今日の産経ニュース(10/29分)

メルケル*1独首相、今期限りで引退 党会合で「出馬せず」表明
https://www.sankei.com/world/news/181029/wor1810290021-n1.html
メルケル独首相、与党党首再選を断念 首相は(ボーガス注:与党党首が選出されるまで当面)継続…後継選び議論加速
https://www.sankei.com/world/news/181029/wor1810290020-n1.html
 2005年から首相、つまり10年以上やってるという政権の長さ(佐藤栄作*2(7年)よりも長いし、2005年当時のG7首脳(ブッシュjr*3米国大統領、ブレア英国首相、シラク*4・フランス大統領、日本の小泉*5首相など)はメルケル以外すべて退陣している)や「最近極右政党が躍進して苦境に立ってること(とはいえもちろん、メルケルの党は社民化するわけにも、極右化して極右と争うわけにも行かない)」を考えればいつ引退してもおかしくないのですがびっくりですね。
 ちなみにこのメルケルよりも長い「現時点での最長記録・首相在位16年」が「東西ドイツ統一で歴史に名を残した」コールです。
 ドイツは西ドイツ時代も含めてコール、メルケル以外も「アデナウアー*6(14年)」「シュミット*7(8年)」「シュレーダー*8(7年)」と日本と比べ、比較的、長期政権が多いのでマジでびっくりです(もちろん一方で短命政権もありますが)。「ロシアのプーチン*9(2000年から大統領)」のような独裁ないし「極めて独裁色の強い政治体制(メディア操作などがされてるとは言え、一応プーチンロシアは選挙をやってますので)」でなく一応民主国家の訳ですからね。
 メルケルらの有能さを認めた上での話ですが、国民性なのか、政治制度のゆえんか。まあ「サッチャー(11年)やブレア(10年)が長期政権だった英国」「ミッテラン(2期14年)やシラク*10(2期12年)が長期政権だったフランス*11」もそうですが「任期制限がない(米国(2期8年)はある)」つうのは大きいでしょうけどね(もちろん英国やフランスもドイツ同様、一方で短命政権はありますが)。
 まあ、ただ日本は任期制限がなくても「英国やドイツ、フランスより短い」のでそれだけが理由ではあり得ないわけですが。
 日本と英国、ドイツ、フランスの違いをどなたかにご教示いただけると実に幸いです。


■【主張】離島対策 航路確保で国境安保図れ
https://www.sankei.com/column/news/181029/clm1810290002-n1.html

 国境の離島は日本の守りの最前線である。そこで暮らす人々の存在が領土保全に直結する。
 長崎県新上五島町五島産業汽船が2日、五島列島長崎市などを結ぶ定期3航路の休止を突然発表した。他社の航路に参入して赤字が膨らみ、銀行取引停止になったためだ。
 島民の要望に危機感を持った元従業員らの尽力で、2週間後に航路の一部が再開された。
 だが、離島で赤字経営に苦しむ船会社とその影響を受ける地域の話にとどまらない。五島のような国境の島の保全、振興は、安全保障の観点からも重要である。

 「産経は正気なのか?」ですね。離島に攻め込む国などまずないでしょう。したがって全然「日本の守りの最前線」ではない。
 なぜ攻める国がないかと言えば「侵略国家として非難される、場合によっては経済制裁を食らう恐れもわりに」は「石油などの鉱物資源でも島から出ない*12限り」メリットがないからです。漁業なんて今時たいした利権じゃない。
 人口は少ない、「多くの場合土地も狭い」、そして病院、スーパーマーケットなど生活インフラも不十分なことが多いし、「企業進出などほとんどない」「今時、農業や漁業では食うことが難しい」ので働き場所も島外に行かないといけないことが多い、その結果、島の人口が減ってることも多い、なんてところを攻め込んで何のメリットがあるのか。そもそも、極端な話、「無人島になったって」国防という意味に限れば問題は何もないでしょう。住民がいなくたって自衛隊で守れるわけですから。
 いやむしろ住民がいない方が、自衛隊にとって島は守りやすいでしょう。敵国の軍事攻撃から住民を守る必要がないからです。
 離島支援とはそういう国防云々という話ではない。離島でも現実に住んでる人がいる以上、「生活が不便でも仕方ないんです、離島だから。フェリーの本数が減っても仕方ないんです」「過疎化が進んで無人になってもいいんです、無理に離島に住むことはない」でいいのか、つう話です。
 よくないと思うから支援する、それだけの話です。

*1:コール内閣環境相キリスト教民主同盟(CDU)幹事長などを経て首相

*2:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相などを経て首相

*3:テキサス州知事を経て大統領

*4:首相、パリ市長などを経て大統領

*5:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*6:ケルン市長、キリスト教民主同盟(CDU)幹事長などを経て首相

*7:ブラント内閣国防相財務相などを経て首相

*8:ニーダーザクセン州首相などを経てドイツ首相。

*9:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領

*10:首相、パリ市長などを経て大統領

*11:ただし「ミッテランシラク時代は任期制限がなかった(彼らが2期でやめたのは単に自主的引退に過ぎません)」のですが、今は「2期10年」の任期制限があります。

*12:まあそういう資源が出るようなら過疎など問題にそもそもならないでしょうが。