今日のしんぶん赤旗紹介(4/21分) (追記・訂正あり)

■書評・今泉みね子*1脱原発からその先へ:ドイツのエネルギー革命』(2013年、岩波書店)(評者:上園昌武*2
 ドイツはなぜ脱原発を決めることができたのだろうか。
 日本では、「フランスから原発電力を輸入している」「再生可能エネルギーの普及で電気代が高騰して国民が反発している」などと噂が流される。
 しかし、本書はそのようなウソに真正面から反論している。全17基のうち8基の原発を停止しても、2012年のドイツの電力輸出は過去最高で、真冬の電力危機にあったフランスに大量の電力を輸出していた。再生可能エネルギーの普及を支援する賦課金は、一時的に電気代を値上げさせているが、長期的にはエネルギー自給による経済効果の方が遙かに大きく、経済合理的だという。
(中略)
 本書はドイツ在住の著者が長年の取材活動で得た知見に基づきながら、ドイツのエネルギー政策の特徴と背景を平易に紹介している。
 さらに、政策や取り組みの障害や課題にまで踏み込んでおり、福島原発事故を引き起こした日本のエネルギー政策の大転換への教訓となるはずである。

参考
岩波書店脱原発からその先へ:ドイツのエネルギー革命』
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0258820/top.html


【日曜版】

メディアを読む「なんと自衛隊ドラマ」(仲筑摩卓蔵)
 なんと、航空自衛隊の全面協力によると思われる連続ドラマが14日から始まりました。TBS系日曜劇場「空飛ぶ広報室」です。以前フジテレビ系で、海上保安官の活躍を描いた連続ドラマ『海猿』の影響で海上保安官の応募が増えたと言います。航空自衛隊は『二匹目のドジョウ』をねらったのではないかと評する向きもあります。

汚いな、さすが自衛隊汚い。とおちゃらけてしまったがマジレスするとこうした指摘は重要だと思う。こうした指摘には「考えすぎだ」などという人間がでてくるものだが、少なくとも自衛隊サイドは「自己宣伝やマスコミ懐柔に利用しようとしてる」のは当然だろう。
 「自衛隊ドラマ」自体は容認するとしても「ドラマが非常識な自衛隊万歳番組になってないか」「ドラマで自衛隊の協力を得るため、ニュースでの自衛隊批判を自己規制するようになっていないか」という注意が、テレビ局側にも視聴者側にも必要だろう。


【追記】
 コメ欄のご指摘に寄れば、現在公開中の映画「名探偵コナン 絶海の探偵」も自衛隊が登場し、当然自衛隊が全面協力だそうだ。
 うーん、見ないと何とも言えないが、こういうのは警戒の目で見ざるを得ないな。
 そういえば以前、スーパーゲームズワークショップエンタテイメント『壊される漫画家と盗まれる漫画家』(http://sgwse.dou-jin.com/Date/20120517/)が「青山剛昌は政府公報ポスターを嬉々として描く男」と批判していたが、青山とは「読者が喜べばいい」とか「売れればいい」とか言う人で、そうした「権力との距離感の取り方」について全く何も考えてない人なのだろう。

*1:著書『ここが違う、ドイツの環境政策』(2003年、白水社)、『ドイツ発、環境最新事情』(2004年、中央法規出版)、『クルマのない生活―フライブルクより愛をこめて』(2008年、白水社

*2:編著『先進例から学ぶ再生可能エネルギーの普及政策』(2013年、本の泉社)