今日の中国ニュース(2019年3月23日分)

中国、パラオに猛烈な揺さぶり…観光狙い撃ち : 国際 : 読売新聞オンライン

 独立志向の強い民進党の蔡氏*1が総統に就いた2016年以降、中国はパラオに対し、外交関係の見直しを求め圧力を強めてきた。
 なかでも観光産業が狙い撃ちされた。
 旅行業者による団体ツアー実施に許可がいる中国で、無許可のパラオ行きツアーは黙認され人気を集めていたところ、中国政府が取り締まり強化に転じた。
 パラオを訪れる中国人は、15年度に約9万1000人だったが、18年度に約5万人と45%も減った。パラオを訪れる外国人観光客のうち、中国人は4~5割を占める。観光が国内総生産(GDP)の4割以上を占めるパラオは、中国に生命線を握られているようなものだ。
 パラオ政府観光局のステファニー・ナカムラ代表は「観光客の急減で、多くのホテルは従業員解雇を余儀なくされた」と語った。
 パラオは、台湾が外交関係を維持する17か国*2の一つだ。台湾はこれまで、農地開発や公民館建設などでパラオを支援してきた。
 今後もパラオをつなぎとめようと懸命だ。蔡総統はレメンゲサウ*3大統領との会談で、沿岸警備用の船舶の贈呈を約束した。
 台湾最大手の中華航空は、2月中旬から台北パラオの直行便を週2便から3便に増やし、6月からはさらに週4便に拡大する。日本の旅行関係者も「採算度外視では」と驚くほどだ。
◆ドタキャン
 中国政府が足元で締め付けを強める一方、中国の民間企業が今年1月、パラオ国際空港近くで、大型ホテルの建設を始めた。中国政府が、巨大経済圏構想「一帯一路」政策の一環として後押ししており、「アメとムチ」で揺さぶりをかける思惑が透ける。
 台湾紙によると、パラオのサビノ・アナスタシオ下院議長が「台湾から中国への外交関係の切り替えが、近いうちに起きるかもしれない」と発言した。
 22日には、蔡氏とパラオの上下両院議長との面談が「家族の見舞い」などを理由に土壇場でキャンセルされた。

 パラオを巡る中国と台湾の綱引きが果たしてどうなるか。しかしこうなったのは「落としどころも考えずに蔡英文が支持層(独立派、反中国派が多い)にこびて、馬英九*4前総統の対中外交を否定するかのような言動をし、中国の反感を買ったから」なので、正直、中国を一方的に非難する気にはなりません。
 馬総統時代にはこんなことはなかったわけですから。

*1:副首相、民進党主席などを経て総統

*2:キリバスソロモン諸島、ツバル、パラオマーシャル諸島ナウルエスワティニ(旧称:スワジランド)、グアテマラ、セントクリストファー・ネービス、セントビンセントおよびグレナディーン諸島ニカラグア、ハイチ、パラグアイベリーズホンジュラスセントルシアバチカンのこと

*3:副大統領を経て大統領

*4:連戦内閣法相、台北市長を経て総統