新刊紹介:「前衛」7月号

「前衛」7月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat167/
 以下は私が読んで面白いと思った部分のみ紹介します。(詳しくは7月号を読んでください)


■「古典教室・理論史:マルクス・エンゲルス以降の理論史」(不破哲三
(内容要約)
「古典教室」(http://www.jcp.or.jp/kk_kyousitu/)のうち
 第10回「エンゲルス『「フランスにおける階級闘争」への序文』第1回」、第11回「エンゲルス『「フランスにおける階級闘争」への序文』第2回」、第12回「マルクスエンゲルス以後の理論史」をまとめたもの。
5月号が、第10回講義分、6月号が「第11回分」で今回が「第12回分」で完結。
 前衛収録時に多少の加筆訂正はあるだろうが、前衛を読まなくても「古典教室」サイト(http://www.jcp.or.jp/kk_kyousitu/)にアップされてる「不破氏の講義動画」「講義資料のPDF」「10〜12回講義を紹介した赤旗インターネット記事」で内容をある程度把握できる。なお、不破氏には「古典研究 議会の多数を得ての革命」(2004年、新日本出版社)と言う著書がある。

参考
赤旗
『「古典教室」 不破社研所長の第12回講義』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-02-09/2012020909_01_0.html

大津留公彦のブログ2
不破哲三氏古典教室講義第12回(多数者革命論2)記録」
http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-c6ab.html

赤旗「第12回講義」にちょいコメント。

テロの犠牲者たちにはみな、ドイツや日本の手先といったレッテルが張られました

正確には「ファシスト・ドイツの手先」「ファシスト・日本の手先」ですな。ファシストってところがポイントです。

ポーランドの党は指導部全員が銃殺され、解散。

さすがスターリンはやることが「悪い意味」で半端ねえな。


■座談会「日本のメディアはなぜ権力に弱いのか?:権力との癒着、一体化」(阿部裕、岩崎貞明、金光奎、小木曽陽司)
(内容要約)
・現在、日本には今までにはないほどメディアへの不信があるように思われる。そのきっかけは明らかに「東日本大震災による福島原発事故の発生」だろう。これにより、マスコミが政財官「原子力村」の原発安全神話に露骨に加担していたことが公然となった。にもかかわらずそうした問題をまともに批判せず、それどころか、産経、読売のようにいまだに「原子力村」に加担するメディアが存在する。こうしたメディアの批判意識のなさの別の例としては「消費税増税不可避報道」「橋下翼賛報道」などがあげられるだろう。
・こうした状況をかえるためには次のようなことが必要であろう。
1)市民のメディア監視。よい記事は評価し、悪い記事は批判する。
2)マスコミ内部の記者の奮闘。
3)マスコミ外部のメディアの奮闘。
4)制度面の改善。たとえばクロスオーナーシップの規制、記者クラブ制度の廃止など。

参考
赤旗「検証 暴走メディアと「赤旗」」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-01-29/2012012901_03_1.html
 「権力と日本マスゴミの癒着の源流は満州事変の132社共同宣言」というのはけなしすぎの気がするが、まあ他の小泉翼賛報道許せねえとかは異論ないな。

 大手メディアの暴走の源流は、1931年9月の日本軍(関東軍)による中国侵略、いわゆる「満州事変」の報道にあります。大手紙は戦争賛成の立場になだれこみ、日本による「満蒙」(中国東北地方と内モンゴル)への領土拡大を「我が国の生命線」と書き、軍国主義を応援しました。
(中略)
 1932年12月19日には全国132の新聞社が共同宣言を発表し、日本軍があやつる「満州国」の「独立支持」を表明しました。
 「赤旗」は28年2月1日の創刊以来、反戦・平和の徹底した論陣を張り、「満州事変」2カ月半前の31年7月6日付で「日本帝国主義の戦争準備と闘え!」の見出しで戦争計画を暴露。「満州事変」は「新しい領土略奪のための戦争」(31年10月5日付)と見抜きました。

 さすが俺たちの赤旗さんやで。


赤旗
「大手紙社説 この異常 消費増税先にありき 国民無視し 政権後押し」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-01-15/2012011501_01_1.html
「いまメディアで 憲法ないがしろにする巨大メディアの堕落」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-04/2012050401_03_1.html
「いまメディアで 国民の声無視し増税指南」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-06-06/2012060603_01_1.html


■「橋下『維新の会』による大阪の社会保障改悪の実態」(谷本諭)
(内容要約)
橋下の悪政を「府知事時代」及び「市長長就任後」の「社会保障改悪」にスポットを当てて批判。奴の悪事は福祉破壊だけではないが。
奴の社会保障改悪でたぶんいちばん有名なのは「金がかかるのが嫌なら歩けばいい」とか暴言はいた例の敬老パスだと思うがまあ他にも色々とあるわけですな。
 ただ奴の場合、一番ひどいのは個々の政策よりも「(政界進出以前の話だが)光市事件弁護団をデマ中傷」「デマリストで組合を中傷」などの「常軌を逸したデマ体質」だと俺は思ってるが。

【橋下の社会保障改悪の例】

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-24/ftp2012042404_07_0.html
橋下「改革」の危険 4年の実態に見る
市長になっても 全世代への負担増
 「大阪府は破産会社」「(府職員は)破産会社の従業員」。2008年2月、府知事に就任した橋下氏はこんな大ウソで府民施策への攻撃を始めました。
 橋下氏は「夕張市と同じ」としましたが、大阪府が北海道夕張市のような「財政再生団体」でも、それよりはましな「財政健全化団体」でもないことは当初から明らかでした。にもかかわらず、橋下氏は、これを最大の宣伝材料に使い、同年6月には「大阪維新プログラム案(財政再建プログラム案)」を発表。人件費345億円の削減のみならず、私学助成の大幅削減、高齢者・乳幼児・障害者・ひとり親の4医療費助成の削減、市町村補助金のカットを打ち出しました。府民の反対署名は300万人を超えました。
 このとき、橋下氏は“障害者施策は削れない”とテレビの前で涙まで流し、「『障害者・命・治安』に配慮」(「朝日」)と報じた新聞もありました。しかし、実際には障害者8団体の団体補助をゼロにするなど障害者にも冷たいものでした。
(中略)
 橋下市長は今、大阪市で「市の行政サービスはぜいたく三昧の状況」などといって、3年間で548億円を削減し、104事業もの住民施策の切り捨てに着手しています。5日に公表した市改革プロジェクトチームの「改革」試案です。財政を口実にした知事時代と同じ手法です。
 最大の特徴は、敬老パスの有料化から学童保育補助金廃止まですべての世代に襲いかかることです。
 無料の敬老パスは、通院や社会参加の活動、買い物などにお金の心配なく出かけられ、高齢者の生活を支えてきました。それを半額自己負担にし、どこでも100円で行ける福祉バスの運営補助の大幅削減をうちだしています。地域振興会が担ってきたお年寄りへの食事サービスや「老人憩の家」事業への補助金廃止など、地域のコミュニティーをささえてきたきめ細かな事業も切り捨ての対象です。
 子育て世代に対しては、市民税非課税世帯からの保育料徴収、市独自の保育料軽減措置の廃止、約2000人の児童の放課後の生活の場である学童保育の運営補助廃止なども含まれています。
 新婚家賃補助の廃止、障害者が健康維持のために安心してトレーニングやリハビリができ、スポーツに親しむ場となっている長居障害者スポーツセンターの廃止など、若い世代や障害者にも大ナタをふるっています。


■「消費税増税の一方で下げられる大企業の法人税」(垣内亮*1
■「富裕者課税・応能負担こそ必要」(安藤実*2
(内容要約)
以前書いた「新刊紹介:「前衛」5月号(消費税増税論批判)」(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20120416/5421309876)とほとんど同じことしか書けそうにないので、あえて書かない。
あとはid:kojitaken氏がやってる「鍋党」(http://nabeparty744.blog111.fc2.com/)のエントリでもお読みになれば「消費税増税論の間違い」「応能負担原則の重要性」を知るのにはよろしかろう。
赤旗の記事も紹介しておく。

赤旗
社会保障と財政 消費税に頼らない道がある」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-06-08/2012060801_05_1.html


■「雇用・賃金の改善こそ財政危機脱出の近道」(梅原英治)
(内容要約)
社民主義的政策による雇用・賃金の改善」は「消費増による好景気」→「税収増」という意味でも望ましい。一方、「消費税増税」や「新自由主義的政策による賃金・雇用の劣化」は「その結果による消費減、不景気」→「税収減」という意味でも行うべきではないという話。


■「党創立90年 発揮される党史の力、野党外交の力:『朝鮮王室儀軌』返還の取り組みを中心に」(笠井亮
(内容要約)
赤旗の記事を紹介。

文化財返還問題 韓国外務第一次官と懇談 緒方副委員長・笠井衆院議員」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-01-17/2008011702_04_0.html

「朝鮮王室文化財 返還を 韓国市民団体 外務省に要請 笠井氏同席」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-04-09/2010040902_02_1.html

「朝鮮文化財返還でシンポ ユネスコ精神で誠意を 笠井議員」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-06-14/2010061402_02_1.html

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-19/2011121903_02_0.html
「朝鮮王朝儀軌の返還 文化財は元の国に 生かされたユネスコ条約の精神 韓国還収委「日本共産党と連帯」
 朝鮮王朝(1392年〜1910年)の国家行事を記録した「朝鮮王朝儀軌」が89年ぶりに韓国に返還され、13、16の両日、ソウル市と東北部・江原道で記念式典が行われました。日本の国会議員の中で式典に招待されたのは日本共産党笠井亮衆院議員だけでした

 さすが俺たちの日本共産党さんやで。
 「党史の力」つうのは「戦前の日本による韓国植民地支配への厳しい批判」と「戦後の北朝鮮への厳しい批判(大韓航空機爆破事件やラングーン事件への批判)」が「韓国での信頼獲得につながった」ということらしい。
 なお、笠井氏は「これで全てが終わったわけではない」とおっしゃっているがその通り。文化財返還に限ってもまだ始まったばかりだ。慰安婦だの竹島(独島)だの別の問題まで入れると本当に大変な大問題だ。


【まだ返還されてない文化財問題】
赤旗「朝鮮文化財で聴取 笠井議員と韓国市民団体 文化庁
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-24/2012042402_02_1.html

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120519/plc12051902010001-n1.htm
産経新聞朝鮮半島由来の文化財「返還」運動相次ぐ 朝鮮儀軌引き渡しが逆効果」
 韓国側が新たな「返還」運動の標的とするのは東京、京都、奈良、九州の4国立博物館が所蔵する朝鮮半島由来の文化財4422点。4月23日には、韓国側の活動を支援する共産党笠井亮衆院議員が文化庁国立文化財機構の担当者を呼び説明を要求した。
 このとき笠井氏には儀軌「返還」運動にも関与した韓国の民間団体「文化財還収委員会」の関係者も同席。所蔵品のうち、かつて朝鮮王室が保有していた「朱ビロード地金銀装甲冑」「紫縮緬冠」「金銅製印」の3点について、王室子孫に特別閲覧を認めるよう求めた。

 さすが俺たちの笠井さんやで。日韓友好への尽力ご苦労様です。産経は死んでいい。


聯合ニュース
韓国文化担当長官「強制略奪された文化財の返還を」
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/10/02/0200000000AJP20111002000400882.HTML
「利川五層石塔」の返還活動から4年 小中高生も加勢
http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2012/01/27/0800000000AJP20120127003500882.HTML

 日帝は早く韓国から略奪した文化財を元のところに返すべきです。


■「暴走する野田政権 背景にある財界戦略」(金子豊弘)
(内容要約)
 財界言いなりに「大飯原発再稼働」「消費税増税」へと暴走する野田への批判。

【野田と財界の親密ぶりについて:参考】

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-09-02/2011090201_01_1.html
野田新首相 財務相当時の昨年10月 経団連会長から接待 税制論議のさなか
 野田氏が民主党代表に選出された8月29日、米倉日本経団連会長は「税・財政・社会保障をはじめとする政策に通じ、かつ、安定感と行動力を持った政治リーダー」と最大限の歓迎談話を発表しています。
(中略)
 米倉会長の野田財務相接待は、政治倫理綱領が指摘する「公私混淆」に相当する疑いがあるうえ、特定の私企業からもてなしをうけた政治的道義的責任が問われます。
 本紙の取材に対して、1日現在、野田佳彦衆院議員事務所からは回答がなく、住友化学からは「本日中の回答は難しい」との連絡がありました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-09-09/2011090902_03_1.html
「野田政権が狙う「国家戦略会議」 財界主導型へ回帰」
 野田首相は組閣前の1日、日本経団連経済同友会日本商工会議所の財界3団体を訪問する異例の行動を行い、米倉弘昌経団連会長に「(政府内の)いろいろな会議をつくり直す。経済界、経団連にぜひとも協力していただきたい」と、財界代表が参加する新たな会議を創設する姿勢を示しました。

■「原発事故のツケを国民に転嫁:東電の料金大幅値上げ」(佐田珠美)
(内容要約)
 赤旗の記事で代替。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-03-25/2012032501_01_1.html
電気料金値上げは不当 東電と大手金融機関の責任で
 原発事故費用を、電気料金の値上げによって国民へ転嫁するのは不当です。
 東電は火力発電の燃料費負担増加を値上げの理由にしています。しかしその状態を招いたのは、原発事故を引き起こした東電の責任です。今回の値上げは、原発事故対応にかかる東電の負担を、家庭や中小企業に押し付けるものです。
 電気料金は、発電、送電にかかった営業費用に一定の利益を加えた「総括原価方式」で決まります。「総括原価方式」には、原発推進のための広告費や原発の設置や運用などにかかる高額な費用、企業としては廃止したとされる政党への寄付を含んだ役員給与も入っています。どんなに経費がかかっても、電気料金に転嫁でき、利益を確実に保証される仕組みです。この「総括原価方式」などにメスを入れ、電気料金のゆがんだ構造を正すべきです。
 そのうえ電力会社は、大企業など大口向けに電気を安売りし、その分、家庭向けに高く売ることでもうけをあげてきました。
 電気料金の値上げを抑えるためには、原発事故の責任者である東電とその株主、大口の貸し手である大手金融機関など利害関係者に責任と負担を求めるべきです。
 電力業界は、原発核燃料サイクル計画推進などのための「使用済み核燃料再処理等積立金」など2010年度末(2011年3月末)時点で、約5兆円の積立残高があります。
 日本共産党は、この積立金を国が一括して管理する基金に移し、「原発賠償・除染・廃炉基金」を創設することを提案。電力業界とともに、「原発利益共同体」に属する大企業にも、この基金への応分の拠出を求めています。原発事業を推進してきた「日本原子力産業協会」の会員企業主要100社の内部留保の合計は80兆円にのぼります。社会的責任も体力もあります。
 東電の経営実態も値上げの根拠も国民に知らせないまま、一方的に値上げを強行するのは論外です。


■「男女平等の社会へ、社会進歩の歴史に重ねて(上):女性の権利拡大の流れと日本社会の変革」(広井暢子)
(内容要約)
・前振り
エンゲルス「家族の起源」、べーベル「婦人論」や女性共産主義者(例:ローザ・ルクセンブルク、クララ・ツェトキン)の存在でわかるように科学的社会主義者(もちろん日本共産党を含む)は女性差別撤廃、男女平等を推進する一勢力として尽力してきたのです。
・本論
1979年に国連で女性差別撤廃条約が成立して以降、世界各地で男女平等が進んだ(それ以前国際的取り組みがないわけではないが)。
その後、日本でも1985年に男女雇用機会均等法が成立するなどの進展があったが、欧米先進国と比べるとまだまだ女性の立場は差別的である。
 日本が女性平等を進めるためにしなければならないとこの一つとしては「女性差別撤廃条約選択議定書の批准」があげられる。(条約には批准したが選択議定書には未批准)

参考
赤旗
主張「ルールある社会へ 女性差別撤廃こそ改革の焦点」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-01-09/2011010902_01_1.html
民法改正「1年以内に」 国連女性差別撤廃委が勧告」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-01/2011120104_07_1.html
「選択的夫婦別姓 田村氏「導入を」」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-14/2012051413_02_0.html
「男女平等、女性の地位向上を 婦団連が各省庁に要請」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-17/2012051705_01_0.html
「女性が働きやすい社会に 全労連女性部が交流集会」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-29/2012052905_01_1.html


■論点
【小沢被告無罪で控訴 逃れられない責任(森近茂樹)】
(内容要約)
小沢の無罪は灰色無罪であり、その政治的責任は免れるものではない、という小沢信者以外皆納得の主張。

参考

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-27/2012042701_02_1.html
赤旗
「小沢氏は虚偽記載了承 元秘書と共謀認めず無罪 強制起訴は有効 検察の捜査を批判 東京地裁判決」
 資金管理団体陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)の判決が26日、東京地裁であり、大善文男裁判長は無罪(求刑禁錮3年)を言い渡しました。しかし判決は、検察官役の指定弁護士側の主張をほぼ全面的に認め、主要な争点での小沢被告側の反論をことごとく退けました。元秘書による虚偽記載の事実を認定。元秘書らから事実と異なる記載について小沢被告が報告を受け、了承をしたことも認めました。
 大善裁判長は、最大の争点となった元秘書との共謀について、土地購入代金の計上を翌年にずらすことの「報告を受けていない」とした小沢被告の供述は信用できないと判断し、石川知裕衆院議員(38)から報告を受け、了承したと認定。石川議員や池田光智元秘書(34)が、小沢被告の了承を受けた上で虚偽記載したことを認めました。
 自己資金の4億円を担保に銀行から融資を受けることも、説明を受けて了承していたとし、提供した4億円を簿外で処理することも、「小沢被告の意向に沿うものだったと考えられる」と判断。検察官役の指定弁護士側の主張に沿った事実認定をし、「(指定弁護士が)共謀を疑うことには相応の根拠がある」と述べました。
 しかし、土地取得が05年分の収支報告書に記載されることは適法と考えた可能性があるなどとして、虚偽記載の故意や、元秘書との共謀について、立証が十分でないと結論付け、無罪としました。
 小沢被告の法廷での供述については、「変遷や不自然な点が認められ、信用できない」と指摘。「秘書まかせ」との釈明について、「政治資金規正法の精神に照らして、芳しいことではない」と批判しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-10/2012051001_05_1.html
「小沢裁判控訴 国会での説明はいよいよ重要」
 先月末の東京地裁の判決は、小沢氏を有罪とはしませんでしたが、その中身は虚偽記載を届け出た事実は認め、秘書から報告があり小沢氏も了承していたが、小沢氏に「犯罪」としての認識が不十分だったかもしれないという理由だけで有罪にしなかったものです。まさに「白」どころか「真っ黒に近い灰色」で、検察官役の弁護士は「見逃せない事実誤認がある」と控訴しました。
(中略)
 小沢氏がこうした事実を重く受け止め、裁判とともに国会で説明責任を果たし、責任を明確にするのは当然です。国会の政治倫理綱領はみずから疑惑を解明することを求めているのに、小沢氏はただの一度も国会で説明したことがありません。虚偽記載の事実関係はもちろん、何の目的で虚偽の届け出をしたのか、もともとの資金の出所は何か、別の裁判でも指摘された小沢氏周辺への公共事業受注企業からの献金の事実*3など、すべての疑惑に答えるべきです。
 小沢氏の起訴後、判決確定までは党員の資格を停止するなどとしていた民主党が、小沢氏が控訴されるかどうかもわからないうちに一審の「無罪判決」を尊重すると処分解除を決めたのは重大です。処分は民主党内の問題とはいえ、控訴の重みはどう受け止めるのか。処分解除というなら、なによりもまず民主党は小沢氏に国会での説明責任を果たさせるべきです。
 民主党が消費税増税法案をめぐる打算から小沢氏の問題を処理するとすれば、それこそ政治倫理を踏みにじる論外の所業です。

 控訴審で有罪判決、それも実刑判決が出て小沢が刑務所に行くことを心の底から望むよ(毒)。

赤旗
「国会で真相解明を 小沢氏疑惑 志位委員長が強調」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-27/2012042701_07_1.html

「小沢氏の証人喚問を 穀田国対委員長が会見」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-10/2012051002_01_1.html



【加害者を『救済』する東電『総合特別事業計画』(柳沢哲哉)】
(内容要約)
赤旗の記事で代替。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-10/2012051001_01_1.html
事故に無反省 世論に挑戦
 野田内閣は、原発事故の最大の責任者である東電を公的資金で救済する「総合特別事業計画」を認定しました。
 この事業計画では、2013年4月から順次、柏崎刈羽原発を再稼働させることを明記しています。
 福島第1原発事故の原因は、いまだ究明されておらず、被害は時間的にも空間的にも拡大し続けています。事故収束に程遠い状況にもかかわらず、原発再稼働を計画するのは、事故を引き起こした当事者として無反省であり、「原発ゼロ」の世論に挑戦するものです。
 7月から家庭向け電気料金の10・28%の値上げを求めることも盛り込みました。4月には、企業など事業者向け電気料金の値上げを実施し、事業者から怒りの声が広がりましたが、電気料金の値上げは、原発事故対応にかかる東電の負担を利用者・国民に押し付けるものです。政府は、原発事故の責任者である東電とその株主、大口の貸し手である大手金融機関など利害関係者に責任を取らせ債権放棄をさせるなど、事故処理の負担を負わせるべきです。
 東電に今必要なことは、進んでいない原発事故被害者への賠償に全力を挙げることです。(柳沢哲哉)

■暮らしの焦点
【『広域化』は国保崩壊への道(相野谷安孝)】
(内容要約)
 少し古いが、赤旗の記事で代替。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-09-30/2010093001_05_1.html
主張『国保「広域化」 国庫負担を復元しない限り』
 市町村が運営する国民健康保険について厚生労働省は、全年齢を対象に期限を決めて、全国一律で都道府県単位に「広域化」する方針を明らかにしました。後期高齢者医療制度の後継制度を議論している「高齢者医療制度改革会議」で27日に提示しました。
 厚労省国保広域化に当たって、保険料の算定方法を法令で定め、「都道府県単位の運営主体において、一般会計からの繰入れを行う必要は生じない仕組みとする」としています。
 多くの市町村は住民の保険料負担を軽減するために一般会計から財源を繰り入れています。厚労省は標準保険料率を都道府県単位で決めてしまうことによって、「都道府県単位の運営主体」(どこにするかは検討中)も市町村も一般会計の繰り入れをしない制度設計にするとしています。
 繰り入れをなくせば、医療費の増加が保険料の値上げに直結し、国保料(税)がいっそう高騰することは明らかです。
 広域化する理由として厚労省は「安定的な財政運営ができる規模が必要」などとしています。しかし、事実上の広域国保といえる政令市の横浜、大阪、札幌など大規模自治体ほど財政難はひどくなっています。一般会計からの繰り入れを除けば、ほとんどの市町村が赤字であり、財政難の国保を寄せ集めても財政が改善する見込みはありません。広域化が保険料値上げと給付抑制の押し付け、住民の声が届かない組織運営につながることも後期高齢者医療制度の「広域連合」で証明されています。
 都道府県単位の保険者づくりは民主党が掲げる「医療保険の一元化」とともに、もともと小泉・自公政権が医療構造改革の骨格として打ち出したものです。住民に対する市町村の負担軽減をやめさせ、国民に保険料引き上げか受診抑制かを迫って医療費削減を図ることが狙いです。住民の命と健康を守る社会保障制度としての公的医療保険を破壊する路線です。
 広域化は「地域医療保険」として医療保険を「一元化」する布石です。被用者保険と国保を統合する一元化で事業主負担が削減・廃止されれば、その穴埋めのための労働者の保険料値上げや消費税増税で国民の負担はさらに増大します。
 多くの低所得者が加入する国保は手厚い国庫負担なしには成り立ちません。にもかかわらず、国は国保財政への国庫支出金の割合を1980年代の約50%から25%へ半減させてきました。これを是正して国庫負担を計画的に復元していくと同時に、高すぎる国保料をだれもが払える水準に引き下げていくことが求められます。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-09-28/2010092801_02_1.html
国保、期限定め広域化 厚労省方針 保険料高額に拍車も
(前略)
 現在、多くの市町村は、高すぎる国保の保険料(税)を抑制するため一般財源国保会計に繰り入れています。国保広域化の狙いは、市町村ごとに異なる保険料の「平準化」を口実に市町村の一般財源の繰り入れをやめさせることにあります。繰り入れがなくなれば、医療費の増加が保険料アップに直結し、高すぎる保険料のさらなる高騰をもたらします。

解説:国保広域化 狙いは医療費削減
 民主党政権国民健康保険国保)の「広域化」を熱心に推進しています。
 厚生労働省都道府県知事あてに通知(5月19日)を送付。国保の広域化に向けて、現在、市町村によって異なる保険料(税)を均一化するため、「保険料の引き上げ、収納率の向上、医療費適正化」などを行い、一般財源の繰り入れを「できる限り早期に解消する」よう求めています。
 現在は全国の市町村は計約3700億円を一般財源から国保に繰り入れ、保険料を抑制しています。繰り入れをなくせば、保険料の大幅アップは避けられません。
 大阪府では、橋下徹知事と16市町村代表が国保広域化に向けて一般財源の繰り入れを全廃し、知事のリーダーシップで保険料値上げを推進することなどを協議しています(7月22日)。繰り入れを全廃した場合、大阪府国保加入1世帯当たり年2万円の保険料アップになります。
 もともと、国保を広域化するシナリオを打ち出したのは、医療費の削減を進めた小泉・自公政権です。一般財源の繰り入れをなくし、医療費の増加を保険料アップに直結させる狙いでした。際限ない保険料アップか、医療費の抑制か、という二者択一に国民を追い込む政策です。
 後期高齢者医療制度の運営主体を、一般財源をもたない都道府県単位の広域連合としたことも同じ狙いでした。当時の厚労省室長補佐は率直に、「後期高齢者医療制度の保険者を市町村にすると、市町村は国保と同じく、一般会計から繰り入れしてしまう」と語っていました。
 国保の広域化で運営主体を都道府県とするか広域連合とするかは未定ですが、仮に都道府県が主体となっても、厚労省一般財源の繰り入れをなくす方針を明確にしています。これは、後期高齢者医療制度に組み込まれた、「保険料の負担増がいやなら医療費を抑制しろ」という仕組みを国保加入者の全年齢に拡大するものです。
 広域化の理由として国保の財政難があげられますが、その最大の原因は国保財政全体に対する国庫支出金が1980年代の約50%から2007年度の約25%にまで半減させられてきたことです。これを復元することこそ必要です。
 それ抜きでは、広域化しても国保の財政難の解決にはなりません。そのうえ、一般財源からの繰り入れをやめれば、いっそう財政を困難にし、保険料値上げと、払えない人の増加という悪循環を招くのは必至です。(杉本恒如)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-11/2011031105_01_0.html
高すぎる国保料(税)・強権的取り立てをただし、いのちと健康をまもる国保
2011年3月10日 日本共産党
 日本共産党志位和夫委員長が10日、記者会見で発表した緊急提言「高すぎる国保料(税)・強権的取り立てをただし、いのちと健康をまもる国保に」は次の通りです。


 高すぎる国民健康保険料(税)が全国どこでも大問題となり、地方選挙の大争点となっています。所得300万円4人家族の国保料(税)は、札幌市―45万6500円、大阪市―42万8700円、福岡市―46万8000円にもなっています。滞納世帯は436万、全加入者の2割を超えています。無保険になったり、正規の保険証を取り上げられるなど、生活の困窮で、医療機関への受診が遅れたために死亡したとみられる事例が昨年1年間に71人(全日本民医連調査)という深刻な事態も広がっています。
 国保料(税)は、自民党公明党政権のもとで値上げが繰り返され、この20年間に1・6倍、1人当たり3万円も値上がりしました。民主党政権は、これを是正するどころか、国保料(税)をいっそう値上げすべきと地方自治体に号令をかけました。多くの市町村が、国保料(税)の高騰を抑え、自治体独自の減免などを行うため、一般会計から国保会計に国の基準(法定額)以上の公費を繰り入れていますが、民主党政権は、これをやめて、その分は「保険料の引き上げ」をするよう指示する「通達」を昨年5月に出したのです。さらに、「収納率向上」のかけ声のもとで、生活や営業が厳しくなり国保料(税)を滞納せざるを得なくなった人に、救済の手を差し伸べるどころか、なけなしの預貯金や家電製品まで差し押さえるなど、無慈悲で強権的な「取り立て」が全国で横行しています。
 国民健康保険は、「社会保障及び国民保健の向上」(国保法第1条)を目的とし、国民に医療を保障する制度です。その制度が、国民の生活苦に追い打ちをかけ、人権や命を脅かすことなどあってはなりません。日本共産党は、国民の命と健康、暮らしをまもり、国保の本来の役割を取り戻すため、国、自治体にたいし緊急に以下のことを提言します。


1 国による国保料(税)値上げの押しつけをやめ、引き下げに転換する
  国は、国保料(税)値上げ「通達」を撤回し、引き下げの緊急対策を
 政府の指示どおりに市町村の独自繰り入れがなくなれば、国保料(税)は、全国平均で1人1万円の値上げ、東京都の市区町村では平均で1人3万円、4人家族で12万円という大負担増です。政府は、市町村が住民負担を軽減すると「格差」が生まれ、政府が推進しようとしている「国保の広域化」の障害になると言います。「悪い」方に合わせるのが「格差是正」という、とんでもない「言い分」で、値上げを押しつけるなど許されません。
 民主党は、「政権交代」が実現したら国保に「9000億円」の予算措置を行い、国民の負担軽減をはかると国会でも主張していました。ところが、いまは自公政権と同じ、際限なき負担増路線に足を踏み入れています。
 日本共産党は、国保料(税)の値上げを指示した「通達」を撤回し、国の責任で緊急に値下げすることを要求します。民主党が公約した「9000億円」の半分以下の4000億円でも、これを投入すれば、国保料(税)を1人1万円、4人家族なら4万円、引き下げられます。2011年度予算で実施しようとしている大企業・大資産家への2兆円もの“減税バラマキ”をやめれば、国保料(税)の引き下げはただちに実施できます。


 市町村・都道府県の国保料(税)軽減の努力を推進する
 国保の運営主体である市町村が、国の圧力に屈服するのか、住民の立場で国保料(税)値下げ・抑制の努力を続けるのかも問われています。この間、福岡市、所沢市新座市北名古屋市などで、住民運動日本共産党の連携を力に、国保料(税)の値下げが実現しています。住民の生活破壊をくいとめ、滞納の増加を防ぐためにも、一般会計の繰り入れや基金の取り崩しなど、独自の努力を行うことが求められます。また、低所得者や失業者に対する国保料(税)の減免を改善・拡充することや、国保法第44条にもとづく窓口負担の減免制度を活用してお金がなくて医療を受けられない人を出さないために努力することも大切です。
 都道府県の役割も問われます。市町村国保に独自補助を行う都道府県は、2000年度の38都道府県から2010年度は12都府県に減少し、総額も、322億円から84億円に激減しました。さらに、多くの都道府県が、政府の号令に従って、市町村国保の「広域化」を「指導」するなど、国と一体となって、国保料(税)の値上げを主導しています。
 大阪府橋下知事は、民主党政権の「国保広域化」に飛びつき、「保険料をバシッと決めて、赤字繰り入れをやめるべき」(2010年7月22日 知事と市町村長の協議会)などと、国保料(税)値上げ押しつけを国と一体になってすすめています。「減税日本」を標榜する名古屋の河村市長も、国保料(税)値上げを繰り返した自民党市政と同じように、昨年、「市長告示」で値上げを強行しました。
 地方選挙を前に、にわかに「減税と改革」を言い出す勢力が増えていますが、地方行政で、最大の増税・値上げとなっている国保料(税)に対して、国に追随して値上げをすすめるのか、住民の立場で値下げの努力をするのかは、自民党民主党を名乗れなくなった看板だけの「改革者」なのか、国民、住民の手に政治を取り戻すためにたたかう本物の改革者であるかを見分ける試金石です。


2 強権的な取り立て、保険証取り上げをやめ、国民の生活と健康を守る国保行政に
  住民をさらなる貧困にたたき落とす、非道な差し押さえをただちに中止する
 大阪市では、生活苦や経営難のなかでも役所と相談して分割納付をしている人にも、次々と“滞納分を全額払わないと財産を差し押さえる”という督促状が突き付けられ、受験生の子どもをもつ自営業者に“学資保険の差し押さえ”を通告するという事例も起きています。
 「銀行口座に振り込まれた給与10万円から9万円を差し押さえ」(京都市)、「給与や子ども手当を予告なしに差し押さえて預金残高をゼロに」(大分県)など、“生計費の差し押さえ”も各地で横行しています。給与・年金の生計費相当額や、子ども手当などの給付は、法律で差し押さえが禁止されているにもかかわらず、銀行口座に振り込まれた瞬間から「金融資産」と強弁し、差し押さえる脱法行為が、全国で拡大しています。地方税と一体で国保料(税)の強権的な取り立てが広がっているのです。
 年金を差し押さえられた高齢者が自殺に追い込まれたというNHKの報道が全国に衝撃を与えています(2月2日、「あさイチ」)。「銀行口座を『凍結』され、年金を引き出せなくなった高齢者が餓死死体で発見される」(千葉県)、「営業用の自動車を差し押さえられ、商売ができなくなった業者が一家心中」(熊本県)など、痛ましい事件が続発しています。生活困窮者から“最後の糧”を奪いとり、貧困と絶望にたたき落として、自殺や餓死にまで追い込む――こんなことは、どんな理由があっても許されません。まして、行政機関がやるなどというのは言語道断です。


国による、強権的な取り立て、保険証取り上げの押しつけ政策を転換する
 強権的取り立ての大本にも、国の方針があります。厚生労働省は、自治体の担当者を集めた「研修会」で、預金・給与の口座凍結や、家宅捜索による物品の押収とインターネットによる公売、介護サービスの停止など、強権的な取り立ての“模範例”を示しています。その中では「生活の足の車にタイヤロックをかけてしまう」「倉庫に保管する必要もないし、簡単にできる」という方法まで奨励しています(07年11月)。
 強権的で過酷な取り立て強化は、収納率の向上にもつながっていません。国保料(税)収納率は80%台に落ち込み、最低を更新し続けています。負担が重すぎて払えないという根本原因を改善しないまま、脅迫まがいの督促や差し押さえを強化しても、住民を貧困に追い込み、苦しめるだけです。
 国は、人権を無視した強権的な取り立てを自治体に奨励する行政指導をただちに中止・撤回するべきです。
 国保証の取り上げは、国民的な批判が高まり、減少していますが、正規の保険証が発行されない世帯は引き続き159万にのぼり、受診抑制による重症化・死亡事件が全国で起こっています。保険証取り上げの制裁措置を規定した国保法第9条を改正し、保険証取り上げをきっぱりとやめるべきです。


国いいなりの徴収強化ではなく、住民の生活実態に即した相談・納付活動を
 各都道府県では国の号令を具体化する指針がつくられ、「収納率の格差是正」「徴収の強化」などを市町村に“指導”する動きが加速しています。さらに、総務省が出した税徴収の委託推進方針を受けて、国保税・住民税などの徴収業務の民間委託が広がり、「地方税回収機構」などの広域徴収機構が各地でつくられています。地方自治体は、国の悪政の下請け機関であってはなりません。自治体のあり方が問われています。国いいなりに差し押さえなどの「収納対策の強化」に乗り出すのではなく、住民の生活実態をよく聞き、親身に対応する相談・収納活動に転換すべきです。生活困窮者に対する機械的国保証の取り上げをやめ、住民の医療保障を最優先にすることを求めます。14・6%というサラ金なみの延滞金を減免する制度を生活困窮者に適用すべきです。自治体が住民の生活実態に即した相談・収納活動をできるよう、体制整備を支援する国の制度も必要です。


3 国庫負担を計画的に復元し、安心できる国保制度に改革する
 国保の財政悪化と国保料(税)高騰を招いている元凶は、国の予算削減です。1984年、当時の自民党政府は、医療費の「45%」とされていた国保への定率国庫負担を「38・5%」に引き下げる改悪を強行し、その後も、国保の事務費や保険料軽減措置などへの国庫負担を縮小・廃止してきました。その結果、国保の総会計に占める国庫支出の割合は、1984年度の50%から24・1%(2008年度)に半減しています。
 こうした国庫負担の削減が、「国保世帯の貧困化」と一体に進んだことが事態をいっそう深刻にしています。20年前は240万円だった国保加入世帯の平均所得は、09年度には158万円にまで落ち込んでいます。自営業者や農家の経営難とともに、低賃金の非正規労働者や、失業者、年金生活者などの「無職者」が国保加入者の7割以上になるなど、加入者の所得低下がすすんだのです。その同じ時期に、1人当たりの国保料(税)は6万円から9万円へと跳ね上がりました。これでは滞納が増えるのも当然です。いまや国保は、財政難、保険料高騰、滞納増という「悪循環」を抜け出せなくなっています。
 低所得者が多く加入し、保険料に事業主負担もない国保は、適切な国庫負担なしには成り立たない――これはかつて、政府も認めていた国保財政の原則です(社会保障制度審議会の勧告、1962年)。「国保の国庫負担増」を政府に求める市町村議会や首長の意見書は、昨年1年間だけで150件を超え、その多くが1984年の改悪前の水準に戻すことを要求しています。全国知事会全国市長会などの地方6団体も、昨年12月、「国庫負担の増額」を求める連名の決議を採択しています。
 この道しか国保問題の解決はありません。市町村国保の国庫負担を計画的に1984年改悪前の水準に戻す改革を進め、所得に応じた保険料(税)に改めることで、滞納もなくし、持続可能な国保財政への道を開きます。
 社会保障・住民福祉として国保制度を再建するのか、それとも、負担増と徴収強化の路線を継続・拡大するのか、いま国保は大きな分岐点に直面しています。国保制度の改善を求める世論と運動が各地で広がり、国保料(税)の値下げをはじめ重要な成果をあげています。住民のくらしと健康、権利をまもる国保制度にしていくために、国民的な共同を広げようではありませんか。日本共産党は、その先頭にたって奮闘します。


■メディア時評
【新聞:憲法問題にみる地方紙の奮闘(金光奎)】
(内容要約)
・九条改憲論にまともな批判をしない全国紙への批判と、全国紙に比べればずっとまともな地方紙への賞賛。すでに共産党やその周辺の支持者が
「個々の記者はともかく」朝日や毎日に対し「右翼批判(右翼的改憲論批判に限らず)」という面でほとんど何も期待していないことは言うまでもないと思う。産経や読売などは論外だが。


【テレビ:橋下人気とテレビの責任(沢木啓三)】
(内容要約)
id:kojitaken氏や辺見庸氏曰く「テレビががひり出した糞」橋下におべんちゃらしか言わないテレビへの批判。


■文化の話題
【美術:広場のような展覧会(朽木一)】
(内容要約)
日本アンデパンダン展(http://www.nihonbijyutukai.com/anpan/anpan1.html)の紹介。
「広場のよう」というのは会場が広いというよりは、自由出展制なので多種多様な作品があるという意味です。


【音楽:山形弦楽四重奏団を聴く(小村公次)】
(内容要約)
・筆者が聞きにいたのは4/28(土)に山形県郷土館「文翔館」(旧県庁舎及び県会議事堂)の議場ホールで行われたコンサート。
・聞きに行った理由は
『壺井一歩/弦楽四重奏曲第2番 (1997/2011改訂)〜改訂版初演〜』
『林光/弦楽四重奏曲 「レゲンデ」〜林光先生追悼』
『紺野陽吉 弦楽三重奏曲より第2楽章』(アンコール時の予定演目*4)だとのこと。


参考
【山形弦楽四重奏団について】
山形弦楽四重奏団公式サイト:http://www.yamagata-sq.net/


【壺井一歩、林光、紺野陽吉について】
壺井氏のサイト:http://ippotsuboi.kumogakure.com/

朝日新聞「作曲家の林光さん死去 多くの日本語創作オペラ生む」
http://www.asahi.com/obituaries/update/0107/TKY201201060748.html


らびおがゆく Vol.3(山形弦楽四重奏団ビオラ奏者・倉田譲氏のサイト)

http://blog.goo.ne.jp/lavio3/e/c5bf882b096a71be5dcb63d1f958a2a8
紺野陽吉さんを知りませんか??
 いつも私のブログを眺めて下さっている方々に感謝と共に、お願いがあります!!
 紺野陽吉さんの事を調べています!
 紺野陽吉さん(1913.5.16〜1945.10.13)は、大正2年生まれで昭和20年に旧満州牡丹江で亡くなったと戦死公報にあるとききました。出生地は山形県西置賜郡東根村大字畔藤(現・西置賜郡白鷹町畔藤)2778です。旧制長井中学校に通っていたそうです。
 何故この方の事を調べているかというと、『山形県を代表する作曲家佐藤敏直氏*5』の師匠・清瀬保二氏に出征前日に置いていった遺稿がこのたび発見されたそうで、その作品は、木管トリオ、弦楽三重奏曲とヴァイオリンとチェロのニ重奏曲の3作品あったそうです。その楽譜に書かれた作品の素晴らしさ故に、何の資料も残されていない紺野陽吉さんの事を調べるに至っているわけです。
 周辺作曲家の事を調べている間にたびたび名前は出てきても、その経歴など乏しい資料しか無く、山形県民の皆様、特に置賜地方に住んでいる方々に協力して欲しいのです。先の戦争のために大作曲家になるかもしれなかった彼は命を奪われたのですが、歴史に埋もれさすには、心が痛みますし、何とか復活演奏も含めて力になりたいと考えています。
 紺野陽吉さんを直接知っている方は、かなり御高齢だろうし、写真1枚見つかっていない状態なので、どうか!!どうか!!協力していただきたいと思っています。
 山形県には、優れた作曲家がまだいたんだ!と何とか音楽ファンのお力をお借りできたら、こんなに嬉しいことはございません!
 もし、何かありましたら、このブログにコメント寄せていただいても、山形弦楽四重奏団のHPからメールをいただいてもかまいません!
 よろしくお願いします!!!!!!!!!!!!!!!

「山形すげーんだぜ」と書いてみる。このネタはわかるひとにはわかる。


【演劇:劇団NLT公演『幸せの値段』(水村武)】
(内容要約)
劇団NLTの公演『幸せの値段』の紹介。
ググって見つけた劇評を一つ紹介しておく。ちなみに筆者曰くこの『幸せの値段』は文学座によって『ミセス・サヴェッジ』の題名で上演されたことがあるとのこと。文学座*6とNLTの過去の因縁(あとで説明する)を考えたら、比較対照してくれると面白いのだが、文学座の方は筆者はみそびれてしまったとのこと。
 まあ、今はその種の因縁など過去のものだろうが。分裂劇時代の人間には既に亡くなってる人間も多いし。

http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/archives/51795676.html
 作品は1950年アメリカでの初演で、無声映画時代から活躍した名女優リリアン・ギッシュが主演した佳作。60年の時を経て、コメディに定評のある劇団NLTによる上演となった。
 演出は日本と米国をまたにかけて活躍するデボラ・ディズノーで、時代を1950年から現代に移した。エセル役を演じるのはベテラン木村有里というから期待しないわけにはいかない。
 舞台はアメリカの高級精神病棟。ある棟のリビングルーム。明るい色の壁、美しい庭に通じる大きな窓、本棚、ソファー、電子ピアノ、大型テレビがある。
 この「サンシャインハウス」に連れてこられたのは大富豪の妻エセル・サヴェッジだ。夫を亡くしてからの彼女の金遣いを問題視した息子たちが押し込められたのだ。「夢を叶える」手伝いをする基金を設立し10億ドルの資産を注ぎ込もうとする計画は、見る人がみれば「気が狂った」ととれるかもしれない。
 息子や娘は前妻の子で、エセルとの関係は微妙。また、施設には様々な問題を抱えた人々がいるが、明るく愛情に溢れたエセルは彼らに受け入れられていく。
 そして、施設の厳重なセキュリティの中からエセルは息子たちの仕打ちに応戦を始める。親子の攻防となる。果たしてエセルはサンシャインハウスから出ることができるのか。
 エセル役の木村有里は、上流夫人をやらせたら右に出るものはない。説得力のある演技と軽やかな持ち味で演じた。ユーモアなのか狂気なのか判断が付かないようなエセルの個性が、この芝居のみどころのひとつだ。
 また、エセルに翻弄される兄弟3人が三様に母と接して面白い。長男タイタンの川端槇二は上院議員の貫禄を持ちながら、エセルに対する時には「子供だったこと」をうっすらと感じさせて巧い。お色気たっぷりの娘リリーベル役の佐藤まりはハイヒールで闊歩しながら、エセルと激突。兄に話を取られる時の表情など細かい演技をみせた。次男サミュエルの渡辺力は検事でありながら控えめな末っ子らしさを出した。
 エセルの世話をする看護士役の眞継玉青は仕事をてきぱきとこなしながら憂いを帯び、キーパーソンを印象的に演じた。また、秘書的な堅い服装が美貌を際立たせた。サンシャインハウスの優しい住人達と一緒にいることにも幸せを見出したエセルに、外に出てやるべきことをやるのだと諌めるドクター・エメット役は手堅い演技の加納健次。
 エセルは統計学者だった男に、内臓や目など肉体の評価額として100万ドル以上の値打ちがある人間はいないといわれる。「私にはそれだけの価値しかないのか」としょげるエセルに、統計学者は「“値打ち”と“価値”は違いますよ」という。
 それぞれに傷を持ったサンシャインハウスの住人たちと周囲の人々、活き活きとした老婦人ををコミカルに描きつつも余韻が残る物語だ。

【参考:NLTと文芸座の因縁】

劇団NLT(ウィキペ参照)
 1964年、「喜びの琴事件」をきっかけに文学座を退座した三島由紀夫賀原夏子中村伸郎南美江丹阿弥谷津子矢代静一らにより、「グループNLT」として結成。NLTとはラテン語「Neo Litterature Theatre」(日本語では新文学座)の頭文字をとったもので、名付け親は岩田豊雄ペンネーム獅子文六)。1968年、三島、中村、南らが賀原らとの路線対立から「グループNLT」を脱退、「浪曼劇場」を結成したことにより、現在の「劇団NLT」に名称を変更した。
 賀原を中心として、主にブールヴァール(フランス喜劇)を上演。賀原の死後も、この路線は踏襲されている。

「喜びの琴事件」(ウィキペ参照)
 文学座により公演が予定されていた三島由紀夫の戯曲『喜びの琴』が、同劇団内での思想上の行き違いを理由に公演中止となり、それをきっかけに同劇団の幹部・中堅座員が1963年(昭和38年)12月に集団脱退した事件。

■経緯
 1963年(昭和38年)11月20日杉村春子長岡輝子文学座劇団員の臨時総会が開かれ、話し合いの末、『喜びの琴』上演保留を決定。翌日、戌井市郎理事らが、その上演保留決定を三島に伝え申し入れた。三島は、保留ではなく中止とすることで証書を取り交わした。そして11月25日、三島は戌井市郎理事に文学座退団を申し入れ、11月27日の「朝日新聞」紙上に、評論『文学座の諸君への「公開状」 ― 「喜びの琴」の上演拒否について』を発表し文学座執行部を批判した。また、矢代静一、松浦竹夫も文学座退団を声明した。
 同年12月、青木平義、奥野匡、荻碰子、賀原夏子、北見治一、丹阿弥谷津子、寺崎嘉浩、中村伸郎、仁木佑子、真咲美岐、南美江、宮内順子、水田晴康、村松英子らも文学座を正式に脱退。1964年(昭和39年)1月10日に脱退者によりグループNLT(1968年に劇団NLTとして再編)が設立され、岩田豊雄ペンネーム獅子文六)、三島が顧問として迎えられた。
 『喜びの琴』は後に1964年(昭和39年)5月7日に、日生劇場浅利慶太の演出により上演された。
■争点
 劇中での主人公の公安巡査・片桐の台詞、「国際共産主義の陰謀ですよ。あいつらは地下にもぐつて、世界のいたるところで噴火口を見つけようと窺つてゐるんです。世界中がこの火山脈の上に乗つかつてゐるんです。もしこの恣まな跳梁をゆるしたら、日本はどうなります。日本国民はどうなります。日本の歴史と伝統と、それから自由な市民生活はどうなります。われわれがガッチリ見張つて、奴らの破壊活動を芽のうちに摘み取らなければ、いいですか、いつか日本にも中共と同じ血の粛正の嵐が吹きまくるんです*7。地主の両足を二頭の牛に引張らせて股裂きにする。妊娠八ヶ月の女地主の腹を亭主に踏ませて踏ませて殺す。あるひは一人一人自分の穴を掘らせて、生き埋めにする。いいかげんの人民裁判の結果、いいですか、中共では十ヶ月で一千万以上の人が虐殺された。一千万といへば、この東京都の人口だ。それだけの人数が、原爆や水爆のためぢやなくて、一人一人同胞の手で殺されたのだ。それが共産革命といふものの実態です。それが革命といふものなんです。こんなことがわれわれの日本に起つていいと思ひますか」などの反共的文言が含まれる巡査との会話のやり取りを、「どうしてもできない」と、日本共産党支持者の座員・北村和夫*8が訴えたという。

・北村氏が特に有名なだけで他にもそう言う面子はいたんだろう。俺だって嫌だよ、そんな右翼芝居。
・浅利(劇団四季創設者)は中曽根ブレーンで「安倍の教育再生会議委員の一人」だからな。そういうのに何の抵抗もないのだろう。

浪曼劇場(ウィキペ参照)
 1968年に結成、1972年解散。
 1963年、『喜びの琴』事件をきっかけに文学座を退座した三島由紀夫矢代静一賀原夏子中村伸郎らは、1964年にNLTを結成、独自の演劇活動を開始する。
 しかしNLT内部で、路線対立が起こる。海外の喜劇作品を中心としたレパートリーを志向する賀原(NLT代表)らと、三島作品を中心としたレパートリーを望む中村らとの演劇観の違いから、NLTは分裂した。NLTでは顧問(相談役)として裏方に徹していた三島は、表面に立って「三島由紀夫を中心とする劇団」の結成に踏み切ることとなり、1968年4月、NLTから脱退して劇団浪曼劇場の旗揚げを宣言した。
 旗揚げ公演は翌1969年1月、三島の書き下ろしによる『わが友ヒットラー』。その後も、『朱雀家の滅亡』、『サド侯爵夫人』、『薔薇と海賊』など、三島作品を中心に上演を続けるが、1970年11月25日、三島が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で衝撃的な自決(三島事件)を行ったことで、劇団は大きく揺れた。
 三島自決以前より、決定していた1971年3月公演の『サロメ』は、急遽三島由紀夫追悼公演となった。公演が行われた紀伊國屋ホールには多くの観客が詰め掛け大盛況となったが、精神的支柱であった三島を突然失ったことで、劇団運営の行く末は全く見えなくなった(経緯は、弟子の村松英子による回想『三島由紀夫追想のうた』(阪急コミュニケーションズ)に詳しい)。
 結局、1972年、劇団浪曼劇場は解散。実質的な活動期間は、わずか3年足らずだった。主な参加者は各自で、演劇人として活動した。


本当に三島ってがちの右翼なんだな(文学座を脱退してNLTに参加した人間、特に三島の「浪曼劇場」に参加せずにNLTに残った人間は必ずしも右翼ではないだろうが)。
ちなみに文学座はこの1年前にも座員の大量脱退劇という悲劇(?)に見舞われている。

劇団雲(ウィキペ参照)
 1963年1月に結成。1975年解散した。
■概要
 1963年1月14日、芥川比呂志*9以下、「文学座」の中堅・若手劇団員29名は文学座に退団届を提出し、元文学座文芸部員で評論家の福田恆存と、財団法人「現代演劇協会」を設立し、同協会附属の「劇団雲」に全員参加することを表明した。
 この集団脱退劇は、日本の演劇界始まって以来の大事件として多くのマスコミも関心を寄せた。脱退に至るまでの行動はすべて極秘裏に進められ、文学座幹部の中村伸郎杉村春子らには、まさに寝耳に水で、当日、1月14日に毎日新聞朝刊がスクープするまでこの計画を察知できなかった。「文学座」集団脱退の背景には、ベテランと中堅・若手陣とのズレがあったと言われる。既に1962年の『守銭奴』公演中、楽屋に、「演目の決定は劇団員の総意を反映させよ」「馴れ合いの配役反対」などと書かれた現状不満を訴える無署名のビラが張り出される事件が起こっていた。
 1965年、芥川が病気療養から舞台に復帰し、翌年に遠藤周作作『黄金の国』で初めて演出を手掛けた。この頃から、「両雄並び立たず」で、福田と芥川の演劇観の違いが表に現れる。
 1967年、福田は現代演劇協会内に、「劇団雲」とは別に新たに「劇団欅」を結成した。次第に「雲」=芥川派、「欅」=福田派という色分けが鮮明になる。
現代演劇協会・「雲」の分裂
 1974年から1975年にかけて、現代演劇協会常任理事・向坂隆一郎による、協会所属俳優の外部出演をマネージメントする映画放送部門の会社化の提案を巡って、賛成の芥川と、反対の福田の意見が真っ向からぶつかり、これを機に、福田と芥川の対立は激化し、表面化することになる。
 同時期に、福田は、「雲」と「欅」を一度解散し、両劇団の俳優をまとめて新たな劇団を立ち上げる統一劇団構想を表明、現代演劇協会の協会員にこの計画に関するアンケートを実施した。これに、「雲」所属の俳優の多くが反対したため、統一劇団構想は福田から一旦取り下げられたが、この対立はそれまでに蓄積された福田と芥川の演劇的方向性の違いもあり、この騒動の最中に山崎努加藤治子が退団したり、翌1976年度の公演レパートリーも決定できない状態になるなど、協会全体を巻き込む事件となった。
 1975年7月31日、舞台『美女と野獣』公演終了直後、ついに芥川以下、仲谷昇神山繁岸田今日子*10ら「雲」の大半の俳優が現代演劇協会に退会届を提出し、翌8月1日、「演劇集団 円」結成を表明した。芥川は「円」結成の記者会見で、「福田理事長を頂点とするピラミッド型の組織の中では、もはや創造的な活動は困難であると判断して新しい集団の結成に踏み切った」と、福田との溝の深さを吐露した。
 一方の「雲」及び「欅」は同年末をもって解散し、翌1976年1月、「雲」の残留派と「欅」を統合し、現代演劇協会附属「劇団昴」を新たに結成、芥川らが去ったことにより、福田の統一劇団構想は結果的には実現した。なお、名古屋章ら一部の俳優は、どちらにも属さずフリーの道を選択した。


■スポーツ最前線
「駅伝・リレーマラソンの魅力広がる」(鳥井健次)
(内容要約)
最近、駅伝やリレーマラソンがブームと言うことで、「その一つ」日本共産党の友好団体「新日本スポーツ連盟」の活動紹介。
具体的には「ふれあい赤羽駅伝」「青葉の森リレーマラソン」など。

*1:著書『消費税が日本をダメにする』(2012年、新日本出版社

*2:著書『富裕者課税論』(2009年、桜井書店)

*3:いわゆる水谷建設ヤミ献金疑惑

*4:個人的にはこういうアンコール予定演目の事前予告というのはなんか「アンコールを要求されてる感がして」もやもやするのだが

*5:山形県鶴岡市生まれ

*6:俳優座劇団民藝とともに三大劇団と言われる老舗

*7:日本共産党はそんなもの目指してねえっての。なめとんか。

*8:今はどうか知らんが、北村氏が当時、支持者とは知らなかった。つうか支持者じゃなくてもそんな右翼な芝居は普通の人間はやりたくないだろ。ただの誹謗中傷じゃん。つうか座員に支持者がいることぐらい知ってただろうし、嫌がらせか、三島?。汚いな、さすが三島、汚い。

*9:俳優、演出家。作家・芥川龍之介の長男。作曲家・芥川也寸志は弟

*10:ムーミンの「中の人」