野原燐に突っ込む(2019年6月22日分)

野原燐がリツイート
・大塚八坂堂*1・単行本「大政翼賛会のメディアミックス*2」発売中
‏ 娘の結婚に余計なこと言って口聞いてもらえなくなった親、なんてよくある光景。なのに「天皇制」を支持する人たちは、国民が親戚の集まりみたいに彼らの結婚にとやかくいうことを国民の権利みたいに思ってないか?。それは当然、「国民の総意」とは違う。

 真子さんの件についてはあまり興味もないし、何か言うのは「ワイドショーののぞき趣味的」でいやですが、まあ、あえていえば、野原や大塚英志みたいに「個人の自由でどうでもええやん」つうわけにはいきませんよねえ。税金で象徴として生活してるわけですから。
 週刊誌が報道する「真子さんの恋人・小室君の借金トラブル」が事実なら、「彼女の両親」や「我々国民」が反対するのは当然でしょう。
 野原らが「借金トラブルは事実無根」だの「事実でも結婚を認めるべきだ」つうなら話は別ですが、俺はそういう立場ではないですね。
 つうか是非はともかく「ダイアナ生前からの不倫相手と、チャールズが結婚するのどうよ?」つう批判は英国でもあるので、まあこういう反応は日本だけの反応でもないですし。

野原燐
安倍首相、大失敗のイラン訪問日本に挽回の可能性はあるのか? | BEST T!MESコラム
 「トランプとハーメネイは戦争を望んでいないので、偶発戦争の危険性は、アメリカ側ではポンペオら*3、イラン側では保守派の法学者とイラン革命防衛隊の中の強硬派にあります*4。」
 トランプと安倍は今回戦争を望んでなかった*5。今回安倍を叩いた人の政治センスはどうかしている。

 野原先生の言う「政治センスがどうかしている今回安倍を叩いた人」つうのは具体的に誰のどんな発言なのか(なお、野原が引用する安倍首相、大失敗のイラン訪問日本に挽回の可能性はあるのか? | BEST T!MESコラムの書き手である、中田考・元同志社大教授も「安倍イラン訪問はそうした米国やイランの強硬派を押さえ込むことが出来たか疑問だし、押さえ込む計算がされていたかどうかも疑問だ」として安倍イラン訪問に批判的です)。
 例えば浅井基文先生(元外務官僚、元広島市立大学広島平和研究所所長)のハメネイ師と安倍首相の会談-「トランプの5つの要求」-や五十嵐仁・法政大名誉教授、全国革新懇代表世話人6月17日(月) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント:五十嵐仁の転成仁語:So-netブログはそれにあたるのか。
 大体、浅井氏、五十嵐氏も指摘していますが「ハメネイ自体が安倍の訪問について明らかに評価してない」わけです。それなのにこんな「安倍擁護ツイート」する野原の政治センスの方がよほどどうかしてるでしょう。
 「ハメネイに評価されないような訪問に何か意味があるのか」「そもそも安倍はイラン訪問でどういう成果をどう上げる気だったのか。単に話題作りで訪問しただけじゃないのか(浅井氏や五十嵐氏、中田氏の批判)」という安倍批判の何が問題なのか。俺はそうした安倍批判は全く正しいと思いますよ。
 しかしこんなツイートする野原って本当は「安倍が好きなウヨ」なんでしょうね。いや俺も安倍が実行者だろうが評価に値することなら評価しますよ。これは「まともな安倍批判者」なら浅井氏も五十嵐氏も野党各党もそうでしょう。
 たとえば

児童虐待防止 監視でなく支援拡充を/改正法成立 倉林議員が賛成討論/参院本会議
 児童虐待防止対策の強化を図る改正児童福祉法等が19日の参院本会議で、全会一致で可決・成立しました。

のような全会一致で成立した政府提出法案なんかはそうでしょう(ただし、「安倍でも評価できる件」の場合、ほとんどは別に安倍が首相でなくても、谷垣総理や石破総理などでも実行されたでしょうし、一方、安倍が批判される事件はほとんど「安倍以外の首相ならたぶんやらない愚行(例:モリカケ)」ばかりですが)。しかし成果のない訪問が評価できるわけがないでしょう。
 「安倍は米国とイランの戦争を避けようとしてイラン訪問した。だから偉い」て政治ってのはそういう「動機だけで評価できるもんではない」でしょうに。いやそもそも安倍にそんな高尚な動機があるかどうかも疑問ですが。
 「安倍総理のおかげでウイグル政治犯が解放された」という放言の時から野原には「本当は安倍が大好き」という愚劣さには何の変化もないようで呆れます。

*1:著書『システムと儀式』(1992年、ちくま文庫)、『「りぼん」のふろくと乙女ちっくの時代』(1995年、ちくま文庫)、『少女民俗学』(1997年、光文社文庫)、『教養としての〈まんが・アニメ〉』(共著、2001年、講談社現代新書)、『「彼女たち」の連合赤軍サブカルチャー戦後民主主義』(2001年、角川文庫)、『人身御供論』(2002年、角川文庫)、『少女たちの「かわいい」天皇サブカルチャー天皇論』(2003年、角川文庫)、『物語消滅論』(2004年、角川oneテーマ21)、『江藤淳と少女フェミニズム的戦後』(2004年、ちくま学芸文庫)、『<伝統>とは何か』(2004年、ちくま新書)、『憲法力』(2005年、角川oneテーマ21)、『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』(共著、2005年、角川oneテーマ21)、『戦後民主主義リハビリテーション』(2005年、角川文庫)、『「捨て子」たちの民俗学小泉八雲柳田國男』(2006年、角川選書)、『怪談前後:柳田民俗学自然主義』(2007年、角川選書)、『護憲派の語る「改憲」論』(2007年、角川oneテーマ21)、『物語論で読む村上春樹宮崎駿』(2009年、角川oneテーマ21)、『映画式まんが家入門』(2010年、アスキー新書)、『キャラクター小説の作り方』(2013年、星海社新書)、『「おたく」の精神史:一九八〇年代論』(2016年、星海社新書)、『日本がバカだから戦争に負けた:角川書店と教養の運命』(2017年、星海社新書)、『殺生と戦争の民俗学柳田國男千葉徳爾』(2017年、角川選書)など

*2:2018年、平凡社

*3:「ら」に入るのはたとえばボルトンでしょう。

*4:こうした野原や「野原が紹介する中田氏」の物言いも酷いですね。「建前は最高指導者とはいえ、ホメイニほどのカリスマはなく、何でも出来るわけではないらしいハメネイ」はともかくポンペオを国務長官に選んだのはトランプでしょうにこんなことがいえるわけがないでしょう。

*5:安倍はともかく、トランプ氏、イラン攻撃を10分前に中止 ツイッターで明らかに - 産経ニュースというトランプのどこが「戦争を望んでない」のか?。トランプ発言が「イランに対するただの恫喝。全くのウソであり、攻撃など最初から考えてない」というのでない限り、彼は直前までイラン攻撃する気だったわけです。野原も本当に変な男です。