今日の産経ニュース(10/4分)(追記・訂正あり)

■ロシアで繰り返される“人肉食”の惨劇 今度は30人殺害か、夫婦逮捕 背景にある旧ソ連からの「負の特性」とは
http://www.sankei.com/world/news/171004/wor1710040001-n1.html
 産経らしいトンデモ記事です。

旧ソ連では、1940年代の食糧難の時代に人肉食が頻発した

 おいおいですね。食糧難の時期の人肉食と今回のような「食糧難でもないのに人肉食」と全然違うでしょうに。
 前者ならまだ理解できますが後者はただのキチガイでしょう。

 専門家は露メディアに、ロシア人の「負の特性」として、アルコールに依存しやすい点や精神的な病、さらに宗教心の低さなどがあるとし、それらが極度に進んだ場合に、人肉食などの猟奇的な犯罪に走ると指摘。

 いやいや別にロシア人の民族性なんか関係ないでしょう。人肉食なんてまともな人間はやりません。特に「病死や事故死の死体を食う」のならまだしも「自ら殺人+人肉食」なんてねえ。
 ちなみに人肉食というと小生はオッサンなので「パリ人肉食事件(1981年)」の佐川一政を思い出します。佐川についてはウィキペ「佐川一政」を紹介しておきます。

参考

佐川一政(1949年4月26日〜:ウィキペ参照)
・1977年(昭和52年)からフランスに留学し、1980年(昭和55年)、パリ第3大学大学院比較文学専攻修士課程修了。引き続き同大学院博士課程に在籍していた1981年(昭和56年)6月11日、佐川は同大学のオランダ人女性留学生(当時25歳)が自室を訪れた際、彼女を背後から銃で撃って殺害。屍姦の後、解体し写真に撮り、いくつかの部分の肉を食べた。
 その後、佐川は女性の遺体を遺棄しようとしているところを目撃されて逮捕され、犯行を自供したが、精神鑑定の結果、心身喪失状態での犯行と判断され、不起訴処分となった。
1984年(昭和59年)に日本へ帰国し、都立松沢病院に入院した。同病院での診察では、佐川は人肉食の性癖は持っておらず、フランス警察に対する欺瞞であったという結論であった。副院長の金子嗣郎は、『佐川は精神病ではなく人格障害であり、刑事責任を問われるべきであり、フランスの病院は誤った判断を下したのではないか』としている。日本警察も同じ考えであり、佐川を逮捕して再び裁判にかける方針であったが、フランス警察が「不起訴処分になった者の捜査資料を引き渡すことはできない」として拒否した。
・両親もこの事件の結果、父親は会社を退職することになり、母親は神経症の病気を患ったという。
・2005年(平成17年)1月4日に父が死去。翌日に母が自殺。当時、佐川は闇金の取立てに追われて千葉県に逃げていたため、両親の死に目に会えず、社葬という理由で葬儀への出席も断られた。
・2013年11月に脳梗塞で倒れて救急搬送され、歩行困難となり、実弟の介護を受けつつ年金と生活保護で暮らしていることが2015年に報じられた。

ひかりごけ事件(ウィキペ参照)
・1944年5月に、現在の北海道目梨郡羅臼町で発覚した死体損壊事件。日本陸軍の徴用船が難破し、真冬の知床岬に食料もない極限状態に置かれた船長が、仲間の船員の遺体を食べて生き延びたという事件である。この名称は、この事件を題材とした武田泰淳の小説『ひかりごけ』に由来する。
・1944年6月、警察は殺人、死体遺棄及び死体損壊の容疑で船長を逮捕した。警察の調べに対し船長は、乗組員の一人の遺体を食べたことを認めたが、殺人については認めなかった。検察は船長を死体損壊容疑で起訴。8月、船長に対する心神耗弱が認められ、懲役1年の判決が下りた。

■小笠原事件(ウィキペ参照)
・1945年(昭和20年)に小笠原諸島父島において日本の陸海軍高級幹部が、アメリカ軍航空部隊の搭乗員である捕虜8名を処刑し、そのうち5名の人肉を嗜食したとされる事件。父島事件ともいう。
・米軍は、1946年2月に立花陸軍中将、的場陸軍少佐、森海軍中将、吉井海軍大佐らを捕虜殺害と死体損壊でBC級戦犯としてグアム軍事法廷にて起訴した。その結果、立花、的場、吉井ら5名が死刑、森ら5名が終身刑(ただし森は別の戦犯裁判で死刑判決)、15名が有期刑となった。ただし元日弁連会長の土屋公献は後に事件について証言し、人肉食の事実は無かったと否定している。


■トランプ演説ねじ曲げ通訳 非難発言で国営イラン放送
http://www.sankei.com/world/news/171004/wor1710040007-n1.html

 トランプ氏が「イランは暴力と流血、混乱を輸出するならず者国家だ」と敵意をあらわにすると、チトサズ氏はペルシャ語で「イランはイスラエルの破壊を口にする」。

 国連演説だから自重するだろうと思ってたら話が違ってあわてたという事でしょうか。まあ「全くデタラメを伝えた」わけではなく「そのまんま伝えると反米感情が激化しかねない部分」を米国と対立を激化させたくないが為に「超訳(意訳)し、表現を和らげた」という話です。むしろ米国にとっては「ありがたい話」かもしれません。


■【衆院選】「出馬100パーセントない。進次郎さん*1がキャンキャンとはやし立てるが」小池百合子*2都知事
http://www.sankei.com/politics/news/171004/plt1710040009-n1.html
 世論調査で小池出馬論の支持が高くないこと、希望が「現時点」では野党第一党とは言え、政権交代は事実上難しそうなこと、立憲民主党の誕生が小池党の支持率にどう影響するか現時点で読めないこと、連合の支援が得られなかったことなどが小池に出馬を躊躇させてるのでしょう。
 小池も「都知事を辞め衆院選挙に出馬した結果、かえって政界引退に追い込まれた石原元都知事(元維新の会共同代表)」の二の舞は嫌でしょうから。
 しかし一方で小池は「政権交代を狙う」とも公言しており*3、当然ながら自公、立憲民主党、共産、社民、あるいはマスコミなどから「政権交代が実現したら誰が首相になるのか」つうツッコミが来るでしょう。
 小池が出馬しないならそれは経歴的には「前原*4民進党代表」あたりになるのでしょうが、小池が具体的な名前を言えるか、それともごまかすか、はたまた「将来はともかく、今回は政権交代は狙ってない」と言い出すか。もちろん小池が前言撤回で出馬という可能性もゼロではないですが、そうした小池の言動は当然、希望は勿論、与党・自公や他野党(立憲民主党、共産、社民)の動向や支持率に影響するわけで当面注目せざるを得ません。



■特攻隊慰霊ツアー 330キロ、足跡たどる 語り継ぐ重要性を確認
http://www.sankei.com/life/news/171004/trv1710040001-n1.html

 一行が、最初に向かったのは南九州市知覧特攻平和会館だ。
 平和会館内には沖縄戦で戦死した1036人の陸軍特攻隊員の遺影が飾られており、この日も全国から多くの来館者が訪れていた。
 1036人の遺影を集めたのは平和会館の初代館長で元特攻隊員、板津忠正さん(平成27年4月6日死去、享年90)である。
(中略)
 宮本*5編集委員は板津さんが生前、「特攻隊の死について戦後、『犬死にだった』といった偏見が多くなった。冒涜(ぼうとく)するようなことを平気でいう人もいた。それが許せなかった」と語っていたことに触れ(中略)た。

■新刊紹介:「歴史評論」8月号
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20170720/5210278609
などでも以前触れましたが軍事的成果なんかもちろん全く上がってない*6んだから、犬死にでしかありません。むしろ犬死にを犬死にと認めないで美化することの方が侮辱でしょう。まあ、「物の言い方」の問題はありますが特攻を犬死にというのは「特攻隊員の侮辱」を意味してるのではなく「特攻を強要した昭和天皇以下日本政府指導部への非難」です。「特攻は意義ある死」といったら当時の戦争指導部が非難出来なくなる。結局それは「あの戦争は正しかった」「南京事件などなかった」という歴史捏造主義に行き着くでしょう。しかし特攻を犬死にと認められない人間・板津氏にとってが平和とは一体何なのか。「特攻で平和が守られた」なんてのはデマでしかありません。知覧会館は果たして「戦争の反省」という意味で価値はあるのか。ないんじゃないか。歴史学的な価値もあるとも思えません。
 しかし日本では
産経
■特攻とナチスの虐殺は違う 鹿児島南九州市・知覧、「アウシュビッツ」との連携見直しへ 遺族らから反対意見相次ぐ
http://www.sankei.com/politics/news/150725/plt1507250002-n1.html
■「特攻と虐殺は違う」アウシュビッツとの友好協定中止を決定 知覧・南九州市 反対論が続出
http://www.sankei.com/west/news/150728/wst1507280022-n1.html
ですから、本当にげんなりします。

フィリピンでは海軍の「神風特攻隊」をはじめ、特攻攻撃でも多くの犠牲者が出ている。

■新刊紹介:「歴史評論」8月号
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20170720/5210278609
などでも以前触れましたが
夕刊フジ『【賞賛される日本】フィリピン・ルソン島で経験した神風特攻隊の慰霊祭』(井上和彦*7
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140129/frn1401290719000-n1.htm
■ザ・リバティ*8『神風特攻隊を誇りに思うフィリピン人 自虐史観の下では愛国心は理解できない』
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8691
などという与太を飛ばしてるのが産経らウヨです。

*1:自民党青年局長(谷垣、第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣復興大臣政務官自民党農林部会長など歴任

*2:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長を経て都知事

*3:ただし一方で若狭は「政権交代は無理だから小池氏が出馬しなくても問題ない」といった過去がありますが

*4:鳩山、菅内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相を経て民進党代表

*5:著書『「電池が切れるまで」の仲間たち:子ども病院物語』(2003年、角川書店)、『「特攻」と遺族の戦後』(2008年、角川ソフィア文庫)、『電池が切れるまで』(2009年、角川つばさ文庫)、『海の特攻「回天」』(2012年、角川ソフィア文庫)、『歪んだ正義:特捜検察の語られざる真相』(2014年、角川文庫)、『報道されない沖縄:沈黙する「国防の島」』(2014年、角川学芸出版)、『少年兵はなぜ故郷に火を放ったのか:沖縄護郷隊の戦い』(2015年、角川学芸出版)、『爆買いされる日本の領土』(2017年、角川新書) |など

*6:上がってれば自殺攻撃が許されるつうもんでもないですが、上がってないのだからなおさらです。

*7:著書『親日アジア街道を行く:日本近代史の真実』(2005年、扶桑社)、『日本が戦ってくれて感謝しています:アジアが賞賛する日本とあの戦争』(2013年、産経新聞出版)、『日本が戦ってくれて感謝しています2:あの戦争で日本人が尊敬された理由』(2015年、産経新聞出版)、『パラオはなぜ「世界一の親日国」なのか』(2015年、PHP研究所)、『ありがとう日本軍:アジアのために勇敢に戦ったサムライたち』(2015年、PHP研究所)、『大東亜戦争秘録:日本軍はこんなに強かった!』(2016年、双葉社)など

*8:右翼宗教・幸福の科学の機関誌