政治漫才「都知事選」

ボケ「イヤー、明日からいよいよですね」
ツッコミ「そうですね」
ボケ「明日からいよいよリオ五輪
ツッコミ「都知事選や!」
ボケ「で、事前世論調査に寄れば一番有力なのが小池栄子候補だそうですね」
ツッコミ「イエローキャブか!。小池百合子*1や!」
ボケ「ただ僕は小池さんは評価してないんです。あの人非常に極右じゃないですか。日本のドナルド・花札といわれてる」
ツッコミ「トランプや!」
ボケ「で、ジャーナリストの江川紹子さんが記者会見で質問してましたが、小池さんは在特会という極右団体に招かれて講師をしたことがあると(たとえばhttp://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185408/2http://lite-ra.com/2016/07/post-2433.htmlhttp://www.huffingtonpost.jp/2016/07/08/koike-yuriko-conference_n_10879790.html参照)。在特会ってのは『在日韓国人釜山港へ帰れ!』などとヘイトスピーチを叫んでる団体なんですが」
ツッコミ「チョー・ヨンピルか!。釜山港限定じゃねえだろ!。まあ韓国人差別する極右団体つうのは君の言うとおりやけど」
ボケ「小池さんは江川さんに『在特会がどういう団体か知らなかった』と言ってますが本当か疑わしいし、仮に1億2345万歩譲ったところで都知事を目指すという、大臣経験者の政治家がそんな無責任でいいのかってことですよ。自分の講演先がどんな団体か調べるべきだし調べれば分かるはずですよ」
ツッコミ「1億歩でいいやろ、何やその中途半端な歩数。」
ボケ「小池さんの発言が仮に事実だとしても政治家として脇が臭すぎると思うんですよ」
ツッコミ「脇が甘過ぎるや!」
ボケ「わざわざ脇を舐めたんですか?」
ツッコミ「そう言う意味と違うやろ!。君の方こそ脇の臭いかいだんか!」
ボケ「しかも小池さんにはそうした極右な所だけじゃなくてカネの疑惑も実はあるんですね。ポラロイド紙の日刊ゲンダイhttp://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/186204)が報じてるんですが」
ツッコミ「タブロイド紙や!。ロイドしかあってないやないか!」
ボケ「政治資金の不正な私的利用の疑いがあると言うんですね。舛添前都知事とか兵庫の剛速球県議みたいな」
ツッコミ「号泣県議やろ!。剛速球県議って元高校球児か!」
ボケ「仮に小池さんが知事に当選しても、任期途中で『普通の女の子に戻りたい』と舛添さんのような引退会見する恐れがある」
ツッコミ「キャンディーズか!。そこは『普通のおばさんに戻りたい(都はるみ)』やろ!」
ボケ「ということで明日の都知事選は是非ともカネの疑惑などないクリーンな私、三波春夫に一票をお願いします」
ツッコミ「出馬してないやろ!。いい加減にしろ!(一呼吸置いて)どうもありがとうございました。」 

【追記その1】
 明日以降も都知事選で何か書くと思います。


【追記その2】
■五十嵐仁の転成仁語『都知事選の投票日を前に革新都政の復活を呼びかける』
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-07-30
 「失礼ながら」、左派とは言い難い候補で、左派以外(民進党、生活の党)も支持している鳥越都政では「革新都政の復活」とまでは言えないだろう、せいぜい「まともな都政の復活」とでも言うべきだと思います。
 とはいえそれ以外は全く五十嵐先生に同感です。
 特に

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-07-30
 最有力とされている女性候補は政治資金の不正使用や政治資金報告書の不実記載など多くの問題を抱えているにもかかわらず、ほとんど報道されませんでした。またも大新聞などのメディアは疑惑に口をつぐみ、報道を手控えるという誤りを犯しました。
 このような疑惑を抱えたまま都知事になっても、いつまた「政治とカネ」の問題が表面化するか分かりません。たとえ当選しても、そのうち爆発するかもしれない「時限爆弾」を抱えて都庁に入るようなものです。
 これで、4年の任期を全うできるのでしょうか。またもや「政治とカネ」の問題で行き詰まり、50億円もの大金をかけて知事選をやらなければならないなどということになってはたまりません。

という指摘(小池批判)には全く同感です。
 「安倍を首相にして恥じない日本社会」では正直「極右の小池という最悪の結果が危惧される」のですが、鳥越氏が勝った場合は勿論「仮に敗れた場合であっても」、鳥越陣営の選挙戦での取組を次に建設的な形で生かして欲しいと思います。


【追記その3】 
 大阪ダブル選挙での「8時の投票終了直後、NHKテレビが維新ダブル当確をうつ(バックの映像が『大河ドラマ』のオープニング)」みたいな悲劇を「小池主役」で見たくはない、せめて増田氏や鳥越氏が負けるにせよ接戦にしたい*2のですが事前世論調査が一寸「悲劇」を危惧させる結果なんだよなあ(ぼやき)。
 まあ、小生だけでなく鳥越陣営もそうした最悪の事態も覚悟した上で選挙戦を戦ってきたわけですし、その戦いを「仮に不幸にして負けたところで」今後に生かして欲しいと切に願いますが。 
 鳥越氏が敗れた場合、鳥越陣営(四野党や市民運動など)がやるべきことの一つはは勿論、新知事となる小池ないし増田への批判の準備でしょう。小池について言えば「在特会との交遊」など、批判のネタに事欠かない御仁であり、だからこそ「小池有利」という事前予測には日本人として心底恥ずかしく、悲しいわけですが。


【追記その4】
 「石原を4選させた都民」なので覚悟はしてましたがやはり「悲劇」が現実化すると悔しいし、悲しいし、空しいですね。「結局ただの人気投票なのか」「だから参院東京選挙区で朝日健太郎が出るのか」つう絶望感が強い。
 まあできれば「何とか鳥越氏に2位になって欲しいところ」ではありますが(追記:残念ながら3位でした)。
 しかしid:kojitaken氏もhttp://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160731/1469962805で書いてますが何故か今回は「通常通り大河で、当確はテロップ。8:45から選挙報道」じゃなくて特番なんですよねえ。大河やらないらしい。ぶっちゃけ特番なんて過去、「衆院選」「参院選」だけなんですが。石原、猪瀬、舛添の当選で特番なんかやってないですよ、確か。
 小池当選を見込んでの安倍への媚びでしょうか。
 とにかく鳥越陣営にはご苦労様と言いたいですね。もちろん「敗因分析*3」や「今後の小池との戦いの準備」は大事です。またこれを機に野党共闘をこわそうと画策してるらしい前原*4元代表、細野*5元幹事長ら、民進党内右派との対決の準備も必要*6ですが、まずは「ご苦労様でした」と鳥越陣営にはねぎらいの言葉をかけたいと思います。


【追記その5】

野間易通さんがリツイート
mold ‏@lautrea
開票率99%
小池 2,892,896
増田 1,780,946
鳥越 1,335,649

 うーん、3位で小池とはダブルスコアですか。残念ですな(絶句)。
 まあ色々理由はあるんでしょうが「今の自民には違和感あるけど、野党に投じたくない」つう「右寄りの方」がいて、そう言う方が「お維新」だの小池だのに投じるんでしょうか。実質自民と変わらないんですけどね。
 そう言う方をどうするかつうのが一つの問題なんでしょうね。正直俺みたいな人間からすれば「アホか、ふざけんな」つう気はしますがそれで終わらせるわけにも行かない。勝つためにはその辺りどうするかつう事が「大事なことの一つ」ではないか。いや答えはないですけどね。
 他は「ああやっぱ知名度なのか」とか「マスコミもろくに政治報道しねえし」とか。
 もちろん「政策その他」で鳥越サイドや野党に問題ないとは言いませんが、そういうことではないところ、つまり「知名度」とか「とにかく野党が嫌いだ(理由説明できないけど)」とか「マスコミイメージ」とか、いった極めて「論理的じゃないところ」「政策関係ないところ」で勝敗決まってる気がするんですよねえ。
 まあ平たく言うと「都民がバカ」てことなんですが。こういうと「選挙民バカにしてる」「責任転嫁してる」つう人がいるんですがバカはバカでしょうよ。バカをバカと言って悪いとは俺は思わない。
 ただ「選挙民がバカだから」で終わったら建設的じゃないんで「馬鹿な選挙民をどーやって利口にするか」とか「バカにも伝わるメッセージとは何か」とか言う話ですね。これまた答えはないですけど。

野間易通さんがリツイート
鰯(永遠のスイミー) ‏@sardinian1979
 同じ東京都民が3週前には蓮舫をトップ当選させてるわけだからね。普通に考えるとお前らどうしたいんだよって話だけど、小池百合子蓮舫が同じカテゴリに入る政治意識というものがあるということでしょう。

 つまり「女性枠」「芸能人枠」てことでしょうか。まあ蓮舫*7を肯定的に評価するにせよ、否定的に評価するにせよどう評価するにせよ彼女は小池のような極右じゃないですからねえ。
 蓮舫氏に政策的意味で近いのは誰が考えても「極右の小池よりはそうではない増田氏や鳥越氏」ですし、その上、蓮舫氏の所属政党は鳥越氏を支持してるわけです。「蓮舫トップ当選」からすれば、「苦戦はしても鳥越が勝てるんじゃ」「勝てないまでも健闘するんじゃ」と思うところですが、そうでない辺り都民のレベルの低さでしょう。
 別に蓮舫氏を否定する気はない(少なくとも小池よりはマシです)が「トップ当選も所詮政策じゃなくて知名度なんだよな」と思うとなんか空しくなります。
 こうなると「勝敗のことに話を限れば蓮舫氏がたてば良かったのか?」つう気もしますが、
1)ただ都知事選と参院選じゃ性格が違うので絶対に蓮舫氏が勝てると言い切れない(もちろん小池が蓮舫氏を強敵と見なし*8出馬を辞退する効果はありえますが)し
2)蓮舫氏の後釜をどうするか
3)「参院選落選した小池氏をそれなりに処遇した」共産のように蓮舫氏が不幸にして落選してもそれなりの処遇をする度量が民進党にあるか
つう問題があって彼女も出馬に踏み切れなかったのでしょう。あるいは岡田代表から「今後も党幹部として活動して欲しい、その為にはいかに首都のトップとはいえ都知事選に出たら当選しても党幹部就任には反対意見が出ると思うからでないでくれ」つう話があって「党幹部にも魅力がある彼女」が出馬をあきらめたのか。

【追記その6】
■リベラル21『民進党の責任は重大だ―後遺症が残る都知事選』(田畑光永
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-3650.html

 岡田克也*9代表が都知事選に立候補すべきであった。

 イヤー、リベラル21*10と田畑氏の非常識さが半端ないですね。
 「最大野党である以上敗戦の責任が一番大きいのは民進党だ」「今さら言っても仕方がないが参院東京選挙区トップ当選の蓮舫*11が出馬すべきではなかったか」ならまだ「是非はともかく」理解はできます。
 「岡田氏の出馬」なんて「現実性のないこと」を言って何か意味があるんですかね。しかも敗戦後に言って。これが「鳥越氏に失礼な事は自覚しているが、敢えて言いたい」と選挙戦中に言うならまだ筋も通ってるでしょうがね。
 なお、今回の選挙についての澤藤統一郎氏、五十嵐仁氏の見解(反省すべき点は大いに反省すべきだが全否定するのはおかしい)に大いに賛同するのでここに紹介しておきます。基本的に小生は「問題が何一つなかったとは言わないし反省は大いにすべきだともちろん思います」が、「今回の共闘を一定程度評価している」ので「小池当選を阻止できなかったと言う意味では何もできなかった自分を棚上げして」高見に立って偉そうに「野合だの何だの」鳥越陣営に抜かしてる「自称野党支持者」「自称アンチ自公」「自称アンチ小池、増田」は評価できません。典型的には宇都宮氏ですが。特に宇都宮氏が典型ですが「敗戦してから掌返しして悪口雑言すんな」て話です。
 「選挙中だから配慮した」というのは醜い言い訳でしょう。選挙後に悪口雑言するなら「選挙戦中にもそれなりの批判*12をすべきだ」し「選挙戦中に批判を控えてた」人間が敗戦直後、悪口するのは不誠実だと思います。

http://article9.jp/wordpress/?p=7261
 有権者は必ずしも理性的ではない。情報に操作され、たぶらかされるのだ。強いメッセージに踊らされ、つくられたイメージに流される。選挙結果はけっして冷静な選択ではない。民主主義とはそのよう危うさをもったものだ。
(中略)
 4野党の統一ができたのは大きな成果だ。この共闘関係を継続して、信頼関係を深めていくことが、今後の最大の課題だ。この点に揺らぎがあってはならない。これ以外に野党勢力を伸ばす方策もなく、改憲阻止の展望も開けてこない。
 しかし、期待されたほどの共闘効果は出なかった。各野党それぞれの支持勢力全体を統一候補者の支援のために総結集できたかははなはだ心もとない。そのような努力と工夫は十分になされたのだろうか。
(中略)
 負けた選挙、せめて教訓を酌み取りたい。

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
 郵政選挙と同様の構図と手法が目立ちました。
 自民党員でありながら自民党都連や都議会自民党を「敵」に見立てて自民党と対立しているかのような印象を与え、保守分裂選挙を演出して「組織対個人」という対立の構図を作り、「判官びいき」しやすい都民の心情に訴えたのです。既存の政治や勢力に縛られない「改革者」としてのイメージをアピールすることで、無党派層を中心に支持を広げることに成功しました。
 『朝日新聞』の出口調査では、無党派層の51%、自民支持層の49%、民進党支持者の28%、公明支持層の24%、それに何と共産党支持者でも19%が小池さんに投票し、社民支持層、生活支持層の2割弱の票も得ています。
(中略)
 野党が力を合わせて戦ったことには大きな意義があり、これからも共闘体制を維持する必要があります。同時に、4党支持層の票は鳥越さんでまとまらず民進支持層で鳥越さんに投票したのは56%にとどまるなど、力を総結集してさらに上乗せするという点では様々な課題が残りました。

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-08-03
 都知事選挙の結果について、ネットなどで様々な意見や総括が飛び交っています。とりわけ野党共闘と市民が擁立した鳥越さんが直前の参院選で(ボーガス注:参院東京選挙区で?)得た野党各党の合計票を大きく下回ったために、陣営内部での対立や紛糾が生じているように見えます。
 選挙の総括をめぐって事実認識や見解の相違が生ずるのはやむを得ないことですが、それが対立や分裂を生むことになっては困ります。この点を憂慮しつつ、都知事選挙はどのような視点から総括されるべきかについて、私見を述べさせていただきます。
 まず、基本的な視点です。今回の都知事選挙で有力3候補の1人を擁立して当選を目指し、カヤの外での独自の闘いを避けることができたことを評価したいと思います。
 それが可能だったのは、第1に、鳥越俊太郎という知名度のある素晴らしいジャーナリストが立候補を決断したからであり、第2に、民進党を含む野党と市民との共闘が実現して協力体制を組むことができたからであり、第3に、宇都宮さんの苦渋の決断によって分裂選挙を避けることができたからです。この3つの条件が揃わなかったら、野党共闘を成立させて当選を争う有力候補の一角に食い込むことは難しかったかもしれません。
 もちろん、選挙についてのきちんとした総括が必要であることは当然ですが、個人攻撃や誹謗・中傷にならないように十分に留意するべきです。あくまでも総括は団結を固めて前進するためになされるもので、団結を弱めて後退するような形になっては元も子もありません。
 第1に、今回の野党共闘と市民の統一候補となった鳥越さんは良く立候補したと思います。私も八王子市長選挙に立候補し、候補者活動がいかに過酷なものであるか、身をもって体験しましたから、その決断と勇気を高く評価したいと思いますし、これによって与野党*13相乗りや民進党の共闘からの離脱を防ぐことができました。
 惜しむらくは、年齢が高く健康面での不安を払しょくできなかったこと、出馬表明が遅かったために準備が不十分で、政策面で練られた対応を行えなかったことです。これらを含めてすさまじい個人攻撃の嵐が吹き荒れ、週刊誌による女性スキャンダルについての報道もありました。
 これらについての事実確認や対応の仕方についての検証は必要だと思います。しかし、その場合でも、より効果的に反撃し、ネガティブキャンペーンの選挙への影響を最小限に抑えるために何が必要だったのか、どう対応すればよかったのかという視点から総括されるべきではないでしょうか。
 第2に、野党と市民の共闘による知事選挙が実現したことの意義を高く評価しなければなりません。統一候補の擁立は1983年の社共統一候補だった松岡英夫さん*14以来のことでしたが、今回は民進党日本共産党社民党生活の党と山本太郎となかまたちの国政4野党に、東京・生活者ネットワーク新社会党緑の党グリーンズジャパンを加えた7党*15の共闘で、しかもこれに市民も結集したものでした。
 とりわけ、この共闘に民進党が加わり、国政レベルでの4野党共闘が維持されたことの意義は極めて大きなものがありました。それを実現するうえで発揮された岡田執行部のリーダーシップを高く評価したいと思います。
 惜しむらくは、連合東京が自由投票ということで組織として動かなかったこともあり、野党の総力が結集される形にはなりませんでした。この点でも問題点や不十分な点を検証することが必要ですが、互いに相手を非難するような総括は避け、より効果的に総力を結集するために何が必要だったのか、どうすれば良かったのかという視点を貫くべきではないでしょうか。
 第3に、宇都宮さんも立候補辞退を良く決断したと思います。立候補を表明したのは告示3日前というギリギリの時点で、その直後に鳥越さんの立候補表明をうけて辞退したために準備してきたポスターやビラなどすべてが無駄になり、多額の損失を出したにちがいありません。
 それにもかかわらず分裂を回避するための苦渋の決断を行ったことを高く評価したいと思います。悔しい思いもあったでしょうし、支援者を説得するのも大変だっただろうと思います。
 惜しむらくは、鳥越・宇都宮がタッグを組んで二人三脚で選挙を闘うことができず、宇都宮さんが最後まで鳥越さんの応援演説に立たなかったことであり、選挙が終わってから経過について微妙な発言を行っていることです。もちろん、すでに終わったことだから口をつぐめというわけではありませんし、宇都宮さんには当事者の一人として事実はどうであったのかを明らかにし、どこに問題があったのかを検証していただきたいと思います。
 その場合でも、鳥越さんの擁立に至る経過を宇都宮さんが「独裁」と発言しているのは残念*16ですし、(ボーガス注:宇都宮は橋下支持者だという誤解を与えかねないという意味で)橋下さんの番組*17にまで出て批判することが今後の運動にとっても、宇都宮さん自身にとってもプラスになるとは思えません。支援者間の非難合戦にならないように配慮しつつ、宇都宮さんの決断を生かすためにはどうするべきだったのか、鳥越勝利に貢献するために何をするべきだったのかという視点からの総括が大切なのではないでしょうか。
 これから事実を明らかにして問題点を検証する作業は本格化するでしょう。各方面から様々な意見が出されてくるに違いありません。
 しかし、鳥越さんは立候補するべきではなかった、野党は共闘するべきではなかった、宇都宮さんは辞退するべきではなかったなどという後ろ向きの意見には賛成できません。そのどれ一つが欠けても有力候補の一角を占めることはできなかったでしょうし、当選できると信じて選挙戦を戦うことは難しかったでしょう。
 革新都政*18の奪還は「夢」に終わりましたが、その「夢」を見せてくれたのは立候補を決断した鳥越さんであり、それを支援した野党と市民の共同であり、分裂を回避するための宇都宮さんの苦渋の決断でした。そのどれ一つが欠けても、「夢」を見ることは不可能だったのではないでしょうか。
 先の参院選での野党共闘は急いで建てた「プレハブ」のようなものでした。今回の野党共闘は突然訪れた嵐から緊急に避難するために建てた「掘っ立て小屋」のようなものだったかもしれません。
 それでも、暴風雨による雨露をしのぐことができました。それがなかったら、激しい雨に打たれて寒さに震え病気になっていたかもしれません。
 急いで建てたことに問題はなかったのですが、結局、グリーン・ポピュリズムの嵐によって吹き飛ばされてしまいました。問題は、もっと早くから準備をしてもっと頑丈な小屋を建てることができなかったという点にあります。
 選挙の総括によって教訓を引き出すことは必要ですが、それはあくまでも団結を強めて前進し勝利するためのものでなければなりません。分裂を引き起こして後退するようなことになれば、選挙での敗北に加えてさらにもう一度敗北することになります。
 選挙が終わっても、都民の手によって都民の手にクリーンな都政を取り戻すための闘いは続きます。 選挙の総括はこのような闘いの一環であり、次に勝つための条件を探りそれを生み出すための作業でもあるということを忘れないようにしたいものです。


■【都知事選】宇都宮氏、立候補中止の影に圧力 「これでは独裁だ」
https://www.buzzfeed.com/daisukefuruta/utsunomiya-talk-about-tochijisen?utm_term=.nhxYpaxaV#.vea7Rwvwr
 もうタイトルだけで絶句ですね。この記事での宇都宮発言が事実なら、鳥越陣営や四野党*19よりもむしろ「宇都宮氏の政治センスと誠実さの無さ」に絶句です。宇都宮氏がここまで酷い人だとは思っても見ませんでした。
 この記事についてる一部のブクマが宇都宮に共感するとか抜かしてるのは理解できません。まあ「共感する」ブクマつけてる連中のかなりの部分は「とにかく鳥越陣営に悪口が言いたいだけの野郎(小池や増田支持?)」でしょうが。
 http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20160129/3240158919でも触れましたが「苦渋の決断で辞退した」と言っていたのは何だったのか。
 あるいは日刊ゲンダイの取材に「政策はかなり共通してるから女性問題(淫行疑惑)について納得がいけば応援してもいい」といっていたのは何だったのか。
 「無理矢理おろされた、独裁だ」て全然以前言ってることと違うじゃないですか。
 「無理矢理おろそうとしてる」と今頃いう位なら当時、「俺は絶対におりない」とか、あるいはそこまで意地を張らなくても「私は分裂選挙を避けたいのでおりるが、宇都宮はおりろと言うムードづくりがされていたことには納得いかない点があることはお断りしておきたい」とかいえばいいじゃないですか。
 辞退したときは「大人の態度」をして四野党批判は控えていたのに「鳥越氏が落選したら」掌返しで悪口。こういう人はまともな人間は誰も信用しません。
 当然ながら「以前言ったこと」か「今言ってること」かどっちかが嘘のわけですから。どっちが嘘でアレ宇都宮氏は嘘つきです。四野党が酷いとかそういうことは宇都宮氏の誠実性の無さとは全く関係ない。これで宇都宮氏も「政治家(?)としては終わった」でしょうね。
 もちろん「ここまで四野党に悪口したら」彼を担ぐ政党はないだろう、組織票全く無しで選挙できるほどの力は彼にはないだろう、つう「シビアな問題」もあるでしょう。しかしこんな誠実性のない人はよほどの「信者」でもない限りとても担ぐ気にならないでしょう。もちろん俺は担ぐ気にはなりません。
 と同時に「もう俺は政治家目指さないから言いたい放題言ってやる*20」つうことかもしれませんがこんなコトすれば本業の弁護士活動にも影響が出るんじゃないか。当然ながら「誠実性がない人」「しかもそれをあからさまにすることに何故か躊躇がない人」は弁護を依頼するにはあまりにも怖すぎます。
 「都合が悪くなったら依頼人すら裏切るんじゃないか」てことですね。

http://utsunomiyakenji.com/1037
 私たちは今回、宇都宮けんじの立候補のとりやめという苦渋の判断をせざるをえませんでした。この決断が、結果として実らなかったこと*21については残念に思います。しかし同時に、野党統一候補となられた鳥越俊太郎氏、および支持者の方々のご健闘に敬意を表したいと思います。

 おいおいですね。鳥越氏と陣営、支持者に対して敬意を表することが「選挙後の独裁呼ばわり」なのか。独裁呼ばわりは「支持者」はともかく「鳥越氏本人や陣営」には何一つ敬意はないでしょう。
 しかも選挙戦中からこういってたのならともかく選挙後に掌返しですからね。
 ここまで「心のこもってない言葉」もなかなか珍しい。
 もはや宇都宮陣営はまともな政治集団とはとても言えないでしょう。彼らは自らの愚行により世間の信用を大いに失いました。

http://utsunomiyakenji.com/1040
 今回の都知事選挙において、27日に鳥越候補の側から宇都宮に対して応援要請がありました。そのやりとりにつきまして、選挙後に公表するとしていた通り、私たちの返答に関する書面を公表します。多くの方々からご意見をいただいておりました件ですが、ご理解いただけますようお願い申しあげます。

 先ず第一に「選挙後に公表」というのが全く理解できないですね。選挙前に公表すればよろしい。
 そうすれば「応援拒否」について納得した鳥越支持者もいるかも知れない。まあ、俺について言えば「納得はしない」ものの「そう言う理由で拒否したのか(まあある程度こういう回答の予想はしてましたが)」と「一応の理解はしました」が。
 第二に応援しない理由とは「例の女性スキャンダルについて記者会見を開くべきだ(宇都宮)→その考えはない(鳥越)」ということだそうです。
 まあ、俺個人は鳥越氏の対応が問題だとは思いませんがそれはさておき。
 これ「選挙前には公表できないような内容」なんでしょうか。公表は違法行為でも不当行為でもないでしょう。結局「鳥越が勝ったら」「鳥越が勝てないまでも僅差だったら」という恐怖感から「選挙前に公表したら俺達、鳥越陣営に恨まれてやばいかも」というびびりが選挙前公開をしなかった理由ではないのか。
 そもそも「鳥越は記者会見を開いて釈明せよ」という人間が「選挙終わるまで鳥越陣営とのやりとりについて説明できないけど、応援は拒否する」なんてことをすることに道理があると本気で思ってるんでしょうか?

*1:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を歴任

*2:野党支持者として特に鳥越氏の接戦希望。

*3:正直、「都民はバカで有名人に投票してるだけ」と思うのでどうしていいのか俺にはよく分からないのですが。ウチの両親も「やっぱ知名度の差だな(注:ウチの両親は俺と違い別にアンチ小池ではないです)」「都会だと田舎と違って無党派への知名度が大きいから」「タレント議員だよな、あの人は」「元岩手県知事、元総務相といっても増田さんはタレントじゃないし、鳥越さんもキャスターやってたのは大分前だし、ニュースショー見ない人には知名度低いよね」といってますし。

*4:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相など歴任

*5:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)を歴任

*6:参院選結果」で「野党共闘の威力は証明済み」なので、本来そんなばかばかしいことは我が支持政党共産や「その他関係各位(民進党野党共闘派、社民党、生活の党)」にやって欲しくないのですが、前原、細野らのようなバカがいる以上やるしかないわけです。

*7:菅、野田内閣行政刷新担当相を経て民進党代表代行

*8:少なくとも「初の女性都知事」という宣伝文句を小池は使えなくなります。

*9:民主党幹事長(鳩山代表時代)、鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行政刷新担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)など歴任

*10:特にリベラル21は「鳥越候補に問題がないとは言わないが野党共闘候補として盛り上げよう」といっていた澤藤統一郎氏の論説を選挙戦中掲載していたのだから支離滅裂です。

*11:菅、野田内閣行政刷新担当相を経て現在、民進党代表代行

*12:もちろん一定の配慮は必要でしょうが

*13:野党と言うより「民進党」ですが。都連会長の松原仁自体が「相乗り派であることを隠そうともしなかった」のでこれは決して危惧ではありません。

*14:毎日新聞政治部長論説委員、編集局次長を経て、政治評論家。著書『人権擁護六十年:弁護士海野普吉』(1975年、中公新書)、『大久保一翁:最後の幕臣』(1979年、中公新書)、『岩瀬忠震:日本を開国させた外交家』(1981年、中公新書)、『鳥居耀蔵天保の改革の弾圧者』(1991年、中公新書)、『安政の大獄井伊直弼長野主膳』(2001年、中公新書)など

*15:まあ、都議がいる生活者ネットはともかく、新社会や緑の党の政治力は弱いでしょうが。

*16:残念と言うよりは「人として最低」でしょう。選挙戦中そんな事言ってないわけですから。まあ五十嵐氏も「大人ですから」言葉を選んだのでしょうが内心では宇都宮の無責任言動に怒り心頭ではないか。

*17:これについては宇都宮陣営公式サイトhttp://utsunomiyakenji.com/schedule/1068参照。8/8放送だそうです。

*18:以前も指摘したように「保守政党民進党」も支持する穏健保守の鳥越氏では「革新都政ではない」と思いますがまあ五十嵐氏の言いたいことは分かります。

*19:宇都宮氏の主張の真偽は不明なので特に四野党に対し擁護も批判もコメントは現時点ではしません。

*20:つうかこんな態度で本気で今後も政治家目指す気だったらその現実感覚の無さに呆れますが。

*21:結果とは何なのか?。もし「鳥越当選」を意味するなら「何故応援要請を断ったのか(なお、選挙戦中は女性問題云々といっていたわけでが選挙後は『独裁呼ばわり』です)」ということです。