■コール元独首相、意識不明で集中治療室 独誌報道も政府は未確認
http://www.sankei.com/world/news/150602/wor1506020034-n1.html
最近、「高倉健」とか「一時代を築いた人間がどんどん死んで」何というか複雑な心境ですがこのニュースが事実ならコール*1ももう余命は長くないんでしょうか。「85才」と言う年齢を考えれば今なくなっても不思議ではないですが。
■【日本の議論】世界の女性技術者・学者らが結集し、原発の必要性をアピール 「マスコミの恐怖報道にはうんざり…」
http://www.sankei.com/premium/news/150602/prm1506020006-n1.html
「女性ならではの視点」なんてもんが原発問題であるとも思えませんが。まあ、原発村サイドが「女性の視点」をアピールすることで反原発派に対抗しようとしてることは良くわかります。
しかし「場所が国立大学(政策研究大学院大学)」なのに「シンポジストが全員原発業界人」で「原発のすばらしさを訴える」て、それでいいんですかね。これが逆に「原発批判シンポ」だったら産経なんか確実に「国立大なのに偏向してる、政治的中立性に反する」とか言ってるでしょうにね。
世界原子力協会の共同創設者であるアニエッタ・リーシングさん(スウェーデン)は大学卒業後、銀行で働いていたが、「銀行強盗に遭い、『お金を出せ』と言われた。もっと安全な所で働きたくて原子力の分野に入った」と言って会場を笑わせた。
俺だったら「福島原発事故が起きた後でその冗談かよ、しかも日本で。不謹慎と違うのか?」と思いますが「いわゆる原発村の住人」は海外でも非常識なようです。もちろんこんな「笑えない冗談」を「ナイスジョーク」と記事にする産経もいつもながら気が違っています。
また「産経の記事を信じるならば」その場で誰も駄目出ししなかったようですから「駄目出ししないお仲間の皆さん」にも呆れます。
しかし、こう堂々と産経がためらいなく書いてるのを見てると「もしかしてこれをおかしいと思う俺の方が日本ではマイノリティなのか?」と少し不安になってきます。
リーシングさんは1986年のチェルノブイリ原発事故で、環境NGOが10万人にさまざまながんが発症したと吹聴しているが、甲状腺がん以外のがんが特に増えていないことが国連の科学委員会で実証されていることを説明。
がんの発生については正確な議論が必要なことは当然ですが「甲状腺がん以外は増えてない」とドヤ顔されても「何だかなあ」ですね。さまざまな増やさない努力の結果であって何もしないのに増えなかったわけではないでしょう。「そう言う努力をしてまで原発は推進すべきか」と言う問題の訳です。
「あまりにもマスコミが原子力を否定しがちで、恐怖を報道している。」(アニエッタ・リーシングさん)
スリーマイルやチェルノブイリ、福島のような大事故が起きれば批判報道もありますが正直、「否定しがち」なんて事実はないと思いますが。電力会社はどこの国でもマスコミにとって重要なスポンサーですし、原発推進は「推進国においては国策、国家プロジェクト」ですから。被害妄想でなければ虚言もいいところです。
「原子力は女性に向いたエネルギー、なぜなら知的なものだから。」(アニエッタ・リーシングさん)
産経の要約がおかしい可能性もありますが、この発言が事実なら「反原発の女性は反理性主義だというのか!」と原発批判派の反発買いますよ。
特に注目を集めたのは中国からの参加者だ。
西安交通大で原子炉工学を学び、北京原子力研究所(現中国原子力エンジニアリング社)で働いた経験もあるフランス電力中国支社最高経営責任者(CEO)のシュータン・ソンさんは「私は中国の原子力関係の女性を代表している」と自己紹介し、話し始めた。
中国は現在、世界最多の原子力建設計画がある。24基が建設中で、2050年には200基になるとも予測されている。
(中略)
中国の電源開発については「水力発電は低炭素だが、(適地が)ほぼ開発されている。中国は石炭だけの火力に頼っている。だから環境上の懸念が高まっている。そのため、原子力が持続可能で有効なエネルギー源となる。中国は巨大な電力需要がある。それに応えることができるのは、原子力を推進することだ」と強調した。
普段は中国をバッシングしまくってる産経が「中国は原発を推進しています」というのを原発正当化の理由にしてしまうのはすごすぎますね。まあ、世界の原発ビジネスにとって「今一番ホットな場所」「一番原発が作れそうな場所」が中国なんでしょうけど。
産経的には「原発推進」の方が「反中国」寄りは大事なんでしょう。
しかし「石炭火力ではCO2の問題がある」つうのは確かにそうですが「だから原子力」つうのは全く賛同できませんね。
■【正論】自衛官に力与える「安保」審議を 帝京大学教授・志方俊之*2
http://www.sankei.com/column/news/150602/clm1506020001-n1.html
(注:過去の自衛隊海外派兵で)自衛隊員に死傷者が出なかったのは現地部隊が指揮官を中心に全員が規律を守り、団結して士気高く行動したこと、そして「運」が良かったからである。
もちろん「現地自衛官の努力」「幸運」はあったでしょう。
ただ「安全地帯に行くという建前が一応あったこと」も大きいわけです。「戦場にがんがん行きます」というわけにはいかない。そう言う意味では過去の自衛隊派兵と「今後安倍がやろうとしている自衛隊派兵」とでは大分意味が違います。
それを「大して違いがないかのようにいう」産経と志方ははっきりいって嘘つきです。
本気でこんな事が安倍の安保法制正当化につながると思ってるんですかね。
先ず第一に海上保安官は何も「国外の戦場に行ったわけではない」。国外の戦場に行って戦死したのならともかく、日本周辺の海で「海難事故や密漁船船員による攻撃」などで死亡したからといって、何でそれが自衛官を戦場に派遣することの正当化とつながるのか。
第二にPKOというのは「一応停戦してる場所」ですが今回はそんな限定条件がない。
第三に「重武装の軍人が戦地に行く」のと「外交官や警官が戦地に行く」のと全然違うでしょう。
自衛官である以上、リスクは当然ある。だからこそ自衛官は「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える」と入隊時に宣誓しているのである。
リスクはあるといっても自衛隊は「専守防衛の軍隊」なんだから「米軍のように海外にどんどん行くこと」など自衛官は想定してないでしょう。今頃になって「危険を顧みずといったはずだ」なんてのは詭弁もいいところです。