新刊紹介:「前衛」10月号

 「前衛」10月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。興味のある内容だけ簡単に触れます。
 http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
特集「新基地建設反対=沖縄県民のたたかいの大義
■座談会「辺野古・高江への強権・無法:安倍政権に抗する沖縄」(伊波洋一*1、仲山忠克、赤嶺政賢*2
■沖縄・性暴力事件が問いかける人権と基地(高里鈴代*3
戒厳令の高江から:2016年夏(森住卓*4
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。なお、高里記事は2016年4月に発生した元米軍海兵隊員による女性殺害事件を受けたもの。

辺野古、高江の基地問題
赤旗
■「高江は過剰警備」、沖縄 翁長*5知事が政府批判
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-26/2016082602_01_1.html
■機動隊の沖縄2紙記者強制排除、“言論の自由踏みにじる”、暴挙に怒り・抗議の声広がる
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-27/2016082715_01_1.html
■高江・辺野古伊江島 現状と展望は、沖縄・名護 赤嶺議員が講演、たたかい日本中に広げよう
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-05/2016090501_03_1.html
辺野古新基地裁判勝利へ1000人集う、公正な判決を、民意尊重求め県民ら 那覇
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-09/2016090901_04_1.html
■ヘリパッド建設 高江 強権発動に抗議、有識者ら共同声明
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-10/2016091015_01_1.html

【米兵の犯罪】
赤旗
■強い憤りをもって抗議する 基地撤去こそ最も有効な解決策、女性遺体遺棄事件 志位委員長が記者会見
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-21/2016052101_02_1.html
■主張『沖縄米軍属の犯罪、唯一の根絶策は基地の撤去だ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-21/2016052101_05_1.html
■女性遺棄事件 米兵犯罪 基地ある限り、再発防止は空論 政府の責任重い、衆院安保委 赤嶺議員迫る 辺野古新基地 撤回せよ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-25/2016052501_01_1.html
■女性遺棄事件 沖縄6市町議会が抗議、米軍と米政府に対し決議
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-25/2016052504_02_1.html
海兵隊撤退を初要求、女性遺棄 沖縄県議会が決議、カヨウ県議討論
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-27/2016052701_04_1.html
■“女たちは怒っている”、全ての米軍基地なくして、沖縄女性遺棄事件で緊急集会
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-27/2016052715_03_1.html
■米軍凶悪犯 沖縄人口比の2倍超、「犯罪率低い」主張覆す、警察庁作成資料で判明
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-16/2016061602_02_1.html
■6・19沖縄県民大会、42年前、母親を米兵に殺害された金城武政さん胸中を語る、基地ある限り起こる
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-18/2016061814_01_1.html
■沖縄 怒り・追悼6万5000人、女性暴行殺人事件 米海兵隊撤退を要求 県民大会、“もう犠牲者出さない”
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-20/2016062001_03_1.html
■主張『沖縄県民大会、県民の怒りで「壁」突き崩そう』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-21/2016062101_05_1.html


参院選後の改憲情勢と改憲論議(愛敬浩二*6
(内容紹介)
1)改憲派(自公、維新)の参院議席2/3確保
2)前原*7民進党改憲派の存在(民進党が前原ら改憲派を党代表にして、野党共闘を公然と潰した上で、党丸ごと、あるいはそこまで行かなくても、執行部の野党共闘改憲反対路線に反発した前原ら改憲派野党共闘否定派が大量脱党して自民の改憲論に荷担する危険性が否定できない)
に強い警戒感、危機感を表明しつつも、「野党共闘の成果」を評価し、さらに野党共闘をすすめていくことを主張。
 また、「九条改憲をストレートに実現することが難しいと安倍や公明党も自覚しているが故に」
A)参院選改憲隠しに励んだ
B)改憲について公明は今のところ極めて曖昧な態度(まあどうみてもマヌーバーに過ぎないが)
C)九条改憲に失敗したことを恐れての「政府見解変更による集団的自衛権容認とそれに基づく戦争法可決」(これは裏返せば九条明文改憲を阻止しただけでは自衛隊の海外軍事行動を阻止できないという問題ではあるが、一方で九条明文改憲がそう簡単には実現できないというプラス評価も可能)
D)現時点では安倍は改憲よりも「働き方改革」や「プーチンとの北方領土交渉」「TPP」「共謀罪」などをむしろ打ち出していること(もちろんTPPや共謀罪はそれはそれで問題なのだが)
といった事実を「護憲派にとってある意味希望の持てる事実*8」として指摘。
 安倍らが改憲としてまず打ち出してくるのは九条ではなく「緊急事態条項(東日本大震災を口実)」や「衆参両院の2/3、国民投票での1/2」といった高いハードルを緩和する改憲ではないかとの見方を示している。
 また安倍らのバックが日本会議であることを指摘。九条改憲同様ハードルは高いであろうが「政教分離制度の緩和(首相靖国参拝の正当化)」「天皇元首化」「憲法24条の復古主義的改悪」などといった極右的改憲の危険性を指摘している。
 要約すれば「現状に強い危機意識を表明しつつも」、改憲がまだ明確な形で政治スケジュールにのぼっていないこともあり、現状の評価(改憲を巡る国民世論など)は難しいが、現時点でも改憲問題で安倍批判を地道に行っていく必要があると言う事であろう。

参考
五十嵐仁の転成仁語
■「手のひら返し」の「壊憲」暴走を許さない―参院選の結果と憲法運動の課題(その1)
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14
■「手のひら返し」の「壊憲」暴走を許さない―参院選の結果と憲法運動の課題(その2)
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-09-16
■「手のひら返し」の「壊憲」暴走を許さない―参院選の結果と憲法運動の課題(その3)
 「壊憲」の狙いは、2012年5月10日に憲政記念会館で開かれた極右団体「創生『日本』」の第3回東京研修会での発言にはっきりと示されている。この場で、第1次安倍内閣法務大臣を務めた長勢甚遠議員は、「国民主権基本的人権、平和主義、この三つはマッカーサーが押し付けた戦後レジームそのもの、この三つをなくさないと本当の自主憲法にならないんですよ」と力説していた。この会合には、安倍首相はじめ、衛藤晟一内閣総理大臣補佐官城内実元外務副大臣稲田朋美*9政調会長下村博文*10文科相も同席している。
(中略)
 安倍首相は価値観外交を展開しているが、ここで「共通の価値観」とされているのは自由主義、民主主義、基本的人権、法の支配などである。これを外交方針にだけ留めるのは惜しい。与野党間の憲法論議においても、このような「共通の価値観」を前提にしなければならない。
 自民党としても、長勢元法相のような「国民主権基本的人権、平和主義」を否定する発言を許さず、今もそのような意見を持っているのかを確かめたうえで除名*11しなければならない。また、そこに同席して同調するかのような態度をとっていた安倍首相はじめ参加者をきちんと処分するべきだろう。

 なかなかナイスな五十嵐氏の皮肉ですが、「国民主権基本的人権、平和主義、この三つはマッカーサーが押し付けた戦後レジームそのもの、この三つをなくさないと本当の自主憲法にならないんですよ」つうのは気違いすぎて二の句が継げません。「平和主義敵視」はまだしも「国民主権基本的人権まで敵視」てどういう脳みそしてるんですかね?。
 「日本のような平和主義(海外での武力行使全面禁止など)」は世界的に見て「珍しい」でしょうが、日本の「国民主権基本的人権」に珍しいところは何もない。
 仮に「ウヨ支持者へのウケを狙っただけで本心じゃない」としても「これで受ける支持者」つうのが理解できません。しかもこの発言をしたのが元法相。

■「手のひら返し」の「壊憲」暴走を許さない―参院選の結果と憲法運動の課題(その4)
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17

赤旗
■これが自民改憲案だ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-25/2016062505_01_0.html
■主張『改憲策動の始動、憲法壊す自民案土台にできぬ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-17/2016071702_02_1.html
■“憲法24条変えさせない”、キャンペーン開始 発足シンポ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-04/2016090404_02_1.html


■いまこそ安倍政権の社会保障改悪に総反撃を(谷本諭)
(内容紹介)
 安倍政権の社会保障改悪に対する批判。

参考
赤旗
【医療】
■主張『診療報酬引き下げ、医療を壊す削減に道理はない』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-12-23/2015122301_05_1.html
■主張『高すぎる保険料、命を危機にさらす事態打開を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-14/2016021401_05_1.html
■主張『子どもの医療費、無料化の拡充願う声に応えよ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-28/2016022802_01_1.html
■主張『医療費の窓口負担、命と健康脅かす事態の打開を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-16/2016051601_05_1.html

介護保険
■主張『介護報酬大幅削減、危機深める「愚かな策」撤回を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-07/2015020701_05_1.html
■主張『軽度者介護の縮減、「使わせぬ」の悪循環をやめよ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-26/2016072601_05_1.html
■主張『介護利用2割負担、安心の土台がますます壊れる』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-25/2016082501_05_1.html
■主張『介護「年齢下げ」案、あまりに乱暴な負担増議論だ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-05/2016090501_05_1.html

生活保護
■主張『生活保護費カット、「人間らしく」の土台を壊すな』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-11-05/2015110501_05_1.html

【年金】
■年金資金に大穴あけた安倍政権の責任は重大、小池書記局長が会見
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-30/2016073001_03_1.html
■主張『年金5兆円運用損、老後の安心を危険にさらした』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-31/2016073102_05_1.html


憲法改悪・「戦争する国」づくりすすめる「極右」内閣:第三次安倍再改造政権の特徴と危険なねらい(俵義文*12
(内容紹介)
 俵氏の書いた記事や赤旗などの記事紹介で代替。

http://chikyuza.net/archives/66321
■ちきゅう座『目を覆うばかりの極右内閣:第3次安倍晋三改造内閣の超タカ派(極右)の大臣たち』(俵義文)
 NHKが9月12日に発表した最新の世論調査(9月9日から3日間にわたって実施)では内閣支持率はなんと4%上がって57%であるという。昨年「戦争法制」強行成立で支持と不支持が逆転したときから1年、日本人は人の命にかかわる法制に対する抵抗も安倍の(ボーガス注:リオ五輪での)マリオ変装で完全にのど元過ぎてしまうほどの愚民なのか。過半数が支持する内閣の面々がいかに時代錯誤、憲法軽視、女性や外国人蔑視、近隣諸国に牙をむける好戦的な人間たちなのか、この表をみて再認識したい。特に所属団体が表の中で3行以上に及ぶ安倍晋三*13高市早苗*14稲田朋美*15衛藤晟一*16萩生田光一*17義家弘介*18下村博文*19古屋圭司*20、目を覆うばかりの極右ぶりだ。
【資料】 第3次安倍晋三改造内閣の超タカ派(極右)の大臣たち(2016年8月12日、俵義文(子どもと教科書全国ネット21)作成)

赤旗
■自民全閣僚が「靖国」派、日本会議など関連議連に所属歴
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-05/2016080501_03_1.html
副大臣政務官も ごっそり所属、日本会議関連議連 臨時国会で明文改憲論議狙う
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-07/2016090701_03_1.html

http://www.joqr.co.jp/good/2016/09/915902.html
文化放送福井謙二グッモニ」2016年9月15日(木) 第902回
 みなさん、こんにちは。福井謙二グッモニです。
 本日のコメンテーターはジャーナリスト青木理さん*21
 青木さんの新刊『日本会議の正体』*22についてお話を伺いました。
 日本会議の主張や活動はかなり右寄りで、一昔前ならタブー視されたような主張もあると青木さんは話します。
 海外メディアも「極端な右派」や「国粋主義かつ歴史修正的な目標を掲げるもっとも強力なロビー団体」などと評しています。
 そんな彼らの最大の目標は「憲法改正」。
 現在は憲法改正の1千万人署名を目指しているといいます。
 安倍政権と呼応するかのように運動を展開するこの団体が、最大の目標である憲法改正に対して今後どのように進んでいくのか注視する必要があるというお話でした。
(中略)
 明日の放送もお楽しみに!!

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185099
日刊ゲンダイ『安倍政権を操る特殊イデオロギー集団「日本会議」の闇』(高野孟
 安倍晋三首相を取り巻く右翼組織「日本会議」人脈の存在が、スキャンダルと化しつつある。きっかけは、長年この組織について調査してきた菅野完の著書「日本会議の研究*23」が4月末に発売されてベストセラーとなったこと*24にある。
 これに続いて、上杉聰「日本会議とは何か*25」、俵義文「日本会議の全貌*26」、成澤宗男編「日本会議神社本庁*27などが続々出版され、さらに7月にも数冊が出る予定*28で、日本会議批判本の一大ブームが出現した。
 安倍のこの人脈への依存度は異常といえるほどで、神社本庁の政治部門である神道政治連盟(神政連)の国会議員懇談会(議懇)は安倍自身が会長で(中略)あるし、その神社本庁はじめ右翼宗教団体が支える日本会議の議懇は安倍が特別顧問、(ボーガス注:副総理・財務相の)麻生*29が前会長で特別顧問であるのをはじめ閣僚中13人がそのメンバーで占められる。
(中略)
 つまり安倍内閣は「日本会議内閣」なのだ。
 以上のようなことは前々から指摘されてきたことだが、菅野らの一連の著作でにわかに注目されるようになったのは、この政治家たちを裏で操っているコアな集団の存在である。日本会議の事務総長の椛島有三、政策委員の伊藤哲夫*30高橋史朗百地章、事務局長の松村俊明、さらに付け加えれば総理補佐官の衛藤晟一といった人たちは、例外なく、当時は明治憲法復活を叫ぶ超右翼宗教だった「生長の家」が60〜70年代に組織した右翼学生運動(ボーガス注:日本青年協議会)の武闘派活動家だった。
 日本会議傘下の改憲運動組織「民間憲法臨調」も事務局長が百地、運営委員が椛島や伊藤だし、安倍内閣改憲を後押しするため14年に結成された「美しい日本の憲法をつくる国民の会」も幹事長が百地、事務局長が椛島である。
 こうした暴露に慌てた日本会議は、田久保忠衛*31会長の名で「月刊Hanada」8月号に「日本会議にはそんな影響力はない」とする反論を載せたが、これはやぶ蛇で、今週の「週刊朝日」は菅野を起用してそれにまた反撃を加える大特集を組み、「サンデー毎日」も関連記事を出した。日本版ネオコンともいえる陰謀的な特殊イデオロギー集団に引きずられた安倍政治の闇が光にさらされつつある。

日本会議(ウィキペ参照)
 宗教学者・塚田穂高*32國學院大学助教)は、2015年6月15日の時点で、日本会議の顧問5名のうち4名*33が宗教関係者(うち3人が神道関係者)*34であり、代表委員41名のうち17名が宗教団体・修養団体関係者、とくに、神社本庁関係者も参画しているということや、神社本庁*35解脱会*36国柱会霊友会崇教真光*37、公益財団法人モラロジー研究所*38、一般社団法人倫理研究所*39キリストの幕屋仏所護念会教団*40念法真教*41新生佛教教団*42オイスカ・インターナショナル*43、三五教等、宗教団体や宗教系財団法人等が「日本を守る会」以来の繋がりで参加しているとしている。また、日本会議の理念と神社本庁ならびに神道政治連盟の理念に、明確な違いがほとんど見られないと述べている。

 まさに「日本会議宗教右翼の宝石箱やー(彦摩呂風に)」ですね。「宗教右翼嫌いを公言する」右翼活動家・西尾幹二(元つくる会会長)が「宗教右翼日本会議を牛耳ってる」と嘆いたことには一理あるわけです。

日本会議国会議員懇談会(ウィキペ参照)
・右翼政治団体日本会議を支援する超党派の議員によって構成される議員連盟。1997年設立。
第2次安倍改造内閣の19人の閣僚のうち15人が日本会議国会議員懇談会に所属していることについて、韓国の中央日報は、「『極右の大本営』と呼ばれる日本会議の所属」と報道した。
 また、宗教社会学者・塚田穂高國學院大学助教)は、日本会議議連特別顧問である首相・安倍晋三、副総理・財務相麻生太郎日本会議議連会長である平沼赳夫*44の他、有村治子(第二次安倍内閣少子化等担当相)、衛藤晟一首相補佐官)、山谷えり子(第三次安倍内閣国家公安委員長)、稲田朋美*45(第三次安倍内閣防衛相)、萩生田光一首相補佐官)、下村博文(第一次安倍内閣官房副長官、第二次安倍内閣文科相)、長尾敬らは、日本会議との関わりが特に濃いとしている。また、日本会議国会議員懇談会神道政治連盟国会議員懇談会のメンバーの一部が被っているとしている。


安倍内閣 あいつぐ疑惑:問われる「政治とカネ」(藤沢忠明)
(内容紹介)
 赤旗記事紹介で代替。もちろん「週刊文春記事が火をつけ、『また文春がスクープか』と騒がれ、甘利*46を経済財政担当大臣辞任(後任は石原伸晃*47)と、仮病による入院に追い込んだ」甘利の口利き疑惑(勿論これが一番有名)は言うまでもないが他にも色々と疑惑が発覚している。

参考
【甘利疑惑】
赤旗
■主張「甘利氏の金銭授受、口利き疑惑あいまいにできぬ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-02/2016020201_05_1.html
■甘利疑惑 “口利き”ってこれだ、秘書 少しイロを付けて、事務所の顔立てて、URが面談の一部公開
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-03/2016020301_01_1.html
■甘利氏側へ500万円 UR補償金が原資、『文春』報道 総務担当者 証言
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-04/2016020401_01_1.html
■甘利氏「口利き」疑惑 「20億、言葉で要求を」、秘書、建設会社に“助言”か、民主党が録音データ公開
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-16/2016021615_01_1.html
■甘利前経済財政相を告発、弁護士ら「あっせんの報酬と認識」、現金授受問題
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-03-17/2016031715_02_1.html
■違法建築にUR補償、辰巳氏、甘利氏の関与に言及
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-26/2016052605_01_1.html
■口利き・現金授受疑惑 甘利氏説明責任果たしていない、「決着」どころか元秘書問題は“再捜査必要”(検察審)、関係者喚問は不可欠
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-08/2016080813_01_1.html
■主張「あっせん利得疑惑、甘利氏の潔白証明されてない」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-24/2016082401_05_1.html

【甘利以外の疑惑】
赤旗
高市*48総務相 900万円余不記載、政党支部 寄付やパー券代金、市民団体指摘
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-22/2016062214_01_1.html
■今村復興相 東電株8000株保有、本紙指摘で「報告書」訂正、問われる閣僚の適格性
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-19/2016081915_01_1.html
■今村復興相、大企業の“優良株”多数保有、職務と関係深い銘柄も 売買繰り返す
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-29/2016082913_01_1.html
■稲田防衛相 疑惑の白紙領収書、同じ筆跡 約520万円分
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-25/2016082501_03_1.html


■「もんじゅ」は廃炉しかない:核燃料サイクルからの撤退を(鈴木剛
原発の安全性は研究の到達にたって見直すべき:基準地震動をめぐる提起から(立石雅昭*49
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

もんじゅ
赤旗
もんじゅ廃炉検討せよ、田村智子議員 外交問題に発展も
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-24/2016052405_01_1.html
■主張『「もんじゅ廃炉:これ以上遅らせる理由はない』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-31/2016053101_05_1.html

原発地震
赤旗
■主張『「熊本地震」と原発:不安無視する稼働継続許せぬ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-21/2016042101_05_1.html
川内原発はすみやかに停止を、熊本地震 前例のない災害、志位委員長が記者会見
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-22/2016042202_01_1.html
活断層上 志賀廃炉を、1・2号機 藤野議員、規制委に要求、衆院特別委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-13/2016051315_01_1.html
大飯原発 地震動再計算を、規制委員長に島崎前委員長代理
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-17/2016061714_01_1.html
■関電 大飯原発地震動、規制委試算に島崎前委員長代理が異議、「不確かさ」欠け過小評価
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-17/2016071714_01_1.html
地震国に原発いらない、反原連が官邸前抗議
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-23/2016072315_01_1.html


特集『「らい予防法」廃止20年:現状と課題を問う』
ハンセン病問題の展開と今(国宗直子)
■生きていて良かったといえる療養環境に:療養所の看護師・介護員・医師の労働条件改善、人員確保は急務(桶谷努)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。なお国宗氏はいわゆる「藤本事件(菊池事件)」について「冤罪事件として再審無罪判決が出されるべきではないか」という問題意識を持っている。

参考
赤旗
■若手記者が行ったハンセン病「重監房」、群馬・草津町の栗生楽泉園、人権の原点を見た
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-22/2014092207_01_0.html
最高裁 ハンセン病「特別法廷」報告、違憲認めず納得できぬ、元患者3団体が会見
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-26/2016042614_01_1.html
ハンセン病特別法廷、最高裁が元患者らに謝罪、憲法違反は明言避ける
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-26/2016042601_02_1.html
ハンセン病語り継ぐ、群馬大でシンポ 170人が参加
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-30/2016053016_01_1.html
毎日新聞国立ハンセン病療養所、隔離の歴史、世界遺産に 準備会発足3年、動き活発に まず国の有形文化財登録へ』
http://mainichi.jp/articles/20160831/ddl/k37/040/360000c

■藤本事件(ウィキペ参照)
 1951年(昭和26年)に熊本県菊池郡で発生した爆破事件および殺人事件である。地名を取って菊池事件と呼称する場合もある。
 藤本被告人はハンセン病患者であり、差別に基づく冤罪であったとの主張がある。
■第一の事件
 熊本県菊池郡水源村(現在の菊池市の一部)の村役場衛生課職員(当時50歳)の自宅にダイナマイトが投げ込まれたのは1951年8月1日のことであった。ダイナマイト自体は完全には爆発しなかった。衛生課職員とその子供が軽傷を負った。
 警察は、同村の住民・藤本松夫(当時29歳)を容疑者と断定した。藤本はハンセン病に罹患しているとしてハンセン病施設国立療養所菊池恵楓園への入所を勧告されていた。この入所勧告を被害者職員の通報によるものと逆恨みしての犯行とされた。藤本はこのダイナマイト事件で逮捕された後、恵楓園内の熊本刑務所代用留置所(外監房)に勾留され、裁判は熊本地裁菊池恵楓園出張法廷で行われた。裁判ではダイナマイトの入手先が解明されなかった。藤本に対して1952年6月9日に熊本地裁は、殺人未遂と火薬類取締法違反で懲役10年の有罪判決を宣告した。藤本は控訴・上告したが、1953年9月15日最高裁判所で上告が棄却され、有罪が確定した。
■第二の事件
 藤本はダイナマイト事件一審判決直後の1952年6月16日に恵楓園内の菊池拘置所から脱獄した。ところが、3週間後の7月7日午前7時ごろ、村の山道でダイナマイト事件の被害者職員が全身20数箇所を刺され殺害されているのが登校中の小学生に発見された。その6日後、山狩りをしていた警官や村人らによって発見された藤本は逮捕された。藤本は逃走罪及び殺人罪で追起訴され、公判は熊本地裁菊池恵楓園出張法廷で行われた。検察はこの犯行を「執拗に殺害を計画し、一回目は失敗し、二回目に達しており、復讐に燃えた計画的犯行」であるとした。1953年8月29日に熊本地裁は藤本に死刑を宣告した。藤本は控訴・上告したが、1957年8月23日に最高裁が上告を棄却し死刑が確定した。
 藤本は再審請求を行ったが棄却された。1962年9月14日、藤本は恵楓園から福岡拘置所へ移送となり、同日死刑が執行された。

http://www.asahi.com/articles/ASJ4D5VQYJ4DTIPE021.html
朝日新聞ハンセン病隔離法廷で死刑に 菊池事件、真相求め50年』
 ハンセン病患者とされた男性が殺人罪などに問われ、死刑となった。隔離された「特別法廷」での審理が正しく行われたのか。死刑執行から50年以上たった今も、真相究明を求める声がやまない。熊本県で1950年代に起きた「菊池事件」。最高裁が検証を進めている特別法廷で唯一の死刑事件で、再審弁護団は改めて冤罪(えんざい)を主張し、再審を求めていく方針だ。
 菊池事件では、1952年に村役場職員が刺殺された殺人事件で罪に問われた男性被告が無実を訴え続けたが、死刑となった。一、二審の公判は、感染の恐れなどを理由に裁判所ではなく、特別法廷として国立療養所菊池恵楓園と菊池医療刑務支所内で開かれた。特に一審は4回の公判で結審し、国選弁護人が全証拠の提出に同意するなど弁護も不十分だったとされる。


松川事件勝利の記録・福島大学松川資料をユネスコ「世界の記憶」に登録するために(玉川寛治*50
(内容紹介)
 河北新報の記事紹介で代替。

河北新報

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160110_63015.html
■<松川事件>世界記憶遺産 登録機運高まる
 戦後最大の冤罪事件とされる「松川事件」の裁判資料や元被告の手紙などを、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界記憶遺産」に登録を目指す機運が高まっている。福島市内の市民グループが中心となり25日、「松川資料ユネスコ世界記憶遺産登録を推進する会」を設立。早ければ2017年にも登録を申請する。
 世界記憶遺産は歴史的な文書や絵画などを保護することを目的にユネスコが認定する。
 事件では、全員有罪とした裁判に疑問を抱いた文化人らを中心に、元被告の救済を求める世論が拡大。全国1300カ所以上で住民組織「松川を守る会」が発足するなど大衆運動になった。NPO法人福島県松川運動記念会」は、こうした大衆運動で司法の正義を実現させた史実を、後世に残すべきだと呼び掛けている。
 資料は福島大の松川資料室で保存。冤罪の決定的な証拠「諏訪メモ」や無罪を訴える元被告たちの獄中からの手紙などがある。諏訪メモは長く東北大で保管されていたが、昨年10月に関係資料と共に移管された。同資料室が保管する資料は10万点を超える。
 NPOはさらに資料を収集し、東京や大阪にも拠点を置いて運動を全国に広げたい考えだ。吉田吉光事務局長は「世界記憶遺産への登録で事件を国内外に発信し、後世に伝えるとともに福島が誇れるものにしたい」と話した。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160126_63013.html
■<松川事件>記憶遺産まず一歩 団体設立
 戦後最大の冤罪事件とされる「松川事件」の裁判資料や元被告の手紙などを国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界記憶遺産」への登録を目指し、福島市市民グループなどが25日、「松川資料ユネスコ世界記憶遺産登録を推進する会」を設立した。早ければ2017年に申請し、19年の登録を目指す。
 事件では一時全員に有罪判決が言い渡されたが、元被告の救済を求める大衆運動が全国に拡大し、無罪判決につながった。記憶遺産に登録することで、司法の正義を実現させた貴重な史実を世界に発信するのが狙い。
 推進する会には、NPO法人福島県松川運動記念会」を中心に、学者や文化人、弁護士など266人が呼び掛け人として参加。映画監督の山田洋次さんや周防正行さん*51、東大・東北大名誉教授の樋口陽一さん*52らも名を連ねる。
 登録に向けて今後、福島をはじめ、東京や大阪で講演会を通じて活動を周知する。約10万点の資料を保存する福島大の松川資料室を充実させるため、資金調達も計画している。
 文部科学省で記者会見した共同世話人松川事件弁護人の石川元也さん(84)は「無実の人が有罪に持ち込まれることは許されない。事件は戦後刑事裁判の大転換点となった。記憶遺産に登録し、教訓を国際的に広めたい」と述べた。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-08-16/2008081612_01faq_0.html
赤旗『戦後最大の謀略、松川事件とは?』
〈問い〉
 戦後最大の謀略事件といわれる松川事件*53とは、どんな事件ですか?(東京・一読者)
〈答え〉
 松川事件とは、1949年夏、東北本線駅近くで夜行列車が、何者かによって脱線転覆させられ、乗務員3人が死亡した事件です。
 49年夏は、1月の総選挙で日本共産党が4議席から35議席へ躍進、米占領軍と第3次吉田内閣による100万人の労働者首切り計画に反対する国鉄労働組合などのたたかいが高まっていたときでした。こうしたとき、下山事件(7月6日、=下山定則国鉄総裁が列車による轢死体で発見された)、三鷹事件(7月15日、東京・三鷹駅無人列車が暴走、死者6人、重軽傷者20余人)、次いで、松川事件(8月17日)と、奇怪な事件が相次いで起きました。これら3事件の真相は今日なお不明ですが、占領軍による謀略である可能性が濃厚です。
 三鷹事件の翌日、当時の吉田茂首相は「社会不安は、主として共産主義者の煽動による」と声明、松川事件では、まだ何の調査も行われていなかった段階で官房長官増田甲子七*54は「今回の事件は今までにない凶悪犯罪である。三鷹事件をはじめ、その他の各種事件と思想的底流において同じである」との談話を発表し、犯人を日本共産党員や労働者になすりつけるキャンペーンを展開し、首切り反対の闘争に打撃をあたえました。
 松川事件は、事件直後に、国鉄東芝労働組合員20人が逮捕、起訴されます。裁判では、警察・検察の「自白」強要、証拠隠滅、偽証などの権力によるでっち上げが明るみに出ましたが、判決は1審、2審とも死刑をふくむ有罪判決でした。
 これにたいして、被告・家族・弁護団などの真実の訴えにこたえ、全国各地に「守る会」が生まれ、思想信条をこえ、あらゆる階層の人びとに広がり、作家・広津和郎による裁判批判著作をふくむ、多様で創造的な運動が展開されました。日本共産党は58年7月の第7回党大会で「松川事件にかんする決議」をおこない、宮本顕治書記長(当時)が死刑判決を受けていた鈴木信被告に宮城刑務所で会って激励、支援を強めました。
 59年最高裁は有罪判決を破棄、61年仙台高裁の全員無罪判決をへて63年9月最高裁で全員無罪が確定。権力犯罪を追及する一環である国家賠償裁判も1審、2審(70年8月)ともに勝利しました。(喜)


■50周年迎えた新日本スポーツ連盟:スポーツ権の時代にむかって(和食昭夫)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-10-30/12_01faq.html
新日本スポーツ連盟はどんな組織?
〈問い〉
 第25回全国スポーツ祭典を開催している新日本スポーツ連盟はどんな組織ですか?(福島県・一読者)
〈答え〉
 全国スポーツ祭典の前身である全国青年のスポーツ祭典は1963年、だれもがスポーツをやれるようにすること、スポーツにおいて強制や差別をなくすことなど自主的で民主的なスポーツの発展を願う青年・学生、スポーツ愛好者、スポーツ関係者の共同によってスタートしました。これは、わが国のスポーツの歴史において「国民が主人公」の立場に立つスポーツ運動の本格的な登場でした。
 このスポーツ祭典運動の中で65年に「新日本体育連盟」が創立され、「スポーツは万人の権利」(創立宣言)の基本理念と文化としてのスポーツの発展をめざし、国民だれもがスポーツに親しむことができるようになるために一貫して活動してきました。同連盟は創立30年の95年10月の臨時総会で「体育」から「スポーツ」に名称変更し、新日本スポーツ連盟となります。
 現在、スポーツ連盟には、11競技種目の全国組織と26の都道府県連盟、3千2百クラブ、5万7千人の会員がいます。
 連盟は、次の5つの目標を掲げています。
 (1)スポーツを行うことは基本的権利であり、権利にふさわしい文化として発展させる、(2)自主的なスポーツクラブの確立と発展を基礎に多様なスポーツ活動を行い、フェアプレー精神をつちかう、(3)競技水準・技術の向上と科学的な指導法や一貫した指導体系の確立をめざす、(4)公共スポーツ施設などの拡充を国や自治体の責任で実現する、(5)オリンピック運動の理想であるスポーツを通じて真の友好と世界の平和の実現に貢献する。
 日本共産党は、スポーツ連盟のような自主的で民主的なスポーツ団体を励まし、国会や地方でスポーツ予算を大幅に増やし、スポーツの条件整備することなどに協力・共同してとりくんでいます。(鳥)


■論点
多国籍企業の税逃れ対策:意義と限界】(金子豊弘)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。
赤旗
■日本 超富裕層 税逃れ、ユニクロ・柳井氏、ドンキ・安田氏、ベネッセ・福武氏、巨額資産を低税率国に移転 本紙調べ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-09/2016050901_01_1.html
■主張『「パナマ文書」公開:富裕層の税逃れ断罪すべきだ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-11/2016051101_05_1.html
■大企業 課税逃れただせ、参院決算委 大門氏、消費税10%中止迫る
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-24/2016052401_04_1.html


■暮らしの焦点
雇用促進住宅の一括売却:居住権を侵し大企業に投げ売り】(高瀬康正)
(内容紹介)
 赤旗記事などの紹介で代替。

赤旗『雇用住宅追い出すな、島津氏、全廃撤回を求める』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-03-30/2016033004_01_1.html
神戸新聞雇用促進住宅を一括売却へ 全国の計2900棟』
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201606/0009204264.shtml


■メディア時評
【テレビ:見ごたえあったNHKの番組】(沢木啓三)
(内容紹介)
NHKの番組
ETV特集加藤周一*55・その青春と戦争』
ETV特集『54枚の写真:長崎・被爆者を訪ねて』
ハートネットTV『シリア難民であり障害者である私たち』
ハートネットTV『私が見たろう者の戦争』
NHKスペシャル『決断なき原爆投下:米大統領71年目の真実』
NHKスペシャル『村人は満州へ送られた:国策71年目の真実』
あさイチ『平和はどのようにして失われるのか』の紹介。

参考

http://d.hatena.ne.jp/cangael/20160824/1471996084
 死を前にした加藤がつづったメモが残されていました。
「私は戦争で二人の親友を失った。 もし彼らが生きていたら決して日本が再び戦争への道を歩み出すのを黙って見てはいないだろう。南の海で死んだ私の親友は日本が再び戦争をしないことを願ったに違いない。 憲法九条にはその願いが込められている。私は親友を裏切りたくない」。
 晩年の加藤が「九条の会」の呼びかけ人となったのもこうした思いからでした。

http://togetter.com/li/1012282
NHKスペシャル「村人は満州へ送られた」への反響

横田良篤 @yokotayoshiatsu 2016-08-20 16:11:15
【村人は満州へ送られた〜“国策”71年目の真実〜20160814 】
 愚かにも日本政府及び軍部の終戦への判断が遅れた、こうしたことが(ボーガス注:なければ)満州侵攻、原爆投下も沖縄戦も、日本空襲ももっと被害が小さく済んだ。この戦争責任は今でも問わなければ。

HAJIME KIDERA@hajimekidera 2016-08-18 22:58:55
 「シンゴジラ」の有能な官僚が国民を守るフィクションを楽しんでもよい。一方で、官僚が国民を無惨な死に追いやり、戦後も全く反省しなかったファクトも忘れてはいけない。

・永添泰子(歴史を直視し過去と対決を) ‎@packraty
 集団自決、残留孤児や残留婦人などの多くの被害を出した満州開拓団の責任がある官僚たち(元農林相経営課長「いいことだったと思うし、今でもいいと思ってます」)
 彼らの残した記録に反省の言葉はなかった。

・indigo @ingigo33 2016-08-17 11:25:40
 官僚は命令はするけど、失敗の責任は取らない。決まったことは止められない。なんだ。日本人って少しも進歩していないじゃないか。

・原つねひこ〈脱原発改憲反対〉 @darmat_blue 2016-08-16 06:06:17
 一度走り出したら止められない。国策という名の愚行。アメとムチでやらせておいて何か事が起きても後はオラ知らね。原発推進と全く同じだ。

・kinsan @kinsangogo 2016-08-15 00:42:03
 8/14NHKスペシャル「村人は満州へ送られた -国策71年目の真実」。
 ガス抜きでなく、隠れキリシタンよろしく「NHKの良心」健在のメッセージと思いたい。臭いものに蓋の戦前回帰渇望勢力にとっては腹立たしい番組にちがいない。

・K-KHRA @kohukiya2714 2016-08-14 22:21:24
「アメとムチ」「止められない政策」「検証なし」。原発や基地などに関する政策と変わらない話ではないだろうか。今年のNHKスペシャルにおける渾身の一作だと思う。

 なお、「今でもいいことだったと思う」というのはさすがに本気じゃなくて居直りでしょう。

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/71-ab06.html
 五族協和・王道楽土とはよく言ったものです。実態はそれとは正反対の、まさに満蒙に住んでいる現地の農民を暴力で押しのけて農地を奪い取る侵略植民であり、日本(関東軍)が武力で押さえつけているわずかな間は表面上は入植者の生活も何とか維持されておりましたが、やがて戦局の悪化とともに入植者は現地の中国人に包囲され、攻撃を受けることになるのです。河野村から派遣された人たちは、今の吉林省長春市郊外で畑作農業を営んでいましたので、ソ連軍に追われるよりも前に、現地中国の農民たちの反乱に包囲されることになりました。その結果は、「集団自決」という悲劇です。
 それにしても、敗戦後、満州開拓をつかさどっていた拓務省を引き継いだ外務省、それに満蒙開拓団派遣を省を挙げて取り組んでいた農林水産省が、ともどもに開拓農民の「その後」の面倒を見もしないどころか消息さえもつかまえようとはせず、また戦後のインタビューに答えて「満蒙の農地を有効に耕せる能力を持っていたのは日本人だった、だから、やったことは全部失敗に終わったけれども、やったことそれ自体はよかったことだと今でも思っている」などと、ぬけぬけとしゃべっている官僚ども(元農林水産省経営課長・元農村再生協会理事)の態度を見せつけられると、ぶん殴りたくなるこらえがたい衝動を感じます。
 さて、ひるがえって現代はどうでしょう。
(中略)
 「国策」が大失敗をしても、誰一人としてその責任を取ろうとしない「無責任の連鎖」は、今も変わらずこの国を貫いているのではないでしょうか。私はこの満蒙開拓という大日本帝国のアジア侵略の暴挙とその悲惨な結末が、今でも形は違えども同じように繰り返されているような気がしてなりません。たとえば、今も解決できずにいる水俣病がそうであり、更に福島第1原発事故がまた、そうではないでしょうか。

https://www.kochinews.co.jp/article/44871/
 8月6日、NHKスペシャル「決断なき原爆投下〜米大統領 71年目の真実〜」を見ました。
 現在の世論調査では、アメリカ国民の8割が原爆投下を支持。米国民に向けたラジオ放送での当時のトルーマン大統領による「戦争を早く終わらせ、多くの米兵の命を救うため原爆投下を決断した」の文言が正当性の大義になっています。
 しかし、アメリカ軍原爆計画責任者、レスリー・グローブス准将の記録には「日本の降伏は間近とみられていたが、22億ドルの国家予算をつぎ込んで原爆が完成しているのに、使わなければ議会での厳しい追及を危惧し、戦争が終わる前に原爆の効果を証明しなければならないと考えていた」とあります。
 「戦争を早く終わらせるためでなく、原爆の効果を示すため広島、長崎市民の頭上に落とされたのが真実」という番組でした。


■文化の話題
【音楽:カンタータ「脱出」関西初演を聴く】(小村公次)
(内容紹介)
 毎日新聞などの記事紹介で代替。

参考

http://mainichi.jp/articles/20160722/k00/00e/040/251000c
毎日新聞カンタータ「脱出」:強制連行の中国人男性実話、28日大阪で』
 太平洋戦争中に日本に強制連行され、終戦を知らずに14年間北海道の原野に隠れて生き延びた中国人男性の実話を基に書かれたカンタータ(声楽曲)「脱出」が28日、大阪市内で大阪フィルハーモニー交響楽団と公募の合唱団によって演奏される。戦後71年を迎え、実行委は「忘れてはならない出来事を歌の力で語り継ごうとするこの曲を演奏する意義は、以前より大きくなっている」と話す。
 オペラ「森は生きている」や合唱曲「原爆小景」で知られる林光さんが作曲した。1978年に東京で初演され、西日本では今回が初演になるという。歌詞は小説にもなっている劉連仁(リュウ・リェンレン)さんの体験を中心に、詩人の木島始さんが書き下ろした。劉さんは北海道の炭鉱労働に従事させられ、終戦直前に逃亡。日本への強制連行の実態を証言し続けた人物として知られる。2000年、87歳で死去。
 曲は全18章、演奏時間1時間10分の大作。身重の妻を残して日本軍に連れ去られ、強制労働から脱走して14年間生き延びた男性の怒りや悲しみを激しく、美しいメロディーでつづる。
<逃げだすか うちこわすか それが 奴隷の思い>。
 最終章では、忘れてはならない事実を歌で伝えていこうと訴える。
 大阪府内の音楽教育に関心のある教師らでつくる「大阪音楽教育の会」を中心とする実行委が演奏会を企画した。実行委員長の鶴賀とも子さん(65)=同府岸和田市=は「テロや紛争が頻発している現在、過去の事実を知ったうえで相手と向き合おうというこの曲を歌う意味は大きい」。
 合唱団には関西を中心に広島や徳島など全国から約150人が参加。小学校教諭や保育士、主婦など、年齢層もさまざま。同府茨木市の保育士、諸岡拓未さん(31)は「将来まで伝えていくべき大事な歴史だと思う。責任を持って歌いたい」と練習に励んでいた。指揮は、林さんが12年に亡くなるまで30年以上親交のあった作曲家の寺嶋陸也さん(52)。「光さんが『多くの人に聴いてほしい』と望んでいた曲を大阪で初めて上演できるのは楽しみ」と話している。
 大阪市北区ザ・シンフォニーホールで午後7時開演。

http://www.doshinsha.co.jp/special/ikiru/
■著者、森越智子さんに聞く、『生きる 劉連仁(りゅうりぇんれん)の物語』
 『生きる 劉連仁(りゅうりぇんれん)の物語』(森越智子・著/谷口広樹・絵)が、2016年度、第62回青少年読書感想文全国コンクール課題図書・中学校の部に選ばれました。
 この本は、太平洋戦争中、中国で日本軍により連れ去られ、北海道の炭坑での過酷な強制労働から逃亡し北海道の山中を13年間生きぬいた劉連仁さんの実話を基に描かれた一冊です。著者の森越智子さんに、お話をうかがいました。
インタビュアー
 この本を執筆されたきっかけを教えてください。
森越氏
 ひとつは、茨木のり子さんの長編詩『りゅうりぇんれんの物語』です。
 劉さんの体験を聞き書きした本を読んだ詩人の茨木のり子さんが、この事実を次の世代に伝えようと、今からちょうど51年前に発表した詩です。
 編集のHさんから劉連仁さんを紹介する本の執筆についてのお話があって、その時にこの詩を紹介され、衝撃を受けました。
 茨木さんの詩はすばらしいものですが、子どもたちにもっとわかりやすく、戦争がどんなものであるかを私なりに伝えたいと思いました。
 また、茨木さんがこの詩を発表した当時は、まだ劉さんの体験した強制連行が本当にあったという証拠を示す事ができませんでしたが、今ならその後発見された確かな歴史的な資料を示して、次世代に届けることができます。それが茨木さんから渡されたバトンを受け取った私の役目ではないかと思ったのです。
 そもそも戦争というものは、本当は傷つけられるだけでなく、誰かを傷つけることでもあるのですが、日本では自分たちが戦争で受けた被害の歴史に比べ、傷つけた加害の歴史については十分に伝えられていません。
 例えば、ドイツのナチスユダヤの人たちに対してアウシュビッツで行ったことは知っていますが、自分たちが他国の人に行った加害の歴史についてはよく知りません。
 劉さんたちが体験した日本による中国人の強制労働もその一つであり、私自身もそうした歴史を十分には知りませんでした。
 日本の未来を担う次の世代に、そうした歴史や事実をきちんと伝えなければという思いでお引き受けしました。
 もうひとつは、劉さんが連れてこられ、13年間さまよったのが北海道だったことがあります。
 私は生まれも育ちも北海道ですから、半年以上冬になる北海道で、生き延びたつらさと厳しさは、他の土地にお住まいの方よりは伝える事が出来るのではないかという思いがありました。
 その北海道の冬の厳しさを知っているだけに、家も暖もなく生き抜いた劉さんの強さは何だったのか、私自身も知りたかったし、伝えたかったんです。
インタビュアー
 この本のエピローグでも、劉さんの足どりを追った北海道の雨竜郡沼田町から石狩郡当別町までの取材の様子が紹介されています。現地を取材されどんなことを感じましたか?
森越氏
 劉さんが実際に連行された時期である11月の初めにあわせて取材に行きました。
 北海道はとても広いですから、南と北では気候も全くちがいます。劉さんが連れてこられた沼田町は北海道の中でもとりわけ雪の多い豪雪地域です。
 今私の住んでいる函館では降った雪が融けずにそのまま積もって根雪になるのは、例年12月のクリスマスくらいですが、沼田町では11月のはじめから融けずに根雪になる地域なんだということが、行って初めてわかりました。その場に立ち、私自身も体験したことで、その時の劉さんの気持ちをより理解できたように思います。
 また、劉さんの故郷である、中国山東省高密市草泊村にも訪ねる機会に恵まれました。
 日本中国友好協会の方々が、16年ぶりに劉さんのお墓参りを行うということを偶然知って、すぐに連絡を取ったところ、快く同行を許可して頂けたのです。
 劉さんがどんな所で生まれ育ってきたのか、その風景を見て、その土地の空気を肌で感じることができてよかったですが、何より劉さんが連行された距離がどんなに長かったかを実感できました。
 故郷の草泊村から高密まで30キロ以上を歩かされ、汽車で青島、青島から貨物船で日本へ連行されたその時の劉さんと違って、私たちは飛行機と高速バスの旅でしたが、それでも本当に遠い道のりで、劉さんはどれほど不安だったろうと想像すると、胸が苦しくなりました。
インタビュアー
 児童書として執筆される上で意識したことはありましたでしょうか?
森越氏
 なぜこうしたことが起こってしまったのか、時代背景も含めてわかりやすく子どもたちに伝えたいと思いました。
 また、後半のエピローグでは、劉さんの身に起きた出来事が、私たちの今生きている社会とどうつながっているのか、「昔そんな悲惨なことがあった」という知識だけで終わってほしくない、過去を通して今の社会を見つめ直してみる目をもってほしいという思いをこめています。
 子どもたちはいつまでも子どものままではなく、必ず私たちの未来を担う、社会を作る人たちになっていきます。だからこそ、過去から学んだことをよりよい社会を作っていくために生かして欲しいのです。
 悲惨な過去について「かわいそう」と思う気持ちから、さらに進んだもう一歩を、子どもたちに届けられたらという思いがあります。
インタビュアー
 劉さんとは違いますが、今の日本でも、貧困や、人間を消耗品のように働かされるブラックバイト・ブラック企業といった社会問題、子どもたちの間にもいじめや「学校カースト」といった問題もあり、厳しい状況にある子どもたちもいます。
 この本を読んだ子どもたちに、どんなことを感じてほしいでしょうか?
森越氏
 これを読んで子どもたちに「あなたも強く生きぬくのよ」とは、単純に言いたくはないんですね。子どもたちに「強くなれ」と押し付けてしまうのはなんだか少しだけ違うように思えて。
 ただ思うのは、例えば戦時中、本当は無事に帰ってきてほしいと思う気持ちを「お国のため」という言葉の前でみんなが押し殺してきましたよね。
 大きな力や大義の前に、本当の気持ちを封じこめ、あるいは封じ込めさせられてきた、そういうことが実は人間としての幸せやその人の人生を壊してしまった気がするのです。それは、自分の命も人の命も大事にしないことにつながることになるのではと思えるのです。
 だから、できるならどんな時も「本当の気持ち」から出発して考えることを大切にしてほしいのです。
 まさに、劉さんが、長い困難の中で劉さん自らを支えていたものは、自分が望んでいないことの犠牲には絶対になりたくない、少しでも自分らしく生きたいという気持ちだったのではないでしょうか。そうして生き抜いた劉さんの姿を通して、世界にたった一つしかない自分の貴い命とむきあうこと、生きるということの意味を考えてもらえたらと願っています。
 どんな中にあっても、投げ出さないで、ごまかさないで、自分の命とむきあって自分の生き方をみつけてほしいと思います。

http://www.sankei.com/west/news/141208/wst1412080003-n1.html
■人民中国2005年4月号『莫言*56さんと旅した北海道の冬(北海道新聞記者:佐々木学)』から一部引用
「佐々木君、莫言さんをインタビューしたことあったよね。彼の北海道取材に同行しないか」
 北京の人民日報インターネット日本語部で派遣研修中の私の元へ、北海道新聞東京支社の国際部長から電話がかかってきたのは2004年11月だった。私はすかさず「行きます」と答えた。
 中国から北海道への将来の観光客誘致を目指す札幌市が、中国映画『紅いコーリャン』の原作者として日本でも知られる作家の莫言さんを、中国の記者やカメラマン、編集者と共に冬の北海道へ招き、紀行文の単行本や新聞、旅行雑誌を通じて中国の人たちに北海道を紹介してもらう取材ツアーのことだ。北海道新聞社も協賛を決めていた。
(中略)
 莫言さんにとって、北海道は長い間のあこがれの地だったようだ。
 理由の一つは映画。莫言さんは、中国が改革開放に踏み切って間もない1980年代前半、中国で上映された日本映画の中で、北海道が舞台の『君よ憤怒の河を渉れ』『キタキツネ物語』を見て、北海道の風景が頭に焼きついたという。特に『君よ憤怒の河を渉れ』に出演した中野良子さんは、莫言さん世代の中国人男性にとって永遠のアイドルと言ってもいい*57
 「私の世代にとって中野さんの美しさは不動のもので、北海道へのあこがれは実は彼女への思いでもある」と、12月27日の北海道大学での講演で照れて白状した。
 北海道とのもう一つの接点は、第二次世界大戦中に故郷の高密県から日本軍によって北海道の炭鉱へ強制連行された故・劉連仁さん(2000年死去)の存在だ。劉さんは炭鉱から脱走し、日本の敗戦を知らないまま約13年も北海道の山中を逃げ続け、1958年に当別町で発見された後、故郷へ生還した。
 莫言さんは1986年、劉さんを自宅に訪ねたことがある。当時すでに70歳を超えていた劉さんは元気で、北海道での体験談を夜通し話し続けたという。クマを投げ飛ばした話は信じられなかったが、夏は移動しながら時には草の芽や木の皮を食べ、厳寒の冬は狭い穴の中に潜み、自殺も何度か考えたという劉さんの逃亡生活は、莫言さんの想像力を刺激した。
 「つかまるのではないかという恐怖心と大自然の過酷さに彼は耐えた。その不屈の精神の源は、家族と故郷を思い続け、必ず生きて帰ると信じたからこそなのだろう」と、莫言さんは当時の劉さんを思った。
 このため、1月2日の当別町訪問は今回の取材旅行のクライマックスと言っていいだろう。劉連仁生還記念碑を訪れた莫言さんは、出迎えた当別町長に「きょう、私の長年の夢が実現しました」と挨拶し、劉さんを保護した町民に当時の様子を詳しく聞いた。劉さんの体験を後世に伝えようとする町民主催の歓迎会で大和胡弓の演奏が披露され、莫言さんは聴きながら熱いものが込み上げたそうだ。「劉連仁の北海道での日々はまさしく悪夢だ。しかし、戦争による劉連仁の伝説は、確実に友好のシンボルに変わった」と語った。
 当別町の訪問を終え、私は莫言さんに、政治的関係が行き詰まり、国民感情が互いに親近感を失いつつある日中関係の現状をどう見ているか尋ねた。莫言さんの答えは明快だった。
 「歴史は真正面から正視しなければならない。一方、戦争は政治家が起こす滑稽なもので、庶民とは無関係なのに庶民の運命を狂わせる。中国と日本の庶民は善良な人ばかりだ。かつて劉さんを救い、今も劉さんの苦難を伝える当別町民と出会い、私の信念が真実だと確信した。高密と当別の庶民の交流は、現在ぎくしゃくしている中日関係によい影響を与えると思う」
 莫言さんは何度も「老百姓(庶民)」という言葉を繰り返した。私は、庶民の視点で文学作品を書き続ける莫言さんらしい言葉を聞き、まったく同感だった。国と国の関係も、詰まるところ人と人との関係の集合体ではないかと思うからだ。異なる国の人と人が相手の苦しみを思いやったり、一緒に何かを成し遂げたりして共感することから、国と国も成熟した良好な関係に進むのではないかと思う。
 劉連仁さんを忘れない当別町民の姿は、私も含めた莫言さん一行に、そうした当たり前のことを教えてくれた。


【演劇:ピアノソナタ『月光』による朗読劇『月光の夏』(劇団東演)】(水村武)
(内容紹介)
 劇団東演による朗読劇『月光の夏』(http://www.t-toen.com/gekko/gekou-introduce.html参照)の紹介。

参考
■Transnational History 『「振武寮」に隔離された元陸軍 特攻隊員の証言など(文字起こし)』
http://d.hatena.ne.jp/dj19/20090420/p1

■月光の夏(ウィキペ参照)
 実話を元に創作した毛利恒之のドキュメンタリー・ノベル。この作品によって帰還特攻隊員の収容施設「振武寮」(しんぶりょう)の存在が一般に知られるようになった。
 題名の「月光」とは、ベートーヴェンピアノソナタ第14番のこと。
■映画
 1993年に映画化された。ポニーキャニオンからDVDが発売されている。

振武寮(ウィキペ参照)
 振武寮での帰還特攻隊員の日々は反省文の提出、軍人勅諭の書き写し、写経など精神教育的なものが延々と続けられた。死して軍神となるはずの特攻隊員が生きて戻ってきたことは激しく非難され、「人間の屑」「卑怯者」「国賊」と罵られたという。振武寮の目的は帰還隊員にもう一度死を覚悟させて特攻に赴かせるものであったともいわれ、隊員のなかには精神的に追い詰められ、自殺を図る者もいたといわれる。
 振武寮の存在は当時の軍の機密事項に属したため、今でも知る人は少ない。
 NHKの番組・ETV特集『許されなかった帰還 〜福岡・振武寮 特攻隊生還者たちの戦争〜』(2006年10月21日 22:00〜22:45放送、NHK教育)の中で振武寮を指揮統括していた倉澤清忠少佐の証言が紹介され、その実体の一部が明らかとなった。
 倉澤は戦後、印刷会社の役員になったものの、1945年の終戦から1996年までの51年間もの間、生き残りの特攻隊員や遺族の報復を恐れて、軍刀や拳銃を自宅に隠し持っていたという(ボーガス注:戦前はともかく、戦後は勿論銃刀法違反という立派な犯罪行為)。「多くの隊員を出撃させたので、恨みに思われるのは仕方ないし、遺族からも反感を買っているので、いつ報復されるかわからないと、夜も安心して寝ることができなかった。80歳までは自己防衛のために、ピストルに実弾を込めて持ち歩き、家では軍刀を手離さなかったんです」と告白している。

 倉沢が人として「ゲス」「鬼畜」であることは間違いないでしょうが彼の上には上官がいるわけですからね。彼一人の責任じゃないし「軍刀とピストル無しでは怖くて生活できなかった」という倉沢はまだ「人としてまともな方」かもしれません。


■読者の声

■サンダース旋風と日本の共通点(福岡:M氏)
 9月号の『2016年の米国大統領選と経済社会』(萩原伸次郎)、『トップ1%が支配する経済・政治の変革を求める米国人』を読みました。サンダースが何故支持されるのかという原因と最近の日本共産党の躍進原因は共通するものがあると思います。

 小生もおおむね同感なので紹介しました。

*1:沖縄県議、宜野湾市長を経て参院議員。著書『普天間基地はあなたの隣にある。だから一緒になくしたい。』(2010年、かもがわ出版)など

*2:衆院議員、日本共産党沖縄県委員長

*3:著書『沖縄の女たち:女性の人権と基地・軍隊』(2006年、明石書店

*4:著書『イラク湾岸戦争の子どもたち:劣化ウラン弾は何をもたらしたか』(2002年、高文研)、『セミパラチンスク(新版):草原の民・核の爪痕』(2009年、高文研)、『沖縄戦「集団自決」を生きる』(2009年、高文研)、『沖縄戦・最後の証言:おじい・おばあが米軍基地建設に抵抗する理由』(2016年、新日本出版社)など

*5:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事

*6:著書『近代立憲主義思想の原像:ジョン・ロック政治思想と現代憲法学』(2003年、法律文化社)、『改憲問題』(2006年、ちくま新書)、『立憲主義復権憲法理論』(2012年、日本評論社

*7:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相など歴任

*8:もちろん過大評価は禁物だが

*9:現在、防衛相

*10:現在、自民党幹事長代行

*11:なお長勢は既に議員を引退している。

*12:著書『ドキュメント「慰安婦」問題と教科書攻撃』(1997年、高文研)、『「つくる会」分裂と歴史偽造の深層』(2008年、花伝社)、『日本会議の全貌:知られざる巨大組織の実態』(2016年、花伝社)など

*13:小泉内閣官房長官自民党幹事長(小泉総裁時代)などを経て首相

*14:第一次安倍内閣沖縄・北方等担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を経て、現在、総務相

*15:第二次安倍内閣行革担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を経て現在、防衛相

*16:首相補佐官

*17:自民党総裁特別補佐(第二次安倍総裁時代)を経て現在、官房副長官

*18:文科大臣政務官(第二次安倍内閣)を経て、現在、文科副大臣。過去赤旗や岩波世界にコラムを持っていた男がこれですから変節漢としか言い様がない。下村など他のウヨ議員連中はともかく、義家には出世欲しかないでしょう。本来、安倍らはまじめに政治を考えてるなら「義家のような変節感」には怒るべきだと思うんですけどね。

*19:第一次安倍内閣官房副長官、第二次安倍内閣文科相を経て、現在幹事長代行。

*20:第二次安倍内閣国家公安委員長。現在、自民党選挙対策委員長

*21:著書『日本の公安警察』(2000年、講談社現代新書)、『北朝鮮に潜入せよ』(2006年、講談社現代新書)、『ルポ拉致と人々:救う会公安警察朝鮮総聯』(2011年、岩波書店)、『トラオ:徳田虎雄・不随の病院王』(2013年、小学館文庫)、『増補版・国策捜査:暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(2013年、角川文庫)、『抵抗の拠点から:朝日新聞慰安婦報道」の核心』(2014年、講談社)など

*22:2016年、平凡社新書

*23:扶桑社新書

*24:菅野本で日本会議幹部が軒並み「生長の家」出身であることが指摘されたことで「生長の家=極右反動で安倍政権支持」と誤解される事を恐れた「生長の家」が「日本会議と今の我々は無関係、むしろ彼らには我々は批判的だ」と公式に釈明の声明を出す事態になった。

*25:合同出版

*26:花伝社

*27:金曜日

*28:ちなみに青木理日本会議の正体』(平凡社新書)、山崎雅弘『日本会議:戦前回帰への情念』(集英社新書)が刊行された。

*29:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を歴任

*30:日本政策研究センター代表

*31:国家基本問題研究所副理事長、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」共同代表

*32:著書『宗教と政治の転轍点:保守合同政教一致の宗教社会学』(2015年、花伝社)

*33:白川道久・神社本庁統理、鷹司尚武・伊勢神宮宮司、服部貞弘・岩津天満宮名誉宮司神道政治連盟常任顧問、渡邊惠進・第255世天台座主のこと。

*34:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で顧問は3人でそのうち2人(北白川道久・神社本庁統理、鷹司尚武・神宮大宮司)が神道関係者。

*35:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で北白川道久・神社本庁統理が顧問。田中恆清・神社本庁総長が副会長

*36:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で岡野聖法・解脱会法主が代表委員

*37:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で岡田光央・崇教真光教え主が代表委員

*38:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で廣池幹堂・モラロジー研究所理事長が代表委員

*39:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で丸山敏秋・倫理研究所理事長が代表委員

*40:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で関口慶一・佛所護念会教団会長が代表委員

*41:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で稲山霊芳・念法眞教燈主が代表委員

*42:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で秋本協徳・新生佛教教団最高顧問が代表委員

*43:なお、http://www.nipponkaigi.org/about/yakuinによれば「平成28年(2016年)7月1日現在」で中野良子(勿論女優の中野良子とは別人)・オイスカインターナショナル総裁が代表委員

*44:村山内閣運輸相、森内閣通産相小泉内閣経産相たちあがれ日本代表、維新の会代表代行・国会議員団長、次世代の党代表など歴任

*45:第二次安倍内閣行革担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*46:小渕内閣労働相、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣規制改革担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*47:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*48:第一次安倍内閣沖縄・北方等担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*49:著書『地震列島日本の原発柏崎刈羽と福島事故の教訓』(2015年、東洋書店)など

*50:著書『「資本論」と産業革命の時代:マルクスの見たイギリス資本主義』(1999年、新日本出版社)、『製糸工女と富国強兵の時代:生糸がささえた日本資本主義』(2002年、新日本出版社

*51:痴漢冤罪を描いた映画『それでもボクはやってない』が2007年度キネマ旬報ベスト・テン日本映画部門の1位に選ばれる。また2011年6月に発足した「新時代の刑事司法制度特別部会」の委員に選ばれ「取り調べの全面可視化」「証拠の全面開示」「人質司法の改善」を主張(ウィキペ「周防正行」参照)。

*52:著書『自由と国家:いま「憲法」のもつ意味』(1989年、岩波新書)、『もういちど憲法を読む』(1992年、岩波セミナーブックス)、『憲法と国家:同時代を問う』(1999年、岩波新書)、『個人と国家:今なぜ立憲主義か』(2000年、集英社新書)、『先人たちの「憲法」観:「個人」と「国体」の間』(2000年、岩波ブックレット)、『憲法という作為』(2009年、岩波書店)、『いま、憲法は「時代遅れ」か』(2011年、平凡社)、『いま、「憲法改正」をどう考えるか』(2013年、岩波書店)、『憲法・近代知の復権へ』(2013年、平凡社ライブラリー)など

*53:ちなみに三鷹事件、下山国鉄総裁変死事件(自殺説と他殺説が存在する)とセットで俗に「国鉄三大怪事件」と呼ばれる。

*54:吉田内閣運輸相、労働相、官房長官、建設相を歴任した吉田の側近。佐藤内閣防衛庁長官も務めた。

*55:著書『私の昭和史』(1988年、岩波新書)、『私にとっての二〇世紀』(2009年、岩波現代文庫)、『現代ヨーロッパの精神』(2010年、岩波現代文庫)、『文学とは何か』(2014年、角川ソフィア文庫)、『二〇世紀の自画像』(2014年、ちくま新書)など

*56:2012年ノーベル賞受賞者。著書『白檀の刑(上)(下)』(2010年、中公文庫)、『牛 築路』(2011年、岩波現代文庫)、『赤い高粱』(2013年、岩波現代文庫)など。

*57:これについては■人民日報『中国と縁の深かった高倉健さん』(http://j.people.com.cn/n/2014/1119/c94473-8811177.html)、『女優・中野良子が語る「中国との35年間の縁」』(http://j.people.com.cn/n/2014/0619/c94473-8743665.html)、『中野良子:中日友好交流に尽くす銀幕の「真由美」』(http://j.people.com.cn/n3/2016/0902/c94473-9109203.html)や■産経『健さん追悼、中国人の半数が見た「君よ憤怒の河を渉れ」:文革後の圧制下、主演の健さん「正義の象徴」に』(http://www.sankei.com/west/news/141208/wst1412080003-n1.html)参照