【産経抄】8月3日
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130803/plc13080303080004-n1.htm
久々にぎょっとした。朝日新聞など一部メディアが繰り広げている「麻生太郎副総理ナチス発言」祭りに、である。きのうの朝日新聞を見ると、1、2面と政治、社会面、それに社説まで動員しての大騒ぎである。
ぎょっとするのは「朝日新聞など一部メディア」としてまるで朝日以外は批判してないかのように強弁する抄子の狂った脳みそですよ。むしろ産経のような麻生をかばうメディアの方が少ないのに(しかも後述しますがid:kojitaken氏が指摘するように朝日より読売や日経の方が麻生発言報道は早いんですが。朝日が口火を切ったわけでは全くありません)。
大騒ぎって仮にも財務相・副総理と言う重要閣僚がナチスを擁護してるとしか思えない発言すれば大騒ぎになるでしょうよ。騒がない方がおかしい。まあ、ナチス云々がなくても「こっそり改憲したい」と言うこと自体が問題ですけどね(しかも場所が国基研で同席者があの西村眞悟ですから)。
ただし「元首相、外相経験者、今も財務相・副総理という重要閣僚」が「ナチス賛美したこと」によってもっと酷い失言になった。
討論者の一人として参加した麻生氏は「(憲法改正は)喧噪(けんそう)の中で決めないでほしい」と改正積極派が多い聴衆に向かって何度も繰り返している。
この「喧噪の中で決めるな」って前後の文脈から考えて「サヨは俺達自民の改憲案に因縁つけるな!。黙って受け入れろ」と同じ意味なんですけどね。
「改正積極派が多い聴衆(というか国基研集会参加者なんて改憲派しかいないでしょうし、しかも極右しかいないでしょうが)」に「改憲反対派の意見も良く聞いて、謙虚な議論で決めましょう」「改憲反対派の議論に正論があれば受け入れましょう」「自民改憲案が完全無欠と思ったら大間違いだ」って呼びかけた訳じゃ全然ない。当然「改正積極派が多い聴衆」が怒るわけもない。
だから「ワイマール憲法はいつの間にか変わった。あの手口を学んだらどうか」って麻生は言ったわけですよ。
ま、そんなことは抄子も「百も承知、二百もガッテン」での詭弁でしょうが。
「ナチス発言」も彼特有の皮肉な口調で語られ、場内に笑いも起きたという。ある傍聴者は、「ナチスをたたえているようにはとても聞こえなかった」と話す。
kojitakenの日記
『稲田朋美が加藤紘一の実家の放火を笑った集会も「立ち上がれ!日本」だった』http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100414/1271249512
『麻生太郎の「ナチス妄言」への拍手で思い出した、稲田朋美の暴言に対する会場の爆笑』http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100414/1271249512
が紹介する稲田発言をどう思うか、抄子には聞きたいですね(小生も「会場の爆笑」からid:kojitaken氏同様、稲田発言を思い出しました)。
集会で笑いが起こったから「稲田の発言は暴言じゃない」とでも言う気でしょうか。
稲田の集会も、麻生の集会も「稲田や麻生と同レベルの人間が多い」「稲田や麻生同様、失言を失言と認識できない人間が多い」から笑いが起こっただけです。稲田の集会参加者もたぶん「加藤邸放火を喜んでるようにはとても聞こえなかった」「テロを容認しているようにはとても聞こえなかった」とか言って稲田をかばうんじゃないですかね。
酷い詭弁だな。どういう論理展開だよ。全く意味不明。問題があるから麻生も撤回したんだろうが。
しかも「今も報じてない」ならまだしも「シンポジウム翌日に報じてない」ですってよ、奥さん。今や麻生発言を全文掲載しているメディアがたくさんあるのにこの詭弁。ぶっちゃけ朝日が翌日に報じてなかったのって「麻生にびびってた」か「麻生に媚びてる」だけなんじゃないの?。最近の朝日はぶっちゃけ、安倍政権に全然甘いと思うぞ。
ちなみに朝日の報道が遅れたことについてid:kojitaken氏は
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130802/1375400741
今回気になったのはマスコミの反応だ。共同通信が記事を配信したが、真っ先に報じたのはなんとスポーツニッポン。読売と日経が続いたが、ネットでは目立ったもののおそらく紙面では小さい扱いだったに違いない。朝日は読売・日経よりさらに遅れた上に、当初両紙よりさらに抑制的な報じ方をしていたが、アメリカのユダヤ人系人権団体やドイツから麻生発言批判がなされると、大慌てで昨日(8/1)夕刊の1面トップに持ってきた。今朝(8/2)は社説で麻生太郎を批判しているが、初動の遅れはいかんともしがたい。
下種の勘ぐりをさせてもらうと、朝日の政治部長であり、政界で大きな動きがあるたびに紙面で目立つスペースにコラムを書く頻度が増えている「大記者」曽我豪が、かつて(2008年)『文藝春秋』に麻生太郎の「論文」を代筆したとされている人物であることと、今回の朝日の初動の鈍さが関係しているのではないか。朝日でさらなる出世を狙っている曽我豪にとって、この麻生発言は痛かったんだろうなと思う。
としています。まあ、産経のように「朝日が失言じゃないと思った*2から速報しなかった」と見るより、id:kojitaken氏のように朝日が「麻生をかばった」または「麻生にびびった」、でも「かばいきれなくなって批判した」と見る方が自然でしょうね。
印象操作も何もその辺の陣笠代議士、チンピラ代議士ならともかく「元首相」「橋本内閣経済企画庁長官、小泉内閣総務相、第1次安倍内閣外相などを歴任し、現在第二次安倍内閣財務相・副総理」なんて「政府、自民党幹部」がこんな発言をすれば「自民党改憲派=ナチス支持者」と思われても自業自得でしょうに。そう思われたくなかったら最低限、麻生を財務相から更迭すべきでしょうよ。かばってる時点で論外。