今日の産経ニュース(11/5分)

■【アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(1)】行商してみたら「貧しい中国人だ!」と言われ(苦笑)…研究はゲンバで起きている*1 立命館大准教授、小川さやかさん*2

http://www.sankei.com/west/news/141101/wst1411010006-n1.html
小川
 文化人類学をやりたくて入った京都大大学院のアジア・アフリカ地域研究研究科は、ある程度の座学を終えたら、いきなりフィールドワーク(臨地研究)に出されるのが伝統です。アフリカの都市経済に興味があったので、アフリカを考えました。タンザニアを選んだのは、たまたま指導教官の研究テーマだったから。
(中略)
 最初は、公的な職能訓練機関が少ないアフリカで発達した徒弟制度に興味があったので、大工や家具職人の親方にお願いして弟子入りしようとしました。
(中略)
 ただ、快く受けてくれたのですが、仕事はさせてくれない。当時20代前半でしたが「こんな小さな女の子に任せられるか」と。これではだめだと思っていたところ、職場に出入りする行商人に興味を持ちました。
 現地では行商人は女性も多いと聞き、やってみようと思いました。
(中略)
 外国人女性の行商は私以外はおらず、話題になりました。
(中略)
 そのうち現地新聞の記事になりましたが、そこでは「親に勘当され、アフリカにやってきた中国人女性が行商で生計を立てている」と勝手に物語をつくられて紹介されました。  

 「取材もしないでデタラメな記事書くな」と思いますがそれはともかく。まあ、タンザニア人にしてみれば日本人と中国人の区別なんかつかないし、「日本人がこんなところで行商なんかやるわけがない、たぶん中国人だ」とでも思ったんでしょうか。


■【アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(4)】賄賂も立派な“経済活動”「先進国の常識を無理強い、ダメ」 立命館大准教授、小川さやかさん
http://www.sankei.com/west/news/141104/wst1411040005-n3.html

小川
 文化という言葉で、ある民族への固定観念を定着させてしまうこともある。ボツワナでは、ブッシュマンの生活を保護するため定住区をつくり、そこに移住させましたが、(中略)一方で、ケチャップライスを食べて学校で勉強したいという(注:定住区を好まない近代化志向の)ブッシュマンもいる。近代化と自前の文化のはざまで人々がどう新しい生活を創っていくのかを学ぶ必要があります。

 何もこれはブッシュマンだけの話ではなく「内モンゴルのモンゴル人」だって皆が皆遊牧したいわけではないでしょうし、チベット人も「チベット鉄道ができて嬉しい!。大きくなったら北京にでて働きたい。おらこんな村嫌だー、おらこんな村嫌だー、北京に出るだー(吉幾三風に)」て人もいるでしょう。何つうか、一部ウヨないし「ウヨにメンタリティが近い方々(例:I濱Y子教授)」は中国への敵意からかはたまた伝統文化への過剰な思い入れからか「内モンゴルの遊牧万歳」「チベットの伝統文化が漢民族に破壊されて嫌だ」みたいな非常識発言しててげんなりしますけど。


■【アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(5)】一夫多妻、〝女子割礼〟…安直な尊重「文化の違い」では、何も解決しない 立命館大准教授、小川さやかさん
http://www.sankei.com/west/news/141105/wst1411050007-n1.html

小川
 例えば、アフリカ諸国の一部などでは現在でも女子割礼(性器切除)*3を実施している地域がある。家畜や女性を他所からさらってくることが一人前の男とみなされる文化もある。でも、「すべての文化を尊重しましょう」という文化相対主義の立場に立つと、人権や生命にかかわる慣習を批判することは難しくなる面もあります。
 ただ、異文化の尊重は「文化が違えば何もできない」を意味しません。例えば、現地の女性は女子割礼をしないと結婚できないことになっている。ということは婚姻制度を考えなくてはならない。調べてみると一夫多妻制を取る地域。一夫多妻制は、ある意味で土地・財産の相続権と家事を妻たちで分け合う仕組み。ならば、これらの仕組みができたのはなぜかという背景の文化や社会構造の問題、価値観を解きほぐすことが必要。そこで長期のフィールドワークが重要になる。やはりともに暮らして理解し、そこから解決策を探るしかない。

「異文化の尊重は批判しないこととイコールではない」。当たり前のことですが「人権や生命に関わるチベットの慣習」「転生霊童や焼身自殺」を批判しない某人士を見てると実に新鮮に感じますね(某人士への皮肉のつもり)。

記者
 アフリカ研究でさらにテーマを広げているとか
小川
 いま注目しているのは、中国のコピー商品です。アフリカでは中国製のコピー商品が市場を席巻しつつあります。アフリカから膨大な数の零細商人たちが中国を目指し、コピー商品の買いつけに大移動しています。その動きや背景について調べたい。

「中国ってたくましいなあ」と改めて思います。


■【政治デスクノート】これが北朝鮮の「盗聴」実態 金丸氏*4「漏れちゃう」直後にノック、安倍氏「帰りましょう」に金正日氏は拉致を謝罪した
http://www.sankei.com/premium/news/141105/prm1411050002-n1.html

 会談で拉致問題を認め、謝罪しようとしない北朝鮮側に対し、(注:当時、官房副長官の)安倍氏は(注:北朝鮮に盗聴されてるであろう事を念頭にわざと)宿舎で「謝罪がないなら、平壌宣言への調印は止めて帰りましょう」と大声をあげ、その直後の協議で、金正日総書記が謝罪しています。

 何が何でも「安倍の功績」を宣伝したい産経らしい記事ですがぶっちゃけ訪朝前に「謝罪問題」についてもそれなりの決着がついてたと見るべきでしょう。安倍のホラ話、デマカセを産経が「デマと知りながら」宣伝してるという馬鹿げた話でしょう。
 ちなみに福田元首相(当時、官房長官)、飯島元首相秘書官が「訪朝前からもちろん生存拉致被害者の存在を認識してた」と後に証言してるのに対し、安倍は「訪朝するまで確信がなかった」と語り、事実上「蚊帳の外だった」事を認めています。こんな男が訪朝後、福田氏、飯島氏を差し置いて好き勝手言えるとも思えませんし、小泉首相だって最初から安倍なんて頼りにしてないでしょう。


■「短い実刑よりも治療」わいせつ行為の被告に再び刑猶予
http://www.sankei.com/west/news/141105/wst1411050032-n1.html
 猶予期間中に犯罪を犯した悪質性を考慮に入れても、「被告人は治療に積極的であり、実刑で治療に支障が出る恐れがあるので実刑は不適当」という話のようです。レイプなど重大な被害の出る性犯罪と違い「犯行は公然わいせつ(自分の局部を露出した)」「求刑も懲役4ヶ月と比較的軽い」ということを考慮に入れてもまあ、なかなか勇気のある判決とは言えるでしょう。
 これで「治療の成果が出ればいい」のですが。

*1:多分元ネタは「踊る大捜査線」の「事件は現場で起こってるんだ!」。

*2:著書『都市を生きぬくための狡知:タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(2011年、世界思想社)で2011年サントリー学芸賞受賞。

*3:最悪、感染症で死ぬ危険性がありますし、いずれにせよ健康の観点からは害しかない慣習です。

*4:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国会対策委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)などを歴任。副総裁時代に訪朝