄の魅力。

 この1カ月、世界が「たかがサッカー」で熱くなった。勝手な想像だが、その理由の一つに、出場国がさまざまな歴史的因縁で結ばれていることもある気がする。

 単にサッカー好きが世界に多いと言うだけでしょう。例えば歴史的因縁って日本、オランダ、カメルーンデンマークパラグアイにどんな因縁があるのやら。

 例えば決勝トーナメント1回戦で「世紀の誤審」を招いたドイツとイングランド(英国)は2度、世界大戦を戦っている。欧州で最大のライバルと言ってもいい。

 世界大戦を闘わなくても、ドイツ、イングランド(英国)はサッカー界のライバル同士でしょう。何故わざわざ、因縁など持ち出すのか。

 実は決勝を戦うオランダとスペインとの間にも浅からぬ縁がある。かつてオランダがスペインの支配を受けていたからだ。しかし16世紀末に独立を宣言し、長い戦いを経てようやくその支配から脱した。オランダはその勢いでアフリカやアジアに進出していく。
 ▼今回のW杯開催国の南アフリカに上陸、ケープタウンを建設したのはオランダ人だった。台湾を一時期植民地化し、徳川幕府の日本と西欧で唯一、交易の窓口を持ったのも、この国だった。そう考えると、まるで世界中の国々が因縁で結ばれているようでもある。

 ひどい、こじつけだな(苦笑)
「台湾を一時期植民地化し」
 間違いじゃないですが、ここで台湾を出す意味が分かりません。しかもこの文章だと台湾を植民地化したから台湾ルートで「徳川幕府の日本と西欧で唯一、交易の窓口を持った(正確には鎖国以降、ペリーによる開国までですが。鎖国以前とペリー開国以降はオランダ以外とも交流があります)」と誤読される恐れがあると思います。

 問題はそれとどう向き合うかだ。過去の因縁を水戸黄門の印籠のように振りかざし、外交に利用するアジアの大国もあれば、日本のようにすぐその前にひれ伏す国もある。その点、サッカーで「カタ」をつけられるのならまことに健全な方法だ。

「アジアの大国」
 はっきり中国と書けよ。


「過去の因縁を水戸黄門の印籠のように振りかざし、外交に利用する」
 産経とか自民党タカ派政治家とかが歴史修正主義南京事件否定論など)を発動するから、それに抗議してるだけでしょう。社会的影響力のないその辺のサラリーマンや主婦ならともかく、社会的影響力のある与党議員や全国紙・産経が中国を中傷するデマを流しても我慢しろとでも?。中国の側から、「お前は加害者だから被害者の俺の言うことに無条件で従え」等といった記憶は私にはありませんが?(「二度とこういう事が起きないよう歴史教育に力を入れて欲しい」とか「国民感情を傷つけるので靖国公式参拝はしないで欲しい」位は要望したかも知れませんがそのくらいは別に問題ないでしょう)。
 まあ、そう言うことを中国が言ったとしても「それとこれとは別」と言うべきであって、産経のように「加害者じゃない」というのは論外です。
 ちなみに「過去の因縁(日本の韓国植民地支配)を水戸黄門の印籠のように振りかざし、「日本人が韓国人(文鮮明)に尽くすのは当然」と詐欺に利用する」と言われる統一協会をどう思われますか(毒)


「日本のようにすぐその前にひれ伏す国」
 そんな「立派な国」だったら産経は全国紙としてやってはいけなかったでしょう。「つくる会」教科書なんて物も誕生しなかったし、誕生してもどこも採択しなかったでしょう(毒)


「その点、サッカーで「カタ」をつけられるのならまことに健全な方法だ。」
 意味不明。例えばサッカーでアラブ諸国イスラエルや親イスラエルと言われる国(例:アメリカ)に勝てば、アラブ人は気持ちがすかっとするかも知れませんが、パレスチナ問題が解決するわけでは全くありません。
 植民地だった国が宗主国に勝っても「植民地化された事実」や「そのために今も残る傷跡」が消えるわけでもありません。