新刊紹介:「経済」12月号

「経済」12月号について、簡単に紹介します。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
■随想『「100円ショップのふるさと」義烏(イーウー)を歩く』(宮崎悦子)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

https://wind-mill.co.jp/iwashiblog/2016/09/china-travel-yiwu/
■中国旅行記1 義烏 世界最大の卸売市場
 知る人ぞ知る場所、世界中からバイヤーを集める巨大卸売市場の街、義烏をご紹介しましょう。
(中略)
 ここには世界中からバイヤーを集める巨大な義烏卸売市場があり、日用品や工業品、電子機器などの卸売市場が多く立地しています。
 日本の100円ショップやホームセンターに並ぶ日用品のうち、中国産のものは大抵ここで仕入れることができます。中国製の安い家電や電子機器もたくさんありますよ。


■世界と日本
【世界の鉄鋼生産事情】(大場陽次)
(内容紹介)
 現在、鉄鋼の生産が供給過剰状態にあること、特に中国の供給過剰が大きいことが指摘されています。生産調整が必要なわけですが、急激な生産調整は倒産による景気後退をもたらしかねないので難しい問題です。
 なお、こうした供給過剰状態を背景に「アルセロールミッタル(2006年にアルセロール社とミッタル社が合併)」「新日鐵住金(2012年に新日鉄住友金属が合併)」といった企業統合が進展しています。
 また、こうした鉄鋼供給過剰による米国鉄鋼業の衰退が、トランプ当選の背景の一つにあるわけです(もちろんそれだけが理由ではありませんが)。


【韓国・起亜自動車訴訟】(洪相鉉)
(内容紹介)
ハンギョレ『裁判所「起亜自動車の定期賞与は通常賃金」会社側に約400億円の支払いを命じる:労働者側の要求1071億円のうち一部認定』
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/28345.html
などが報じる訴訟が取り上げられています。
 労組一部勝訴ということで、労組側、経営側ともに控訴しています。起亜自動車は韓国を代表する大企業のため、判決の影響は起亜にとどまらないとみられており、今後の状況が注目されます。


【タイの政治はどうなる:インラック前首相の政治亡命と軍事政権】(松本眞志)
(内容紹介)
 副題でわかるように、軍事政権によってインラックの兄であるタクシン元首相だけでなく、インラック前首相までもが国外亡命に追い込まれたわけでタイの民主主義も前途多難です。
 まあ、「タイと断交しよう」「タイの軍事政権をどんな手を使ってでも転覆しよう」つうのも現実的でも適切でもないでしょうが、「経済的利益を重視して」欧米や日本が事実上軍事政権を黙認してろくに経済制裁も何もしないのには怒りを覚えますね。やっかいなのは軍のクーデターは王家など既成政治権力が事実上黙認してることです。軍だけが悪いわけでは全くない。
 しかし、三浦小太郎のアジア自由民主連帯協議会(http://freeasia2011.org/japan/)といいid:noharraといい「中国がー」「北朝鮮がー」とはいっても「タイの軍事独裁問題」は平気でスルーしてるんだから全くでたらめ極まりない連中です。「お前らは民主主義を語るな」といいたい。
 なお、松本氏も指摘していますし、以前、id:Bill_McCreary氏も指摘していますが軍事政権も彼女の動きを気づきながらあえて黙認した可能性は当然あるでしょうね。
 中国も「国外に出てきたいなら出てけばいい」つうことで陳光誠とか反政府活動家が国外に行くことを黙認してますし、旧ソ連でもトロツキーが、王政時代イランでもホメイニが国外追放されてますが、下手に国内で騒がれて「反体制派のリーダー」になるくらいなら出て行ってくれた方が「長期的には政治力が衰退して」大変都合がいいわけです。国内で下手にぶっ殺したりすると殉教者になります*1し。
 まあだからこそ、劉暁波なんかは意固地になって国外にとどまったわけですけど。

参考

https://synodos.jp/international/20549
シノドス『インラック裁判は何を意味するか:タイ社会の分裂と政治の司法化』外山文子(タイ政治、比較政治学
 2017年9月27日、タイの最高裁判所政治職者刑事訴訟部により、2014年クーデタ直前まで首相を務めていたインラック・チナワット(2011年〜2014年在任)に、懲役5年の実刑判決が下された。罪状は、同政権が実施したコメ担保融資制度に伴う汚職を防止する義務を怠ったとする「職務怠慢」である。
(中略)
 前首相に対する5年の実刑判決という事態に対して、タイ国民の反応は比較的冷静である。
(中略)
 今回のインラック裁判は、インラック元首相が汚職を行ったか否かが争点ではない。インラックが、同政権の政策に関連して起こった汚職疑惑に対して、適切に対処をしなかったことに対する「職務怠慢」の罪について争われたものである。つまり非常に曖昧な罪に対する裁判であり、当初から同裁判の政治性は多くの国民の目にも明らかであった。
 9月4日から8日にかけて実施された世論調査では、82.3%の回答者が、インラックが逃亡したことは政治対立の緩和に対して良い効果を持つと答えた。69.3%の回答者は、インラックの逃亡はタイ司法の裁定が二重基準であることを示したのだと批判的な回答をしているが、68.4%の回答者は、政治的な緊張を減少させるとも答えている。
(中略)
 ここで一つの疑問が沸き上がる。なぜタイ国民には、裁判が公正なものではない可能性を認識しながら、インラックの海外逃亡が政治的緊張を緩和させるかもしれないと考える人々が存在するのだろうか。
(中略)
 タイは、1932年の立憲革命以降に13回のクーデタが成功しており、なかなか民主化が進展しないことで知られる。しかしタイ政治の歴史を俯瞰すると、2つの暗黙のルールが存在することに気づく。
(1)権力の共有
 タイでは、いずれの勢力であっても、権力を長期間独占し続けることは許されない。
 (中略)
 第二次世界大戦後の冷戦期、東南アジア諸国では(ボーガス注:シンガポールリー・クアンユー首相(1959〜1990年)、インドネシアスハルト大統領(1968〜1998年)、マレーシアのマハティール首相(1981〜2003年)など)「開発独裁」と呼ばれた独裁政権による超長期支配がみられたが、タイは他国に比べて、軍事独裁政権による支配の期間が比較的短かった。1970年代半ば以降は、クーデタ後の軍事暫定政権による支配は1年程度で終了し、総選挙が実施されてきた。
 また軍の内部においても、特定の指導者による長期支配は組織内から反発を招いた。1960年代から1970年代初頭まで支配したタノーム(ボーガス注:首相)・プラパート(ボーガス注:副首相)体制しかり、1980年代のプレーム*2政権しかりである。軍に対してクーデタ後1年程度で総選挙を実施するように要求していたのは、昨年崩御したプーミポン国王であった。国王は、国民の間で絶大な人気を誇ったが、自らも憲法の規定に従い、国会や枢密院による一定の統制を受けた。
(2)社会の調和
 もう1つのルールが、社会の「調和」を維持することである。タイ語では「クワームサーマキー」という単語が使われるが、タイにおいては民主主義を含む他の価値よりも、社会の調和がより重要な価値だとみなされる。
(中略)
 もし衝突が生じた場合は、「和解」することが強く求められる。つまりタイでは、社会が分裂するような争いがあってはならないのである。タムマサート大学政治学部の研究者によると、タイでは村落内で大きな揉め事が生じた場合、村を2つに分割するという方法で解決する例がみられるとのことである。たとえ村の中であっても、分裂や対立関係が存在することを許さないのである。
 このような文化であるため、タイでは政争で負けたものは海外に追放されるのが一種のお約束となっている。例えば、第二次世界大戦前後に首相を務めたピブーン*3は、サリット*4将軍との政争に敗北した後は、日本に移住*5して神奈川県相模原市で亡くなっている。
 また、1992年5月に民主化を求めた一般市民と軍との間で衝突が起こり、一説には250人近い死者が出たともいわれる「5月流血事件」が生じた際に、タイの知識人らが最も憂慮したのは、タイ民主化の未来についてではなく、近い将来にタイ社会の中で深刻な政治的分裂が生じる可能性についてであった。1970年代のデモは、学生が中心的メンバーであったが、1991年から1992年にかけてのデモでは、学生のみならず様々な職業の市民がデモに参加した。大衆の力を目の前にして、タイ社会の旧エリート層や知識人らは危機感を覚えた。
■タックシンとポピュリズム
 2つのルールが揺らぐ時がきた。タックシン政権の誕生である。タックシンによる支配には、どのような特徴があったのだろうか。
(中略)
 タックシンは、自らの総選挙における獲得票数を幾度も誇示し、自分だけが正義であり、自らのみが国民の統一的な意思を代表しているのだというイメージを作り上げようとした。タックシンは、ラジオなどを使用して国民に対して直接的に訴えることを好み、本来は議論の場であるはずの国会を軽視した。彼は、自らこそが国民の要望を最もよく理解している人間であると主張し、自らに対する批判や反対に対処するのは、時間の無駄であると捉えていた。 
(中略)
 同政権に関して最も深刻な問題は、
(1)「タックシンなら国民を救ってくれる」という神話が、政権が崩壊してから約10年経過した現在も多数の国民の間に残存していること、
(2)タックシン神話によってタイ社会が二つに分裂してしまったこと、そして、その分裂は10年経過しても溝が埋まる気配がみられないこと、これら2点であろう。
 バンコクのタクシー運転手は、貧しい東北部の出身者が多いが、現在も彼らの中に「タックシンこそが国と国民を救うことができる」と信じているものが多数いる。外国人である筆者にも、いかにタックシンが素晴らしい指導者であったかを熱く語り、もし彼が戻ってくれば国家の収入を増やして、国民にお金を配ってくれるだろうとも語っていた。
 2006年に首相の座を降りてから長い年月が経過しているにもかかわらず、タックシンのカリスマ性はまだ一定の力を持っているように思われる。2011年7月に実施された総選挙ではインラックが後継者として登場したが、現在に至るまでタックシンと仲睦まじい2ショットの写真を度々流している。また2016年8月に実施された新憲法草案の可否を問う国民投票を前に、同草案と国民投票に反対するグループが開催したセミナーでも、タックシンのイラストが入ったパンフレットなどを持つ参加者が散見された。
(中略)
 赤シャツ派については、全てのメンバーがタックシンを崇拝しているのではなく、あくまで民主主義の原則に基づく政治を要求しているだけだとの指摘もある。しかし、ここまで社会の分裂が深刻化および長期化した主たる原因が、タックシンのポピュリスト的統治スタイルにあったことは否定できない。
■政治の司法化、汚職取締の政治手段化
 タイでは、2006年クーデタの前後から、政争が憲法裁判所や最高裁判所に持ち込まれることが急増し、政治において裁判所が重要な役割を果たすようになった。 
(中略)
 タイの場合、政権がらみの裁判の目的は明快である。それは「タックシン・システム」の排除である。社会に分裂を引き起こしたタックシン・システムを、裁判所の裁定により排除しようとしているのである。
(中略)
 これらの裁判の判決内容については、タイ国トップの大学であるタムマサート大学の法学部に所属する公法学者たちから、「法学的に適切な判決内容ではない」との指摘が幾度もなされている。
(中略)
 2006年以降の裁判所の裁定については、軍の影響力がささやかれ、裁判所の中立性や公正性については疑問視する声が多い。裁判所が、軍など一部政治勢力の道具となっている側面については否定できない。
(中略)
■今後の行方
 タックシンによるポピュリスト的支配は、クーデタ後に統治する暫定政権をより強権的にしてしまったという負の効果をもたらした。
(中略)
 プラユット首相は、タックシン首相と同様に、毎週テレビの番組を通じ直接に国民に「幸せを取り戻す」ためのメッセージを発し続けている。クーデタにより樹立された政権ではあるが、国民からの人気を非常に気にしており、ソーシャルメディアを中心にマスメディアの情報統制に余念がない。農村に対する所謂ばら撒き政策も行う。同政権は、先祖返りしたような強権的政権であるが、ポピュリスト軍事独裁政権とも形容することができる。タックシンのポピュリズムにより生み出された分裂を抑え込むため、軍事政権側もポピュリズム的支配により対抗していると解釈できよう。
 今後のタイ政治の行方は、光がないように感じられるかもしれない。しかし前述したように、タイ政治の歴史を振り返ってみると、いずれの勢力や人物であっても、長期的に権力を独占し続けることはできないのが、タイにおける暗黙のルールである。総選挙実施の見通しは確実ではないものの、閣僚内からもプラユット首相が総選挙後も首相として戻ってきたいのであれば、選挙に出るべきであるとの声も聞かれるようになった。タイは今、社会の分裂を乗り越え、新たな民主主義の形を模索していく時期に差し掛かっている。


特集『真の労働改革こそ、ただちに』
■戦後の労働法制くつがえす大改悪:阻止する労働運動を(伊藤圭一)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■主張『「働き方改革」:「残業代ゼロ制度」は撤回を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-30/2017073002_01_1.html
■“働き方大改悪”法案の国会提出阻止を、志位委員長が記者会見
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-01/2017090101_02_1.html


ヤマト運輸の違法な長時間・不払い残業:立ち上がった労働者と解決へ(沢田幸子)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-29/2017092915_01_1.html
赤旗『ヤマト変形労働に指導、中央労基署 未払い残業代大幅増か、神奈川労連や小池議員要請』
 ヤマト運輸(本社・東京都中央区)が宅配ドライバーの残業代圧縮のために適用している変形労働時間制について、中央労働基準監督署が運用に問題があると同社に調査改善を求める行政指導をしていることが、28日までに分かりました。元宅配ドライバーの相談を受け、労基署申告を支援してきた神奈川労連は改めて、東京労働局に同社が速やかに未払い残業代を全額支払い、人間らしく働ける労働時間にするよう徹底指導を求めるとしています。
 この問題は、横浜市の鶴見労基署に元宅配ドライバーの小村亮輔さん(35)が申告したもの。
(中略)
 小村さんと神奈川労連は8月22日、日本共産党小池晃書記局長(参院議員)の事務所で、厚生労働省に是正指導するよう要請。「違法」の認定はしないものの、「問題あり」だという指導を実現しました。

https://mainichi.jp/articles/20170921/k00/00m/040/100000c
毎日新聞『福岡労働局 ヤマト運輸書類送検 残業代未払いで』
 福岡労働局は20日、宅配最大手のヤマト運輸が博多北支店(福岡市)の配達員に残業代の一部を支払っていなかったとして、同社と同支店の幹部2人を労働基準法違反容疑で福岡地検書類送検した。
 労働局側は同社のサービス残業をこれまで複数回是正勧告したが改善がみられず、刑事事件化に踏み切った。
(中略)
 ヤマト運輸を巡っては、昨年8月に神奈川県で残業代の未払い、今年5月に兵庫県で勤務時間の改ざんがあったとして、それぞれ労基署が是正勧告した。同社は未払い賃金などの全社調査を今年2月に始め、9月までにグループ全体で約5万9000人に計約240億円を支払っている。
 今回の送検を受けて同社は「お客さまに深くおわびする。全社をあげて労働環境の整備と法令順守の更なる啓発に努める」とコメントした。


■対談『さらば、真実から目を背ける者たち:日本経済と「ポスト真実」 』(浜矩子*6小森陽一*7
(内容紹介)
 アベノミクスで景気が回復しているという安倍政権の主張を「景気が回復していないという真実から目を背ける」「ポスト真実」として批判している。
 浜氏は
「株価の上昇は日銀の株式大量購入による官製相場的な要素が大きく、景気動向を的確に反映してるとはとてもいえない」
「日銀があまりに株式を大量購入し過ぎたために、株価の下降によって政府財政に大きなダメージを与える危険性が高まっている」
「とはいえ株価が高いうちに日銀が大量売却した場合の株価の動きが読めずにうかつに売ることができない」
「企業収益の高さも、法人税減税、大企業の賃金据え置きなど景気回復と関係ない要素が大きい」
「大企業が賃金増をしない上、政府が国民負担を増やしているため、GDPや消費の増加という意味では景気回復どころかむしろ景気は後退している」と指摘している。


■トランプ政権と多国籍企業(上):「内向き資本主義」と新型グローバル統合体(山脇友宏)
(内容紹介)
 トランプ政権は多国籍企業の生産拠点の海外移転(産業空洞化)を批判するなど「反グローバリズム的ポーズ」でプアホワイトの一定の支持を得て、大統領に就任した。
 しかし、トランプ政権のメンバーは

・ティラーソン国務長官
  エクソンモービル前会長
・マヌーチン財務長官
  ゴールドマン・サックス元共同経営者。大統領選でのトランプ陣営の財務責任者。
・ロス商務長官
  投資ファンド・ロス&カンパニーCEO

など財界関係者が少なくない。トランプの「反グローバリズム的ポーズ」は結局、ただのポーズに終わるものとみられる。 
 なお、山脇論文とは直接関係ないが、ロスは「パラダイス文書」に名前が浮上し、ティラーソンは「エクソンモービル会長時代のシベリア開発」でのロシア政府との親密な関係が取り沙汰されており、今後、政権の不安定要因となることが危惧されている。

*1:とはいえホメイニはともかく、トロツキーは最終的にはスターリンの放った刺客に暗殺されますが。

*2:タイ陸軍司令官、国防相などを経て首相。現在、枢密院議長

*3:1938〜1945年、1948〜1957年に首相

*4:1959〜1963年まで首相

*5:移住つうより亡命とか逃亡とかの方が適切でしょう。

*6:著書『グローバル恐慌』(2009年、岩波新書)、『ユニクロ型デフレと国家破産』(2010年、文春新書)、『死に至る地球経済』(2010年、岩波ブックレット)、『恐慌の歴史』(2011年、宝島社新書)、『中国経済 あやうい本質』(2012年、集英社新書)、『地球経済のまわり方』(2014年、ちくまプリマー新書)、『国民なき経済成長:脱・アホノミクスのすすめ』(2015年、角川新書)、『アホノミクス完全崩壊に備えよ』(2016年、角川新書)、『どアホノミクスの断末魔』(2017年、角川新書)、『世界経済の「大激転」:混迷の時代をどう生き抜くか』(2017年、PHPビジネス新書)など

*7:著書『最新宮沢賢治講義』(1996年、朝日選書)、『「ゆらぎ」の日本文学』(1998年、NHKブックス)、『村上春樹論』(2006年、平凡社新書)、『天皇玉音放送』(2008年、朝日文庫)、『漱石を読みなおす』(2016年、岩波現代文庫)、『子規と漱石』(2016年、集英社新書)など