「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年5/14分:荒木和博の巻)

武藤元大使との対談(「海外事情」5・6月号): 荒木和博BLOG
 嫌韓国ウヨ・荒木と対談して恥じないようなウヨが元駐韓大使だというのだから呆れて二の句が継げません。


■荒木のツイート

荒木和博
 Web論座の連載(藤生*1編集委員)の2回目です。私も(ボーガス注:高池氏同様)自分自身はあくまで社会主義者であって保守ではないと思っています。
「反マルクスの社会主義」 民社党の遺伝子 - 藤生 明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

「反マルクスの社会主義」 民社党の遺伝子 - 藤生 明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
 予期せぬ答えが返ってきた。「ぼくは社会主義者。今でも」「保守とは呼ばれたくない」
 新しい歴史教科書をつくる会会長を務める高池勝彦*2弁護士。
 弁護士から思いがけない言葉を聞いたのは3月上旬、都心の法律事務所だった。
 取材の途中、高校時代から憲法改正に熱心だったのに、なぜ自民党学生部ではなく民主社会主義の学生団体や社思研に入ったのか、高池氏に尋ねたときだ。冒頭のような言葉が返ってきたのだ。
 前後関係を含めて記せば、「自民党は嫌い。正直言えば今だって嫌いだよ。ぼくは社会主義者だから、今でも」。
 そして、自分たちの運動が保守とくくられることにも首をひねった。
 「ぼくはあまり保守と呼ばれたくないんだよなあ*3」。

 「はあ?(唖然)」ですね。藤生氏や俺だけでなく多くの人間にとって「はあ?」でしょう。
 「僕らは旧民社党員です!。旧民社党は民主『社会主義』なんです!。英国労働党やドイツ社民党などの仲間です。自民とは違うんです」と高池や荒木にいわれても

塚本三郎*4民社党消滅後に自民から立候補したことあるのにそういうこというか?」
つくる会会長がそういうこというか?。ドイツ社民党南京事件を否定する手前らみたいにナチの犯罪を否定してるのかよ!」
「今の社民党や昔の社民連ならともかく、お前らのどこが英国労働党やドイツ社民党の仲間なんだよ?。」
「むしろドイツ国社会主義労働者党(ナチス)の仲間、つまり『国家』が頭につく『国家社会主義政党』の仲間だろ、お前ら」
「じゃあお前らが親しい産経は社会主義の新聞なのか?」

ですよねえ。
 旧民社の連中ってのは、荒木や高池以外も本気でこんなこと思ってるのか。一寸話が通じませんね。
 「反マルクス」つうか「反ソ連型」の社会主義ならもちろん「英国労働党やドイツ社民党」などがありますが旧民社をそういう代物だと思ってる人はまず居ないでしょう。何度も書いてますがむしろ「日本共産党の方が相対的に旧民社より社民主義に近かった」わけです。
 ソ連批判なら日本共産党も「プラハの春弾圧」「アフガン侵攻」など批判していましたし、社会党と共闘して美濃部都政を誕生させたり、創価学会と協定を結んだり、「連立政権構想(1970年)」を発表したりすることで共産党は次第に「戦後直後のソ連の影響が強い党」から「いわゆるユーロコミュニズムイタリア共産党などに近い方向」へ変化していき、そのことによって「社民政党というより反共右翼政党」の民社党の「存在価値も落ちていった」といっていいでしょう。その後、社民連が誕生したことでなおさら民社党の価値は落ちるわけです。
 しかし世界広しといえども「社民主義の看板を掲げた極右政党」なんて旧民社だけでしょう。なんでそんなもんが日本に誕生したのかは興味深いところです。世界一般の社民主義政党とはあまりにもかけ離れてますからね。

民社党の志とは、民社の遺伝子を残すこと。遺伝子とは民社党に始まるものではなく、戦前から続く運動の歴史の中にある。
・それは安部磯雄が主導した1901年の社会民主党*5、同じく安部が創立した1926年の社会民衆党、どちらかを起点*6とする民主的な社会主義政党の歴史である。
・そこを貫くものは弱肉強食の経済を打破し、貧困と不条理をなくすこと。そのため左右の全体主義に反対*7し、自由と民主主義の政治を実現することである。
・自由にして民主的な労働運動を支援し、階級的労働運動を打破する。
・幻想的な平和主義を排し、現実的な平和主義を進めること。日本の伝統を尊重し、継承することである。
・戦前の安部磯雄*8や鈴木文治*9らユニテリアンが共有した理念「自由の拡大、社会問題の解決」は民社党の志の原点、背骨である。

 唖然ですね。単なる「一般的な労使協調型労組」なんて甘いもんでは旧民社・同盟はないでしょう。
 「現実的な平和主義」といえば聞こえはいいですが、反共主義から中国やソ連を敵視し、ただただ軍拡一本槍ですからね。
 「弱肉強食の経済を打破し、貧困と不条理をなくすこと」て「お前ら、いつそんなことやったの?。右翼運動しかやってねえだろ?」ですよね。
 つうか「安部磯雄(1949年死去)や鈴木文治(1946年死去)」なんか持ち出してる時点で「1960年の民社党創立メンバー(初代委員長・西尾末広*10、初代書記長・曽祢益民社党顧問・片山哲*11など)が何で持ち出せないの?。安部も鈴木も旧民社創立者の師匠かもしれないけど、直接の創立者と違うヤン。1960年にはもう死んでるヤン」て話です。
 まあ俺が思うに「安部も鈴木も1960年結党の旧民社党ほど極右ではなかった」んでしょうね。だから旧民社に都合がいいから持ち出す。
 ちなみに西尾末広ら、旧民社党の連中(当時は社会党右派)が「社会党にいたとき」に岸信介*12を入党させようとして、「岸なんか入党させられるか」と社会党左派に批判されて入党話がぽしゃったという有名な話がありますね。
 A級戦犯容疑者となった岸の弁護についた弁護士は社会党右派*13の三輪寿壮(1894生まれ~1956年死去。1952~1956年まで代議士)という人間ですし、三輪の葬儀(1956年)では岸が友人として

「本当に残念だ。これで政権を渡す相手がいなくなった」

云々という弔辞を読んだといいます(ウィキペディア岸信介」「三輪寿壮」参照)。旧民社の連中は昔からウヨだったわけです。
 まあ、旧民社の前身*14である社会大衆党

社会大衆党ウィキペディア参照)
 社会大衆党は陸軍統制派に迎合・接近していく。親軍路線を主導したのは、麻生久書記長(後に党首)を中心とするグループであった。麻生は1934年「戦いは文化の母である」と主張する「陸軍パンフレット」を「広義国防論」(戦争協力とひきかえに国民の社会権の保障を求める主張)の観点から支持。1937年に行われた総選挙で第3党に躍進する倍増の38名当選の成果を得たが、同年の日中戦争勃発を受けて、「国体の本義」を支持する新綱領を制定。1938年の党大会では新建設大綱が決定され、全体主義を原則とする党となることを明確にした。
 1939年には中野正剛率いる右翼政党・東方会との合併を試み、右翼との連携を模索していた。
 その後も軍部との関係を強化し、1940年3月には、斎藤隆夫の反軍演説による懲罰動議に対して反対の姿勢を示し欠席・棄権した党首の安部磯雄片山哲、鈴木文治、西尾末広松本治一郎*15、水谷長三郎*16ら8名*17に対し、麻生主導で除名処分にするなど、より親軍部の立場を鮮明にした。同7月に立憲政友会、立憲民政党の二大政党よりも早く、先頭切って自発的解散の形をとって消滅、大政翼賛会に合流した。

というウヨ政党ですしねえ。

*1:著書『ドキュメント 日本会議』(2017年、ちくま新書)、『徹底検証 神社本庁』(2018年、ちくま新書

*2:著書『反日勢力との法廷闘争:愛国弁護士の闘ひ』(2018年、展転社

*3:社会党共産党幹部はともかく、むしろ社会党員、共産党員や支持者の中に「僕はアンチ自民なだけであまり左翼とか社会主義者とか呼ばれたくないんだよなあ。護憲とか福祉重視(「福祉の重視」自体は社会主義ではありません)とか社会主義以外のことでもっぱら支持してるんで」つう人が居るのは不思議ではないですが、高池や荒木のような極右がこう言うとはまるきり理解できません。

*4:民社党書記長、委員長を歴任。国家基本問題研究所理事、「頑張れ日本!全国行動委員会」愛知県本部顧問、「明治の日推進協議会」会長という右翼活動家。

*5:ウィキペディア社会民主党」によればこの党のメンバーには片山潜(後にソ連に亡命)や幸徳秋水アナキスト)、堺利彦社会党左派)がいますので旧民社ほど右寄りではないでしょう。

*6:どちらも旧民社だけでなく「日本社会党のルーツ」でもあるので「何だかなあ(苦笑)」ですね。

*7:どう見ても旧民社は「右の全体主義」なのによくもいったもんです。

*8:社会民衆党党首、社会大衆党委員長、日本社会党顧問を歴任。また早稲田大学野球部長、東京六大学野球連盟会長、日本学生野球協会会長を歴任。「日本学生野球の父」と呼ばれ野球殿堂入りしている。

*9:日本労働総同盟会長

*10:社会党書記長、片山内閣官房長官、芦田内閣副総理、民社党委員長など歴任

*11:社会党書記長、委員長、首相を歴任

*12:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*13:旧民社誕生前に病死しています。おそらく存命なら旧民社に幹部として参加したでしょう。

*14:まあ「旧民社だけでなく社会党の前身」でもありますが、麻生のウヨ路線に賛同するような連中はほとんど旧民社人脈でしょう。

*15:全国水平社議長、部落解放同盟委員長を歴任。菅内閣環境相を務めた松本龍・元衆院議員の祖父。

*16:片山、芦田内閣商工大臣、民社党国会議員団長など歴任

*17:このうち、安倍、片山、西尾、水谷が旧民社の創立メンバーです。