「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年11/5日分:荒木和博の巻)

拉致は70年代から80年代にかけてという「常識」は間違い(11月5日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG
 8分30秒程度の動画です。もちろん荒木がこのように強弁したところで政府認定拉致は「1970~1980年代の物」しかありません。
 拉致が
1)青瓦台襲撃未遂事件(1968年)によって難しくなった韓国への入国を「何とか果たすための手段」であること
2)しかし、1988年の梶山*1国家公安委員長答弁、宇野*2外相答弁(これについては例えば1988年3月26日/参議院予算委員会での橋本敦議員の質問(抜粋)参照)によって拉致が困難になったこと
を考えれば「1970~1980年代の失踪事件」のみを北朝鮮拉致と見なすことにはまともな根拠があります。
 荒木はこれに対し「1960年代以前にもある」「1990年代以降にもある(それどころか小泉*3訪朝以降にもある、いやそれどころか、2020年11月現在以降も、北朝鮮の拉致があり得ると強弁)」しています。それがいわゆる特定失踪者ですが、その主張を裏付けるまともな根拠は何一つありません。それどころか、足立区女性教師殺人事件 - Wikipediaという、「特定失踪者認定」された人間が国内で他殺体で発見された上、その犯人は北朝鮮とは何一つ関係なかったなどという不祥事すら起こっています。他にも「国内で発見された特定失踪者」は多数いて、「警察発表」により少なくとも40人が居ることが明らかです。特定失踪者などどう見ても北朝鮮拉致ではない。
 もちろん荒木が、このような強弁をするのは「拉致を解決させないこと」によって日朝国交正常化を妨害したいからです。荒木ら救う会の目的は明らかに「拉致の解決」ではなく「それを口実にした日朝国交正常化の妨害」です。そのためには特定失踪者などという悪質なデマすら放言して恥じないのが荒木です。
 こんな荒木の暴挙を許していたらいつまで経っても拉致は解決しません。何せ荒木は「今後も拉致があり得る」と強弁していますから。
 こんなことを容認していては北朝鮮は交渉したがるわけもない。
 「2020年11月以降の失踪者も北朝鮮拉致かもしれない」などとデマを飛ばす男がでかい面をする国(日本)と交渉して北朝鮮にとって望ましい成果が出るわけもない。「2020年11月以降の失踪者も可能ならば北朝鮮拉致だと強弁しようとしているのが荒木ら巣くう会だ。救う会連中には拉致を解決する気は無い。連中の目的は日朝国交正常化の妨害だ。そんな連中を家族会や日本政府が容認する限り拉致の解決などあり得ない。日朝交渉などするだけ時間の無駄だ」と北朝鮮が認識するのは当たり前でしょう。
 そして北朝鮮にとって「中露であれ、韓国であれ、米国であれ」、救う会のようなデマ屋がでかい面をする日本と交渉するより「よほどいい成果が期待できる」と考え、もはや日朝交渉をする気は無いのでは無いか。
 俺ももはや「拉致被害者の帰国」「家族会が要望する形」と言う意味での「拉致の解決」は諦めています。家族会が荒木のようなデマ屋を容認していて、どうすれば拉致が解決するのか。
 そんなことは不可能です。拉致を解決するためにまず、必要なこと、それは家族会が荒木ら巣くう会と縁切りし、蓮池透氏と和解することでしょう。拉致を「日朝国交正常化妨害のネタ」としか考えてない荒木ら救う会連中と野合しても拉致の解決に逆行するだけです。
 しかし残念ながら「救う会との縁切りや蓮池氏との和解はあり得ない」、「そのようなことをする能力も意思も家族会にはない」と見るからこそもはや「望ましい形」での「拉致の解決」は諦めています。
 もし現状で「望ましい形」での「拉致の解決があり得る」としたら日本政府が家族会の考えを無視して「太陽政策的な路線(田中均氏、蓮池透氏、和田春樹氏らの路線)」を採用したときだと思いますがこれまた「それはあり得ない」、「そのようなことをする能力も意思も自民党政権にはない」「仮に政権交代しても野党政権が誕生しても、民主党政権時代にそうした路線が採用されなかったことを考えると、そのような路線になるかは甚だ怪しい」と見るからこそもはや「拉致の解決」は諦めています。
 「拉致被害者家族が死に絶え、国民の関心も完全に薄れて風化する」という「不幸な形」でしかもはや「拉致の解決はないだろう」と思っています(そうした状態を「解決と呼ぶべきかどうか」はひとまずおきます)。
 まあ既に「有本嘉代子や横田滋の死去」によってそうした方向に着実に近づいていますが。

*1:竹下内閣自治相・国家公安委員長、宇野内閣通産相、海部内閣法相、自民党国対委員長(海部、宮沢総裁時代)、幹事長(宮沢総裁時代)、橋本内閣官房長官など歴任

*2:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*3:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相