今日のMSN産経ニュース(3/4分)(追記・訂正あり)

■【産経抄】3月4日
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120304/kor12030403030001-n1.htm
 金正恩体制を論じるにおいて、いわゆる「貧乏人は麦を食え」発言を持ち出す必要はどこにもないんですが、持ち出すのが産経クオリティ。どうしても「池田さんは悪くない」と言いたかったんでしょう。

新しい金正恩体制としては国民を食べさせるため、膝を屈し「火遊び」をやめたという美談めいた見方もある。

 北朝鮮に限らずどこだってそうでしょうが、国民が食べていけないと国家体制の維持が難しいから国民の生活に配慮するってだけの話が美談なんですかね。産経の美談の定義がわからん。北朝鮮嫌いの産経のことだから美談なんて「めいた」をつけても絶対に書かないと思ってたのに。


■【今、何が問題なのか】“最も懲りない男”鳩山由紀夫元首相の「外交」担当に仰天
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120304/plc12030411100009-n1.htm
 鳩山さんを評価しているわけではないのですが産経の記事は頭痛がするほど酷いので。まあ筆者が阿比留や安藤と同レベルの野口某ではしょうがないでしょうが。

 「歴史認識問題の克服」は、日本が中国の主張を呑み込み、今まで以上に卑屈に全面謝罪する、精神的従属を意味する。対等ではない外交は、かつての朝鮮半島のように、冊封体制=隷属に等しい。従って「東アジア共同体」の盟主*1は日本ではない。軍事・経済大国の中国になろう。即ち「東アジア共同体」構想とは、中国を中心とした当初はアジアにおける新中華秩序、将来的には世界を巻き込んだ新々中華秩序の強要に他ならない。

 いつ、鳩山さんが「東アジア共同体=新中華秩序」と言ったんでしょうか?。大体調べればわかりますが、中曽根康弘氏が会長を務める「東アジア共同体評議会」(http://www.ceac.jp/j/)という団体があることを産経は知っていますか?
 あの保守の中曽根氏が将来の実現に向けて動くほど「東アジア共同体」と言う概念それ自体は保守の中でも広まってる、それだけ現実性があると見なされているわけです。そして「歴史認識問題の克服」は何も鳩山さんの専売特許ではなく、産経のような、南京事件否定論を未だに支持するような「歴史に無反省な歴史修正主義保守」以外、つまりある程度まともな保守は皆言ってることです。大体歴史認識問題と言ったとき中国との関係しか頭にないらしいのも酷いですが。
バターン死の行進」(アメリカ)のような欧米相手の無法行為も忘れないでください(毒)。

沖縄県知事と駐日米大使にアメフトをテレビ観戦させてみてはどうか。普天間基地が返還されたりして

 産経は誤読、ねつ造常習ですので、本当に鳩山氏が「アメフト」エピソードを語ったのか疑問ですが、語ったとして、それが間違ってると思うのならば「単なる社交辞令じゃないですか?」と書けば済むことです。
 「普天間基地が返還されたりして」などという、沖縄やアメリカを不快にさせかねないくだらぬおふざけを書く神経が理解できません。

失礼ながら、鳩山氏には「知性」ではなく「稚性」と「痴性」ばかりを感じてしまう。

 失礼ながら野口氏の方こそ「稚性」と「痴性」しかないのでは?


■【防衛オフレコ放談】沖縄知事の絶大な権力 防衛省の人事権も掌握
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120304/plc12030412000010-n1.htm
 タイトルが酷い。当たり前ですが、沖縄県知事防衛省の人事権なんかありません。
 何のことかと思ったら、例の「真部沖縄防衛局長の留任」は仲井真知事が「留任でいい」と言ったから「彼を更迭することで任命責任問題になることを恐れた政府・防衛省がそれに乗っかった」と言うだけの話。それは別に「防衛省の人事権も掌握」って話じゃないでしょう。


■【彼らの心が折れない理由・小松成美】「今なら、国を守るため銃を持てる」作家・伊集院静(1)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120304/trd12030410070002-n1.htm
 伊集院さんはほかにもいろいろ言ってるんですがタイトルが本当に産経クオリティ。
 まあ、現実問題として、伊集院さんみたいな60過ぎの『職業軍人自衛官)でもないおっさん』が「国を守るため銃をとらない」といけないような異常事態になったら、「銃をとる、とらない」以前にその時点で日本もおしまいだと思いますよ。よほど日本の政治がだめにならない限りそんなことはありえない。
 そういう意味で伊集院さんって人は何故こういうこと言うんだろうと思いますね。


■【from Editor】脱被害者意識を阻む人たち 沖縄米軍基地問題
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120304/plc12030409270005-n1.htm
 脱被害者意識も何も現に基地被害は存在するわけです。自分に都合のいい被害者の声、たとえば「凶悪犯罪に対し死刑を望む声」なら「これが被害者の声だ」とさんざん持ち上げる癖に、自分に都合が悪いと「被害者意識から脱しろ」とは無神経とご都合主義の極みです。

*1:大体、「戦前の大東亜共栄圏の苦い記憶がまだ残っていて」「しかもあの歴史を正当化しようとする産経のような極右がある」現時点で日本が盟主になろうと言うことはかなり問題でしょう。少なくとも建前では盟主など必要ないでしょう。