今日の産経ニュースほか(2020年9月7日分)

習近平「抗日戦争勝利75周年座談会」講話と日中関係|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
9月6日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント:五十嵐仁の転成仁語:SSブログ

習近平「抗日戦争勝利75周年座談会」講話と日中関係|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 私があっけにとられたのは、安倍首相辞任記者会見後の日本の世論の豹変でした。朝日新聞世論調査結果ですが、辞任前の最後の調査では、安倍内閣を「支持する31%」、「支持しない52%」でした。ところが、辞任を受けた調査では、安倍政権の実績評価に関する質問ではあったのですが、「評価する71%」、「評価しない28%」と逆転したのです。しかも、後継首班にふさわしい人物に関する世論調査でも、二階*1幹事長の党内根回し(自民党の旧態依然の体質丸出し)を受けて急遽出馬した菅官房長官が38%でもっとも多く、石破元幹事長25%、岸田*2政調会長5%だったというのです。私は近著で、丸山眞男*3の卓見を踏まえて「未開社会」日本、「未開民族」日本人と指摘しましたが、以上の世論調査結果は悲しいまでにこの事実を裏付けています。太古の昔から、政治に対する厳しい視点がまったく培われないままでいるのが日本であり、日本人なのです。

9月6日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント:五十嵐仁の転成仁語:SSブログ
 法大名誉教授の五十嵐仁氏*4政治学)が言う。
 「6月の調査では、(ボーガス注:首相にふさわしい人という回答は)<石破*531%、菅*63%>という支持率でした。なのに、(ボーガス注:最近の調査では)菅長官が支持率を10倍以上もアップさせ、石破元幹事長を逆転したのは、安倍1強の8年間で、“勝ち馬に乗りたい”という国民意識が強まった結果かも知れませんね。過去、自民党には(ボーガス注:改憲右派の岸*7から経済の池田*8、金脈辞任・田中*9からクリーン三木*10リクルート疑惑の竹下*11から「非リクルート疑惑議員の海部*12」など、いわゆる)振り子の論理が働いていましたが、自民党員には、そういう意識もないのでしょう。」

 どうも最近の世論調査でそのような「予想外の異常な現象」が起こったようですね。浅井先生*13や五十嵐先生が言うように「菅が3%からいきなり30%で、石破を越えて1位」というのは「はあ?」であり「勝ち馬意識」つうことなんですかね。もちろんそうした菅にとって有利な「勝ち馬意識」がどこまで続くかは分かりませんが、なんともげんなりします。


【検証92カ月】政局 長期政権背景に巧みな人事 離合集散の野党は最大の功績者(1/2ページ) - 産経ニュース
 安倍の人事が巧みだとは全く思いません。そもそも「稲田防衛相の都知事選での失言」「河井法相の公選法違反」を考えれば「むしろ逆だろ」ですが、それはともかく。
 自民応援団「産経」はもちろん「希望の党騒動」をネタに旧民進党連中を馬鹿にしてるわけですが、あの騒動は「安倍を利した」以外に何のメリットも無く、あげく「国民民主と立憲民主で合同して元に戻る」というのでは「馬鹿にされても仕方が無い」話ではあります。
 安倍批判派にとって不幸なのは「最大野党(旧民進党系)がどうしようも無く無能であること」と「そうした無能さを連合が馬鹿げた反共主義から助長してること」でしょう。
 「以前ならともかく」、現状の「旧民主党系」の支持率では「共産党との共闘なしで自民に勝利することはほぼ不可能」であり、かつ「現状の支持率を大幅アップする秘策」もないのに「いたずらに共産党を敵視する連合」には心底呆れます。


経団連の中西会長、解散総選挙を疑問視 - 産経ニュース
 「そんなことより新型コロナの対応をまずして欲しい」という「ある意味当たり前の話」です。中西経団連会長の出身企業である「日立製作所」なら「コロナのダメージは大して無い」「だから解散しても問題ない」かもしれませんが、日本経済全体で考えれば「まずコロナ対策してくれ」となるのは当たり前です。
 ただし、紹介はしませんが、コメント欄でバルトフェルドさんからご指摘があるように「一部の世論調査で何故か、安倍政権支持率がアップ」ということで「安倍が辞意表明してこれとは、菅でアレ誰でアレ、看板を変えれば政権支持率が上がるかもしれない」と自民党幹部連中が「思い上がりつつある」ようです。まあ、実際に「菅政権とやらが誕生した際」の支持率を見た上で無ければさすがの自民党も解散はしないでしょうが「ご祝儀相場でやたら高かったりしたら(その危険性はアホの日本国民ではゼロとは言えません)」、解散という可能性や「解散後、アホの日本国民によって自民勝利」という可能性は「ゼロとは言えない」かもしれません(とはいえ仮にそうなったとしても菅政権が長期政権になるとはとても思えませんが)。
 まあ、何があるにせよ、俺は共産支持ですが。


自民・下村氏「10年後に女性議員3割」 二階氏に申し入れ - 産経ニュース

 自民党下村博文選対委員長は7日、10年後の令和12年に国会や地方議会での女性議員の割合を3割にすることを目指し、候補者の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」の導入を柱とした人材発掘に関する提言を二階俊博幹事長に手渡した。

 「10年後に3割」と言う目標を「低いと見なすか、高いと見なす」かはともかく。
 こんなことを言ったからと言って「極右・下村」を評価する気は全くありません。
 また、「別にクオータ制度導入しなくても、『自民に話を限れば』自主努力で3割にできるだろ、確か、共産は既に3割超えてるし。自民は3割超えてるけど他の党が越えてないからクオータ制導入というならまだしも、自主努力で3割ができない人間が何言うてるの?」ですが、ウヨ連中が「逆差別だ」「能力のある女性ならそんなもんがなくても議員になれる(例:自民の女性議員)」として「導入に極めて否定的なクオータ制」の導入を「どこまで本気かはともかく」、下村が主張するとはびっくりです。
 まあ個人的にはクオータ制よりも「小選挙区の廃止」と「供託金の廃止(あるいは大幅減額)」の方が「女性議員増加に有効」かつ「民主主義の観点からベター」だと思いますが。

*1:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣農水相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*2:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*3:著書『忠誠と反逆』(1998年、ちくま学芸文庫)など

*4:法政大学名誉教授。全国革新懇代表世話人。著書『徹底検証 政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2005年、法律文化社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『対決 安倍政権:暴走阻止のために』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)、『打倒安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)など。

*5:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*6:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官を歴任

*7:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*8:大蔵次官から政界入り。吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*9:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*10:国民協同党書記長、委員長、片山内閣逓信相、改進党幹事長(重光総裁時代)、鳩山内閣運輸相、自民党幹事長(石橋総裁時代)、政調会長(岸総裁時代)、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣経済企画庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*11:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*12:自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田、中曽根内閣文相などを経て首相

*13:著書『日本外交』(1989年、岩波新書)、『新しい世界秩序と国連』(1991年、岩波セミナーブックス)、『外交官』(1991年、講談社現代新書)、『「国際貢献」と日本』(1992年、岩波ジュニア新書)、『「国連中心主義」と日本国憲法』(1993年、岩波ブックレット)、『ここが問題新ガイドラインQ&A』(1997年、青木書店)、『茶の間で語りあう 新ガイドライン』(1998年、かもがわブックレット)、『中国をどう見るか?』(2000年、高文研)、『集団的自衛権日本国憲法』(2002年、集英社新書)、『戦争する国しない国』(2004年、青木書店)、『13歳からの平和教室』(2010年、かもがわ出版)、『ヒロシマと広島』、『広島に聞く 広島を聞く』(以上、2011年、かもがわ出版)、『すっきりわかる! 集団的自衛権』(2014年、大月書店)、『日本政治の病理:丸山眞男の「執拗低音」と「開国」に読む』(2020年、三一書房)など