黒坂真に突っ込む(2019年9月22日分)

■黒坂ツイートにコメント

黒坂真リツイート
‏ 吉岡正史さん。日本共産党はイランが核兵器保有する事を認める*1のでしょうか。合意をしても着実に核兵器製造を進めていた可能性があります。

吉岡正史
志位委員長会見・一問一答から
 日本共産党志位和夫委員長は21、22の両日、参院選の結果を受けて記者会見を行いました。抜粋して紹介します。
■質問
 米国から要請されている中東「有志連合」です。明日、ボルトン米大統領補佐官が来日し、岩屋防衛相と会談しますが、選挙中に一切触れなかったのは、争点隠しではないか。この点を追及する考えはありますか。
■志位
 (政権・与党が)参院選挙のさなかに起こった問題で、態度をあいまいにしたまま選挙戦をやったことは大きな問題だと考えています。
 私たちとしては、自衛隊の派兵には断固反対だという表明をしてきました。いま起こっているイランをめぐる危機をみるさいに、危機をつくった根源はトランプ政権がイラン核合意から一方的に離脱したというところにあるわけで、自分で危機をつくり出しておきながら、軍事的な対応をするというのは根本的に間違いであり、それに自衛隊が参加することもまったく道理がない。私たちとしては、断固反対の態度表明を選挙中もいたしましたし、大いに訴えました。
 イランにも自制を求めることが必要ですが、トランプ政権にイラン核合意に戻るよう働きかける政治的解決のための外交努力こそ必要です。

 「英仏独からも『破棄すべきではない』と批判があったのに『イラン核合意を守ってもイランが核保有する可能性がある』『あの合意をしたのは前任者オバマであって私ではない』としてトランプが核合意を破棄したのは問題だ。トランプはどうやって問題を解決する気なのか」「まずはトランプがイラン核合意に復帰すべきだ」という「志位委員長発言(参院選直後の7/22発言でだいぶ前ですが)」を紹介する吉岡ツイートへの黒坂の因縁ツイートです。
 あきれるしかないですね。

 『イラン核合意を守ってもイランが核保有する可能性がある』『あの合意をしたのは前任者オバマであって私ではない』

というトランプの言い分を正当化して黒坂はどう問題を解決する気なのか。そもそも志位氏も指摘するようにトランプの行為を批判してるのは共産党だけではない*2のに何でこの件で「共産党だけに因縁をつける」のか。
 そして「前任者のしたことだから関係ない」「問題は国益に合致するかだ」というトランプの言い分を認めるなら、たとえば、文大統領が「ジーソミアや日韓慰安婦合意」という「前任者・朴クネ」のしたことを「国益に反するから引き継がない」としたところで少なくとも「約束を守れ」とは言えませんが、「約束を守れ」といったのが黒坂ら日本ウヨではないのか。もはや黒坂には「論理的整合性」「問題をどう解決するか」といったことはどうでもよく、共産党関係者に因縁さえつけられればオーケーのようです。繰り返しますが心底呆れます。

黒坂真
‏ 中野顕さん。日本が日清・日露戦争は韓国と満州への侵略戦争だったと認めると、韓国は竹島を返すだろうという呟きですが、韓国は日本が弱体化したら対馬を韓国に返せ*3と要求してくるでしょう。

 もちろん中野氏はそんなことは一言もツイートしてません。彼のツイートは要約すると

・認めるべき非を認めないと、『日本(安倍政権や産経新聞)は慰安婦問題や南京事件などで嘘八百なんだから、他の件(この場合、竹島領有権)も信用できない』とイソップ童話の『オオカミ少年』になって領土問題での主張も国際社会に信用されず、日本が不利になるから認めるべき自らの過ちはつらくても認めるべきだ。
・大体嘘をついて相手(この場合、韓国)の感情を害してどうやって領土返還の外交交渉をするのか*4。外交交渉以外に返還の道があるのか。武力で取り戻すことなどできはしない

という当たり前の話です。
 それを「日本の非を認めれば韓国から竹島が返る、と主張した」と歪曲して「そんな保証がどこにあるのか、韓国政府がそういったのか」などと非難しだすのだから呆れて二の句が継げませんね。
 「チョメチョメ(中野氏の場合は韓国の竹島返還)してほしいなら前提条件としてホニャララ(中野氏の場合は、日本の侵略戦争、植民地支配の非を認めること)すべきだ、ホニャララしなければチョメチョメはあり得ない(中野氏)」という主張は当たり前ですが「ホニャララすればチョメチョメが実現する(黒坂の言いがかり)」という話ではない。
 たとえば「プーチンが返還の前提として要求しているから、北方領土に米軍基地を置かないと約束しなければ島なんか帰ってこない(チョメチョメが北方領土に米軍基地を置かないと約束、ホニャララがロシアの北方領土返還)」という主張は「米軍基地をおかないと確約すれば島が返ってくる」という意味ではない。だから、「黒坂ではなく」常岡や黒井文太郎の主張ですが、常岡らが「北方領土に米軍基地を置かないと約束しなければ島なんか帰ってこない」という主張に「そんなことをしても島は帰らない」というのは何ら批判になってないわけです。

黒坂真
‏ 林潤*5議員。英国から日本は(ボーガス注:中国や東南アジアの)侵略をした、と言われると何だそれは、と反感を抱くのが普通の日本人だと考えます。

 何のことかというと
英軍ラグビーチームの靖国神社訪問にネトウヨ大喜びもイギリスで大問題に! タイムズ紙「靖国は攻撃的ナショナリズムの培養器」|LITERA/リテラなどで報じられた*6「英国政府の靖国への態度」をネタに「英国でもあの戦争は侵略とみなされてる」「そして英国でもA級戦犯合祀は東京裁判否定、戦前美化とみなされてる」「だから安倍総理はもちろん政治家は靖国参拝などすべきではない」などと林氏が批判ツイートしたことへの黒坂の逆切れです。
 黒坂にとっては「英国に反感を抱く」のが「普通の日本人」でしょうがそれどう見てもただの戦前礼賛極右でしょう。
 大体英軍ラグビーチームの靖国神社訪問にネトウヨ大喜びもイギリスで大問題に! タイムズ紙「靖国は攻撃的ナショナリズムの培養器」|LITERA/リテラ林ツイートも指摘していますが、英国側は「泰緬鉄道の強制労働で英国人捕虜に多数の死者が出たこと」「にもかかわらず靖国が泰緬鉄道をただただ美化してる事」を批判しています。
 つまり英国は「泰緬鉄道の強制労働被害者」という当事者のわけです。その当事者の批判に対して黒坂の物言いは醜い居直りでしかありません。
 もちろん黒坂は「英国は香港やマレーシアを侵略したくせに(以下略)」と言いたいわけですが、そんなことと「日本の起こした日中戦争、太平洋戦争が中国や東南アジアへの侵略かどうか」「泰緬鉄道の強制労働が違法かどうか。英国に抗議、批判されて当然の所業かどうか」と関係ないわけです。
 この黒坂の理屈なら「米国はフィリピンを侵略した」「フランスはアルジェリアベトナムを侵略した」「オランダはインドネシアを侵略した」「だから日本批判するな、黙れ。バターン死の行進(米国人捕虜が犠牲になった)などで日本を批判するな」ということになるのでしょう。およそ正気ではありません。安倍や産経ですらこんなことは公言できないでしょう。

*1:もちろん「核合意に復帰せよ」という主張は「核保有を認めてるわけではない」。認めてるのだったらオバマ政権がそんな合意をするわけがないでしょう。そして「イランにも自制を求めることが必要ですが」という志位発言をどうすればそんなでたらめな理解ができるのか。

*2:共産主義と関係ない話なので当然ですが。

*3:いつ韓国がそんな要求をしたのか?、という話です。

*4:まあ無意味に相手を憤慨させたら外交が成り立たないつうのは日韓関係に限りませんが。

*5:日本共産党岡山市

*6:これについては以前、拙記事今日の産経ニュース&しんぶん赤旗ほか(2019年9月20日分) - bogus-simotukareのブログでも紹介しました。