今日も増元照明氏に突っ込む(7/21分)

2011.7.21
「補足」
 衆議院予算委員会で発言する機会を得た。
 昨日、自民党山谷えり子代議士から依頼で、衆議院予算委員会への参考人招致の件がもたらされた。菅総理資金管理団体から反日団体*1への献金問題で、家族会としての気持ち*2を吐露してもらいたいというものである。

 で、山谷のご要望に応えて、献金問題とやらで菅批判する訳か。バカとしか言いようがない。産経しか騒いでないことをお前はどう思ってるんだ、増元。どうせ「産経だけは真実の報道」「他の新聞は(1)菅政権にびびってる、(2)菅政権シンパ、(3)北朝鮮シンパのどれか」と思ってるんだろうな、バカだから。
 もうさ、こういうバカウヨが家族会事務局長だと「拉致敗戦」確定ですよ。
 それでいいの、家族会の皆さんは?
 悪いけど、俺は身内に拉致被害者などいない全くの部外者、第三者だから「拉致被害者が一人も帰ってこなくても」いっこうに構わないし、ほとんどの日本人は「もうどうでもいい話」ですよ。だからテレビのワイドショーやニュースでも、新聞でも週刊誌でも拉致問題を全然やらなくなったし。今一番マスコミが騒いでるのって明らかに「震災」「原発事故」だよね(毒)
 それでいいの、家族会の皆さんは?

被害者家族の闘いは、家族を拉致した北朝鮮政権との闘いだけではなく、日本国内に蔓延する左派勢力*3親北朝鮮勢力*4との闘いでもあった*5

 はいはい、寝言、寝言。増元の場合、蓮池透さんすら「左派勢力」or「親北朝鮮勢力」扱いだからな。
 そして赤旗をよく読めと。共産党まで手前は親北朝鮮扱いする気かと。

参考
赤旗

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-04-22/04_01.html
北朝鮮問題 「反省なし」は公明党です
自分のことは語らず 共産党の悪口ばかり(2003年4月22日)から一部引用
 公明党は、いま行われているいっせい地方選後半戦で、北朝鮮問題を使った破たんずみの反共攻撃を蒸し返し、各地で激しいデマ攻撃を行っています。公明新聞二十一日付も大きな活字で特集記事を組んでいます。自分たちが何をやってきたのか、一言も語らないで、日本共産党の悪口を並べ立てたものです。「北朝鮮問題で一片の反省もせず、朝から晩まで他党の悪口ばかり」(公明新聞)なのは、自分たちではありませんか。

拉致問題
政府に認めさせた共産党 公明は実行容疑者釈放要求
 公明新聞は「共産党拉致事件の棚上げを図り、解決を妨害した政党です」などとのべていますが、でたらめもいいところです。 なぜなら、北朝鮮による拉致問題をもっとも熱心に国会でとりあげてきたのも、交渉による解決を真っ先に提案したのも、日本共産党だからです。
 一九八八年、日本共産党の橋本敦参院議員(当時)が拉致問題をまとまった形ではじめてとりあげ、政府から「北朝鮮による拉致の疑いが濃厚」(梶山国家公安委員長=当時)という答弁を引き出しました。「拉致疑惑を最も熱心に国会で取り上げて来たのは共産党の議員です」(「横田めぐみさん等被拉致日本人救出の会」の記録集=九八年四月)と指摘されています。
 拉致問題の解決の糸口がみえないなか、一九九九年には、日本共産党不破哲三委員長(当時)が、拉致問題やミサイル問題などの懸案について、“交渉ルートを開き、解決を図れ”と国会でいち早く提案。この提案にそって、同年末に、超党派の訪朝団が実現し、昨年九月の小泉首相の訪朝にレールを敷きました。
 公明党はどうか。一九八九年、同党国会議員六人が韓国大統領あてに、日本人拉致実行容疑者・辛光洙シン・グァンス)の釈放を要望しました。これこそ、拉致問題解決の妨害ではありませんか。

北朝鮮の無法
批判し関係断った共産党 公明は個人崇拝体制賛美
 公明党浜四津敏子*6代表代行は、「北朝鮮日本共産党は兄弟で仲良し」(二十日、東京)などとでたらめな演説をおこなっています。事実はまるで逆です。
 北朝鮮金日成(いまは金正日)個人崇拝体制で、「国民が主人公」の社会をめざす社会主義とは縁もゆかりもありません。
 一九七〇年代初めにはじまったこの個人崇拝体制のおしつけを、日本の政党ではいち早く批判したのは日本共産党です。八〇年代にはいってラングーン爆弾テロ事件、公海上の日本漁船銃撃事件、大韓航空機爆弾テロ事件など、北朝鮮の無法行為を一貫してきびしく批判してきた政党も日本共産党だけです。
 このため、日本共産党北朝鮮との関係は、一九八三年から断絶したままです。
 一方、公明党は、一九七二年に竹入委員長が訪朝し、金日成の個人崇拝体制を賛美。九七年には、金正日の総書記就任の際に、藤井富雄「公明」代表が「故金日成閣下の魂を継承され、金正日閣下の指導体制の下でのご繁栄」を願う祝電まで送っています。公明党こそ、まるで兄弟のように個人崇拝体制を賛美した「仲良し」だったのです。

■「個人崇拝の押しつけを拒否したのは日本共産党だけ」
99年超党派訪朝団参加
緒方靖夫参議院議員・党国際局長の話
 一九九九年十二月に、日朝関係正常化のために超党派の日本国政党代表団が北朝鮮を訪問したときのことです。
 日本共産党から穀田恵二国対委員長と私が参加しましたが、個人崇拝を押しつける施設である金日成の像や廟などへの「お参り」の日程が組まれていました。
 日本共産党は、北朝鮮金日成個人崇拝体制を拒否してきた、自主独立の党です。
 その日本共産党が、民主主義とあいいれない「個人崇拝」を国民に押しつけた人物にたいし、仮に“儀礼”だとしても、頭を下げることはできないと穀田さんと相談して、私たちは代表団の行動には参加するが、一番後ろについて、頭を下げないこと、記帳しないことに決めました。
 後ろから見ると、いま北朝鮮問題で口をきわめて日本共産党を非難している自民党公明党などの代表が、深々とおじぎしているのがよく見えました。
 日本共産党の毅然とした態度は目立ったようで、同行した外務省の役人があとで「日本共産党の自主独立というのはそこまでやるんですか」とのべていたほどです。

http://www.jcp.or.jp/activ/active60-ratimondai/1988-0326.html
参議院予算委員会での橋本敦議員の質問(抜粋)
1988年3月26日
拉致問題に関係する部分の抜粋を紹介します。
◆橋本敦君
 拉致事件について言いますならば、単に問題はこれ*7だけではなくて、昭和五十三年七月と八月、わずか二カ月間に四件にわたって若い男女のカップルが突然姿を消すという事件が立て続けに起こっているのであります。これは極めて重大な事件でありますが、福井、新潟、鹿児島そして富山、こうなりますが、一件は未遂であります。
 警察庁、簡単で結構ですが、この三件の事件の概要について述べてください。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えいたします。
 まず、五十三年の七月七日に福井県小浜市で起きました男女*8の行方不明事件についてでございますが、当該男性は七月七日に同伴者とデートに行くと言って軽貨物自動車で家を出たまま帰宅しなかった。自動車はキーをつけたままの状態で発見されております。当該女性はデートに行くと言ったまま帰宅しなかったけれども、この同伴者と結婚することになり大変喜んでいた状況がございまして、自殺することは考えられません。
 それからまた、同年七月三十一日に新潟県柏崎市で起きた事件でございますけれども、やはり当該男性*9が家の者に、ちょっと出かけてくる、自転車を貸してくれと言って自転車で出かけたまま帰宅しなかった。自転車は柏崎の図書館前に置いてあったのが発見されたわけであります。当該女性*10は、勤務先の化粧品店で仕事が終わった後、同伴者とデートすると店の従業員に話しておりまして、これも家出などの動機はございません。
 それから三つ目に、同年八月十二日に鹿児島県で起きた事件でございますが、当該男性*11は同伴者を誘って浜に、海岸に夕日を見に行くと言って出たきり帰宅しなかったということでございます。十四日の日に、その浜のキャンプ場付近でドアロックされたまま車両が発見されております。女性*12も家の者に、同伴者と浜へ、海岸に夕日を見に行くと言って出たままであるということで、これも動機はございません。
 それから、富山県で起きました未遂事件のことでございますけれども、この事件につきましては、八月十五日の午後六時三十分ごろ、海岸端を歩いていた被害者である男女が自分たちの乗車してきた自家用車の駐車場に帰るために防風林の中を歩いていたということで、そうしたら前方を歩いていた四人組がいきなり襲いかかって、防風林内に引きずり込んでゴム製猿ぐつわあるいは手錠、タオル等を使用して縛り上げて、それぞれ寝袋様のものに入れたと。そして現場から数十メートル離れた松林内に運んで放置したということで、原因はわかりませんがその四人組はいなくなりまして、その後その男女は別々に自力で脱出いたしまして一一〇番した、こういう事件が発生しております。

◆橋本敦君
 未遂事件を除いて忽然と姿を消した三組の男女について、今も動機はないとおっしゃいましたが、いずれも結婚の約束をして挙式を目前にしている。そういうわけで家族も、家出などは絶対考えられない、こう言っておりますし、さらにまた残されたカメラを現像してみますと、仲よくそれぞれ写真を撮ってそのまま残しているということで、こういう笑顔を残して蒸発してしまうということも、これも異様である。こういうことから、当然これは誘拐された、こう見るのが当然だと思いますが、どうですか。

◆政府委員(城内康光君)
 おおむねそういうことではないかというふうに考えております。

◆橋本敦君
 したがって、水難で海で死んだとか、自殺をしたとかいったような状況も一切ないわけですね。
 そこで問題は、この三件について幾つかの点で重要な共通点がある。いずれも日本海側の浜辺、これが犯行現場と目される。それから若い男女がねらわれている。それからもう一つの点として言うならば、全く動機が何にもないということと、その後営利誘拐と見られるあるいはその他犯罪と国内で見られるような国内的状況が一切ない、こういう状況がはっきりしている。いかがですか。

◆政府委員(城内康光君)
 諸般の状況から考えますと、拉致された疑いがあるのではないかというふうに考えております。

◆橋本敦君
 未遂事件で遺留した物品があったようですが、これについての検討で犯人像は何か出てきませんか。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えします。
 遺留品について見ますと、ゴム製猿ぐつわ、手錠、タオル、寝袋などがあるわけでございますが、その使われましたタオルのうちの一本が大阪府下で製造された品物であるということがわかっておりますが、他のものにつきましてはいずれも粗悪品でありまして、製造場所とか販売ルートなどは不明でございます。

◆橋本敦君
 袋とか手錠とか、はめた猿ぐつわとか、日本で販売している、日本で製造されている、そういった状況は一切なかったわけですか。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えします。
 そういった点につきましては、もちろん手を尽くしていろいろ調べたわけでございますが、結果として、先ほど申し上げたように、製造元とかあるいは販売ルートなどがわからなかったということでございます。

◆橋本敦君
 ところで話は変わりますが、大阪でコックをしていた原さんという人が突然誘拐されたらしくて所在不明になった。ところが、この原氏と名のる、成り済ました人物が逮捕されてこのことがはっきりしてきたという事件があるようですが、警察庁、説明してください。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えします。
 ただいま御質問にありました事件は、いわゆる辛光洙事件というものでございます。これは韓国におきまして一九八五年に摘発した事件でございます。その事件の捜査を韓国側でやったわけでございますが、私どもはICPOルートを通じてそういったことを掌握しておるわけでございまして、それによりますと、一九八〇年に、大阪の当時四十三歳、独身の中華料理店のコックさんが宮崎の青島海岸付近から船に乗せられて拉致されたというような状況がわかっております。

◆橋本敦君
 辛光洙とはどういう人物ですか。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えいたします。
 本件につきましては、私どもの方で捜査をしたわけではございませんので十分知り得ませんが、私どもとしては恐らく不法に侵入した北朝鮮工作員であろうというふうに考えております。

◆橋本敦君
 共犯があると思いますが、共犯者はどういう名前ですか。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えいたします。
 共犯者としては、名前が出ておりますのは、同じく北朝鮮工作員の金吉旭という名前が出ております。

◆橋本敦君
 その金吉旭は、日本女性の拉致という問題について何らか供述しているという情報に接しておりませんか。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えいたします。
 この北朝鮮工作員金吉旭が一九七八年に次のような指示を上部から受けておるということを承知しております。すなわち、四十五歳から五十歳の独身日本人男性と二十歳代の未婚の日本人女性を北朝鮮へ連れてくるようにという指示を受けていたということでございます。

◆橋本敦君
 それらが事実とするならば、恐るべき許しがたい国際的謀略であると言わなければなりません。
 外務省に伺いますが、同じ昭和五十三年、私が問題にしている一連の事件と同じ年ですが、レバノンでも女性の誘拐事件があったというそういう情報を御存じですか。

◆政府委員(恩田宗君)
 昭和五十三年の十月三十日から十一月九日までの間に、数回にわたりまして「アンナハール」、それから「ロリアン」というレバノンの日刊紙が誘拐事件について報道している、その報道内容は承知しております。

◆橋本敦君
 説明してください。

◆政府委員(恩田宗君)
 内容は、昭和五十三年の春にレバノン人女性五名、これは四名と言っている新聞もございます、が、東京または香港のいずれかのホテルで働くためと言われ、レバノン人に連れられて出国し、最終的には平壌に連れていかれ、訓練キャンプにおいて柔道、空手、諜報技術等を学ばされたが、昭和五十四年秋までにすべての女性がレバノンに帰国した、こういう事実が報道されております。

◆橋本敦君
 その事実が発覚をして、レバノンのブトロス外務大臣北朝鮮に厳重に抗議をして、ようやくみんなレバノンに帰ることができたというのが事実じゃありませんか。

◆政府委員(恩田宗君)
 私どもが承知しておりますのは新聞の報道でございまして、新聞の報道によりますと、レバノン外務省儀典長が当時の北朝鮮通商代表部、レバノンにある通商代表部に申し入れたということだそうでございます。

◆橋本敦君
 だから、基本的に私が言っている事実に合っているわけです。
 もう一つ、外務省、こういう事実を知っていますか。つまり、昭和五十三年六月のことですが、韓国の映画監督の申相玉氏とその夫人の崔銀姫、この二人、これの拉致事件が起こっていた。この二人はその後脱出をして今アメリカに在住しているようですが、御存じですか。

◆政府委員(藤田公郎君)
 私ども承知いたしておりますのは、女優の崔銀姫さんが五十三年の一月、映画監督の申相玉さんが同じ年の七月にそれぞれ香港で北朝鮮に拉致をされ、特に監督の方は後を追って行かれたわけですが、投獄をされたりしてしばらく北鮮*13におられた後映画作製に従事をされ、すきを見て昭和六十一年三月、オーストリアにおきまして米国大使館に逃げ込まれた、日本のジャーナリストの協力を得て逃げ込まれたそうですが、ということが三月に報道が行われまして、五月にお二人が米国において記者会見をされて詳細な事実関係の発表をしておられます。
 ちなみに、明らかになります前に、五十九年には韓国の国家安全企画部が既にこのお二人が北朝鮮に拉致されたという発表を行いまして、これがうそだという応酬などが双方であったわけですが、結果的にお二人が出てこられた。それで、真相と申しますか、韓国側の発表どおりのことをお二人が詳細に説明をされたということでございます。

◆橋本敦君
 外務省にもう一点聞きますが、その申相玉氏あるいは崔銀姫氏ですが、北朝鮮に連行されたときに、いわゆる東北里招待所、これは訓練所とも金賢姫は言っておりますが、その訓練所で日本人を目撃したということを言っているという情報があるようですが、事実はどうですか。

◆政府委員(藤田公郎君)
 私もこの金賢姫事件の起こりました後報道で拝読した覚えがありますが、現物は今持っておりません。

◆橋本敦君
 捜査当局に伺いますが、この発言は恩恵の捜査とも関連し、私が指摘した三組のアベックの拉致事件とも関連をして、東北里で日本人を目撃したというこういう証言というのは、捜査上は非常に大事な関心を持たなくちゃならぬ、あるいは捜査の重大な端緒にもなり得る、こういう発言、情報だとこう思いますが、どうお考えですか。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えいたします。
 東北里でその李恩恵なる人物が日本人を見たというのではなくて、その東北里で李恩恵とそれから金賢姫が一緒だったときに、金賢姫李恩恵から自分、つまり李恩恵金正日の誕生パーティーに出たときに日本人の自分と同じような境遇の、つまり拉致されてきた日本人の男女を見たということを言ったということを伝え聞きしておるわけでございます。

◆橋本敦君
 いずれにしても、その訓練所から脱出をしてきて現にアメリカにいるというこの二人については、十分な情報を収集するという意味で関心を持って調査をしてもよいと私は思って聞いておるんですが、どうですか。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えいたします。
 今の監督とそれからその女優さんのことにつきましては、我が国の法令違反ではございませんので捜査対象というふうなことではありませんが、十分関心を持っているところでございます。

◆橋本敦君
 外務大臣自治大臣にお聞きいただきたいんですが、この三組の男女の人たちが行方不明になってから、家族の心痛というのはこれはもうはかりがたいものがあるんですね。
 実際に調べてみましたけれども、六人のうちの二人のお母さんを調べてみましたが、心痛の余り気がおかしくなるような状態に陥っておられましてね、それで、その子供の名前が出ると突然やっぱりおえつ、それから精神的に不安定状況に陥るというのがいまだに続いている。それからある人は、夜中にことりと音がすると、帰ってきたんじゃないかということで、その戸口のところへ行かなければもう寝つかれないという思いがする。それからあるお父さんは、突然いなくなった息子の下宿代や学費を、いつかは帰ると思って払い続けてきたという話もありますね。
 それから、御存じのように新潟柏崎というのは長い日本海海岸ですが、万が一水にはまって死んで浮かんでいないだろうかという思いで親が長い海岸線を、列車で二時間もかかる距離ですが、ひたすら海岸を捜索して歩いた。あるいはまた、一市民が情報を知りたいというのは大変なことですけれども、あらゆる新聞、週刊誌を集めまして何遍も何遍も読んで、もう真っ黒になるほどそれを読み直している家族がある。こう見てみますと、本当に心痛というのはもう大変なものですね。上海でああいう悲惨な事件も起こりましたけれども、家族や両親にとっては耐えられない思いです。
 こういうことで、この問題については、国民の生命あるいは安全を守らなきゃならぬ政府としては、あらゆる情報にも注意力を払い手だてを尽くして、全力を挙げてこの三組の若い男女の行方を、あるいは恩恵を含めて徹底的に調べて、捜査、調査を遂げなきゃならぬという責任があるんだというように私は思うんですね。そういう点について、捜査を預かっていらっしゃる国家公安委員長として、こういう家族の今の苦しみや思いをお聞きになりながらどんなふうにお考えでしょうか。

国務大臣梶山静六*14
 昭和五十三年以来の一連のアベック行方不明事犯、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚でございます。解明が大変困難ではございますけれども、事態の重大性にかんがみ、今後とも真相究明のために全力を尽くしていかなければならないと考えておりますし、本人はもちろんでございますが、御家族の皆さん方に深い御同情を申し上げる次第であります。

◆橋本敦君
 外務大臣、いかがでしょうか。

国務大臣宇野宗佑*15
 ただいま国家公安委員長が申されたような気持ち、全く同じでございます。もし、この近代国家、我々の主権が侵されておったという問題は先ほど申し上げましたけれども、このような今平和な世界において全くもって許しがたい人道上の問題がかりそめにも行われておるということに対しましては、むしろ強い憤りを覚えております。

◆橋本敦君
 警備局長にお伺いしますが、これが誘拐事件だとして、時効の点を私は心配するわけであります。しかし、今国家公安委員長もお話しのように、あるいは外務大臣もお話しのように、これが北朝鮮の工作グループによる犯行だというそういう疑いがある。これが疑いじゃなくて事実がはっきりするならば、これは犯人は外国にいるという状況がはっきりしますから、その意味では時効にはかからない、そういうことは法律的に言えるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

◆政府委員(城内康光君)
 お答えいたします。
 まず、一連の事件につきましては北朝鮮による拉致の疑いが持たれるところでありまして、既にそういった観点から捜査を行っておるわけであります。
 一般論としてお答えいたしますと、被疑者が国外に逃亡している場合には時効は停止しているということが法律の規定でございます。

◆橋本敦君
 そこで外務大臣、この問題が北朝鮮工作グループの犯行だという疑いがぬぐい切れないわけですけれども、そうだといたしますと、大臣が先ほどからおっしゃったように、誘拐された国民に対する重大な人権侵犯、犯罪行為であると同時に、我が国の主権に対する明白な侵害の疑いが出てまいるわけですね。だからそういう意味では、そういう立場で大臣がおっしゃったように主権国家として断固たる処置を将来とらなくてはならぬ、これは当然だと思いますが、その点については私はもう既に国民世論だと思うんです。
 例えば二月九日の読売新聞は、「日本の浜を無法の場にするな」、こういう表題で、


『とまれ、「李恩恵」という人物についての真相解明を急ぐべきであり、北朝鮮側によるら致が事実とあれば、わが国は北朝鮮に対し、原状の回復を求め、同時に、その責任の所在を明確にするための適切な措置をとることが必要である。
 わが国からわが国民をら致するような国に対しては、それがどの国であれ、動機が何であれ、毅然として対応すべきである。わが国がそのような非人道的無法行為の現場にされるいわれはまったくない。』


こう言っておりますし、また同じ日の朝日新聞は、


『事実とすれば、日本の主権にかかわるきわめて重大な事件である。他の国の機関が、日本国内から力ずくで日本人を連れ去るといった理不尽なことが、許されるはずはない。
  日本の警察が北朝鮮にら致されたのではないかとみている三組の男女についても、疑惑は大きく膨らんでいる。』


こういうように言っておるわけですね。
 私は、政府として、こういう重大な主権侵害事件として、これから事実が明らかになるにつれて毅然たる態度で原状回復を含めて処置をしていただきたいということをもう一度重ねて要求するのでありますが、いかがですか。

国務大臣宇野宗佑君)
 先ほども御答弁申し上げましたが、繰り返して申し上げますと、ただいま捜査当局が鋭意捜査中である、したがいまして、あるいは仮定の問題であるかもしれぬ、しかしながら、仮にもしもそうしたことが明らかになれば主権国家として当然とるべき措置はとらねばならぬ、これが私の答えであります。

◆橋本敦君
 私はきょう、三組の男女、それから未遂事件について被害に遭った人の名前はここでは言いませんでした。警察の方も名前はおっしゃいませんでしたが、しかし捜査はほとんど公開捜査でなされておりますから名前等も明らかですね。また、公開で全国民に協力を呼びかけておられる家族もあるわけです。そうして、家族が一番心配しているのは、いつかこの問題が大きな問題になってくる中で、連れていった先で殺される心配があるのではないかということが本当に悲痛な心配であるんですね。そういうことも含めて私はきょうは名前なしに言いましたが、客観的には氏名等ははっきりしております。
 私はこの問題は、日本国内において断固としてこういった不法な人権侵害や主権侵害は許さない、この男女を救わねばならぬという国民世論がしっかり高まることと、国際的にも相手がどこの国であれこんな蛮行は許さぬ、そして誘拐された人たちは救出せねばならぬ、それが人道上も国際法上も主権国家として当然だという世論が大きく沸き起こりまして、こういう世論の中でこそ、命の安全を確保しながら捜査の資料を次々と引き出し、捜査の目的を遂げ、そして法律的にも事実上もきちんと原状回復を含めた始末をする、こういう方向が強まると思うんですね。隠してはいけない。恐れてはいけない。我が党も、相手がどこの国であれテロや暴力は一切許さないという立場で大韓航空機事件でも対処しているわけですが、そういう立場で、これらの人たちが救出されること、日本政府が毅然とした対処をとることを重ねて要求したいのでありますが、そういう問題について法務大臣の御意見を伺っておきたいと思います。

国務大臣林田悠紀夫君)
 ただいま外務大臣国家公安委員長から答弁がありましたように、我が国の主権を侵害するまことに重大な事件でございます。現在警察におきまして鋭意調査中でございまするので、法務省といたしましては重大な関心を持ってこれを見守っており、これが判明するということになりましたならばそこで処置をいたしたいと存じております。

一つだけ指摘。

こう見てみますと、本当に心痛というのはもう大変なものですね。上海でああいう悲惨な事件も起こりましたけれども、家族や両親にとっては耐えられない思いです。(橋本議員)

の「上海の悲惨な事件」とはこの質問の数日前に起こった次の事件のことである。

上海列車事故(ウィキペ参照)
 1988年(昭和63年)3月24日に中国上海郊外で発生した急行列車同士による列車衝突脱線転覆事故。修学旅行のため乗車していた日本の高校生が事故に巻き込まれ、多数の死亡者を出した。

http://www.jcp.or.jp/activ/active60-ratimondai/1990-0625.html
参議院地方行政委員会での諫山博議員の質問(抜粋)
1990年6月25日
拉致問題に関係する部分の抜粋を紹介します。
◆諫山博君
 警察庁は今月の二十二日に、金賢姫大韓航空機爆破事件の犯人として死刑の判決を受けた人ですね、この人に日本語教育をした李恩恵という人のことが詳細に警察庁から発表されました。各新聞に報道されていますけれども、李恩恵に関する警察庁が発表した情報はどうしてキャッチした情報でしょうか。

◆政府委員(城内康光*16君)
 お答えいたします。
 ただいま御質問のありましたリ・ウネあるいはイ・ウネとでも申しましょうか、この日本人と思われる女性につきましては、かねてよりその身元割り出しについて努めてきたわけであります。これまで家出人で不明になっている人たちのデータとか、あるいはただいま御質問のようにポスター、チラシなどを配布した結果寄せられた情報、そういったものをずっとクリアしてまいってきておるわけでございます。
 ところで、四月になりまして、韓国側から新たな情報が入手された、いろいろと金賢姫が韓国側係官と話している過程でふと思い出したということで、それは数点ございますが、一番大事なところは恩恵が自分の名前は「ちとせ」*17だということを言ったという点でございますが、そういった点について突然思い出したということで、金賢姫自身がずっと忘れていたということで、いろいろ日本の話をしている過程でふと思い出したということで、連絡を受けまして早速係官を派遣し詳細について確認をしてまいった、こういうことでございます。

◆諫山博君
 新聞で報道された情報は非常に具体的ですね。恩恵は東京の上野周辺で生まれ育った。兄*18は会社員でバングラデシュに出張したことがある。母親は七十歳近くだった。恩恵は食堂でアルバイトとして働いていたこともある。非常に具体的です。この情報を警察は虚偽の情報と見ていますか、確実性のある情報と見ていますか。

◆政府委員(城内康光君)
 いろいろ直接本人にも会って確かめてあるわけでありまして、総合的に申し上げれば大変信憑性の置ける中身であろうかというふうに考えております。

◆諫山博君
 これに信憑性があるとすれば、日本の警察の能力で調査できないはずはないと思います。そして、この問題はかって参議院予算委員会でも取り上げられたことがあります。我が党の橋本敦議員が、昭和五十三年の七月、八月ごろ、新潟県富山県福井県、鹿児島県などで日本人のアベック四組が拉致されて蒸発した事件がある。一件は未遂だった。この問題をいろいろ質問しているんですけれども、警察の答弁では、これはやはり拉致されたものではなかろうかという認識のもとにこれからも調査を進めるということになっていますけれども、どうなっていますか。

◆政府委員(城内康光君)
 ただいま御質問の昭和五十三年の三件の拉致事件と思われる事件、それから富山県における拉致未遂事件、これにつきましてはその後もいろいろと捜査をしておるわけでございます。この四件とも私どもはその状況、手口から見て拉致または拉致未遂事件であろう、そういう疑いが強いというふうに見ておりますし、また、発生場所が海岸部であることを考慮すれば海外に拉致されている可能性もあるということで、大変重大な事件だということで、公開手配もしていろいろと捜査しておるわけでございますが、いずれも手がかりが大変少なく、いまだに解明に至っていないわけでございます。
 それからまた、李恩恵のことに戻りますけれども、金賢姫李恩恵という女性と一年六カ月もの長い間一緒に生活をしていたわけでございますが、身体の特徴とかあるいは趣味、嗜好の面についてはかなりの情報があるわけでございますが、一緒にいたところがいわゆる工作員の訓練所でございまして、お互いの身元について詳しい話をすることが禁ぜられている、こういう状況でございましたので、いろいろリアルな話というのはたくさん伝わってくるわけでございますが、なかなか身元に直接結びつくようなものが足りなくて大変私どもは難渋をしておるという状況でございます。私どもが今度の名前の点で「ちとせ」という情報を入手いたしましたものですから、私どもの既存の資料については直ちにそれを一々当たっておりまして、今回またそれを公開することによって、また国民の皆さん方のいろいろな御協力を得つつ、さらにその身元の割り出しに努めてまいりたい、こう考えている次第であります。

◆諫山博君
 坂本堤弁護士の問題*19にしましても、それから拉致されたのではないかと言われている問題についても国民は非常に大きな関心を持っていると同時に、特に拉致事件について言いますと、外国に連れ去られたのではないかということになりますと、これは日本の主権侵害にかかわる問題です。両方の事件について厳正に速やかに調査していただきたいと思いますけれども、警察庁長官、この二つの事件についてどう思われますか。

◆政府委員(金澤昭雄*20君)
 二つの事件につきましてはまことに重大な事件だと考えております。今お話にありましたように、日本国民のこの二つの事件に向けます関心はまことに深いものがありますし、また我々警察の方といたしましても、この二つの事件の解明、これには全力を尽くしておるわけでございます。残念ながら今のところまだ手がかりがないという状況でございますけれども、今後とも全力を尽くして解明していきたいと思います。

http://www.jcp.or.jp/activ/active60-ratimondai/1997-0605.html
参議院法務委員会での橋本敦議員の質問(抜粋)
1997年6月5日
拉致問題に関係する部分の抜粋を紹介します。

◆橋本敦君
 いわゆる日本人拉致事件の問題でありますが、私はもう十年も前にこの問題について予算委員会で質問をさせていただきました。当時の(注:竹下*21内閣の)国家公安委員長、今の(注:橋本*22内閣の)梶山官房長官は、昭和五十三年以来一連のアベック行方不明事件、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚でございます、解明が大変困難ではあっても、事態の重大性にかんがみて、今後とも真相究明に全力を尽くしますとおっしゃっていただきました。当時の宇野外務大臣もその予算委員会、六十三年三月二十六日ですが、ただいま国家公安委員長が申されたような気持ち、全く同じでございます、この近代国家、我々の主権が侵されておったという問題は先ほど申し上げましたけれども、今平和な世界において全くもって許しがたい人道上の問題がかりそめにも行われているということに対しましては強い怒りを覚えておりますと、こうおっしゃいました。
 自来、長い年月がたちました。この問題について家族の人たちは、拉致された子供たちのことも気にしながら、声を上げずに辛抱してまいりました。しかし、今日になってもその音さたが、政府の責任で解明されるという方向に進まない、そういう気持ちの中で苦慮しておられましたが、たまたまその中で、御存じのように横田めぐみさんの事件が新たに問題になって、これが明らかになってまいりました。そこで、北朝鮮に拉致された人々の家族が三月二十五日に家族会を結成されまして、新聞、テレビでも大きく報道されたところであります。
 この横田めぐみさんの情報が入りまして、いち早くお父さんに御連絡したのは私の部屋からでございましたけれども、「文芸春秋」でお父さんはそのときのことをおっしゃって、娘が姿を消して二十年、「初めて耳にした娘の消息に、私の身体はショックと驚きで震えました。」と、「議員会館のある永田町に向かう途中、次第に「娘は生きていた」という喜びが湧き上がってきました。」、そして、「一刻も早くめぐみを救出できるなら自分の命さえ惜しいとは思いません。代われるものなら代わってやりたいと思うのは、子を持つ親なら誰でも同じではないでしょうか。」と、こうおっしゃっていますが、まさに家族の皆さんはそうだと思います。
 この問題で、私は、重要な人権問題でありますから、ぜひ一刻も早い解決を望んでおるんですが、警察庁に伺います。これまで北朝鮮の拉致と見られる、認定された事件の件数と人数はどうなっておりますか。

◆説明員(米村敏朗*23君)
 お答えいたします。
 私どもの方でこれまで北朝鮮による拉致の疑いのある事件と判断しておりますのは七件、十人でございます。なお、これ以外に未遂であったと思われるものが一件、二人であると判断しております。

◆橋本敦君
 それ以外にもいろいろ疑惑のある事件があるんだというような情報は接しておられますか。

◆説明員(米村敏朗君)
 お答えいたします。
 警察といたしましては、ただいま申し上げました七件以外にも北朝鮮による拉致の可能性があるとして重大な関心を有している幾つかのケースについて、引き続き関連情報の収集等に努めているところであります。

◆橋本敦君
 私は、この問題については、まさに日本の国家主権の侵害にかかわるという問題であるし、国民の人権にかかわる問題ですから、これから北朝鮮との国交の関係という難しい壁をどう乗り越えて、どう早くこの人たちに救済の手を差し伸べるか、政府としても本当に大事な問題だと思っておるわけであります。
 この問題について私はお願いがあるんですが、この家族会の皆さんだけの力でできることではありません。政府として全力を挙げて全面的に協力をする体制を一日も早くつくってやっていただきたいということがお願いでございます。
 外務省は外務省として努力をなさっておると思いますが、外務省として現在、この事件の解決に向けてのめどというのはどうなんでしょうか。

◆説明員(別所浩郎*24君)
 お答えします。
 先生御指摘の北朝鮮による拉致の疑いが持たれている事件につきましては、もちろん捜査当局によって所要の捜査が進められているものと承知しております。そういった面につきましては、もちろん外務省としても関係機関と連携しながら情報の収集などやっておるわけでございますが、それと別にまた、今後ともこの問題の解決のためにどういつだ方法が効果的か、真剣に考えながら努力してまいりたいと思っております。
 いずれにせよ、先生も御指摘のとおり、この件は我が国の国民の安全にかかわる重要な問題でございます。そういう認識に立ちまして、関係省庁等とより一層緊密に連絡をとりながら真剣に対処してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

◆橋本敦君
 北朝鮮側は拉致ということは一切認めないという立場をとっていることは、外交交渉その他で言われているとおりです。私どもは北朝鮮政府の態度については厳しい批判的態度を持っておりますが、それは別として、この問題を人道的な立場で各党派を挙げ、政府を挙げて一日も早く救援してあげていただきたいという気持ちは共通でございます。
 昨日も池田外務大臣は外務委員会で、省庁間の連携を密にしていかないといけないので、各省の協議を密にして早急に相談を進めていきたいと答弁なさったことが報道されました。
 私は、このことは本当に大事なことだと思うんです。今も、警察庁はこれからも必要な捜査、検討を続けていくというお話、外務省も努力をしていくというお話がございました。内閣官房にもお越しいただいて御意見を伺いたいんですが、それぞれの省庁の横の連携も深め、政府の対応として、この問題については必要な情報連絡会議あるいは関係閣僚会議、そのもとで必要な対策室を設けるなど、そういった体制をつくっていただくことが大事かと思いますが、いかがでしょうか。

◆説明員(門司健次郎*25君)
 本件につきましての関係省庁の対応につきましては先ほど御答弁ありましたけれども、内閣官房といたしましても、今後とも本件については関係省庁間の一層緊密な連携を図り、あるいは連絡をとり、いかなる対応が最も効果的かという観点から検討してまいりたいと思っております。

◆橋本敦君
 そこで、この問題で最後に法務大臣にお願いしたいんですが、池田*26外務大臣も御答弁がありましたが、各関係省庁の連絡ということになりますと、人権を預かる法務大臣も大事なその中のお一人でございます。法務大臣として、警察庁あるいは外務大臣、あるいは国家公安委員長*27、あるいは官房長官等とこの問題について御協議をぜひ進めていただきまして、適切な対策なり方法なりを見出していただきますように、連絡体制の強化、対策本部でも結構でございますが、一段の努力をぜひ法務大臣に私はお願いして、この件の質問は終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(松浦功*28君)
 委員御指摘のとおり、大変重要な問題でございます。関係機関と十分に連絡をとって、いかなる方法が最も効果的であるかということについて前向きに検討を進めていく必要があるんではないかと思っております。最大限の努力をお約束申し上げます。

◆橋本敦君
 ありがとうございます。ぜひお願いしたいと思います。

http://www.jcp.or.jp/activ/active60-ratimondai/1998-0311.html
衆議院法務委員会での木島日出夫議員の質問
1998年3月11日
◆木島委員
 私は、きょうは法務省法務大臣の一番大事な基本的な任務として、何といっても国民の今、財産、権利をしっかり守る、基本的人権を守るということだろうと思いますので、実は起きた時期は古い時期でありますが、一九七七年から七八年にかけて日本海海岸で頻発して発生した日本人拉致事件について、いまだに解決しておりませんので、最初にその問題についてお聞きをしたいと思います。
 最初に、警察庁をお呼びしております。昨年の警察白書で、警察庁は初めてこれら一連の日本人拉致事件北朝鮮による拉致容疑として指摘をし、七件十名について触れております。その七件について、概要、そして警察白書以降の捜査その他の状況をまず御報告願いたい。

◆奥村*29説明員
 お答えをいたします。
 北朝鮮による拉致の疑いのある事件は、これまでに御指摘のとおり七件十人でございまして、また、拉致が未遂であったと思われるものは一件二人であると判断しております。
 その内訳を申し上げますと、昭和五十二年九月に石川県警察が検挙いたしましたいわゆる宇出津事件*30、昭和五十二年十一月に新潟県の海岸付近で発生をいたしました少女行方不明事案、それから五十三年七月から八月にかけまして福井、新潟、鹿児島の海岸で連続発生をいたしました三件のアベック行方不明事案と、同じ年の八月に富山県の海岸で発生をいたしましたアベックの監禁致傷事件、昭和六十年に韓国で検挙されました辛光洙事件、それから李恩恵と呼ばれる日本人女性の拉致容疑事件、この七件十人と未遂の一件二人でございます。
 白書以降の捜査の状況でございますが、これらの一連の北朝鮮によります拉致の疑いのある事件につきましては、韓国当局との情報交換を含めまして、外務省等関係各機関と連携をしながら、新たな情報の収集、また各事件相互の関連性の調査等所要の捜査を行ってきておるところでございます。

◆木島委員
 拉致容疑のある七件十人について、生存が確認されているかどうか。どうでしょうか。

◆奥村説明員
 生存しているかどうかにつきましては鋭意確認中でございますが、この中で李恩恵と呼ばれる日本人女性でございます。これは、例の(注:大韓航空機爆破事件の)金賢姫が捕まりまして、金賢姫がその自供の中で李恩恵という者に過去日本語等を教えてもらったということを言っておりましたので、その当時は生存しておったのではないかというふうに思っております。

◆木島委員
 ほかに生存確認は全然できていないのですか。今日じゃなくてもいいです。いつの時点でどういう生存が確認できたということでもいいです。

◆奥村説明員
 ただいま申し上げましたほかに、現在の時点で生存確認しておるという者はございません。

◆木島委員
 七七年の十一月に新潟で起きた少女拉致事件横田めぐみさんでありますが、この件について、詳しい捜査の状況、そして今日まで警察として把握している状況を述べていただきたいのです。

◆奥村説明員
 お答えします。
 昭和五十二年十一月に発生をいたしました少女行方不明事案でございますが、これは五十二年の十一月十五日の夕刻、当時十三歳の少女が、新潟市内におきまして、中学校から帰宅する途中で消息を絶ちまして、その後現在に至るまで行方不明となっておる事件でございます。
 本件につきましては、韓国当局との情報交換を含めまして、これまでの捜査結果を総合的に検討いたしました結果、平成九年に至りまして、北朝鮮による拉致の可能性があると判断するに至っておるところでございます。

◆木島委員
 平成九年に至って北朝鮮による拉致容疑を判断した、それはどういう契機からそういう判断に至ったのでしょうか。

◆奥村説明員
 これは、これまでの捜査結果を総合的かつ慎重に検討いたしました結果、平成九年に至りまして、北朝鮮による拉致の可能性があるというふうに総合的に判断するに至ったということでございます。

◆木島委員
 現在、警察としては、この七件の事案についてどういう捜査体制をとっているのでしょうか。

◆奥村説明員
 これら七件の事件、事案につきましては、関係府県警察におきまして、必要な体制をとりまして、鋭意捜査を行っておるということでございます。

◆木島委員
 大分古い事件でありますが、法的にまだ時効は完成していないという立場で捜査を続行していると聞いていいのですか。

◆奥村説明員
 これは北朝鮮による拉致事件ということでございますので、時効の停止、犯人が海外へ行っている間は時効は停止するという規定がございますので、時効が停止しているという前提のもとで捜査を行っておるということでございます。

◆木島委員
 外務省、お呼びしているのでお聞きしたいのですが、この七件の事案、あるいは富山での未遂事案について、真相解明、被害者の生存の確認等、外交的にどんな努力をされているのか、御報告願いたい。

◆樽井*31
 御説明いたします。
 本件につきましては、我が国国民の生命の安全にかかわる大変重大な事件と心得ておりまして、これまでも、いろいろな北朝鮮側との接触を通じまして、私どもとしてはしっかり北朝鮮側と協議しているということでございます。
 ちなみに、昨年八月に行われました審議官級の予備交渉、引き続いて日朝間の赤十字連絡会議等ございまして、そういう場を通じましても、我が方は、北朝鮮に対しまして、本件の早期調査を強く申し入れている次第でございます。

◆木島委員
 八月の審議官クラスの交渉について、もっと具体的に、日本側としてどういう要望を出したのか、相手方、北朝鮮側がどういう対応だったのか、詳しく報告してください。

◆樽井説明員
 お答えいたします。
 昨年の審議官級予備交渉の主要なテーマは、日朝交渉の再開をどうするかということでございましたけれども、その協議の過程におきまして、本件拉致事件につきましても、我が国の大変重大な関心を先方に伝えまして、本件についての早期調査を強く求めたわけでございます。
 当時、北朝鮮側は本件拉致事件そのものを否定いたしておりまして、そのようなことはあり得ないという態度でございました。
 ただ、御承知のように、昨年十一月の与党の訪朝団が北朝鮮を訪問されまして、その結果、北朝鮮側も、一般の行方不明者として調査するということで回答いたしまして、以後、北朝鮮内部においても調査が進んでいるという理解でございます。

◆木島委員
 八月の会談で、重大な関心を持っているということで、日本側から北朝鮮側に話をしたという答弁でありますが、もっと端的に、日本の警察は白書で、北朝鮮による拉致の疑いのある事案なんだ。時期、被害者、発生場所、はっきりと相手国に伝えて、捜査協力を依頼したのですか。

◆樽井説明員
 御説明がちょっと足らなかったと思いますが、御指摘のとおりでございまして、我が方の持っております材料、すべて北朝鮮側に提示いたしまして、早急なる調査を要請しております。

◆木島委員
 その材料というのは何ですか。

◆樽井説明員
 先ほど来警察当局からも御説明のありましたような、我が方が持っております関連資料ということでございます。

◆木島委員
 警察にお聞きしたいのですが、警察が今手持ちの、捜査によって得られた資料はすべて外務省に渡していますか。

◆奥村説明員
 一連の北朝鮮による拉致の疑いのある事案につきましては、その事案の性質上、外務省等関係機関との連携をとることは、捜査を進める上でも必要不可欠であると考えておりまして、かかる観点から、外務省とは密接な情報交換を行っております。

◆木島委員
 質問に答えていないのですが、全部出していますか、外務省に。

◆奥村説明員
 必要な情報は全部出しております。

◆木島委員
 何が必要か警察が判断しているので、八月の交渉のときには相手国政府は否定していたわけでしょう。そうですね、さっきの報告によると。
 その後、相手国の態度変化は見られたのですか、外務省。

◆樽井説明員
 お答えいたします。
 先ほど御説明申し上げましたように、昨年の審議官級予備会談におきましては、北朝鮮側はそのような事実はないという答えでございました。
 他方、その後、昨年十一月の与党訪朝団が訪朝されまして、そこにおきます会談で、北朝鮮側から、一般の行方不明者として調査するという回答がございました。
 そのような経緯を経まして、私どもは引き続き北朝鮮側の早急な調査を強く申し入れているという状況でございます。

◆木島委員
 昨年十一月の与党訪朝団が行った交渉、相手はどんなレベルのどういう人だったのですか。

◆樽井説明員
 相手方は宋浩敬、朝日友好親善協会の会長と承知しております。

◆木島委員
 国柄でどうかわからないのですが、民間人ですか、それとも捜査に直接の権限等を持っている人なんでしょうか。どういう人なんでしょうか。

◆樽井説明員
 御承知のとおり、この組織は北朝鮮労働党の関係機関でございますので、それなりの地位をお持ちの方であると承知しております。

◆木島委員
 党と政府の関係はよくわかりませんが、政府機関の責任ある地位にある者が、一般の行方不明者という言葉で表現するかどうかはともかくとして、捜査、調査に協力しようという回答は、まだ正式には得られていないのですか。

◆樽井説明員
 私ども政府の理解で申し上げますと、十一月の与党訪朝団と北朝鮮側との会談におきまして、北朝鮮側の極めて正式な回答があったというふうに理解しております。

◆木島委員 その後三カ月近くたつわけですが、そういう相手国、相手側の対応を受けて、ではその後どうなったのか。詰める場というのは持っておるのですか。

◆樽井説明員
 お答えいたします。
 日朝間におきましては、日朝交渉再開という問題もございますので、極めて非公式ではございますけれども、政府レベルの大変非公式な接触を継続いたしております。私どもは、そういう非公式の接触の場を通じまして、この問題については非常に強く提起いたしておりますし、北朝鮮側の早期の調査及び回答を要請している状況でございます。

◆木島委員
 その非公式の場でこの問題を持ち出した直近の時期というのは、いつなんでしょうか。そして、それに対して、そのとき日本の外務省側はどういう言い方をしたのか。非公式の場で、相手国の政府機関の代表が出てくるのだと思うのですが、どういう態度だったのか、明らかにしてほしい。

◆樽井説明員
 お答え申し上げます。
 大変非公式な接触でございますので、具体的な時期、レベル等につきましては、大変恐縮でございますがコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、つい最近の交渉はことしに入ってからでございます。その場におきまして、本件につきましてもかなり突っ込んだやりとりをいたしましたが、結果的に、我が方として満足のできる結果は一切得られていないというのが現状でござ います。

◆木島委員
 どうも具体的にお話しいただけないのでよくわからぬわけですが、満足の得られる回答が得られなかったというお答えですが、どういう態度なんですか。
 要するに、日本が考えているように、こういう拉致事件、そんなのは知らぬという態度なんですか。それとも、与党訪朝団が交渉したときの相手の朝鮮労働党の代表が発言したような、まあ一般の行方不明者として捜そう、そういう態度なんですか。もうちょっと具体的に答弁してくださいよ。

◆樽井説明員
 先方の態度でございますけれども、一般の行方不明者として調査する旨を与党訪朝団に約束したということを踏まえまして、そういう調査を継続しているという回答でございます。
 他方、先ほど来申し上げていますように、その結果につきまして、私どもとしては満足できる結果は得られていないということでございます。

◆木島委員
 相手国政府は、与党訪朝団の折衝の場でも、今述べられた非公式の政府間の折衝の場でも、拉致事件というのは一貫して否認しているというふうにお伺いしていいですか。

◆樽井説明員
 本件につきましては、与党訪朝団が訪朝されましたときに大変激しいやりとりがあったというふうに承知しておりますけれども、北朝鮮の立場といたしましては、拉致事件ということにつきましては、これを必ずしも受け入れているということではございませんけれども、先ほど来御説明申し上げていますように、一般の行方不明者として調査することはやりましょうということでございます。

◆木島委員
 被拉致者の家族の皆さん、大変な思いでこの二十年間を過ごしています。全く情報がなかったわけであります。つい最近、一定の情報が得られて、横の連絡がとれるようになりまして、被拉致家族連絡会が組織されました。
 この家族の皆さん、昨年、政府に訴え状を出したと思うのです。ちょっと冒頭、読んでみます。


 「政府に訴えます。私達の息子や娘たちを返してください。昭和五十三年七〜八月私達の息子や娘達が、突然姿を消してしまいました。茫然自失の私達は、行方不明となった理由・原因について、ありとあらゆることを考え、また自分たちで出来るありとあらゆる方法で、その行方を探しましたが、全く手掛かりをつかむことは、出来ませんでした。」「私達の息子や娘たちが、消息を絶ってすでに二十年たちます。当時二十三才だった息子も現在四十三才であります。この間に失われた貴重な歳月は、永久に取り戻すことは、出来ません。またこの間二十年息子や娘たちの帰りを断腸の思いで待ち詫びていた私達家族の気持はとうていかんたんな言葉では言い表すことは出来ません。」


 相手は国交のない国であります。大変だと思うのです。国連の場を通じて努力はどうされているのでしょうか。

◆樽井説明員
 お答え申し上げます。国連との関係につきましては、昨年、(注:橋本内閣の)小渕外務大臣*32が総会出席のために国連に出席いたしました折に、当時の明石国連事務次長との会談の中で本件を提起いたしまして、ぜひ国連サイドでも御協力いただきたいという話をいたしております。
 その後、明石事務次長が訪日いたしましたときにも、本件につきましては国連としても非常に関心を持っておりますので、お手伝いが必要であれば考えたいということをおっしゃっておられたと承知しております。

◆木島委員
 それで、その後詰めているのですか。

◆樽井説明員
 その後、この協力につきましては、特に具体的な詰めは行っておりません。

◆木島委員
 非常に外務省の対応は不十分だと思うのですね。こういう思いで二十年間、家族の皆さんは情報を求めているのですよ。日本の主権にかかわる事件ですよ。日本の国内で、何の責任もない若い男女が忽然と行方不明になった。日本の政府、警察庁は、北朝鮮による拉致事件だと正式に認定した。もっと毅然たる態度で臨んでほしい。
 そして、少なくとも外務省なり警察庁がつかんだ情報は、すべて家族に伝えてほしいのです。皆さん方、私に対してもほとんど情報を提供しません。警察、外務省、どうですか。あなた方がつかんでいるすべての情報を、ここでもほとんど先ほど述べませんでした。二十年待ち続けているのですよ。すべての皆さんが持っている情報を家族に渡してやってください、警察、外務省。

◆奥村説明員
 警察といたしましては、拉致された疑いのある方々の両親と親族に対しましては適宜連絡をとらせていただいておりまして、今後とも、御指摘の点を踏まえつつ対処してまいりたいと考えております。(木島委員「情報は渡すんですか」と呼ぶ)ええ、情報はこれまでも必要なものはお渡しをしております。

◆樽井説明員
 外務省といたしましても、本件の重みは十分踏まえて対処しているつもりでありますし、今後ともしっかりやりたいというふうに思っております。
 御家族への情報の提供につきましては、先ほど警察当局からお答えしたとおりでございます。

◆木島委員
 これからも家族の方から警察、外務省にいろいろな情報の提供を求めると思うんです。その際には、隠さずにあらゆる情報を家族に提供してもらいたい。そして、力を合わせて一日も早くまず生存を確認し、救出し、そして事件の真相を解明するように引き続き努力されんことを求めていきたいと思います。
 法務省に聞きますが、この事案について法務省はどんな関与、かかわりを持ったんですか。

◆原田(明))*33政府委員
 いわゆる一連の拉致事件ということで問題にされている事件につきましては、現在警察当局におきまして捜査中ということでございまして、検察当局といたしましても、その捜査の成り行きにつきまして関心を持って見守っていると承知しております。

◆木島委員
 先ほど警察から報告があった七件の拉致疑惑容疑、そして一件の富山での拉致未遂事件、これについて、送致を受け、刑事訴訟法に基づく処分をした例はありますか。

◆原田(明)政府委員
 一件、富山におけるアベック拉致事件につきまして、昭和六十年七月十五日に富山地方検察庁高岡支部におきまして、被疑者不詳のまま逮捕監禁致傷の罪名で送致を受けた。そして、それにつきましては、当時の状況で時効が完成しているということで、昭和六十年七月十九日に不起訴処分に付されたということを承知しております。

◆木島委員
 氏名不詳のまま逮捕監禁容疑で送致を受けた、そして、時効完成で氏名不詳のまま不起訴処分をしたということですが、送致を受けたというわけですから、証拠を添えて送致を受けたと思うんです。そうですね。それで、不起訴処分をしたその一件証拠はどうされたんでしょう。

◆原田(明)政府委員
 まず、本件一件記録でございますが、その保存期間は、記録の事務規程によりますと平成二年七月十八日までであったのでございますが、この不起訴記録、不起訴にいたしました後に、昭和六十二年十一月二十九日に発生いたしましたいわゆる大韓航空機事件を契機に、本件に北朝鮮工作員が関与している可能性が必ずしも否定しがたい状況に至ったということから、この規程によりまして現在も引き続き保存いたしております。

◆木島委員
 この未遂事件の被疑者不詳ということですが、その後北朝鮮による拉致の疑いもあるということで記録は保存しておると。もし北朝鮮による拉致未遂事件だということになれば、これは時効はとまると考えていいんですか。

◆原田(明)政府委員
 もし今後犯人が判明いたしまして、ある期間海外逃亡中であったという事実が認められますならば、その間の時効の進行は刑事訴訟法の二百五十五条によりまして停止いたしますため、その段階で改めて公訴時効の完成の有無が考慮される、検討されるということになるかと存じます。

◆木島委員
 一連の事件については、家族にとって本当にほとんど情報がないという事案であります。たまたまわずかな情況証拠がかいま見れるのが今の富山の未遂事件。一件記録・証拠もある、そして、幸いにしてその証拠物件が保存されていると。ぜひこれは開示をして私にも見せてほしいんです。もう事件として明らかにした事件でありますから、刑訴法の規定によっても開示することが私は公益にかなうと思いますので、ぜひ記録を見せてほしい。また、ほかの事件の家族にも開示してほしい。
 そして、日本の主権が侵害された大変な事件でありますから、民間の力もかりて、これからでも遅くないわけですから、あらゆる情報を集約して、そして北朝鮮に迫るということが求められる事件だと思いますので、富山地検の高岡支部に眠り込ませておくのはいかぬと思うんですが、いかがでしょうか。開示をしてもらえませんか。

◆原田(明)政府委員
 現在、この一件記録につきましては、なお捜査の継続する可能性があるということを前提に現在保存さしていただいているものというふうに承知しておるわけでございます。
 そういう点からいたしますと、委員御承知のとおり、刑事訴訟法四十七条の規定に基づきまして検察官が判断するということになろうかと思います。そして、現在そういう面では生きている可能性のある事件ということで、その取り扱いについては、その記録の状況につきまして、閲覧の目的、必要性、その他の事項を考慮して、勘案した上で決定されるというふうに考えるわけでございます。
 ただ、委員御指摘のとおり、一般的に公開という点についてはいかがかと存ずるのでございますけれども、しかし、関係者との関係で検察官において個別に判断することは可能であろうというふうに考える次第でございます。
 なお、先ほど私、申し上げるのが一点委員の御質問の関係で明確でなかった点がございますが、この一件記録そのものは保存されているんでございますが、これに附属されました遺留品としての証拠物につきましては、これにつきましては不起訴にした後廃棄されているという事情がございます。その点について私のお答えが不十分であり、委員の御質問の中に、一件記録及び証拠物という意味の御指摘が私の答弁の後の質問にあったものでございますから、念のためにお答えさしていただきます。失礼いたしました。

◆木島委員
 その証拠物というのはどんなものだったんでしょうか。

◆原田(明)政府委員
 証拠物は、寝袋用の袋、そのバンド、タオル、マスク、手錠、その連結金具、バスタオル、サンバイザー等であったと記録が残っております。

◆木島委員
 何で廃棄処分しちゃったんでしょうか。

◆原田(明)政府委員
 これは、当時の事情といたしまして、時効寸前にかかわるもの*34ということで送致され、被疑者不詳ということで廃棄されたものというふうに考えております。

◆木島委員
 もう時間も迫ってきておりますので、検察、警察に最後の質問になりますが、今、この事件解決のために、国連というルート、あるいは国交のない北朝鮮とのいろいろなレベルの公式、非公式の会談、そういう二つのルートを先ほどお話がありました。それ以外に、国際刑事機構その他のそういう国際的な組織を通じて、国交のない国といえどもこの事件の解決のために努力させる、そういう道があるかと思うのですが、いかがでしょう。これは法務省あるいは警察、外務省。少しでも知恵を出して、この事案の解決のために総力を挙げる責任が日本政府はあると思うので、最後に聞きます。

◆奥村説明員
 これら一連の事案につきましては、この事件の重大性にかんがみまして、あらゆるチャンネルを使って情報の収集等を行っておるところでございます。

◆木島委員
 今の国際的な組織、どうなんですか。

◆奥村説明員
 御指摘の国際刑事警察機構につきましても、必要な連絡はとっております。

◆原田(明)政府委員
 委員の御指摘のこの一連の事件の背景ということを踏まえまして、確かに政府全体としてやらなければならないことはやらなければならないというふうに思いますし、法務省といたしましても、また検察の立場といたしましても、警察当局その他関係当局とお互いに連携をとりながら、やはりやるべきことがございますれば、それに対して協力してやっていかなければならない、そういうふうに考えます。

◆木島委員
 ひとつあらゆる知恵と力を使ってこの事案の解決、まずは生存を確認して救出することだと思うのです。そして、真相を徹底的に明らかにすることだと思うので、そのために、法務大臣におかれましても、全力を尽くしていただきたいということをお願い申して、私の質問を終わらせていただきます。

「9人、10人のことで問題にすることはフェアーじゃない」と言い放った辻元氏

 それ本当に信用できるソースなの?(ちなみにこの発言が事実だとしても「従軍慰安婦朝鮮人・中国人強制連行という日本人拉致に似た様態の戦前日本の国家犯罪をスルーしたがる珍右翼・荒木や西岡への皮肉」なら「あまりお上品ではない」し、「誤解を招きかねない発言」だが、一応「俺的にはあり」だ。)

拉致問題などという小さな問題を外交問題として取上げるのは恥ずかしい」と言い放った五百旗頭氏

 それ本当に(以下略)
 それと誤解を恐れずに言わせてもらえば、「拉致問題より核ミサイル問題の方が日本人一般にとっては重要な問題」ですよ。ミサイルぶっ放されたら何人死ぬか分かってるんだろうな?。こういう事はあまり言いたくはないが、たかだか数十人の拉致被害者のために、日本人全体を犠牲にするわけにはいかないだろ?
 そして五百旗頭氏は小渕内閣時代から政府審議会委員を務めてきた、よく言えば「政府要人」、悪く言えば「御用学者」な人で、別に菅氏が特別に重用してるわけでもないのに五百旗頭氏をネタに菅叩きかよ。

五百旗頭真」(ウィキペ参照)
 防衛大学校長(第8代、2006年8月1日就任)、2011年4月に創設された東日本大震災復興構想会議議長。
 政府関係の委員として、小渕恵三首相時代に官邸に設置された有識者会議「21世紀日本の構想」懇談会の外交分科会(第1分科会)座長、小泉純一郎首相時代に設置された私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」委員、福田康夫首相の私的懇談会である「外交政策勉強会」の座長を務めた。

五百旗頭氏に関しては、防衛大学校という日本の防衛、日本人の命を守るべき自衛隊員を育成する学校の長として重用すること自体信じられない問題だ。この人事は自民党政権の際に決定されたもので、福田政権下で決定したものだと記憶している。

福田政権じゃなくて小泉政権だよ。調べることぐらいしろよ、このデコスケ野郎。
もしかして「安倍さんなら五百旗頭氏を更迭したはずだから福田さん以降の任命だ、麻生さんはタカ派反中だからハト派親中の福田さんに違いない」とか調べもせずに脳内妄想で決めつけてないか?

こんな状態を見せられて、拉致問題を解決するといわれても信用できるのかと問いたくなる。

 そんな事は拉致問題解決と全く関係ないから。

*1:だから勝手に反日団体呼ばわりするな、バカ

*2:「極右・増元の気持ち=家族会の気持ち」かよ。つくづく蓮池氏除名が悔やまれるね

*3:だから勝手に左派イコール親北朝鮮扱いするな、バカ。後で共産党様の偉大さを紹介するから

*4:明らかに左派ではないが増元が北朝鮮シンパ扱いしてる山崎拓先生などが「(左派でない)親北朝鮮勢力」に該当するのであろう

*5:本当に戦うべきはそんな事ではなく、「解決した方がもちろんいいが所詮他人事。拉致問題なんかどうでもいい」という社会の無関心だと思うが

*6:羽田内閣で環境庁長官

*7:この直前に橋本議員は金賢姫の自供で判明した李恩恵問題について質問し、「李恩恵は日本人拉致被害者の可能性があり捜査中」と言う答弁を引き出している。「これ」とは李恩恵問題のこと。

*8:地村ご夫妻のこと

*9:蓮池薫さんのこと

*10:蓮池さんの奥さんのこと

*11:市川修一さんのこと

*12:増元るみ子さんのこと

*13:原文のまま。赤旗の誤記なのか、本当に『北鮮』と藤田政府委員が述べたのかは不明。

*14:竹下内閣自治相・国家公安委員長、宇野内閣通産相、海部内閣法相、橋本内閣官房長官を歴任

*15:田中内閣防衛庁長官福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相を経て首相

*16:警察庁警備局外事課長、警視庁公安部長、警察庁警備局長、警察庁長官など歴任。諫山質問当時は警察庁警備局長。現在、日本会議代表委員。息子はウヨ議員の城内実(第2次安倍内閣外務大臣政務官、第3次安倍内閣外務副大臣

*17:本当は「やえこ」だった。情報がかなり錯綜してるようだな

*18:飯塚繁雄家族会代表のこと?

*19:もちろんオウム真理教による坂本一家殺害事件のこと。当時はオウムの犯行とは分かっていなかった

*20:諫山質問当時、警察庁長官

*21:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*22:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、村山内閣通産相などを経て首相

*23:警察庁警備局外事課長、警視庁公安部長、警察庁警備局長、警視総監など歴任。橋本質問当時は警察庁警備局外事課長。

*24:外務省アジア局北東アジア課長、国際協力局長、総合外交政策局長、外務審議官(政務担当)、駐韓大使など歴任。橋本質問当時は外務省アジア局北東アジア課長

*25:外務省条約局国際協定課長、総合外交政策局安全保障政策課長、駐イラク大使、駐カタール大使、駐カナダ大使など歴任。橋本質問当時は内閣官房内閣外政審議室内閣審議官

*26:池田勇人元首相の義理の息子で、宇野内閣総務庁長官、海部内閣防衛庁長官、橋本内閣外相、自民党政務調査会長(小渕総裁時代)、総務会長(森総裁時代)を歴任した池田行彦氏のこと。

*27:当時の国家公安委員長白川勝彦

*28:消防庁長官自治事務次官などを経て政界入り。橋本内閣で法相。

*29:当時、警察庁長官官房審議官だった奥村萬壽雄氏のこと(警察庁警備局外事第一課長、警視庁公安部長、警察庁警備局長、警視総監など歴任)

*30:久米裕さんが拉致されたと見られる

*31:当時、外務大臣官房外務参事官だった樽井澄夫氏のこと(外務省アジア局中国課長、外務省総合外交政策局安全保障政策課長、外務大臣官房審議官(アジア局担当)、駐中国公使、駐クウェート大使、軍縮担当大使、沖縄担当特命全権大使など歴任)

*32:後に首相

*33:当時、法務省刑事局長だった原田明夫氏のこと(法務事務次官検事総長など歴任)

*34:北朝鮮の犯行だったら時効停止するんじゃねえの?。大韓航空機事件後の橋本敦同志の質問に「北朝鮮の犯行の疑いがある」と答弁してると思うが、何でその後に時効成立で廃棄しちゃうの?。いや残してたって事実上意味ないとは思うけどさ。